司法書士の将来性はない?AIによる需要への影響等の観点から徹底解説!

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「司法書士に将来性ってあるの?」

「将来的な需要について詳しく知りたい!」

司法書士の資格を取得したいけれどこれからの時代に本当に必要なのか、将来性は低くないか、と悩んでいる方は多いかもしれません。

ここでは司法書士資格を取得した人の実態や、司法書士の業務の需要から、司法書士の将来性について解説します!

これからの時代、司法書士がどのような点で需要があり、どれほどの将来性が期待できるのか知りたい方は、ぜひお読みください。

司法書士の将来性についてざっくり説明すると

  • 従来のメイン業務であった不動産登記などは減少傾向にある
  • 後見人制度に関わる業務や相続に関わるなどは増加中
  • 司法書士の将来性は安定して高い

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司法書士の【需要】から見る将来性

看板 司法書士の資格を取得する試験は、非常に合格率が低いことで有名です。

その合格率は毎年約4~5%前後であり、その難関の試験を勝ち抜いた人だけが司法書士を名乗ることができるため、とても信頼度が高い資格と言えます。

また、司法書士試験を受験する人が減少していることも、業界での問題の1つとなっているため、これから司法書士になる人への需要は年々高まってきています

司法書士の求人の基本は司法書士事務所となりますが、需要はそれだけではありません。

例えば、上場をしているような大手企業なら法務を取り扱う部門を自社内に持っていることが多いです。

そこで法律関係の手続きなどを全て完結させるなら、法律関係に強い人材がとても重宝されるので、司法書士の資格が役立つでしょう。

また、司法書士の仕事は行政書士の仕事とも関連することが多いため、行政書士事務所から求められることもあります。

よって、需要が衰えることは想像しづらく、将来性も需要の観点からは高いといえるでしょう。

司法書士の【仕事】から見る将来性

仕事の様子 司法書士と一口に言ってもその業務内容は多岐に渡ります

最もポピュラーな業務内容である不動産登記・法人登記の代理や裁判所・法務局等に提出する書類の作成、国家機関の供託所での財産の預かり制度である、供託の手続きの代理や後見人・保佐人等の代理、相続に関わる業務などが挙げられます。

多種多様な業務内容があることが分かりますが、その中でも今後需要が高まっていく将来性のある業務から、すでに減少傾向にある業務まで様々です。

不動産登記・法人登記の代理

先ほど挙げた様々な司法書士の業務の中でも、メイン業務となっているのが登記申請業務です。

中には債務整理を行う事務所もありますが、基本的には不動産登記業務で事務所を運営している場合が多いです。

そのような、司法書士の主力業務ではありますが、近年不動産登記の件数は減少してきています。実際、平成4年に約1800万件あった登記件数が、平成28年には約1100万件にまで減少してしまっています。

これらは、景気の低迷や人口の減少などが原因だと言われているため、今後も減少傾向が続く可能性は否めません。

また、不動産登記の手続き内容は、以前に比べて簡素化され分かりやすくなっています。

そこから、数万〜数十万円かかる代行手数料を節約するために、司法書士に頼まずとも自分で手続きしてしまうという一般の人も増えてきていて、それも不動産登記業務減少の一因と言えるでしょう。

裁判所・法務局等に提出する書類の作成

裁判所や法務局等へ提出する書類を作成するのも、司法書士の業務の1つです。

その中でも、法務局への書類申請は司法書士の独占業務となっていますが、裁判所に提出する答弁書や訴状といった書類の作成も司法書士が請け負うことができます。

ただし、弁護士の数は増加しているため、訴状などの裁判所への提出書類を弁護士が作成し、そのまま弁護士が裁判を起こすというケースも増えてきているのです。

法務大臣の認定を受けた認定司法書士なら、簡易訴訟手続きなども行えるようになりますが、基本的には裁判所や法務局等に提出する書類の作成業務は年々減少傾向にあるのが現状です

供託の手続き代理

供託とは、金銭の受け取りに関するトラブル防止のため、財産を国家機関である供託所に提出・管理をさせ、受取人がそれを取得することで法律上の目的を達成したとみなす制度のことを言います。

例えば、選挙に出馬する時の保証金の差し入れや、大家との家賃トラブルの際などに供託が必要となります。

供託には、賃貸物件の大家が家賃を受け取ってくれないトラブルなどで利用する「弁済供託」や、企業の従業員が借金等で差し押さえをされた時に利用する「執行供託」、旅行業やクレジット業が営業活動を行うために必要な「保証供託」などいくつかの種類があります。

これらの供託業務は司法書士法で定められた独占業務となっています。

預入れの手続きは、素人には手に負えない専門的な知識が必要となるため、司法書士の需要の高い業務の1つであり、今後なくなることはないでしょう。

後見人・保佐人等の代理

司法書士が請け負う業務の1つに後見人・保佐人等の代理というものがあり、こちらの業務は今後需要が高まる可能性が高いと期待されています。

成年後見制度とは、認知症などで判断が衰えてしまった被後見人に代わって契約や消費行為の判断を周りの方が代理で行うことを指します。

日本は近年、高齢化の一途を辿っているため、認知症による成年後見制度への需要は高まっていくだろうとされているため、司法書士の業務の中で将来性のあるものの1つとなっているのです。

ただし、後見人・保佐人等の代理業務は、司法書士が独占して行える業務ではなく、弁護士や行政書士、社会福祉士も請け負うことができるため、一概に司法書士だけの需要が高まるとは言い切れません。

相続に関わる業務

司法書士は、遺言書の作成や遺産分割協議書の作成、相続登記(名義変更登記)などの相続に関わる書類作成の業務を請け負うこともできます。

現段階では、司法書士に任せて相続関係の手続きをする方も多いですが、今後マイナンバーが戸籍情報や不動産情報と連携するようになれば、司法書士の手続きを通さなくても自動で相続が行えるようになるかもしれないと言われています。

事実、エストニアではマイナンバーと所得情報や口座情報が連携して確定申告ができるようになったことで、税理士の確定申告に関わる業務が必要なくなってしまったという事例があり、日本の相続もその道を辿る可能性は大いにあります

よって、この業務は将来需要が低くなる可能性もあるため、今後の推移に注目が必要となります。

【結論】司法書士に将来性はあるのか?

