独学でも司法書士試験に合格するには?科目別のおすすめ勉強法やテキストまで解説!
司法書士試験は合格率が毎年4〜5%台と、数ある国家試験のなかでも難易度の高い試験です。
専門学校や予備校・通信講座で学ばないと合格は無理だと思っている人もいるのではないでしょうか。
しかし、なかには独学で地道な努力を続け、合格を勝ち取った人もいない訳ではありません。コツを押さえて学べば、独学で合格することは必ずしも不可能ではないと言えるでしょう。
ここでは司法書士試験に独学で合格するためのコツや注意点について解説していきます。
司法書士の独学についてざっくり説明すると
- 独学の難易度は向き不向きが大きく影響する
- 司法書士の独学合格は不可能ではないが、デメリットも多いので注意する
- 勉強の基本を押さえつつ、継続して努力する必要がある
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司法書士試験の独学合格は可能?
司法書士試験の独学の難しい点
司法書士試験の独学合格は決して不可能ではありません。しかし多くの人にとって難しいと言わざるを得ないのが現状です。
主な理由としては難易度の高さ・長期間モチベーションを維持しづらいこと・参考書を選びづらいの3つが挙げられます。
ここではこれらの理由について詳細に解説していきたいと思います。
合格率が低く難易度が高い
司法書士試験の合格率は例年4〜5%の数字となっており、これは同じ国家資格である社労士の約6%、行政書士試験の10〜15%前後と比較してもかなり低い数字となっています。
これ以外にも試験範囲が11科目とかなり広いことや合格ラインが7割程度とかなり高くなっていることも要因となって、難易度はほかの試験と比較してもかなり高いのが特徴です。
勉強時間が数年という長期にわたる
司法書士試験の合格には一般的には3000時間以上の勉強が必要であるといわれています。
これは1日5時間ずつ毎日勉強しても2年近くの勉強期間が必要な計算となり、途方もない勉強時間を要することがわかるでしょう。
独学の場合は特にこの勉強時間の大半を1人で過ごすため、他の誘惑に負けたり忙しさから少し手を抜いてしまうなどしてモチベーションを保ちづらいです。
司法書士受験生の中には、仕事などと両立しながら学習を進める方も多く、自分自身の生活と折り合いをつけながら数年に渡って生活を続けるのは至難の業であると言えます。
テキストを選びづらい
独学者は試験に必要な知識をすべて参考書から仕入れる必要があるため、よいテキストを選ぶことが合格の分かれ目になってきます。
しかし、司法書士試験は科目数も多く、さまざまな会社が参考書を数多く出していることからどれが自分にとって最適な参考書化を選ぶのが難しい状況となっています。
よって、自分に合わない参考書を選んでしまって知識が定着しづらいということも十分起こりえるのです。
働きながら司法書士独学合格はできる?
社会人の独学合格は不可能ではないですが、非常に難しい上に数年の勉強期間が必要でしょう。
働きながらの場合、学生など仕事をしていない人よりも勉強時間を確保するのが難しいです。
3,000時間の勉強を確保するために、2年半〜3年程度の学習が必要になると考えられます。
働きながら勉強を継続するのは、やはり相当大変です。
そのため社会人の場合は、素直に通信講座や予備校を利用することがおすすめだと言えます。
独学合格は中卒でも目指せる
司法書士の独学合格が難しいことは解説しましたが、実は受験資格もなく制度上は誰でも独学での合格を目指せることも事実です。
そのため、実際に最終学歴が中卒でも独学で合格を遂げた方や、法律と全く関わってこなかった社会人から勉強した方もいます。
資格勉強で肝になるのは「絶対に合格してやる」という気持ちなので、これから紹介するようなポイントを抑えた上で、全力で勉強すれば誰にでも可能性はあります。
