社労士の女性割合はどれくらい?女性社労士の活躍やメリットを紹介!
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社労士
のんびり社労士いけい
「社会保険労務士って女性が多いの?」
「社会保険労務士は女性でも仕事しやすいの?」
そんな疑問をお持ちの方はいませんか?
人気資格の社会保険労務士(以下、社労士)は女性が多いと言われています。
なぜ女性が多いのか、女性がどのように活躍できるのか、どのようなメリットがあるのか、この記事では女性社労士にスポットをあてて詳しく説明します。
女性に是非おすすめしたい資格なのでご覧ください。
女性社労士についてざっくりと
- 社労士は女性の割合が多い
- 社労士の業務内容は男女関係なく活躍できる
- 忙しい主婦の方でも隙間時間に働ける
社労士の女性割合は高い
社労士は女性の比率が高い資格だと言われていますが、どのぐらいの割合かご存じですか?資格試験の合格者数の中の女性の割合を他の資格も含めて作成した表(2021年度)は下のようになります。
資格試験名 | 合格者の女性比率(2021年度) |
---|---|
司法試験 | 27.8% |
司法書士 | 29.7% |
行政書士 | 27.1% |
中小企業診断士(一次) | 6.9% |
税理士 | 28.9% |
社会保険労務士 | 38.3% |
2021年度の社労士試験の女性の合格者は全体の38.3%となっています。いわゆる難関と言われている資格試験を並べてみましたが、社労士は合格者のうちの女性の比率が三分の一を超える唯一の資格です。
年度によって多少の差はありますが、社労士試験は毎年、合格者のほぼ3人に1人は女性と言われています。実際に活躍している社労士の中にも女性は多いです。
なお、2018年度社労士試験の合格者の女性割合は34.6%となっており、女性割合は年々増加傾向にあることが伺えます。
女性社労士の方が年収が高い?
2019年度の賃金構造基本統計調査によると、男女別の社労士の年収は次のようになっていました。
年数 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
4年未満 | 455万円 | 295万円 |
5〜9年 | 398万円 | 435万円 |
10〜14年 | 617万円 | 483万円 |
15年以上 | 564万円 | 334万円 |
社労士の平均年収は調査対象となる母集団によって大きく異なってくるので、上記の年収額は目安程度のものですが、少なくとも社労士業界で女性が活躍していることは間違いなさそうです。
社労士の平均年収の推移についてより詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
女性社労士が多い理由
試験を受ける女性も多く、合格者も女性が多いのが社労士試験の特徴です。なぜ、女性社労士が多いのでしょうか。その理由に迫ってみます。
仕事内容が向いている
まず、社労士の業務内容が女性に向いていることがあげられます。
社会保険、労働保険の書類作成や給与計算、決まりに従った保険料の算定など、数字を扱う細かい作業や事務作業も多く、これらには正確さと緻密さが要求され、女性に向いていると言われることがよくあります。
また、高齢者や女性労働などの雇用問題に対してきめ細やかな対応をできるということで女性社労士は重宝されます。
女性のきめ細やかさや事務処理能力の高さが生かせる業務が多いのが社労士の特徴です。
また、女性は年金や保険といった身近な社会保障制度に関心が高いことが多く、勉強に取り組むきっかけになりやすいことが受験者の多さに表れていると考えられます。
女性は人事や総務などの部署で働くことも多く、それまでの勤務先の業務内容から、社労士の資格に興味をもつ方も多いのではないでしょうか。
最近は、働く女性も増えていて経営者が女性の企業も多くなっており、そういう方達は女性社労士を希望するパターンも増えているといいますから、ますます女性社労士のニーズが高くなっています。
働き方があっている
社労士は他の士業よりも、開業ではなく企業に勤務して働くということがしやすいため女性も参入しやすい環境であると考えられます。
女性だといきなり大きなリスクを抱えて開業することに躊躇しまう場合も多いと考えられますが、それでも開業以外に働き口は様々に用意されているので社労士としての仕事は取りかかりやすいです。
また、出産育児などで一度仕事を離れたとしても、再び職場を探すときには資格を持っていることで採用されやすくなります。
開業以外の働き方も選びやすく、再就職もしやすい社労士はライフスタイルの変化が多い女性が持っていると安心の資格です。
仕事と子育ての両立もしやすい
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「子どもがまだ小さいのでフルタイムでは働けない」
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「一旦専業主婦を選んだけれどやっぱり社会とのつながりが欲しい」
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「働きたいけれど保育園に空きがない」
といった悩みは子育てをする母親には尽きませんよね。
社労士なら開業もできるため自宅で自分のペースで仕事をすることもできます。開業社労士として、自分のできる範囲内に仕事をセーブするという選択肢もあります。
もちろん、パートタイマーという働き方を選んで社労士事務所や企業の人事労務部などで働くこともできます。
子育て経験者の社労士は、企業に対して産休、育休についてのアドバイスや子育てをする女性の労働環境についての的確なアドバイスができるでしょう。
ワークライフバランスを調整しやすい
開業社労士は、子育てなどで家にいたいときは家で自分のペースで仕事をして時間ができたら受注する仕事の量を増やすなどのペース調整をすることができます。
