中小企業診断士の人数はどれくらい?登録者数の推移や今後の動向を考察

この記事は専門家に監修されています

中小企業診断士

平井東

「中小企業診断士って全国に何人くらいいるの?」

そんな疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

日本経済新聞の記事によれば、ビジネスパーソンを対象にした新たに取得したい資格の調査で、「中小企業診断士」が第1位となりました。

数多ある他の資格を抑えてトップに輝いた理由として、同記事では「経営全般に関わる知識を習得できるため(中略)将来のポストに不安を抱く会社員らが、昇格や独立への備えとして取得するケースが増えている」と記しています。

このようにとても人気の資格ではありますが、それでは中小企業診断士の人数は年々増え続けているのでしょうか。

この記事では「中小企業診断士」の人数や登録状況、今後の人数の動向について紹介していきたいと思います。

中小企業診断士の人数をざっくり説明すると

  • 現在約27,000人の中小企業診断士が登録されている
  • 登録者数は毎年微増している
  • 人気資格の割には比較的人数少なめ

中小企業診断士の人数

人数をイメージした画像 中小企業診断士とは、中小企業の発展のため、中小企業の経営について診断・助言を行うことについて一定の能力を有すると認められる者のことを指します。

中小企業診断士の資格は5年間ごとの更新制となっており、平成31年4月1日時点で約27,000人の診断士が登録されています

他の士業系資格と人数を比較すると以下のようになります。なお、データはいずれも2017年のものです。

資格名 人数
中小企業診断士 約26,000人
税理士 76,314人
公認会計士 36,365人
社会保険労務士 40,907人
行政書士 46,719人

表から中小企業診断士はその人気や知名度の割に、他の資格と比べて人数が少ないことが分かります。

中小企業診断士の人数は毎年どれくらい増えているのか

中小企業診断士の人数の増減をグラフにしたイメージの画像 次に、中小企業診断士が毎年どれくらい増えているのかを見てみましょう。

平成23年度~平成27年度における中小企業診断士の登録者数の推移は以下のとおりです。

年度 人数
平成23年度 20,795人
平成24年度 21,603人
平成25年度 21,837人
平成26年度 22,544人
平成27年度 23,145人

一方で、上記5年間の中小企業診断士試験の合格者の人数は以下のとおりです。

年度 申込人数 合格人数
平成23年度 21,145人 790人
平成24年度 20,210人 1,220人
平成25年度 20,005人 910人
平成26年度 19,538人 1,184人
平成27年度 18,361人 944人

中小企業診断士登録者数の推移と合格者数を比較してみると、試験合格者数に対して全体の登録者数の増加分が少ないことが分かります。

つまり、試験に合格しても中小企業診断士登録をしない人や、中小企業診断士登録を解除した人が毎年一定人数いることが分かります。

中小企業診断士の登録者数の今後

中小企業診断士のイメージ画像 ここでは中小企業診断士の人数が今後どうなっていくかを考察していきます。

結論から言えば、中小企業診断士の数は今後も緩やかに増加を続けると推測されます。

中小企業診断士は資格の取得だけでなく、資格の維持にもかなりの労力を要することになります。

中小企業診断士の資格は5年間ごとの更新制となっており、更新にあたっては、「専門知識補充要件」5回以上と「実務要件」30日以上がそれぞれ必要となってきます。

また、資格の維持費用にも結構な金額が掛かりますので、資格の更新ができずに失効してしまう人は今後も一定人数発生するものと見込まれます。

その一方で、先行き不透明な景況感が続く現状においては、将来性の高い中小企業診断士の資格の人気・需要の高さは今後も続くことが見込まれます。

結果として「毎年の合格者数」が「資格を失効する人数」を僅かに上回る状況が継続し、登録者数は微増し続けるでしょう。

中小企業診断士の今後の需要

中小企業診断士の仕事振りをイメージした画像 野村総合研究所が発表した研究結果によると、今後10~20年後には、日本の労働人口のおよそ半数が、人口知能やロボットといった機械に代替することが出来る、と言われています。この研究結果は、様々な職業の将来性を語る上で欠かすことが出来ません。

それでは、中小企業診断士はどうなのでしょうか?同じ研究結果には、機械による代替可能性が高い職業と代替可能性が低い職業がそれぞれ100業種ずつリストアップされているのですが、実は中小企業診断士は代替可能性が低い職業として名前が挙がっています。

企業の在り方は実に様々であり、それを診断・助言するためにも、多彩な観点から物事を分析する必要があります。これは機械には真似出来ない、中小企業診断士にのみ可能な仕事と言えるでしょう。そのため、中小企業診断士の需要は今後も引き続き高まっていくことでしょう。

中小企業診断士の将来性についてより詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

中小企業診断士の人数まとめ

中小企業診断士の人数まとめ

  • 登録者数は今後も緩やかに増加していく
  • 他の士業と比べてもまだまだ人数が少ない
  • 今後も人気・需要の高さが続く資格

中小企業診断士の人数について説明しました!

中小企業診断士は今後も高い人気や根強い需要が見込まれる一方で、登録者の人数自体はそれほど多くはならないだろうと推測されます。

今のうちに中小企業診断士の資格を取得することができれば、資格を様々なシーンで幅広く活用することが出来るようになるでしょう。

資格Timesは資格総合サイト信頼度No.1