中小企業診断士の女性割合はどれくらい?女性診断士の強みやメリットを紹介!
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中小企業診断士
平井東
「中小企業診断士の女性割合はどれくらいなの?」
「女性中小企業診断士の活躍が知りたい!」
このような疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか?
中小企業診断士の試験会場に行ったことがある人であれば、周りが男性ばかりで驚いたことでしょう。
ここでは中小企業診断士の女性の割合や、女性診断士の仕事のしやすさ、さらには強みやメリットも徹底的に解説します。
この記事を読み終わる頃には、女性中小企業診断士についてはバッチリです!
中小企業診断士の女性割合についてざっくり説明すると
- 中小企業診断士の女性割合はかなり少ない
- 女性の中小企業診断士の比率が低いことには理由がある
- しかし女性中小企業診断士にはメリットもある
中小企業診断士の女性の割合
女性の中小企業診断士の割合は男性に比べてかなり低いです。
以下では中小企業診断士の女性の割合について、女性比率が低い理由などを交えて詳しく見ていきます。
女性の割合はかなり低い
令和3年5月実施の中小企業基盤整備機構のアンケート調査によると、中小企業診断士の女性割合はたった5.2%でした。
現在では女性の社会進出に伴い女性の割合は微増しつつありますが、それでも女性の中小企業診断士は10%に満たない状態で、占める割合はかなり低いといえます。
2次試験の女性合格者数とその割合
中小企業診断協会のデータをもとに、ここ数年間の2次試験の女性合格者数とその割合についての表を下記に示します。
年度 | 男性の合格者数 | 女性の合格者数 | 女性割合 |
---|---|---|---|
R1年 | 993 | 95 | 8.7% |
R2年 | 1,076 | 98 | 8.3% |
R3年 | 1,428 | 172 | 10.8% |
R4年 | 1,497 | 128 | 7.9% |
上記によると、2次試験の女性合格者数は約7~10%ということがわかります。
データをみても、女性の中小企業診断士の割合が低いことが明らかですが、この原因は一体なんなのでしょうか?
中小企業診断士の女性比率が低い理由
そもそも、中小企業診断士には他の資格とは異なり法律で定められた独占業務というものがありません。
女性に中小企業診断士が人気でない理由として、他の士業とは違って独占業務が少ないということが可能性として考えられます。独占業務が少ないことで、安定性を求める女性が不安に感じ敬遠してしまう事があるのかもしれません。
たとえば社労士と比較した場合、社労士の女性割合は約35%であるように、他の資格だと女性の比率はもう少し高いです。女性には独占業務がある資格の方が人気が高いという傾向があるようです。
業務内容が女性比率の低さに影響する?
中小企業診断士はコンサルティング業務が中心となります。中小企業診断士の主な顧客である企業経営者は圧倒的に男性が多く、2018年の帝国データバンクの発表によると経営者の女性比率はわずか7.8%という結果も出ています。
男性経営者に対してコンサルティング業務を実行することに、敷居の高さや抵抗感を感じてしまう女性の方も多いのが実情です。
女性が少なくても不安はいらない
女性の中小企業診断士が少ないからといって心配することはありません。それどころか、数少ない女性ということで中小企業診断士の業界では重宝される存在となります。
男性の中小企業診断士が圧倒的に多いなかで、女性ならではの感覚や意見などを聞ける機会があるのは大いにプラスになります。
また女性診断士同士のコミュニティもあるので、そこで相談したり情報をもらったりできるというメリットがあります。数少ない女性同士だからこそ絆が深まるということもあるでしょう。
女性中小企業診断士の需要もある
結論から言えば、女性中小企業診断士へのニーズは高いといえます。
たとえば、化粧品、美容、お菓子、服などの主に女性向けの商品、サービスを展開する会社が中小企業診断士にコンサルタントを依頼する場合を考えてみましょう。
中小企業診断士としての判断の他に、女性として、つまり1人の消費者としての考え方を含めた判断があると、クライアントに喜ばれるでしょう。
女性ならではの視点でアドバイスができる
たとえば、ネイルサロンを起業したばかりの経営者が中小企業診断士に相談に行くとしたら、男性と女性のどちらに相談したいでしょうか?
