司法書士試験の記述式で点数が取れない原因とは?おすすめの勉強法も併せて解説!

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「司法書士試験の記述ってどんな内容なの?」

「記述試験ってどうやったら点数が伸びるの?」

司法書士の記述試験について皆さんもこのような疑問を持っているのではないでしょうか。

司法書士試験といえば難関国家資格の一つですが、とくに記述式の問題で得点をうまく取れないと悩む人が多いようです。

しかし司法書士試験に合格するためには記述式の問題で確実に得点を取らなくてはならないというもの事実。

ここでは、記述式問題で得点が取れない原因をピックアップすると同時にそれぞれの原因について解説していきます。

この記事を読んで、記述試験で得点が取れない原因を把握し、記述試験で点数を伸ばしていきましょう。

司法書士試験の記述式問題についてざっくり説明すると

  • 出題範囲は不動産登記法と商業登記法から1問ずつ
  • 関連法の知識と応用力を身に着けることが必要
  • あいまいな知識をなくしていくことが重要

司法書士試験の記述式問題について

勉強している様子 司法書士試験の記述式問題は午後の部において出題されます。不動産登記法から1問と商業登記法から1問の計2問出題され、その配点は70点となっています。

この「不動産登記法」と「商業登記法」の内容、そして記述式問題が占める割合というのも重要なポイントになってきます。

司法書士試験では記述式問題のほかに、択一式問題も出題されます。午前の部で35問、配点は105点。午後の部で35問、こちらも配点は105点です。

記述式問題は2問で70点ですから、この事実から記述式がかなりのウェイトを占めていることは間違いないでしょう。

それに加え午後の部の択一式問題には「不動産登記法」から16問、「商業登記法」から8問と、午後の部35問中24問がこの2つの分野から出題されます。

記述式問題を解くためには各科目に連動した知識と応用力を身につけておく必要があるのです。

択一式問題と記述式問題で、全体の大きなウエイトを占めている「不動産登記法」と「商業登記法」はそれだけでなく、関連のあるほかの法律と関連付けながら理解を深める必要があります。

また、合格するためには「択一式午前の部」「択一式午後の部」「記述式問題」それぞれの基準点を超えたうえで合格点を越えなければなりません。

よってどの法もバランスよく理解しレベルアップしておく必要があるのです。

司法書士試験の記述式で点数が取れない原因

女性とチェックリスト 司法書士試験を受けるとき、どうしても記述式問題が苦手だ、点数が取れない、といった壁にあたってしまう人は多いようです。

択一式問題で出題される問題が解ける人であれば、記述式問題も解けるように出題されているのですが、実際はなかなか難しいものです。

ここでは点数が取れない原因について1つずつ解説していきます。

時間配分ができていない

午後の部は試験時間内で択一式問題と記述式問題を終わらせなければなりません。もし、択一式問題で予想外に時間がかかってしまったらどうでしょう?

残り少ない時間で冷静に問題を読み解くことができるでしょうか?こんな時、何か書いておかなくては、少しでも点数になるようなことを書こう、といった思考に陥る人は少なくないはずです。

これでは、ひっかけ問題や細かく読み解かなければならないことが潜んでいても、気づくことは難しいでしょう。問題を落ち着いて解く時間そのものがなければどうすることもできないのです。

そうならないために、まずは時間配分を予め決めておきましょう。

記述式問題に時間の余裕を持たせるためには、択一式問題をそれなりの速度で解く必要があります。普段の練習問題や模試を繰り返す中で自分にとってベストな時間配分を見つけ出しましょう。

択一式問題なら、各科目ごとにどれくらいの時間をかけるか決めておきます。

細かく決めておくことで、長丁場となる択一式問題をチェックポイントのように管理できるので、時間のロスを未然に防ぐことが可能です。

時間制限を設けることで回答率が下がってしまうこともあるかもしれませんが、記述式問題を確実に解くこととのバランスを取ることはとても有効的な試験戦略になります。

また、時間を短縮するためには書くこと自体のスピードを上げるのも有効であるため、書きやすい筆記用具を用意するなどの工夫をしてもよいでしょう。

ある程度の乱筆は減点もされず採点してもらえるようなので、とにかく早く書くという練習も記述式問題を攻略するために有効な手段なのです。

ミスを連発している

ミスは人間にはつきものといっても、記述式問題でミスが積み重なればたくさんの点数を失ってしまうことになります。

もし、同じようなミスを繰り返しているなら一度のノートに書き出してみましょう。何度もやってしまうミスがあるなら回数も書いておくことが有効です。

繰り返すミスは言わば自分の癖のようなものなので、書き出すことで自分の状況を客観的に分析することができるのです。

度々やってしまうミスはリストのようにしておいて、練習問題を解く前などにしっかりチェックしてから始めるようにします。

また、試験中に焦ってしまい細かいミスに気づかないという事もあるでしょう。問題を読みながらミスしやすそうな部分に気がついたら、すかさず問題の空きスペースなどにメモしましょう。

回答が終わってから見返せば、短時間でチェックができるうえ書き忘れなどのミスも防げます。

細かな論点は書きもらしてしまうことも起こりうるので、気になったことはどんどん書き出しておけば忘れることはありません。

長い名称のものなどは、全てを書いていては時間のロスになってしまうこともあるので、略語や頭文字だけを書くなど自分にはちゃんとわかる文言で手早くメモすることも大切になるでしょう。

