高卒から司法書士になるには?難易度や稼げる金額まで詳しく解説!

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「司法書士って誰でも合格できるの?」

「司法書士になるために何をすればいいんだろう?」

確かに司法書士試験には受験資格がなく、学歴関係なく誰でも受験できるので挑戦してみたいという人も多いはずです。

しかし、実際に学歴がなくても司法書士試験に合格することは可能なのかどうか、またそこまでの過程をどう歩んでいけばいいのかについては、不安な方もいらっしゃるかと思います。

そこで資格Timesでは、中卒から司法書士にチャレンジして見事合格を果たした方へ取材を行い、学歴がない状態での司法書士受験のリアルを調査しました!

この記事を読んで、司法書士試験合格への道筋を立てて、試験に合格できるようにしていきましょう!

司法書士試験についてザックリ説明すると

  • 司法書士は国家資格である
  • 司法書士試験は学歴関係なく誰でも受けられる
  • 合格率は低く、難関試験である
  • 合格には計画を立て、長期間勉強する必要がある

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そもそも司法書士ってどんな資格?

考える女 司法書士は、司法書士法に基づいて認定されている国家資格です。

主な仕事としては、法律に関係する書類の作成、またはそれらの手続きの代行があります。また、個人も法人も顧客に迎えることがある仕事です。

中でも登記関係での仕事の依頼が多く、起業時の会社登記や土地を購入する時の不動産登記などを代行することが多いです。

これらのほかに、法律相談やコンサルタントに近い仕事を請け負うことも多く、裁判所、検察庁、法務局への提出書類の作成、成年後見事務、多重債務者の救済なども主な業務です。

司法書士は日常生活に密接にかかわる業務を行い、業務を通して人々の権利、地位を保証することを目指して働きます。

司法書士になる方法は2つ

司法書士になるためには、司法書士試験に合格する方法と、法務大臣の認可を受ける方法の2つのパターンがあります。

司法書士試験に合格する方法

司法書士試験は国家試験の1つで年に1度実施されます。筆記試験は7月に行われるため、まずは5月に願書を提出することから始まります。

筆記試験に合格すると、次は口述試験を10月に受けることになり、11月の合格発表で結果を知るまでが基本的な流れです。

司法書士試験の合格率は3~4%の狭き門で、国家試験のなかでもきわめて難しい試験だといわれています。

試験は筆記試験と口述試験に分かれています。

筆記試験は午前、午後の部に分かれ択一式と記述式分かれています。 科目の具体的内容については以下の表のとおりです。

午前(択一式) 午後(択一式) 午後(記述式)
憲法(3問) 民事訴訟法(5問) 不動産登記法(3問)
民法(20問) 民事執行法(1問) 商業登記法(3問)
刑法(3問) 民事保全法(1問)
商法(9問) 司法書士法(1問)
供託法(3問)
不動産登記法(16問)
商業登記法(8問)

口述試験は、筆記試験と同一内容とされていますが、実際は不動産登記法、商業登記法、司法書士法の3科目から主に出題されます。

ただし、司法書士試験に合格しただけでは司法書士としてはまだ働くことはできません。日本司法書士会連合会の司法書士名簿に登録して研修を受けることが必須です。

法務大臣の認可を受ける方法

法務大臣の認可を受けた場合、一般的には認定司法書士と呼ばれることになります。また、この方法で司法書士となった場合、試験を合格したパターンとは異なる点が1つあります。

簡易裁判所で行われる裁判に限ってのことですが、訴訟の目的の価額が140万円を超えない民事訴訟手続きの代理業務を行える点です。

簡裁訴訟代理等関係業務では、民事訴訟手続き、訴え提起前の和解(即決和解)手続き、支払督促手続き、証拠保全手続きなど、全部で8つの業務を取り扱うことが可能です。

ただし、認定司法書士になるには数年に渡っての実務経験が必要になります。簡易裁判所判事副検事として5年以上の実務、裁判所事務官や検察事務官として10年以上の実務をこなすことが必要です。

つまり、この方法での司法書士取得は必ず数年以上の時間が必要になるため、高卒ですぐにというわけにはいきません。

司法書士試験は高卒でも問題なく受験可能!

