中小企業診断士は役に立たない資格?食えない・仕事がないってホント?

更新日時 2020/01/07

中小企業診断士という資格について「役に立たない」「食えない」などのイメージがあり、資格を取得するかどうか悩んでいる方もいるのではないでしょうか。

こうしたマイナスの噂を聞いてしまうと、実際に資格を取得したとしても資格が使えないのでは、仕事がないのではといった不安を感じてもおかしくはありません。

本記事では、中小企業診断士は本当に役に立たない資格なのかについて解説しています。

中小企業診断士は実際には役に立たない資格などではなく、あらゆるビジネスシーンで活躍できる資格であり、高い評価を得られる将来性の高い資格です。

中小企業診断士の本当の姿について知り、資格の取得を諦めずに頑張っていきましょう。

中小企業診断士は役に立たない資格なのかについてざっくり説明すると

  • 「役に立たない」というイメージは間違い
  • 「食えない」「仕事がない」というイメージもあるが実際には活躍の場は広い
  • 将来性も高く、今後もさまざまなシーンで活躍できる

中小企業診断士資格は役に立たない?

黒板と電球 中小企業診断士とは「日本版MBA」とも言われており、経営コンサルタントで唯一の国家資格として大人気の資格となっています。

毎年20,000人前後の人が受験申し込みをしており、多くの人が取得を目指している資格ですが、合格できるのは1,000人前後しかおらず、非常に厳しい試験です。

そんな中小企業診断士ですが、一部では資格を取っても使えない、役に立たないと言われています。なぜそのように言われているのでしょうか。

業務独占資格ではない

業務独占資格とは、法律によりその資格を持っている人のみがその資格を名乗って仕事をすることができるというものです。

例えば、医師ではないにもかかわらず医師と名乗り医療行為をすることは医師法違反となります。

税理士、宅建士なども業務独占資格ですが、中小企業診断士は他の国家資格とは違い独占業務を持たない資格なので、役に立たない、食えない資格だというイメージを持つ人が少なくありません。

しかし、独占業務がないとはいえ、国や自治体が実施している診断業務や経営相談などでは、中小企業診断士が実質的に独占業務を行っている状態です。

資格単体では独立が難しい

独立をして活躍するためには、中小企業診断士の資格以外にも専門的な知識を持っていれば強みとして評価される傾向があります。

例えば、営業に関して知識がある場合は、企業の営業体制の問題点を見つけ、売上をさらに上げられるように管理する能力があるため、営業支援やマーケティングのコンサルタントとして活躍できます。

また、人材管理や採用に関して知識がある場合は、人材活用のためのコンサルタントとして企業の人事の顧問などを務めることができるでしょう。

資格のみでは独立は難しくとも、自分の専門領域と組み合わせることによって資格の効果が発揮できるようになります。

主婦が取得しても意味がない?

中小企業診断士はビジネスで役に立つ資格であるため、何か資格を取得したいと考えている主婦の方の中には「主婦が目指すのは違うのかも」と取得を躊躇している方がいます。しかし、中小企業診断士は現在仕事をしていない方でも取得を目指す価値は十分あり、将来性や魅力も多い資格です。

他の資格の場合には、実務経験が必要であるといった受験資格があり、未経験の方が受験に挑戦することができないものもあります。

しかし、中小企業診断士は受験資格がないため未経験でも問題ありません。学歴の規定もないため、どのような人でも受験できる資格となっています。

実際の中小企業診断士の価値は?

女性とリスト中小企業診断士の資格を取るメリットは非常に多く**、さまざまなビジネスシーンで役に立つ価値が高い資格**だと言えます。

では、実際にどのようなビジネスシーンで役に立つのでしょうか。

難易度の高さが価値に比例

中小企業診断士の資格は難易度が高いため、取得するためには最低でも1年は勉強期間を設ける必要があります。

しかし、1年で合格できる人は少数であり、実際は数年間の勉強ののちに合格する人も多くいます。誰でも簡単に取得できる資格ではないのです。

合格率は一次試験、二次試験ともにそれぞれ20%前後ですが、数年勉強している受験生が大半な中での数字であるため、難関資格の一つとしてあげられるのです。

そして、難関資格であることにより中小企業診断士の資格を取得している人は社会的に高い評価を得やすいため、メリットが大きい資格だと言えます。

実践的な知識が身に付く

中小企業診断士を取得したことで得られた知識は、経営コンサルタントを目指す方はもちろん、販売・会計・財務・マーケティング・生産管理などあらゆる業種に役立ち、即戦力となれるのが特徴です。