どうしても独学にこだわる方は諦めない気持ちを持ってやりきることをおすすめします。
司法書士を独学で勉強する際のポイント
自分の適性や環境を考慮し、メリットとデメリットを比較したうえで、独学を選ぶ人もいるでしょう。
その場合は、しっかりとコツを押さえて効率的に学習を進め、効果を上げることが大切です。
ここでは独学の勉強で最大限成果を出すための秘訣をいくつか紹介します。
受験までの対策スケジュールをしっかり立てる
独学することに決めたら、まずすべきなのは「学習スケジュールを立てる」ことです。
まずは今の自分のレベルを把握し、どのレベルの知識をいつまでに得るのかを明確にしましょう。次に、勉強にあてられる時間を明確にします。1日の生活のなかで、平日と休日に勉強に割ける時間がどれだけあるかを割り出しましょう。
頭で考えるのではなく、紙に書きだして視覚化させることが大切です。そして、試験日から逆算して学習スケジュールを立てます。
以下ではこの時のポイントを紹介していきます。
試験の特性を理解しゴールを明確にする
司法書士試験は合格率が4〜5%台と難易度の高い試験です。試験は11科目あり、配点も難易度もそれぞれ異なります。
効率良く勉強するためには、主要4科目に重点を置くことが大切です。しかし、1科目でも基準点に達しなければ不合格となりますので、バランスを考えながら全科目を勉強することも欠かせません。
合格するためには、過去問や予想問題集など多くの問題にあたり、科目ごとの出題傾向をつかんだうえで、ポイントを押さえて戦略的に学ぶことが重要です。
勉強を毎日のルーティーン化するのがベスト
基本的に、毎日決まった時間にコツコツ勉強する時間をとることが望ましいです。気が向いたときに勉強するのでは勉強に遅れが生じやすく、リカバリーすることも難しいでしょう。
そこで、勉強を食事や入浴と同じように、生活の中に組み込んでしまうのがおすすめです。毎日机に向かう時間を決めることで、勉強しようと意気込まなくても毎日継続した学習ができます。
また、たまにはリフレッシュする日を持つことも大切です。先ほども触れましたが、司法書士試験に合格するには3000時間が必要だとされているため、それをもとに余裕を持った学習スケジュールを立てることが必要です。
試験勉強に専念できる環境であればまだしも、仕事をしているなどで、1日の学習時間が限られる人もいるでしょう。そのときは、1年以上、場合によっては数年間の長期計画になることも覚悟する必要があります。
新しい科目の学習と前の科目の復習を同時並行
1度学んだ内容もしばらく経って忘れてしまい、また1から勉強し直さなければならない・・・という効率の悪さを感じたことがある方も多いでしょう。
実際に、エビングハウスの忘却曲線によると、学んだ6日後には25. 4%しか記憶が残っていないそうです。
そんな時におすすめなのが「新しい科目を学習しながら、前の科目の復習をする」という勉強法です。
これにより、1度学んだ内容をしばらく経って忘れてしまう、という事態を防ぐことができます。また集中力の自信がない方にとっては、新しい科目の勉強に疲れたら、前の科目の復習でリフレッシュできる、といった効果もあります。
これらを踏まえて学習計画を立てることがおすすめです。
効果的な勉強法を学べる本を手に入れよう!
司法書士試験は主要4科目とマイナー科目に分かれているという非常に特徴的な試験となっています。
そのため自分一人で適切な学習計画を立てるのは非常に難しく、独学者は特に非効率な勉強をしてしまいがちです。
そこでおすすめなのが大手資格学校が採用している学習計画を知ることです。
資格学校のクレアールでは、長年の指導で培った司法書士試験の勉強ノウハウをまとめた書籍「非常識合格法」を無料プレゼントしています。
試験の特徴に沿った効果的な学習スケジュールの立て方を知るには最適な一冊となっています。無料プレゼントは先着100名様限定なので、この機会を逃さず手に入れておきましょう!