勉強する人 司法書士試験に受かるには法律の知識が必須です。

そのうえ、国家試験であるということもあって、大学の法学部あたりをきちんと卒業しておかないと受験する資格すらないという印象を持っている人は多いでしょう。

名前が似ていることもあってか司法書士とよく比較される司法試験であればこの印象は間違っていません。

司法試験には 「司法予備試験への合格」または、「法科大学院で法律に関する知識を、法学未修者過程なら3年、法学既修者過程なら2年間習得して必要教育課程を修了」 という受験要件があるからです。

ところが、司法書士試験にはこういったもの以外にも、学歴や年齢といったものまで受験要件にはありません

要するに司法書士試験は高卒であったとしても何も問題なく受験に臨めるわけです

20代前半で合格する人も少なからずいますが、幅広い層の人間が試験を受けることが可能なこともあり、実際は仕事をしながら勉強を続けて合格までたどり着く人が大半です。

高卒・中卒でも司法書士に合格できるの?

試験に合格しているイメージの画像 司法書士の合格率は毎年4%前後で推移しており、この数字は国家資格の中でもかなり難しい部類に入ります。まさに難関資格の1つと言えるのではないでしょうか。

そのため、合格率を見て「そんな難しい試験に高卒で挑戦するなんて無謀な気がする…」と尻込みしてしまう人もいるかもしれません。

しかしながら、実際には高卒で合格されている方も存在している試験であり、学歴問わずチャレンジできる試験となっています。

ここでは、中卒から司法書士試験合格を果たされた現役司法書士の林祐司先生のお話も参考にしつつ、高卒から司法書士合格までの道のりを見ていきましょう。

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林様

司法書士の林祐司と申します。元々は中卒で肉体労働をメインに行っていたのですが、将来への不安から資格取得を決意しました。

学歴がなくても受験できる司法書士の資格を見つけ、受験勉強を開始。4回目の試験で合格しました。

司法書士試験の難易度は実際どれぐらい?

司法書士試験の2022年度の受験者は12,727人です。合格者はこのうち660人で、その合格率はわずか5.2%程度というとても厳しい結果がでています。

もちろん、合格率は実施した年によってある程度の差異はありますが、間をとって3%くらいが司法書士試験の基本的な合格率という認識です。

このように合格率が低い理由は、試験の難易度のみによるものではなく、司法書士同士による顧客の取り合いを避けるために人数調整をしているからという側面もあります。そのため、試験の合否の判定基準は絶対評価ではなく相対評価であることも知っておきましょう。

司法書士の詳しい難易度は下記の記事をご覧ください。

人気が高く受験者が多い

司法書士の資格を得たあとに進む道には概ね3つのパターンがあります。

既存の事務所に就職、事務所を開業して独立、企業内の書類作成・法的業務を請け負う企業内司法書士の3つになります。

司法書士試験は難易度がとても高い試験ですが、司法書士資格者の需要は各企業、事務所ともに常に一定数はあり、取得さえしてしまえば将来は安定しています。

さらに、受験資格に学歴や年齢が不問なため、国家資格のなかでも比較的人気の高い資格であるといえるでしょう。

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林様

司法書士の資格を取得してしまえば、就職先がなくて困ることはまずありません。特に都市部では司法書士は人手不足となっています。

こうした高い需要を持つ資格ということで、司法書士を受験される方は多いです。

高卒だと知識不足で不利になる?

高卒と大卒を比べると、どうしても高卒の方が知識面で不利な気がしますが、実際のところはどうでしょうか?

司法書士の試験で登場する法律の知識というものは、大学の法学部出身者でない限りは、学校で学ばない内容がほとんどを占めています。

そのため、法学部などで法律を学んでいた人は多少有利にはなるものの、受験生全体に占める法学部出身の割合は多くはなく、そのほかの受験生については、ほぼ法律初学者であると言っても過言ではありません

つまり、学歴によって事前知識に差はほとんど付いていることはなく、スタートラインは同じであると言えるのです。

実際に、高卒の方で司法書士として活躍されている方もたくさんいますので、高卒、あるいは中卒の人が事前知識で他の受験生の方よりも不利になるということは基本的には無いと言って差し支えないでしょう。

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林様

司法試験などは「一般教養」として英語などの知識も問われますので、学歴の高い人ほど有利になる側面があります。

一方で司法書士試験では中学・高校で習う内容はほとんど扱わないので、受験勉強をしてこなかった人でも不利になることはありません。

学歴が高い方が合格率が高い?