多くの女性が利用するお店の場合、企業戦略や事業計画を作成するときは女性からのアドバイスをもらおうとするのが合理的です。
また、女性経営者の相談に乗りやすいのも女性中小企業診断士の強みです。
女性の中小企業診断士なら、同性という理解のある立場から女性経営者の悩みを具体化したり、新しいアイデアを形にしていきやすいという強みがあります。
女性が少ないことでチャンスがある
中小企業診断士の女性割合が低いということは、女性の人数が少ない分、需要に対する供給は少ないと考えられます。
つまり、上記のようなニーズがあっても女性の中小企業診断士は不足しており、経営コンサルタントとして仕事が獲得しやすい環境にあるといえます。
特に近年では女性の仕事能力の高さが評価されやすくなっており、女性コンサルタントが働きやすい社会に近づいています。「女性の意見は聞かない」などといった古い考えの男性経営者も、今では滅多に見かけることはないでしょう。
女性診断士は企業内でも活躍
これまでは主に経営コンサルタントとしての女性診断士の需要を考察してきましたが、もちろん企業に勤務する場合でも中小企業診断士の資格は効果を発揮します。
女性診断士は全体の1割にも満たない希少な存在であるので、主に転職で非常に有利になります。企業としては、経営企画の場に専門知識を持った女性が居てくれることは非常に多くのメリットがあるのです。
中小企業診断士向けの良質な求人を一般の求人サイトから探すのは骨が折れますが、10万件以上の非公開求人数を誇るリクルートエージェントであれば、有資格者向けのハイレベルな求人を数多く見つけることができます。
リクルートエージェントは転職支援実績No.1の転職エージェントでもあるので、信頼度は抜群です。特に中小企業診断士が活躍しやすいコンサルティング会社の求人も豊富であるのも魅力的です。
ハイクラスな職場で活躍したいとお考えの方は、ぜひ一度チェックしてみてください。
女性中小企業診断士の強み
女性の中小企業診断士の割合が少ないことでメリットがあることも分かりました。
他にも女性だからこそ出来ること、また女性中小企業診断士ならではの強みがあります。
話しやすく安心感がある
もちろん男性には話しにくいということはないですが、女性が何か困ったことがあった時は男性よりも女性診断士のほうが身近に感じられ、話しやすいと感じることもあるでしょう。
女性には会話や雑談を通して打ち解けるのが上手な人が多いです。中小企業診断士は中小企業の社長さんと接する機会も多く、女性が居るということで安心感があったり場が和むということもあるでしょう。
女性診断士だからこそできる仕事がある
仕事をしていくうえで男性の場合は昇進したい、大きな仕事をしたいと感じる人は少なくないでしょう。
女性にもそれぞれ色々な考え方があるかと思いますが、女性の場合は組織や仕事の規模というより、仕事そのものに対するやりがいを大切にされる方もいるのではないでしょうか?
男性診断士だけで行うのは難しい部分を女性が補うことができることは、中小企業診断士全体にとってもプラスになるといえるでしょう。
独立診断士として自分のペースで働ける
資格を持っていると、開業して自分のペースで働くことができるので結婚や出産を機に退職した主婦の方にもおすすめです。
家庭環境などに合わせて仕事をする時間や仕事量を調節することができるので、ライフステージに応じた働き方が可能になります。
子育ての時期は仕事のペースを減らしたり、子供が自分のことができるようになれば仕事を増やすこともできます。柔軟に働くことができるのは、独立診断士の大きなメリットです。
女性中小企業診断士に向いている人
女性の中小企業診断士は少なく仕事を獲得しやすい環境にあります。しかし資格を持って待っているだけでは仕事が次々にやって来るわけではありません。
受け身ではなく主体的に行動できる人が、女性の中小企業診断士に向いているといえます。自分から中小企業診断士のコミュニティに積極的に働きかけていくことが大切です。
家庭の事情等で、頻繁に交流の場に出かけていけないこともあるかも知れませんが、少し集まりに顔を出すだけでも状況は大きく変わります。女性同士で情報交換をして助け合える環境は心強いことでしょう。
バランスが取れている
女性のライフステージの中では、仕事、家庭、地域など、役割をいくつも持って過ごす時期があります。
中小企業診断士だけの話ではありませんが、女性が仕事をしていくには、仕事だけ、子育てだけというような単体ではなく、ライフワークバランスを考えて全体の物事のバランスを見ることも必要になってきます。
中小企業診断士の試験勉強で培った分析力や思考力は、女性として中小企業診断士の仕事に生かせるのはもちろんのこと、仕事とプライベートの相互に良い影響があるといえるでしょう。
中小企業診断士の女性割合まとめ
中小企業診断士の女性割合まとめ
- 中小企業診断士の女性割合は少ない。
- しかしそのおかげで仕事を獲得しやすいこともある。
- 女性中小企業診断士の需要は高く、女性ならではの強みを生かして活躍できるチャンスがある。
中小企業診断士の女性割合について、女性診断士の強みやメリットを踏まえて詳しくみてきました。
中小企業診断士になるか迷っている女性の方は、ぜひ前向きに考えてみてください!