勉強の進めかたのコツ
テキストや参考書を購入したら、立てた学習スケジュールに沿って勉強を進めていきます。
集中できる場所で勉強
なかには子どもが騒ぐなどの理由から自宅で集中して勉強するのが難しい人もいるでしょう。そのようなときは、決まった時間に図書館など自分が集中できる場所に移動することが望ましいです。
決まった時間に場所を移動するようにすると、1日の流れのなかで勉強が習慣づいて、より気持ちを切り替えて集中しやすくなります。
基礎を丁寧に学習
独学者は勉強の進捗度合いについてアドバイスしてくれる人がいない場合が多いので、基礎知識が身についていないまま次にステップに進んでつまずいてしまう人が多くいます。
理由としては、他の人と自分を比較してどんどん次に進まなきゃという気持ちが働いてしまうことが挙げられます。
焦る気持ちもわかりますが、基本を身につけないまま次に進むと肝心の試験問題の点数が伸び悩んでしまうことにつながってしまいます。
よって他の人のペースに惑わされず、まずは基本の科目を徹底的に固めることを意識し、その次に問題演習に取り掛かりましょう。
あやふやな勉強は使えない知識を作るのでNG
司法書士試験は11科目もあり、勉強すればするほど「あれもこれも覚えなければいけない」と不安に駆られることがあります。
その結果として、今までコツコツ積み重ねてきた基礎の学習をやめて、他の目新しい学習に移ってしまうことが度々あります。
しかし、その学習で得た知識は本番で使えないあやふやな知識で終わってしまう可能性もあるものなので、そのような迷いある学習はNGであると心にとどめておいたほうがいいでしょう。
最初に試験傾向などを基にして学習すると決めた内容をまずは繰り返し学習して、知識を徹底的に身につけていくようにしましょう。
苦手分野を作らない
司法書士試験では各項目に基準点があり、1つでも超えていない項目があるとそれだけで不合格になってしまいます。よって、全項目で基準点を超えられるくらいに実力を身につけることが、合格の第1歩になるのです。
司法書士試験は出題範囲が非常に広いですが、満遍なく勉強し、苦手分野があれば徹底的に対策を行いましょう。問題1つ1つの難易度が高すぎるわけではないので、とにかく出題範囲を網羅することが重要です。
こまめに問題を解き長期記憶を作る
司法書士の試験範囲は膨大なので、片っ端から暗記しようとしてもすぐに限界がきます。またインプットは重要ですが、インプットだけをひたすら繰り返していても、一度学んだはずの知識が抜け落ちていくことを防げません。
知識のインプットを行なったら、こまめにアウトプットを挟んで知識が定着しやすいようにしましょう。 また問題を解くことで、試験の出題傾向に即してポイントを押さえた実践的な知識に引き上げることも期待できます。
問題を解いたら解きっぱなしは厳禁です。必ず復習をし、自力で解けるまで解き直しましょう。より多くの問題を解くことより、まずは1問1問を完璧にすることを心がけましょう。
六法を引きながら学習
六法を引きながら学習を進めることで、条文の意味や論理構成を正しく理解することにつながります。
背景理解につながり、法的思考力を身につけられるいいトレーニング材料になるので、必ず六法を引く習慣を身につけましょう。
過去問は合格に向けた貴重な対策材料
独学者にとって過去問は重要な役割を果たします。
具体的には、過去問を演習する中で試験の形式を押さえて問題に慣れられるのはもちろん、頻出分野も理解することができるためどの部分を中心に勉強すればいいかについての大きな指針を立てられます。
注意点としては、過去問は試験の雰囲気や対策の指針にするためのものであって、問題を解いて終わりにしては意味がないということです。
過去問はきちんと間違えた箇所を復習したり、頻出論点を問題を解く中で理解するなど正しく使うことで初めて効果を発揮します。
実際に独学合格した現役司法書士にインタビュー
資格Timesでは実際に独学で司法書士試験に合格を果たし、現在司法書士としてご活躍されている林祐司様にインタビューを行いました。
林様曰く、やはり独学での挑戦はかなり困難が伴うようで、合格までには4年半の年月が必要になったそうです。また、総勉強時間は8000時間ほどだったとのことでした。
そんな林様が考える「合格に最も大切なこと」は、「絶対に合格する」という気持ちの強さだそうです。
独学での司法書士受験は長くきついものとなりますので、必ず合格するという決意をいかに持ち続けられるかが鍵となるのですね。