「学歴が高い方が合格率も高い」

このことは感覚的には何となく正しいように聞こえますが、実際のところはどうなのでしょうか?

前提として、大学の偏差値と司法書士試験合格率との相関関係を示したデータは現状存在しません。そのため学歴が高いからといって本当に合格しやすくなるのかはについては、明確でないというのが実情になります。

一方で、司法書士試験の受験者の8割が30代以上の人であり、大学入試を受けた頃とは全くバックグラウンドが異なっています

このような点からも、10年以上前の大学入試時の結果と司法書士試験の結果との相関関係については、かなり小さくなっていると言えるのです。

以上のことから、学歴が高いからといって司法書士の合格率も高いとは断言できません。裏を返せば、高卒の人であっても、十分チャンスがあると言えるでしょう。

高卒の司法書士受験生がやりがちな失敗

学歴によって合格率は大きく左右されないと解説しましたが、それでも、高卒の人が陥りやすい失敗というものがあります。

以下、考えられる事象とその対策を紹介していきます。

継続できずに途中で投げ出してしまう

1点目は、継続できずに途中で投げ出してしまうということです。

勉強しているうちにわからないことに直面することや、思うように点数が伸びないといったことは、勉強していれば誰にでもあることです。

こうした場合に、「自分は高卒だから」といって自信を失ってしまい、勉強を辞めてしまう人も多いのが実情です

これまで述べてきましたとおり、司法書士試験というものは基本的には学歴は全く関係ない試験ですので、高卒・中卒であることを不利な条件だと思う必要はありません。

それよりも、コツコツと勉強を継続することが何より大切だということを心に銘じておくべきでしょう。

自己流の勉強法を強行してしまう

2点目は、自己流・我流の勉強法を強行してしまうということです。

試験勉強に慣れていない人の場合、どのように進めてよいか分からず、誰からもアドバイスを受けずに、自己流の勉強法で勉強を進めてしまいがちな傾向にあります

また、自分では何が良くて何が悪いのかということに気づきにくいため、いつまでも改善できずに効果を上げることができないことになります。

その結果として、非効率な勉強をし続けることになり、何年も不合格になり続けることも珍しくありません。

もちろん独学で合格する方も一定数いますが、基本的には予備校または通信講座を受講するなどして、効果的な勉強法を他人から学ぶ方が良いでしょう。

高卒で司法書士は目指すべきか

迷っている女性

目指すこと自体は簡単ですが、実際に高卒の人が司法書士の資格を取得することは決して簡単なことではありません。

そのような困難な道を乗り越えてまで、司法書士の資格を目指す価値はあると言えるのでしょうか。

司法書士の仕事内容は?

そもそも、司法書士とはどのような仕事を行うのでしょうか?

司法書士は、他人の依頼を受けて、不動産・会社などの登記手続きや法務局・裁判所・検察庁への申請書の作成・申請代理業務を行うことができる国家資格です。中には独占業務という、司法書士だけしか行うことができない業務も存在しています

司法書士の仕事範囲を挙げてみると、「登記」や「成年後見」、「相続」、「債権整理」、「裁判」など、その守備範囲はとても広いです。さらに、「不動産」や「外国人の帰化申請」などもあったりするので、司法書士の仕事がイメージしにくい部分もあるかもしれません。

また、業務は事務的なものだけでなく、法律や不動産のスペシャリストとして、M&Aなどに関する相談に乗ったりすることもあります。

司法書士の仕事内容は下記の記事を詳しくご覧ください。

司法書士になったらどれぐらい稼げるの?

多くの人が気になるのが司法書士になった際の年収状況なのではないでしょうか?

