司法書士独学合格の秘訣とは?若くして合格された林祐司様に直接取材してきました!

「司法書士に合格した人の話を聞いてみたい!」

「合格後はどのような働き方ができるの?」

難関資格である司法書士の取得を目指されている方の中には、実際の合格者がどのような学習ルートを歩んできたのか気になることも多いかと思います。

そこで、今回資格Timesでは現在司法書士として活躍されている林祐司様にインタビューを行いました。

資格取得の経緯から実際の学習において大切なポイント、気になる合格後の仕事内容までここでしか聞けないマル秘情報も満載です!

ぜひ最後までご覧ください!

このページにはプロモーションが含まれています

現在の仕事内容

司法書士林様

person1
近藤

本日はお忙しい中、インタビューに応じていただき誠にありがとうございます。資格Timesを運営しております、株式会社ベンド代表の近藤と申します。

本日はどうぞよろしくお願い致します。

person2
林様

司法書士の林と申します。本日はよろしくお願い致します。

person1
近藤

よろしくお願い致します。

それではまず林様のキャリアについてお伺いさせて頂ければと存じます。

林様は現在司法書士としてご活躍されていますが、普段はどのようなお仕事をされていますか?

person2
林様

普段は相続分野のコンサルティングやそれに伴う手続きをメインに行っています。

person1
近藤

相続分野は、日本の高齢化が進んでいるという状況の中で需要が大きく伸びている分野ですよね。

person2
林様

そうですね。従来の司法書士業務では高齢者の方が亡くなった後の業務しか行わなかったのですが、私の事務所では生前にお客様からご相談頂き、様々な対策をお手伝いさせて頂いております。

具体的には、家族信託や遺言書の作成、税金の対策を税理士の方と一緒に行う等の業務を行っております。

person1
近藤

相続に関する様々な業務をこなされているのですね。

これらのお客様はどのようなタイミングでご相談に来られることが多いですか?

person2
林様

ご訪問のタイミングとしてはかなりギリギリで来られる方が多いですね。

認知症になってしまうと不動産の売買ができなくなったり、銀行が凍結してしまうので、その間際のタイミングでこられるお客様が多いです。

50代くらいの子供側からご相談に来られるケースは特によく見受けられます。

相続メインの事務所にした背景

person1
近藤

司法書士の仕事内容として、会社の登記に関わるお仕事をメインにされている方も多いと思いますが、林様は登記についてはどれほどお引き受けしているのでしょうか?

person2
林様

私の事務所で登記の業務を引き受けることは珍しいです。ほかの事務所に比べるとかなり少ないほうだと思います。

person1
近藤

司法書士といえば登記業務がメインという印象があるのですが、林様の事務所が相続をメインに扱っていらっしゃる背景には、やはり他の事務所との差別化などがあるのでしょうか?

person2
林様

差別化の側面ももちろんありますが、相続メインの事務所を設立した主な理由は相続でお困りの方が多いことを知ったからです。

どこに相談したらよいのかわからず途方に暮れている方をたくさん見ていく中で、相続分野の高い需要を肌で感じることができました。

そこで、自分の事務所では相続メインの方向性で仕事を進めていこうと考えました。

仕事のやりがい

person1
近藤

現在は相続をメインにお仕事をされていらっしゃいますが、お仕事をされている中でやりがいを感じた瞬間などはありますか?

person2
林様

お客様に感謝される瞬間は特にやりがいを感じます。

以前勤めていた司法書士事務所では、書類作成の手続き業務がメインで、日々目の前の仕事をただこなすだけになっていました。

この業務は仕事をして得られる結果がだれでも同じなので、正直つまらなさを感じる瞬間もありました。

ただ、現在の相続コンサルティングでは、お客様の状況に合わせてこちらで最適なご提案をさせて頂き、それによってお客様から感謝される瞬間が多いので、とてもやりがいがありますね。

相続分野でお困りの方は、林様が代表を務められている司法書士事務所 相続・家族信託の窓口にぜひ一度ご相談ください!

