中小企業診断士の年齢層・職業別割合|働きながらでも試験に合格できる?
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中小企業診断士
平井東
「中小企業診断士の試験はどんな人が合格しているのだろう?」
「働きながら中小企業診断士の資格を取ることって可能なの?」
中小企業診断士は人気資格の1つなので取得を考えている人も多いと思いますが、自分の年齢で合格できるのかや働きながら勉強しても合格できるものなのか、気になる人も多いのではないでしょうか?
そこでこの記事では、中小企業診断士の合格者の年齢層や職業別割合、男女比を紹介していきます!
中小企業診断士は働きながらでも取得できることが理解でき、年齢に関係なく誰にとっても取得する価値があることが分かるはずです!
中小企業診断士試験の合格者層についてざっくり説明すると
- 30代・40代が過半数を占めるものの合格者の年齢層は幅広い
- 合格者の6割が民間企業勤務だが様々な職業の人が合格している
- 女性割合は1割弱で女性中小企業診断士の活躍のチャンスがある
- 資格取得時の年齢によって資格の活かし方・働き方が変わる
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中小企業診断士の年齢層
中小企業診断士は日本版MBAとも言われ、経営コンサルタント唯一の国家資格として大人気の資格です。
経営コンサルタントを目指す方はもちろん、販売・会計・財務・マーケティング・生産管理など、あらゆる業種の実務で役立ちます。
ビジネススキルや経営者視点を身に付けたい方に最適な資格で、ビジネスパーソンを中心に幅広い年代から人気を集めている資格です。
さらに受験資格がないことも特徴の1つで、試験を受験する上で年齢を気にする必要はありません。20歳以下の方などでも受験する人がいて、年齢に関係なく毎年多くの人が試験を受験しています。
以下では2022年度中小企業診断士の1次試験・2次試験の合格者の年齢層が具体的にどうなっているのかを紹介していきます。
1次試験合格者の年齢層
年齢層 | 合格者数 | 割合 |
---|---|---|
20歳未満 | 9人 | 0.2% |
20~29歳 | 769人 | 15.3% |
30~39歳 | 1,593人 | 30.5% |
40~49歳 | 1,424人 | 28.4% |
50~59歳 | 966人 | 19.2% |
60~69歳 | 238人 | 4.7% |
70歳以上 | 20人 | 0.4% |
合計 | 5,019人 | 100.0% |
(出典:中小企業診断協会 令和4年度 第1次試験)
ちなみに1次試験では科目ごとに合格基準点が設けられており、科目ごとに合否の判別がされますが、上記表の合格者数に「科目合格者」は含まれていません。
2次試験合格者の年齢層
年齢層 | 合格者数 | 割合 |
---|---|---|
20歳未満 | 1人 | 0.1% |
20~29歳 | 249人 | 15.3% |
30~39歳 | 618人 | 38.0% |
40~49歳 | 459人 | 28.2% |
50~59歳 | 246人 | 15.1% |
60~69歳 | 49人 | 3.0% |
70歳以上 | 3人 | 0.2% |
合計 | 1,625人 | 100.0% |
(出典:中小企業診断協会 令和4年度 第2次試験)
合格者のうち30代・40代の占める割合が1次試験では6割、2次試験でも6割です。1次試験・2次試験は共に30代と40代の働き盛りの方々が合格者の過半数を占めていることが分かります。
つまり実際に働きながら合格している30代・40代が多いので、中小企業診断士は働きながらでも十分に合格が可能な資格です。
また2022年度の試験合格者の最年長・最年少は、1次試験で82歳と18歳、2次試験で70歳と16歳という結果でした。
20歳未満の合格者が2次試験で極端に少ないのは、2次試験ではビジネスに関連付いた実践的な問題が出題されるためです。社会人経験が少ない20歳未満の人が合格するのは簡単ではないことが伺えます。