林様のインタビューの全文は以下よりご確認いただけます。
司法書士試験合格に向けた科目ごとの勉強法
司法書士試験の範囲は、11もの科目に分かれています。以下が科目の一覧です。
司法書士試験の科目一覧
- 民法
- 不動産登記法
- 商法(会社法)
- 商業登記法
- 憲法
- 刑法
- 民事訴訟法
- 民事執行法
- 民事保全法
- 供託法
- 司法書士法
特に、民法、商法、不動産登記法、商業登記法の4科目は「主要4科目」と言われています。
択一式試験においては主要4科目のみでなんと約75%を占め、記述式試験においても不動産登記法と商業登記法から例年出題されています。
以下では、効率的に司法書士試験に合格するために、これらの科目をどのような順序で、どのように勉強すれば良いのかを解説していきます。
①民法
民法は全科目のうちで最も高い得点比率を占め、重要度が極めて高い科目です。最も時間をかけて取り組むべき、基礎科目と言えるでしょう。
午前の部の択一式試験で20問出題され、合格するには9割以上の正解が必要とされています。全範囲から出題されるので、苦手を作らないように心がけましょう。
民法は法律の基本中の基本で、その内容はのちに学習する不動産登記法や商法(会社法)、供託法などと強く関連しているため、最初に民法を固めておくとその後の学習が楽になります。
②不動産登記法
不動産登記法も、民法と同じく得点のうち大きな割合を占める重要科目です。民法で学んだ知識が非常に活かせるので、民法の後にすぐに学習するのが良いでしょう。
中でも頻出のテーマである「所有権」「抵当権」「根抵当権」は重点的に学習しましょう。過去問からの出題も多いので、演習を中心に勉強することで高い学習効果が見込めます。
記述対策にはテキストで不動産登記令や不動産登記規則についてもマークしておくことをおすすめします。
③商法(会社法)・商業登記法
次は商法(会社法)と商業登記法です。ここまでが主要4科目であり、この4科目で得点のうちの4分の3を占めます。
商法(会社法)と商業登記法は関連度が高いので、一緒に学習してしまうと効率が良いでしょう。
商法(会社法)では、商法1問・会社法8問と会社法が多く出題されるので、学習もその点に注意して行うべきです。
商業登記法の択一式試験対策は「株式会社の登記」についてマスターし、記述式試験対策は問題集を繰り返し解いて記述の型を身に付けるのがおすすめです。
④憲法・刑法
憲法と刑法も互いに関連性の高い科目です。午前の部で各3問出題されますが、若干難易度は高めです。
特に憲法の判例・学説問題は正答率が低めなので、しっかり対策をすると他の受験生に差をつけられるでしょう。
刑法は範囲が広く頻出テーマからの出題が多いので、テキストよりは過去問中心に勉強することをおすすめします。
⑤民事訴訟法・民事執行法・民事保全法
これら3つの科目はどれも民事訴訟に関連するので一緒に勉強してしまいましょう。
マイナー科目とはいえ、細かい手続きが出てくるため意外に厄介な科目かもしれません。
まずは最後まで通し学習を行なって全体像や構造を把握し、そこから過去問などで細かい知識を吸収していく勉強法がおすすめです。
⑥供託法
供託法は頻出テーマが特に繰り返し出題されやすいので勉強すれば得点でき、得点源となる科目です。
全体像をさらった後に過去問を何度も解き、様々な頻出テーマに慣れておきましょう。問題を見たら答えが分かるくらいにできるとベストです。
執行供託分野についてはやや難しいと感じる人が多いので、特にしっかり学習しましょう。民事執行法の知識と結びつけると分かりやすくなります。
⑦司法書士法
司法書士法については、他の科目との関連は弱いです。難易度も高くなく出題も1問だけなので、時間をかけすぎず後回しにしても良いでしょう。
簡裁訴訟代理関係業務や司法書士法人に関する出題が多くなっているので、ここを中心に学習を進めるのがおすすめです。
条文通りに出題されるので、一通りきちんと対策すれば得点できる科目です。過去問に重点を置いて勉強し、効率よく得点しましょう。
独学に適したテキストを選ぶ
独学で合格するためには、自分に合ったテキストを選ぶことが重要です。
以下では独学の際のテキストの選び方からおすすめのテキストまで徹底紹介します。
テキスト選びで大事な視点
各テキストの特徴を押さえる
テキストは初心者向けからより深い専門知識を学ぶためのものまで幅広くあります。
まったく知識がないなら初心者向けを選ぶべきですし、ある程度知識があるなら中級者向けなどレベルに合ったものを選ぶと良いでしょう。