司法書士のキャリア選択について

司法書士林様

person1
近藤

林様は、司法書士に合格された後にどのようなキャリアを歩まれましたか?

person2
林様

資格取得後はまず司法書士事務所での勤務からキャリアをスタートさせました。

私が勤めていた職場は一般的に認知されているような登記をメインに扱う事務所です。

ただその事務所は登記がメインの業務ということで、必然的に不動産会社や銀行の下請けのような立場にならざるを得ない状況でした。その点については勤務当時からもどかしさを感じている部分もありました。

この時、せっかく苦労して司法書士の資格を取得したのだから、自分で主体的に仕事ができないかと模索を続け、その中で現在につながる事務所開業という道を選びました

一般的な司法書士のキャリアとは?

person1
近藤

司法書士は独立がメインの資格という印象を持っているのですが、一般的には独立をメインに据えたキャリア選択が王道なのでしょうか?

person2
林様

元々、司法書士は独立資格と言われており、資格取得後は独立が一般的なキャリア選択でした。

ただ、現在の状況として大手の司法書士法人にお勤めしていらっしゃる方がかなり増えています。

独立している方は、私の肌感でいうと同期全体の中では2割くらいと少数派になっていますね。

person1
近藤

私自身、司法書士は独立資格だという印象を持っていたので、今お伺いした独立の実態には非常に驚きました。

士業の法人化が解禁された状況の中で、法人にお勤めの方がかなり増えてきているのですね。

多くの司法書士の方が独立に踏み切らない理由について、林様はどうお考えでしょうか?

person2
林様

司法書士として独立する方が少ない主な理由は、

  • 「高齢化が進んでいる」
  • 「まじめで独立志向の方が少ない」

の2点ではないかと考えております。

司法書士は合格者の平均年齢が40歳を過ぎており、ご家庭をお持ち等の方が多いです。そのため、独立して一からスタートすることに抵抗をお持ちの方が多いと考えられます。

また、私の印象ですが司法書士を取得する方は真面目で慎重な方が多いという点も、独立する割合が低い大きな理由につながっていると思います。

独立は顧客をゼロから獲得する必要があるなど、リスキーな側面も多いキャリア選択ですので、このリスクを嫌って独立に踏み切らない方も多くいらっしゃいますね。

person1
近藤

確かにある程度年を積み重ねてから新しく独立に挑戦するのは勇気がいりますよね。

キャリア選択として、独立や司法書士事務所・法人ではなく、一般企業などにお勤めされる方も多いのでしょうか?

person2
林様

一般企業に勤務されている方の割合はかなり少ないです。体感ですが、全体で5%くらいの少数派だと思います。

基本的には、司法書士資格の専門性を生かした職種につかれる方が大半だと認識しております。ほとんどが司法書士事務所や司法書士法人で勤務されているのではないでしょうか。

person1
近藤

やはり難関資格だけあって、みなさん資格取得後は専門性を生かしたお仕事につかれるケースが多いのですね。

合格後の就職先は豊富

person1
近藤

続いて司法書士資格取得後の就職事情についてお伺いしたいです。

林様は資格取得後、就職活動はどのように進まれたのでしょうか?