勉強量が不足している

そもそも記述式問題は解答にそれなりの時間がかかってしまうものです。

しかし必要以上に時間がかかってしまうようであれば、それぞれの法律や関連した法についてもまだ十分に理解できていないことが考えられます。

どんなことでもそうですが、しっかりと自分の中に落とし込めるまで理解できていなければ、実際に使いこなすことは難しいのです。

また、ひな形の暗記がしっかりとできていない場合も、記述があいまいになったり迷うことが増えるばかりで、悩む時間ばかりを消費することになります。

こういった場合にもメモは有効です。知識のあいまいな部分はメモに書きだしていきましょう。あとでピックアップして勉強しやすくなります。

また、記述式問題は先にもお伝えしたように「関連のあるほかの法律と関連付けながら理解を深める」ということが重要になっていきます。よくある事例が網羅された講座などを受けることもおすすめです。

流れの中で不足している知識を学習したり、ミスをしやすいポイントを知ることができ、自分に最適な回答のパターンを作り上げていくことができます。

自分の中で関連事項を含めた知識をしっかり落とし込み、問題で出てきたときに瞬時に頭に浮かぶまで繰り返し勉強していくことが大切です。

段取りがうまくできていない

司法書士試験という限られた時間の中でベストな回答を出すためには、どれだけ時間をかけずに段取りよく回答を進めていくかという事も重要になってきます。

記述式問題を解き始めてからあれこれ悩み、迷っていてはどんなに択一式問題で時間を短縮したとしても時間は足りません。

記述式問題では考えるというより、反射的に回答できるようになっておくことが必要になってきます。

そのためには「作業工程」と「確認事項」を自分なりに考えて用意しておくとよいでしょう。効率的な回答のための段取り考えるのです。

「作業工程」では、どこから注意して見ていくかの大まかな流れを決めていきます。そして各工程で必要な「確認事項」を加えていけば、全体の進行表を作ることができるでしょう。

練習問題のたびにこれを確認しながら行えば、自分のパターンができ実際の試験でも反射的に回答できるようになります。

高得点を取るのが難しい

そもそも司法書士試験の記述式試験では高得点を取ることは大変難しいです。

70点の配点に対して、直近5年で満点を取ったものはおらず、例年の最高得点は62-65点ほどです。

基準点も平均点を1点程上回る程度であることからも、記述式問題の難易度の高さが伺えます。

年度 最高得点 基準点 平均点 基準点-平均点
2018年度 62.5 37.0 36.91 0.09
2019年度 63.0 32.5 32.13 0.37
2020年度 63.0 32.0 31.74 0.26
2021年度 64.5 34.0 33.94 0.06
2022年度 63.0 35.0 33.83 1.17

出典:法務省司法書士試験筆記試験の結果などについて

また、記述式問題の採点方法や配点は公開されていません。よって、どのように解答すれば何点取れるという明確な基準は受験生には分かりません。

よって、効率的に得点する方法なども具体的にはわからないと言えます。

突飛な試験形式の変更がある

試験の形式を唐突に変更することで、受験生の動揺を誘う試験が出題されることがあります。

例年では出題されないような、司法書士の実際の業務で用いられてる資料を読み取らせる問題が出題されたことがあります。

また、知識を問う問題でそれまでは、正式名称で回答させていたものを選択肢の中から記号で回答させるものに変更することなどが行われています。

記述式の勉強のやり方

丸付けの様子 一般的には択一式問題の勉強を一通りやり終えてから、記述式問題の勉強を始めることが多いようです。

しかし、択一式問題の知識がついたからといって記述式問題が解けるようになるわけではありません。

先にもお伝えしたように記述式問題をスムーズに解くためには、各科目に連動した知識と“応用力”が必要になるからです。

そのため、択一式と記述式の両方を同時に勉強することが合格への近道となるでしょう。

同時に勉強するメリットは主に2つあります。

1つ目のメリットは、択一式問題の勉強だけでは見えてこなかった各法律の全体像がわかるようになることです。

一般的な事例などを学ぶことで実際のシーンをイメージしやすくなり、択一式問題の勉強も理解しやすくなります。

逆に、択一式問題の知識がないまま始める記述式問題の勉強は、意味が解らないことだらけな分、理解した時の吸収力はとても大きく、曖昧になったり忘れることも少ないのです。

2つ目のメリットは、同時進行で勉強することで記述式問題の勉強量が減ります。まだ記述式の勉強ができていない…といった心理的悩みが起きる心配もありません。

黙々と続ける択一式の勉強の合間に記述式の勉強を入れれば、並行で進められるうえ気分転換にもなるので一石二鳥となります。

最初はわからないことばかりでも、反復することで自ずと身についていきます。何度も繰り返し勉強するという事は、司法書士試験の勉強方法として常に大切なことでもあります。

司法書士試験の記述式問題は基礎が大切

司法書士記述試験まとめ

  • 記述試験の配点は70点と重要度が高い
  • 時間配分の見直し、ミスの部分を特定することが高得点のカギ
  • 法律が瞬時に頭に浮かぶまで勉強することが大事
  • 択一式と記述式の勉強は並行してやることがおすすめ

ここまで司法書士試験の記述式の概要から勉強法まで見てきました。

司法書士試験に合格するためには合格点に達するだけでなく、それぞれの基準点を超える必要があります。

そのため、各科目をバランスよく勉強することはかかせません。また、記述式問題では応用力がためされるため、基礎をしっかり固めることが重要です。

ぜひ記述試験で高得点をとれる勉強法を自分なりに見つけてみてください。

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