子育てが落ち着いてからも親の介護などでフルタイムで働けない事情が出てくる可能性もあります。その際には、また自分のできる範囲で仕事を受注するなど、自分の生活に合わせて仕事量を変えられて融通がきく仕事と言えます。
開業社労士としての経験を積んだら、他の人を雇って仕事を分担することもできます。
開業は難しいと考える人でも、パートや、正社員など、ライフスタイルにあわせて様々な勤務形態で働くこともできます。最近では、業務をほとんど在宅で行うこともできる事務所も増えてきています。
電子申請も一般化してきていますし、今後はリモートワークの選択肢もどんどん増えていくと考えられます。
資格を保有していることで、様々な働き方を選べるのは社労士の魅力ではないでしょうか。
女性が活躍する社労士業務
社労士の業務が女性に向いているということを今まで説明してきましたが、ここで社労士の業務内容を簡単におさらいしたいと思います。
社労士の業務は1号業務・2号業務・3号業務の3つの業務があります。
1号業務での活躍
1号業務とは、労働・社会諸法令にまつわる必要書類の作成、提出手続きの代行のことです。
この中でも特に、書類の作成については、女性の事務処理能力の高さを生かすことができると考えられます。
2号業務での活躍
2号業務というのは、帳簿書類(就業規則、労働者名簿、賃金台帳など)の作成のことです。これらの帳簿書類は必ず会社に備えつけておかなければならないのでプロである社労士の力を生かすことができます。
就業規則作成などは女性の広くきめ細かい視点はとても生きますし、帳簿書類の作成も女性が得意とされる業務にあたります。
なお、1号業務と2号業務については、社労士の独占業務となっており、社労士でない人が代わりに行うことはできない業務です。
3号業務での活躍
社労士は、独占業務以外にも人事労務に関わるコンサルティングの業務もすることができます。企業の相談に乗って、アドバイスをする仕事です。
この業務は社労士でなくてもできますが、労働・社会保険諸法令に関する豊富な知識が活かされるため多くのクライアントは社労士にお願いしたいと考えます。
最近は、女性の社会進出も進み、働き方改革も叫ばれています。そんな時には、やはり女性の心配りや経験などが生きるので、女性社労士に向けられるニーズは大きいと言われています。
社労士の仕事内容についてより詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
女性の社労士資格を取るメリット
これから、社労士を目指す女性、社労士資格を持っている女性に対して資格取得のメリットを紹介します。
子供が独り立ちした後の時間の使い道
子供に自分でできることが増えてくると、母親は自由に使える時間ができてきます。でもまだ子どもが小さいのでフルタイムで働くのには不安がある、という場合もあるでしょう。
そんな時期の育児の隙間時間に社労士の資格試験にあてて資格をとってしまえば時間を有効活用できますし、もう一度働こうとしたときの大きな武器になります。
もともと資格を持っている主婦の方は、子どもが幼稚園に行っている間に短時間で働きたいとか、自宅でなるべく仕事をしたい、という時にも働き口を選びすいです。ブランクがあったとしても、有資格者であれば就職しやすいので安心です。
子どもが学校に入って生活も落ち着けば、フルタイムでの仕事に切り替えることもできます。
子どもから手が離れると、社会とのつながりがないという不安を感じる主婦の方もいるでしょう。そんな時も、社労士の資格があれば社会とのつながりを取り戻せます。
社労士の資格は一生もの
社労士の資格は登録しない限りは費用がかかることはありませんし、実際に業務にあたっていなくても失効することがないので、一度試験に合格し資格保有者になるだけで一生使えるというのが魅力です。
子どもから手が離れるまでも、離れてからの時間も社労士の資格を有効に使うことができるので、主婦の方に是非おすすめしたいです。
家庭にとっても大事な知識を得られる
労働保険や健康保険・年金といった家族を守る法律の知識はいざという時にとても役に立ちます。
例えば、夫を過労死から守る事もできますし、病気や怪我の時にもらえる補償や手当金などを見逃すことはありません。
労働保険も社会保険もいざという時のものが多いので、いざという時を見逃さないためにも社労士の知識は役立ちます。
年金の知識があれば、長い目で将来の年金額を見据えて、子どもの進学資金や老後の蓄えなどを考える助けになります。
労働・社会保険諸法令は法改正が頻繁に行われるので、その情報をしっかりキャッチしていく必要はありますが、相互扶助の考えのもとにある社会保障の制度は有効に活用し、無駄なく利用していきたいですよね。そういう意味でも家庭を支える主婦にはとてもおすすめです。
女性と社労士の資格についてまとめ
女性社労士についてまとめ
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社労士試験の合格者の3人に1人は女性
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社労士の業務内容は女性に向いている
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女性の視点やきめこまやかな対応が求められるためニーズも高い
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ライフスタイルにあわせた働き方を選べる社労士は主婦に特におすすめ
この記事では、社労士試験の合格者の女性比率や、女性が社労士の資格に向いている理由、さらに女性が社労士資格を保有することのメリットを説明しました。
一度取得すると一生ものの資格である社労士は、女性に対するニーズも高く、資格を保有しているとライフスタイルに併せて働き方も選びやすくなります。
是非、社労士資格を取得し、女性社労士として活躍してみませんか?