person2
林様

私は30歳で司法書士に合格しました。より若い方も当然いますが、司法書士の合格者平均年齢が40歳を超えていることを鑑みると相対的に若いほうであったと思います。

そのため、就職活動のほうはかなりスムーズに進めることができたと思います。応募した事務所・法人はすべて合格することができました。

そもそも司法書士業界は人手不足で、司法書士人材を欲しがる法人や事務所は非常に多いので、基本的には年齢関係なく就職先は保証されていると考えてよいです。

person1
近藤

ネットなどで散見されている「司法書士は仕事がない」等のネガティブな意見とは全く異なる状況ですね。

person2
林様

ネット上の就職に関するネガティブな意見は基本的にあてにしなくてよいと思います。

ただ、就職先の地域は限られてくるのでその点には注意が必要です。

基本的には関東圏、大阪、広島、福岡などの大都市圏での就職先は豊富ですが、田舎のほうに行くと就職先は限られてきます。

田舎では、司法書士の先生が1人で事務所を営んでいるケースも多いので、就職先の地域には細心の注意を払うのが賢明でしょう。

司法書士の気になる年収事情

person1
近藤

続いて司法書士の年収事情についてお聞かせください。

person2
林様

司法書士の年収は主に勤務型と独立型の2つのパターンに分かれています。

勤務の際の年収については、スタートの時点で安くて300万、高くて500万くらいが目安となります。

私のケースをお話しすると、初めのほうは年収420万円でスタートさせて頂きました。司法書士の勤務型の年収で見ると、これでもかなり良い待遇ですね。

person1
近藤

初任給の時点から比較的高い年収をもらえるパターンもあるのですね。

独立司法書士の年収事情についてはどうでしょうか。

person2
林様

独立型の年収については、データが勤務型ほどそろっていないのと、稼いでる方だと数億・数十億レベルの年収の方もいらっしゃるなど年収のレンジが広いので、一般的な数値は答えづらいというのが正直なところです。

ただ、個人事業主で800~1,000万円ほど稼いでいる方は優秀だというのは私の中での一つの目安ですね。

ダブルライセンスを生かしたキャリアも魅力

person1
近藤

林様は司法書士以外の資格もお持ちなのですか?

person2
林様

はい。司法書士以外にも宅建、行政書士の2つの資格を取得しています。

person1
近藤

難関国家資格をここまでお持ちなのはとてもすごいです!

司法書士に加えて、これらの資格を取得したことでキャリアにどのような影響がありましたか?

person2
林様

現在は司法書士事務所のほかにも、宅建士の資格を生かして不動産の会社を別で経営させて頂いております。

相続の相談を行っている際に、不動産に関する相談が非常に多くなっていることが、現在の会社を立ち上げた経緯となります。

具体的な相談内容として、

「親から不動産をもらったけど誰も住まない。どうしたらいいか?」

「親が施設に入って空き家になった家があるので困っている・・・」

というような内容の相談を受けることが非常に多いので、仲介を通してこれらの不動産の悩みにも同時にお応えできる体制を築いています

person1
近藤

取得した資格をしっかりと生かしてキャリアを形成されているのですね!

person2
林様

そうですね。今後は行政書士資格も用いてほかの方とは異なる価値を提供していくことも考えています。

これによりさらに仕事の幅を広げていきたいです。

資格取得に至った経緯

合格

person1
近藤

次に林様が司法書士資格を取得された経緯についてお伺い出来ればと思います。

林様はどういった経緯で司法書士を目指されたのでしょうか。

person2
林様

学生の頃は、バイトはしていたもののかなり遊び呆けていましたね。

そのあと一度就職するという流れになったのですが、遊んでばかりいたので仕事といっても土方や職人といった肉体労働がメインの仕事くらいしか就職の選択肢がありませんでした。そこで力仕事をメインとする職場に最初は就職しました。

ただ、仕事をこなしていく中で、このまま年をとっても力仕事を続けていくのはかなり厳しいのではないかと感じる瞬間が増えてきました。

また、お給料も芳しくなく、その点も将来への不安を増幅させる大きな材料の一つになりました。

これらが背景となって、逆転可能な資格の存在に魅力を感じ、資格本でいろいろな資格を探しました。

person1
近藤

力仕事への不安感から資格取得を決意されたのですね。

初めはどのような資格に注目していたのでしょうか?

person2
林様

当初は弁護士の資格にあこがれを持っていました。

お給料の高さや身分が保証されている点に大きな魅力を感じたのです。

ただ、受験資格に法科大学院卒業の学歴が必要な点、一般教養で苦手な英語が出題されるなど、受験を検討するにあたって不安なポイントがいくつか出てきたので、最終的に弁護士はあきらめました。

その後、先ほどの資格本をもう一度めくっていく中で、弁護士の次に司法書士資格が出てきました。

こちらは学歴不問の資格であったので、「これならいける!」と考え、司法書士資格取得の道をスタートさせました。

実際の勉強方法について

ペンとノート

勉強時間は6,000~8,000時間

person1
近藤

ここからは資格取得に至るまでどのような勉強をされてきたのかについてお尋ねできればと思います。

まず、林様は司法書士試験に合格するまでにどれほどの勉強時間をかけましたか?