ここでは、勤務司法書士と開業司法書士の2パターンの年収について解説していきます。

司法書士事務所に雇用されながら働く勤務司法書士の場合

勤務司法書士の年収は300~400万程度になります。非常に難易度の高い司法書士試験を合格して得られる収入としては、意外と低く感じる人も多いのではないでしょうか。

これには理由があり、実際に勤務司法書士として働いている人は、合格して間もない人やいずれ独立して事務所を構えるためのステップとして働いている人が多いです。

その結果として勤務日数が短いケースが多くなり、年収も低めに算出されてしまいます。

ただし、これは大手の司法書士事務所での勤務司法書士であれば話が違ってきます。大手司法書士事務所での平均年収は700万を超えてくるケースもあるからです。

なかには1000万を超える人もいるので、より高い収入を目指す人は大手司法書士事務所の求人に応募することをおすすめします。

独立開業した司法書士の場合

独立開業した司法書士の年収は600万未満が多いというのが実情です。

独立するともっと稼げそうなイメージを持つ人は多いでしょうが、独立したからといって必ずしも勤務司法書士よりも稼げるわけではありません。

ただし、独立開業にはやはり夢があり、年収1000万以上の司法書士も多い上に、年収2000万を超えている司法書士もいます。

独立開業すると年収は本人の努力次第で大きく変動するので、勤務司法書士よりも年収がアップする可能性は高いといえるでしょう。

ただし、独立開業して成功をおさめるためには、顧客を安定して獲得する手腕や、それを維持するスキル、事務所を盛り上げるための営業努力などが必要です。

幅広くサービスを提供する姿勢が大切で、法律相談やコンサルタントのような役割など顧客のニーズに応えることを重視することが大切でしょう。

司法書士の収入事情については下記の記事をご覧ください。

司法書士資格を取るメリットは?

司法書士の資格を取ることはとても難しいですが、それ以上に取得することのメリットがとても大きいため、目指す価値のある資格であると言えるでしょう。

かなりの年収増加が期待できる

平成30年度の厚労省が行った賃金構造基本統計調査を以下に示していますが、高卒の平均年収が423万円であるのに対して、大学または大学院卒男性の平均年収は607万円となっており、大卒と高卒では平均年収に大きく差があるのが現状です。

最終学歴 平均月給 平均年収
中卒 280,600円 3,805,900円
高卒 296,900円 4,236,500円
高専・短大卒 302,000円 4,399,400円
大学・大学院卒 398,900円 6,077,700円

一方で、2012年司法書士白書によれば司法書士の平均年収は877万円であるので、大学・大学院の平均年収よりもさらに高くなっております。そのため、司法書士を取得することで、大幅な年収アップが見込めることになります。

就職・転職先の候補が増える

司法書士の資格を取得することによって、就職先や転職先の候補を増やすことができます。その中には、士業の事務所や企業の法務部といった、資格無しで勝ち取ることは難しいような新しい就職先の可能性を手に入れることもできます

また、就職や転職の際に、これまでは企業側に「高卒」や「中卒」という学歴をメインで見られてしまっていたのが、「司法書士」という資格を取得することで、以降は資格に注目してもらえるようになります。

このように、司法書士であれば学歴のデメリットを打ち消すのみならず、部署によっては就職や転職で大卒以上に有利になる場合もあると言えます。

独立後は誰も学歴を気にしない

これまで述べてきましたとおり、司法書士という資格は学歴の制限がなく、誰でも目指すことができる資格です。

この学歴不問の考え方は、資格取得後も変わりありません。すなわち、司法書士として独立した後も、学歴で判断されることはなく、実力がものをいう実力主義の世界であるということです。

そのため、言い訳ができない厳しい世界ではありますが、一方で、自分の裁量の中で、のびのびと自由に働くことができる環境であるとも言えます。

また、司法書士の仕事は顧客から頼りにされる、大変やりがいのあるものですので、社会的に尊敬を集める存在になることもできます。

司法書士試験合格者の平均年齢

未来 2022年度の合格者の平均年齢は40.65歳となっています。司法書士試験には学歴、年齢は不問です。

つまり、非常に幅広い年齢層の受験者がいます。そういうこともあってか平均年齢は30代や40代が多い傾向です。

ちなみに2022年度の合格者の最低年齢は20歳でした。司法書士試験は高卒でも受験をすることが可能ですが、高校を卒業してすぐに受験に受かるというのはさすがにハードルが高すぎることを表しているといえます。