中小企業診断士試験合格者の職業・男女比
続いて中小企業診断士試験合格者の職業や男女比が一体どうなっているのかを見てみましょう。
合格者の職業別割合
1次試験
職業別割合 | 合格者数 | 割合 |
---|---|---|
経営コンサルタント自営業 | 50人 | 1.0% |
税理士・公認会計士等自営業 | 135人 | 2.6% |
上記以外の自営業 | 104人 | 2.0% |
経営コンサルタント事業所等勤務 | 119人 | 2.4% |
民間企業勤務 | 3,166人 | 63.0% |
政府系金融機関勤務 | 109人 | 2.2% |
政府系以外の金融機関勤務 | 470人 | 9.4% |
中小企業支援機関 | 83人 | 1.7% |
独立行政法人・公益法人等勤務 | 61人 | 1.2% |
公務員 | 209人 | 4.2% |
研究・教育 | 23人 | 0.5% |
学生 | 115人 | 2.3% |
その他(無職を含む) | 375人 | 7.5% |
合計 | 5,019人 | 100.0% |
(出典:中小企業診断協会 令和4年度 第1次試験)
2次試験
職業別割合 | 合格者数 | 割合 |
---|---|---|
経営コンサルタント自営業 | 14人 | 0.9% |
税理士・公認会計士等自営業 | 47人 | 2.9% |
上記以外の自営業 | 32人 | 2.0% |
経営コンサルタント事業所等勤務 | 39人 | 2.4% |
民間企業勤務 | 1,086人 | 66.8% |
政府系金融機関勤務 | 37人 | 2.3% |
政府系以外の金融機関勤務 | 173人 | 8.7% |
中小企業支援機関 | 16人 | 1.4% |
独立行政法人・公益法人等勤務 | 20人 | 1.6% |
公務員 | 63人 | 10.6% |
研究・教育 | 5人 | 0.3% |
学生 | 27人 | 1.7% |
その他(無職を含む) | 66人 | 4.1% |
合計 | 1,625人 | 100.0% |
(出典:中小企業診断協会 令和4年度 第2次試験)
1次試験も2次試験も民間企業勤務者が合格者の6割を超え、次に多い金融機関勤務者が1割程を占めています。中小企業診断士は他にも公務員や士業など様々な職業の人が合格している資格です。
また2次試験合格者数を1次試験合格者数で割ることで、1次試験合格者のうち何割の人が2次試験まで合格したのかが分かります。
全体では約32%(1,625人÷5,019人)で民間企業勤務も同水準の約34%ですが、学生や研究・教育ではその率は20%程度です。1次だけでなく2次まで合格する確率は職業ごとに異なることが見て取れます。
もちろん中小企業診断士試験の仕組み上、2次試験合格者の中には昨年1次試験に合格して今年の2次試験で合格した人もいるのであくまで参考値ですが、職業ごとの違いや特徴も踏まえておくと良いでしょう。
合格者の男女比
2022年度の中小企業診断士2次試験の合格者の男女比は以下のようになっています。
性別 | 合格者数 | 割合 |
---|---|---|
男性 | 1497人 | 91.4% |
女性 | 128人 | 8.6% |
合計 | 1,625人 | 100.0% |
(出典:中小企業診断協会 令和4年度 第2次試験)
中小企業診断士は女性割合が非常に低いことが特徴の1つです。
顧客となる企業経営者は男性が圧倒的に多いので敷居の高さや抵抗感を感じる女性が多く、中小企業診断士には独占業務がないので士業系資格を目指す女性は他資格を目指すことも多いためと考えられます。
しかし実際にはその逆で、女性の人数が少ないからこそ女性の中小企業診断士には活躍できる大きなチャンスがあり、男女問わず中小企業診断士は魅力も取得するメリットも大きな資格です。
例えば化粧品や美容関係であれば女性ならではの視点でアドバイスを行うことができます。自分の得意分野で経営アドバイスを行って中小企業診断士として活躍する上で性別は関係ありません。
中小企業診断士の資格があると転職でも役立ちますが、女性の場合には希少な存在としてより就職・転職で活かせて有利になります。