また、レベルが同じであっても、テキストによって文字中心のものもあれば図表をふんだんに使うなど視覚的に工夫した構成になっているのもあり、それぞれテイストや切り口が異なります。
そのため、購入前に中を確認し、理解しやすいと思うテキストを選ぶことが望ましいです。
さらに、記述式試験の対策のために、記述式の演習ができるようなテキストも準備すると良いでしょう。
シリーズは必ず統一
教科書と問題集のシリーズは必ず統一するようにしましょう。
これをそろえることで、テキストで学んだ知識を演習でも試しながら実力の進捗を測ることができ、効果的な学習ができるでしょう。
よって、テキストを選ぶ際には教科書と問題集の両方を出版している会社のものを選ぶことをおすすめします。
六法全書は読みやすいものを選ぼう
司法書士試験の勉強に六法全書は欠かせません。法改正は毎年頻繁に行われていることから、必ず最新版のものを購入するようにしましょう。
六法全書は複数の出版社から出ていますので、比較検討して読みやすいものを選ぶことが大切です。
また、持ち運びやすさや価格の安さなども基準として持っておくと、自分のニーズに合った最適な六法を選べます。
過去問は必ず使用する
過去問は実際に出題された問題なので、自分のレベルや出題傾向を知るのにうってつけの教材です。
司法書士試験では科目によって、頻出テーマからの出題が特に多いものもあるので、過去問演習を積むことによってその科目を得点源にすることができます。
テキストで知識を学んだ後に、アウトプットとして利用することで定着度を上げるという使い方もできるでしょう。
初心者におすすめのテキストを紹介
山本浩司のautoma system
司法書士の勉強をこれから始める初心者には「山本浩司のautoma system」で勉強を始めることをおすすめします。
この本は、多くの受験生から高い評価を受けている定番のテキストであるといえます。
初心者の方でも抵抗感のないように、ストーリー形式で楽しく学習を進められる構成となっており、堅苦しい法律知識の解説をわかりやすく行ってくれることが大きな魅力です。
また、法律の背景なども詳しく説明してくれるので、暗記一辺倒の学習にとどまらない本質的な学習が可能となっています。
山本浩司のautoma system 記述式
司法書士試験合格には、択一式試験だけでなく記述式試験の対策も行う必要があります。
『山本浩司のautoma system』シリーズのテキストで学習してきた方は、こちらの記述式問題集を使うのが良いでしょう。
不動産登記法と商業登記法のものがあり、どちらも問題数が充実しています。過去問も要所に挟まれ、繰り返し解くことで確かな実力がつきます。
司法書士合格六法
上でも述べましたが、頻繁に行われる法改正にも対応するために、最新版の六法全書を使いましょう。
中でもおすすめはこちらの 『司法書士合格六法』 です。通常の六法よりも司法書士試験に特化しており、厳選された法令が掲載されています。
文字のサイズや2色刷りなどの工夫により、中身も読みやすくなっています。
合格ゾーン
『合格ゾーン』は、司法書士試験合格を目指す受験生なら持っておきたい、過去問をまとめて解説した問題集です。
過去問を徹底して分析し、ほぼ完璧になるまで繰り返し解くという極めて当然の勉強をすることが、司法書士試験合格への最短ルートともいえます。
特に『合格ゾーン』シリーズは、解説が丁寧で復習しやすく、また正答率などのデータも掲載されているため、過去問演習におすすめです。
司法書士のテキストについてより詳しく知りたい方は、下記の記事を参考にしてください。
司法書士を独学で目指すメリット
独学は難しいとはいえ、司法書士試験を独学することにはメリットもいくつかあります。
メリット1:費用を抑えられる
独学する最も大きなメリットは費用があまりかからないことです。自分で勉強するのであれば、基本的に市販のテキストや参考書、問題集などしかかかりません。
そのほかには、ノートやペンなどの文房具代、部屋の電気・冷暖房費などの光熱費がかかるくらいでしょう。専門学校や予備校に通う場合は、学校やコースによって多少の違いはあるものの50万~70万円ほどかかることが一般的です。
これはかなり大きな出費ですので、費用を10万円以下に抑えられる独学にすることは、経済面で大きなメリットがあるといえます。
なお、学校に通う以外に、通信講座を受講する、Webで模試を受けるといった方法もあります。こういった方法であれば、専門学校などよりも費用を抑えて学ぶことが可能です。