働きながら勉強を続け地道な努力を重ねたうえで30歳前後の合格を目標に定めるのが現実的なプランでしょう。

また、司法書士試験の受験者には法学部出身が多いという事実があります。

法律を熟知していないと合格するのが難しい試験なのでこれは必然的でもありますが、かといって学校で法律の勉強をしてこなかった人が合格できないかというとそんな事はありません。

必ずしも大学の法学部を出ていることが有利だとはいえないのが司法書士試験です。受かるために何よりも大切なのは、決してあきらめることなく効率のいい勉強を続けていく姿勢でしょう。

司法書士試験に合格するための道筋とは?

受かって喜ぶ子供 司法書士試験で合格をおさめる方法には主に3つのものがあります。

大学や短大の法学部へ進学する方法

法学部に進学する方法は、もっともスタンダードな手段だといえるかもしれません。

司法書士試験を合格するには基本的な法律知識が必須だといえます。法学部に進学すればこれらの基本知識の勉強ができるのは大きなメリットです。

また、現実として偏差値の高い法学部出身者が司法書士試験の合格者に多いという事実もあります。

通信講座や資格スクールを利用して働きながら勉強する方法

通信講座は通勤中の時間を利用して勉強ができるシステムが用意されているケースがあります。

働きながら勉強をするとなると少しでも空いた時間は有意義に使いたいものでしょう。

通勤中のような隙間時間を勉強時間として活用できるのは大きなメリットだといえます。

通学形式の資格スクールはテキストや講師陣の充実がメリットです。資格取得に向けて効率性の高い勉強を続けられます。

独学の方法

独学の最大の魅力は予備校や通信講座と比べて大きく費用が抑えられるという点です。

また、周りに振り回されることなく、自分のペースで勉強を続けられることもメリットだといえます。

ただし、これまで述べてきたように司法書士試験は非常に難易度の高い試験です。独学だけで合格にたどり着くのはとてつもなく困難な道というのが現実でしょう。

高卒で司法書士を目指す際に知りたい勉強法

歩き出す人 これまで紹介してきたように司法書士試験は学歴、年齢を問いません。

高卒でも司法書士になることは不可能ではありませんが、そのためには知っておくべきポイントが3つあります。

高卒でも活躍できるが相当の覚悟が必要

司法書士試験は司法試験とは異なり、学歴や年齢などの受験資格は一切ないので、どんなに努力をしても学歴がネックになるという心配は無用です。

もちろん、大学、短大の法学部をでていた方が試験においては有利であることは間違いないのですが、これらは本人の努力次第で充分に補えます。

実際、司法書士として活躍している人のなかには高卒から合格にたどり着いた人がたくさんいます。

注意点として心に留めておきたいのは、司法書士試験は絶対評価ではなく相対評価だという点です。

司法書士になれる枠はある程度決まっているので、この厳しい競争に打ち勝つのに必要とされる努力は並大抵のことではありません。

勉強時間やペースについて

司法書士試験に合格するには不動産登記法や商業登記法など11におよぶ法律の知識が必須になります。さらに、これら以外にも実際の判例などの勉強も必要です。

覚えなくてはならない量は膨大で、大学や短大の法学部できちんと勉強をすませ一定程度の法律知識を持っている人であっても、2000時間は勉強時間が必要だといわれています。

大学、短大での勉強時間を加味してもこれだけの勉強時間が必要なのです。

高卒の場合は、当然これを上回るだけの勉強時間が必要になるといっても過言ではありません。一般的には3000時間以上は勉強していないと合格は難しいといわれています。

家が裕福であったり、家族の理解があったりと、生活するうえで働く必要がない場合は、司法書士試験の勉強に専念することで勉強時間を大幅に稼ぐことができます。

しかし、大半の人はこれだけの勉強時間を仕事と両立しながら捻出することになるでしょう。その場合、毎日4時間くらい勉強時間をキープしたとしても2年程度は必要です

毎日3時間くらいとはいえコンスタントに勉強時間をキープするには、睡眠時間や交友時間、趣味の時間などを削らざるをえないケースが多いようです。

学習方法はどれがベスト?