仕事風景 ここまで司法書士の業務について、人口の減少や景気の悪化、またマイナンバー化の推進など様々な要因により、登記業務や相続業務など、従来の司法書士の請け負う業務が減少傾向にあることをお伝えしました。

また、メイン業務とも言える登記業務は、一部の大規模事務所に集中化している傾向があるため、多くの中小規模の事務所にはさらに業務が回ってこなくなるという流れが懸念されます。

しかし、高齢化が進むことで成年後見制度などの業務が増加する見込みが高く、その分野で司法書士は注目され始めています

将来的に、さらなるAI化が進むことで、法的な書類作成などはAIに取って代わられるのでは、とも言われていますが、まだ近い未来ではAIが難解な法律を読み解き依頼者の相談を解決するまでにはならないという考えが有力です。

これまで、登記業務をメインとしてきた司法書士の業務は、時代の移り変わりとともに変わってきていますが、司法書士としての将来性は比較的安定していると言っていいでしょう。

AIが考えるこれからの司法書士の在り方

昨今ではAIの進歩が目覚ましく、司法書士の方やこれから司法書士を目指す方の中には、AIと今後どう関わっていくべきかお悩みの方も多いと思います。

そこで資格Timesでは、AIであるChat GPT4に「今後AIが司法書士の仕事とどう関わっていくのか」を質問してみました。

司法書士の将来性とAIとの関連を具体的に考えると、以下のポイントが挙げられます。

文書作成の効率化: AIを活用したテンプレートや自動生成ツールにより、書類作成作業が効率化されます。これにより、司法書士はより専門的なアドバイスや複雑なケースへの対応に時間を割くことができます。

情報収集と分析: AIを用いた法律情報の収集・分析が可能になり、関連する判例や法改正を迅速に把握できるようになります。これにより、最新の法律情報を元にしたアドバイスが提供できます。

クライアント対応の最適化: AIを活用した顧客管理システムにより、顧客のニーズや傾向を把握し、パーソナライズされたサービスが提供できます。

オンラインサービス: AIチャットボットやビデオ通話システムを導入することで、より手軽に相談を受けられるようになり、顧客基盤の拡大が期待できます。

ただし、AIが単純業務を代替することで、業界内の競争が激化し、求人数に影響が出る可能性があります。そのため、司法書士は、AIと協働しながら、専門知識や対人スキルを磨くことが重要です。 Chat GPT4により生成

やはり単純に「AIに仕事を奪われて終わり」というようなシナリオは考えにくく、今後AIと司法書士の協働があちこちで見られるようになることが示唆されています。

AIにより失われてしまう業務というのはもちろん発生しますが、それ以上にAIは司法書士のサービスにより大きな付加価値を加えるための強力な味方として、今後も司法書士業界で存在感を高めていくことでしょう。

【展望】司法書士の将来性をさらに明るくするためには

喜ぶ人

比較的安定した将来性があるとした司法書士ですが、さらに未来を明るくするにはどうすれば良いでしょうか。

まず、司法書士の法律関係の知識の豊富さを活かしたコンサルティング業務を行うことが挙げられます。

従来の司法書士は、登記業務をメインに行ってきたためいわゆる代書屋とも言われていましたが、今後は依頼をされてから書類を作るだけでなく、その前に相続でトラブルが起きないような提案をしたり、遺産分割の方法を提案したりと、相談に乗り助言を行う立場になっていくことが重要です

様々なコンサルティング業には、特別な資格が必要ないものがほとんどなので、様々な業界が競合となってくるでしょう。

その上で、司法書士という資格を持っているということが、相談者に安心感を与え信頼してもらえるポイントともなりうるのです。

また、司法書士の仕事は、様々な場面で弁護士や行政書士の業務と重なる部分があります。

そこで、ダブルライセンスを取得することで、さらに仕事の幅を広げることができ、結果需要を高めることができる可能性が上がります。

司法書士の今後の展望についてより詳しく知りたい方は、以下のページを参考にしてください。

司法書士は目指す価値がある

司法書士の将来性まとめ

  • 従来の司法書士業務は減りつつあるが、時代の移り変わりとともに新しい仕事も増えている
  • 司法書士の将来性は十分にある
  • 今後の活躍の場として専門知識を生かしたコンサルティング業務が注目されている

司法書士の将来性について解説しました!

司法書士は合格率4~5%の狭き門ではありますが、社会的にも需要が高く、目指す価値は大いにある資格だと言えます。

今までは登記業務を中心に行ってきた司法書士ですが、これらは時代とともに減少していく可能性はあります。

ただしこれからは、法的な知識に長けた司法書士ならではの仕事に需要が集まると考えられていますし、豊富な法律知識や信頼を生かしたコンサルティング業界などからも求められていくことでしょう。

変化の激しい現代においても、高い専門性を持った司法書士への信頼は依然として非常に高いです

これから司法書士を目指される方は、ネガティブな意見に流されることなく、ぜひ資格を取得して輝かしいキャリアを手にしてください!

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