メリット2:自分のペースで勉強することができる
自分の理解度や予定に合せて柔軟なスケジュールで勉強できることも独学の強みです。
予備校や通信講座では、多くの人と同じ講義や教材になるため勉強の順番やスピードもある程度限定されてしまいます。
しかし、独学であれば得意な部分は速く終わらせて苦手ととことん向き合うなど自由な時間の使いかたをすることができます。
これは、人に合わせず自分のペースで納得のいくまで無理なく学びたい人にとって大きなメリットでしょう。
メリット3:仕事や学校とも両立できる
専門学校や予備校のなかには、忙しい人でも通いやすいように、夜間や土日などに開講しているところもあります。
それでも、仕事をしながら通う場合は急な残業や出張が入ったりして通えないこともあるでしょう。社会人が仕事をしながら通学を予定通りこなすのは、時間の都合をつけるのが難しく、簡単なこととはいえません。
独学であれば、自分のペースで学習を進められます。就寝前に1時間勉強する、朝早く起きて勉強時間にあてるなど、忙しいなかでも時間を見つけて対応することが可能です。
他にも、現役の大学生の方や家事育児との両立をしたい主婦の方なども独学であればうまく時間を使うことができるかもしれません。
司法書士を独学で勉強するデメリット
独学にはデメリットも存在します。さまざまなリスクや困り事が起こる可能性があることも覚悟することが必要です。
これらのデメリットについて詳しくみていきましょう。
デメリット1:学習に時間がかかってしまう
独学するデメリットとして、まず学習に時間がかかってしまう点が挙げられます。
予備校や通信講座では解釈が難しい項目や間違えやすいポイントでもわかりやすく説明してくれます。
もし、授業中に理解できなかったとしても、質問をすることで要点を押さえた丁寧な説明が受けられるでしょう。
しかし、1人で学ぶ場合はこうはいきません。
もちろん、市販のテキストでも、重要な項目には特に丁寧なコメントがついてたり重要であることが記されていたりして、理解しやすいように作成されています。
とはいえ、対面で説明を受けるほどわかりやすくはありません。そして、内容が理解できないときは、わかるまで自力で調べる必要があります。そのため、学習がスムーズに進まず余分な時間がかってしまうのです。
さらに、調べて自分なりに理解したことが合っているのか、確証が得らないというデメリットもあります。
理解できない部分を放置してそのまま学習を進めると、いずれつまずくこともあるでしょう。また、わからなかったところを試験で問われて、失点してしまう結果となる可能性もあります。
また、独学は自分1人で勉強しますので、外部からの強制力が働きません。そのため、勉強を後回しにしてしまったり、勉強中に飽きてついほかのことをやりはじめたりしがちです。
結果として、予定通りにテキストが進まず、時間がかかることもよくあります。働きながら独学で勉強するのであれば、2~3年かけて本腰を入れて勉強に取り組む姿勢が必要です。
デメリット2:最新の情報を得にくい
司法書士試験に関する最新の情報を得るのが難しいのも、独学のデメリットといえます。
司法書士試験に関する法律は毎年のように改正されています。予備校や専門学校であれば、試験に関する重要な改正があれば教えてもらえるでしょう。目の前の学習に専念しながら最新の情報を手に入れることができます。
しかし、独学の場合は自分で積極的に情報収集しなければ、試験に関わる大切な情報を見逃してしまう可能性が非常に高いです。
独学で勉強していても対策が上手くいかず、結局予備校などが実施する直前対策講座のお世話になったりすることも多く、独学の価格の安さというメリットを十分享受できないことも少なくありません。
デメリット3:一から自分で計画を立てる必要がある
上でも述べたように司法書士試験に合格するまでには3000時間以上の勉強時間が必要だといわれています。これは、1日に5~6時間勉強したとして、2年近くかかる計算です。
これだけ長い間の学習計画を自分で立て、テキスト選びも自分で行う必要があります。司法書士試験は出題範囲が多いので、どれから手をつけたら良いのかわからない・・・といったことも起きるでしょう。
また、プロが組んだ通信講座のカリキュラムに比べて、独学では効率の悪い学習計画を立ててしまう危険もあります。
デメリット4:モチベーションを保ちにくい