中小企業診断士試験合格後の年齢別働き方
中小企業診断士は幅広い年齢層が受験して合格している資格です。しかし合格者の年齢によって資格の活かし方は大きく変わります。合格後には自分の年齢を踏まえた活かし方を考えなければいけません。
以下では20代・30代・40代で中小企業診断士を取得した場合にどんな資格の活かし方・働き方ができるのかを紹介していきます。
20代で中小企業診断士資格を取得した方
記憶力も体力もある20代は試験勉強を有利に進めることができ、他の年代に比べて短い勉強時間で早く資格を取得することができます。
若さゆえの吸収力の高さや成長速度の速さは実際に仕事をこなす中でも発揮され、中小企業診断士としての知識がある状態で業務に取り組んで実務経験を積むと吸収力・成長速度が各段にアップします。
20代の中小企業診断士は全国に数千人しかいないので就職・転職で有利になることは間違いなく、協会に登録して他の中小企業診断士や他士業との人脈を作ることで情報や知識を増やすことも可能です。
中小企業診断士としての知識を活かして20代のうちに経験・人脈・知識を築き上げれば30代以降の転職や起業の可能性が広がるでしょう。
30代で中小企業診断士資格を取得した方
30代で中小企業診断士の資格を取得した場合、まず何よりも自分の職場での活躍の場が広がります。希望の部署への異動がかなう可能性がアップすることが資格取得の大きなメリットと言えるでしょう。
実際に資格取得後に経営企画部等への異動を成功させる人も多く、今の自分のキャリアを大きく前進させられることは間違いありません。
また中小企業診断士としての活動を通して多くの新しい人脈も生まれます。人生の選択肢が増えて将来が開けることも中小企業診断士の資格としての大きな魅力です。
40代以上で中小企業診断士資格を取得した方
40代で中小企業診断士資格を取得した場合も、基本的には30代と同じく昇格のチャンスが増えることが資格取得の大きなメリットです。
さらにこれまでの経験や人脈も豊富にあるので、中小企業診断士の資格を活かして独立することも十分に視野に入ってきます。
もちろん経営コンサルタントとして活動するのも良いのですが、中小企業診断士として学んだ知識は独立起業時にも活用が可能です。これまでの職場でのノウハウを活かして起業するのも良いでしょう。
働きながら中小企業診断士試験を突破するには
中小企業診断士の資格は非常に難易度が高いので、もちろん個人差はあるものの、独学で取得を目指すのは多くの場合現実的ではありません。
特に仕事で忙しくなかなか勉強時間が取れない方の場合は、予備校や通信講座などを利用して出来るだけ効率よく勉強を進めることが求められるでしょう。
ただし、働きながらでは予備校に通う時間が取れないという方や、通勤時間などの時間もうまく活用して学習したいという方も多いかと思います。
そういった社会人の方に特におすすめなのが「スタディング」の通信講座です。
スタディングはスマホ学習に特化した通信講座であり、スマホ学習機能の充実度は業界最高峰なので、仕事で忙しくまとまった時間が取りにくいという方でも通勤時間などのちょっとした隙間時間を利用して効率よく勉強することができます。
さらにスタディングの中小企業診断士講座は相場より5万円近く安く受講可能なので、受講料が嵩んで生活を圧迫するといった自体もほとんど起こらないでしょう。
働きながら中小企業診断士の資格を目指したいとお考えの方は、この機会にチェックしてみることを強くおすすめします。
中小企業診断士試験の合格者層まとめ
中小企業診断士試験の合格者層まとめ
- 合格者の過半数は30代・40代が占めるが年齢層は幅広い
- 合格者の6割を民間企業勤務者、1割を金融機関勤務者が占める
- 合格者の女性比率は1割以下で女性中小企業診断士は貴重な存在
- 何歳で資格を取得したかによって仕事への活かし方が変わる
今回は中小企業診断士試験の合格者層について紹介しました!
中小企業診断士は働きながらでも十分に合格を目指せる資格です。就職や転職、キャリア形成で役に立ち、どの年齢の人でも活かせます。中小企業診断士資格の取得を是非検討してみて下さい!