前述したように高卒の場合、どうしても短大、大学の法学部出身の学生よりも勉強に必要な時間が多くなってしまいます。これを補うためにも効率性の高い勉強をすることは非常に大切です。

費用が抑えられ、自分のペースで勉強に打ち込める独学は魅力的ですが、法律の解釈などは非常に難解で独学による勉強だと間違った解釈で覚えてしまう危険性を否定できません。独学による勉強方法はあまりおすすめできないといっていいでしょう。

費用がかかってしまうのは難点ですが、民間の資格予備校や通信講座を利用しての勉強方法の方が、かえってコストパフォーマンスに優れている可能性は高いといえます。

司法書士試験は学歴、年齢不問で受けられるということもあって、志願者のとても多い有名資格です。人気のある資格だけあって試験対策の講座もさまざまなものが揃っています。

効率性を重視したものや、添削指導に力を入れたものなど、自分にあったものを探しやすいので、まずは気になる講座の資料を請求してみることをおすすめします。

独学で目指す場合のおすすめテキストは?

高卒の人が独学で学習を進める場合、大学などで法律知識を学んでいたという人はいないという前提に立つため、教材は法律初学者でも学びやすいものが良いでしょう。

それでは、どこのテキストが独学にはおすすめなのでしょうか?

司法書士試験の独学用テキストでは、「オートマ」シリーズのものが大変おすすめな教材です。

司法書士 山本浩司のautoma system(1)民法(1)(基本編・総則編)第11版
2530円
司法書士 山本浩司のautoma system(1)民法(1)(基本編・総則編)第11版
2530円

解説が丁寧であるため、初めて法律に触れる人にとってもとっつきやすい構成となっている上に、シリーズ一式を揃えることで合格に必要な一通りの内容を学び尽くすことができるという点も魅力的です。

独学合格は茨の道

仮に、大学卒以上と高卒とで相違点があるとするならば、それは勉強のコツを掴んでいるかどうかという点ではないでしょうか。学歴が高い人たちの方が、大学受験などを経ている分、コツを掴んでいる可能性が高いと言えます。

この差を埋めるためには、独学ではなく予備校や通信講座を利用してプロの指導を受けるのが最善・最短の道であると言えます。実際に、独学でチャレンジして失敗した人が、翌年度は通信講座等を利用して無事に合格したという話は、いたるところで聞かれています。

独学で何年も不合格になり続けていては、その間に訪れる就職や転職、独立機会といったチャンスを逃すことになってしまいます。結局のところ、それでは仮に合格したとしても、司法書士を取得することによるメリットを十分に享受できなくなる恐れがあります。

つまり、当たり前に聞こえるかもしれませんが、最初から効率の良い勉強法を選択して一発合格するのが一番であると言えるでしょう。

おすすめは通信講座

司法書士の予備校を選ぼうといざ学校探しを始めてみたものの、講座費用が高くなかなか踏み出せないという方も多いかと思います。また、決まった時間に通学するのが難しいという方もいらっしゃるでしょう。

そういった方におすすめなのが、スタディングの司法書士通信講座です。

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司法書士に学歴は関係ない!高卒でも挑戦してみよう

司法書士は高卒の人でもなれるのかまとめ

  • 誰でも合格を目指すことのできる試験
  • 受験者数は約1.2万人、合格率は4~5%程の難関試験
  • 高卒の場合3000時間以上の勉強が必要
  • 資格取得後は将来が安定する

ここまで司法書士試験の受験資格から、将来性まで幅広く見てきました。司法書士試験でもっとも重要な点は受験要件に学歴、年齢が含まれないことです

大学を卒業していなくても、どんなに歳をとっていても本人に受験する気があれば受けることができます。

ただし、この試験は数ある国家試験のなかでも非常に難易度の高い試験です。見事、司法書士となって活躍するには長い時間をかけてでも勉強を続けていく強い意思が必要でしょう。

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