person2
林様

私は司法書士試験4回受験しており、合計4年半の歳月を費やしました。

勉強時間に直すと8,000時間ほどになります。

person1
近藤

一般的に予備校などで言われている合格に向けた学習時間の指標の3,000時間と比較すると、かなり学習されているのですね。

person2
林様

予備校の数字はあくまでも最低限の学習時間を表しているにすぎないと思っています。

実際、YouTubeで私の知り合いに学習時間を聞いて回ったところ、平均学習時間は6,000~8,000時間という回答が多いので、3,000時間で合格できたからかなり優秀だと思います。

独学での合格の秘訣とは?

person1
近藤

試験勉強をするにあたって予備校等は利用されましたか?

person2
林様

私の場合は独学で合格までの学習を進めてきました。

person1
近藤

司法書士の合格者の多くは予備校・通信講座を利用されるケースが大半だと認識しております。独学で合格されているのは驚異的ですね!

独学で合格されている方は周りにどれくらいいたのでしょうか?

person2
林様

独学での合格は全体の1~2割ほどでかなり少ないと思います。

大部分の方は予備校や通信講座を使っていた印象ですね。

person1
近藤

林様のようなケースはかなり稀有なのですね。

このように独学での合格者は少ないにもかかわらず、予備校を選ばなかった理由について教えていただきたいです。

person2
林様

私も当初は予備校での学習が必要であると感じ、体験授業などを見て回りました。

ただ、授業を受ける中で私には予備校のスタイルがマッチしていないと感じました。

具体的には先生の授業があまり面白くなかったのが決断の主因となりましたね。私は自分で主体的に動くのが好きで、指示を受けて動くのはあまり得意ではないので、結局予備校での勉強は断念しました。

また、予備校代を捻出することが当時は難しかったことも、予備校での学習を選択しなかった大きな理由です。

person1
近藤

予備校での学習と比較すると、独学は不利な面も多くあると思います。ご自身が独学で合格を勝ち取れたと考える要因をいくつか教えていただきたいです。

person2
林様

一番の要因は気持ちの強さだと思います。

私の場合はお金を稼いで生きるためには司法書士資格を取るしか道が残されていませんでした。

万が一取得できない場合は、力仕事を再開してまた苦しい生活に逆戻りしてしまうのが目に見えていたので、諦めるという選択肢は私には残されていませんでした。

このような崖っぷちの状況であったからこそ、他の人よりも強い気持ちを持って長期間学習を進めることができました。

person2
林様

また、私が司法書士の勉強を楽しくできたという点も独学合格における大きな要因でしたね。

他の方に受験時代のお話を聞くと「勉強がつまらなかった」という意見もよく耳に挟みます。

ただ、私の場合司法書士の学習は常に楽しかったという印象がありますね。好きという気持ちが、苦しい時でも最後まで学習を継続できた大きな要因になりました。

person1
近藤

まさに「好きこそものの上手なれ」という言葉がぴったりの受験生活ですね!

林様の受験生時代の独学勉強法についてより詳しく知りたい方は、「司法書士林祐司の勉強法チャンネルもぜひチェックしてみてください。

司法書士資格取得のメリットは豊富

吹き出し

person1
近藤

最後に、これから司法書士を目指される方に一言お願い致します。

person2
林様

私は司法書士の資格を取得して本当に良かったと思っています。

取得を通じて一番実感しているメリットは、信用力が格段に上がった点です。

司法書士という肩書がつくことで、人に話を聞いてもらえたり、仕事を頂ける機会が増えました。

日本の場合は高齢の方を中心に肩書を重視する傾向にあるので、資格を取得することで信頼度は一気に跳ね上がります。

また、他の資格勉強を楽に進められるというメリットもあります。

例えば、行政書士と司法書士では科目が被る場面が多いので、司法書士を取っている場合はすんなり学習を進めることができます。

person2
林様

私は司法書士の資格を取ったことで、大きく人生が好転しました

各所に蔓延る「資格を取っても意味がない」といったネガティブな意見に気を落とすことなく、勉強を楽しみながら司法書士の資格を手にしていただければと思います。

person1
近藤

本日は本当に貴重なお話をありがとうございました!

資格Timesは資格総合サイト信頼度No.1