自分で立てた学習計画を実行するには、モチベーションの維持が非常に重要です。しかし受験勉強の期間がこれだけ長いと、予備校や通信講座を利用していた場合でも、途中でつらくなってしまうこともあるでしょう。
しかし通学制の予備校であれば、励ましあう仲間がいたり、講師の方の激励メッセージを受けて、勉強に対するモチベーションを維持することができます。
また、通信講座の場合もモチベーションが維持できるように豊富なサポートが用意されています。
対して独学の場合は、学習がおろそかになってスケジュールに遅れが出たとしても、叱ったり励ましたりしてくれる人はいません。
勉強しても成果が出ない場合でも何が原因かが自分では分からず、途中で嫌になって投げ出してしまう可能性もかなり高くなるでしょう。
司法書士の独学に向いている人の特徴
司法書士のような難易度の高い資格試験でも、独学で突破できる人は少数存在します。
では、どのような特徴を持つ方が、独学に向いていると言えるのでしょうか。
法律を勉強したことがある人
司法書士試験の勉強をする際、膨大な法律科目に苦労する方が多くいらっしゃいます。覚えなければいけない知識が多い上に、法律独特の難しい単語や概念に苦戦することも多いです。
ただし、大学で法学部だった、法律事務所で働いたことがあるなど、法律を勉強したことがある方は、ない方に比べて苦労が少ないかもしれません。
自分の法律知識がどこまで残っているかに応じて、独学するか決断しましょう。
スケジュールを組むのが得意な人
独学で合格を目指す際には、試験日までのスケジュールをしっかりと組むことが必要です。
そのため、試験日と必要な勉強時間を考慮して、勉強計画を綿密に練ることのできる人には、独学適性があると言えます。
試験範囲の広い司法書士を対策する際には、この計画づくりが特に重要だと言えます。
毎日サボらず勉強ができる人
学習計画を練ることも大事ですが、計画通りに毎日こなすことも、もちろん大事です。
スケジューリングができるかどうかに加えて、自分が毎日サボらず学習を行えるかどうか、と言う点も自問自答するようにしましょう。
また、サボり癖がない人でも、仕事などの予定によっては勉強ができない場合もあります。こういった外せない予定も考慮して独学するかどうか決断しましょう。
理解力が高い人
「勉強が得意な人」と言い換えても良いでしょう。
自分一人でテキストの内容を理解できない人だと、当然独学合格を目指すのは厳しいです。
逆に、難解な内容でもテキストで理解できる人は、スピーディーに内容を消化して合格を目指すことが可能です。
ただ、やはり独学では頻出ポイントがわからず効率的な学習が難しいことから、勉強時間が長くなってしまう傾向にあります。
通信講座なら出費を抑えつつ合格をつかみやすい
司法書士試験の独学でも合格はつかめますが、通信講座などを受講して試験を受けたほうが合格の可能性は一気に上昇します。
実際のところ、合格者の多くは通信講座や予備校でプロのわかりやすい講義で勉強しており、通信講座受講生のほうが有利な試験といわざるを得ません。
確実に合格をつかみ取りたい方には通信講座の受講をおすすめします。
スタディングの通信講座がおすすめ
司法書士の通信講座の中でも資格Timesがおすすめするのはスタディングの通信講座となっています。
最大の特徴として予備校の5分の1という圧倒的安さの講座費用が挙げられます。
具体的には、予備校の相場費用が50万円に対しスタディングの講座は89,100円と破格の値段設定となっています。
またスタディングの通信講座はスマホ1台でいつでもどこでも学習できるようになっており、スキマ時間を最大限活用した学習が可能となっています。
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司法書士試験の独学についてまとめ
司法書士の独学まとめ
- 司法書士の独学は費用面でメリットが大きい
- 独学では学習に時間がかかることが多い
- 勉強のコツは資格学校から学ぶのが良い
司法書士試験には、受験資格を制限する条件はありません。年齢や性別、学歴、国籍に関係なく希望する人はすべて受験が可能です。
指定の養成学校を卒業するといった要件もないため、独学・専門学校・予備校・通信講座など、学習方法も自由に選べます。
しかしながら、正直なところ超難関試験である司法書士試験に対して、あえて独学という困難な道を選択するメリットは少ないです。
自分が独学で本当に合格をつかむことができるのか、よく考えた上で決断することが望ましいでしょう。