そのため、ビジネス感覚を身に着けたい方にぴったりの資格であり、ビジネスパーソンを中心に幅広い年代の人が関心を寄せて受験をしています。

中小企業診断士として独立したい人だけではなく、企業で働く中で役に立つ知識を得たいからと受験する人もいます。

役に立たないといったイメージは間違っており、実際にはどのような職種でも役に立つビジネスの知識を得られる資格なのです。

AI社会でも確実に需要のある資格

今後AI社会になると予想されていますが、中小企業診断士は単なる事務職ではないため、公認会計士、税理士などと比べてAIから仕事を奪われる可能性が低く将来性が高い職種です。

野村総合研究所は、2015年にイギリスのオックスフォード大学との共同研究で、2030年には現在日本の労働者49%が従事している仕事について、AIなどの機械が代替することが可能であるとの研究結果を発表しています。

AIは説得をすることや相手の感情を読み取ることなどはすることが難しいとみられており、そのことからコミュニケーション能力が必要となる中小企業診断士は代替されにくいと言えます。

中小企業診断士資格の生かし方

ネクタイをする男性中小企業診断士の資格は使えない、役に立たないと評価されがちですが、実際にはどのような方法で活かすことができるのでしょうか。

社内で昇格できる

中小企業診断士はあらゆるビジネスシーンで役に立つ資格であるため、独立志向の人だけではなく、会社員を続けながら自分の仕事に活かそうとする方は多いです。

特に、管理職になる年代になりマネジメントしなければならなくなったときに中小企業診断士の資格があれば、昇格できるチャンスが増えてきます。

また、中小企業診断士の資格を持っている方は、取引先からも高い評価を得ることが多い傾向もあります。

そのため、資格取得を推奨している企業も多く、取得することで人材として高い評価を受けるようになり、昇格の対象になることもあるのです。

独立してコンサルタント事務所を開く

中小企業診断士は企業に勤めている人が多いものの、資格取得後に独立してコンサルタント事務所を開業する人もいます。

中小企業診断協会の「データでみる中小企業診断士2016」によると、企業内診断士は47.4%となっており、半数に近い割合になっています。

また、コンサルタント業に従事する事務所を経営している人の割合は43.6%と、経営者よりも企業内診断士の方が若干多いという結果です。

しかし、4割以上の人がコンサルタント事務所を経営しているということになりますので、独立している人は少なくないということになります。

転職で極めて有利になる

中小企業診断士の資格を持った人は転職の際に有利になりやすい傾向があります。

その理由としては、まず難関資格に合格した優秀な人物であるという点が挙げられます。

試験自体がコンサルティング能力を計ることができるものなので、合格した時点でコンサルティングにおいて能力が高いことが証明されるため、評価が高くなります。

転職活動の方法としては、仕事柄地元の中小企業と接する機会があったり、交流会などで他業種の人たちと知り合いになったりするため、そのような人脈から転職に繋げるのも方法の一つです。

また、地方の場合はもともと需要が高く、公的機関からの案件も多いため転職しやすい傾向があります。

副業を行うことも可能

最近では副業を認める企業が増えてきたこともあり、中小企業診断士の方も副業をしやすい環境になりつつあります。

例えば、資格予備校で模擬試験の作成・採点・添削をしたり、実際に講師として授業を行ったりすることは気軽に始められる副業の一つです。

他にも、地元の商店街をもう一度復興させるために支援をしているという方もいますし、商工会議所や企業のセミナーなどで講演をしているという方もいます。

また、中小企業を支援する補助金や助成金の申請を代行し、手数料として報酬をもらうというものもあります。

このような副業を始めることで社内で出世したり独立に繋がったりするため、将来性が非常に高い資格なのです。

他の資格も取得すればさらに活躍の場が広がる

親指を立てる女性資格の他に自分の専門分野を持っていれば資格を活かしやすく、将来性も高まると言えます。

自身の専門分野に合っている資格があれば取得してダブルライセンス、トリプルライセンスになれば、活躍できる場はどんどん広がっていくでしょう。

以下の表は、中小企業診断士の方が他にどのような資格を持っているのかというアンケートです。

回答数 構成比(%)
なし 597 24.0
弁護士 3 0.1
公認会計士(補) 13 0.5
税理士 63 2.5
司法書士 3 0.1
行政書士 123 5.0
不動産鑑定士(補) 8 0.3
社会保険労務士 169 6.8
技術士(補) 78 3.1
情報処理技術者 305 12.3
ITコーディネータ 144 5.8
販売士 205 8.3
ファイナンシャルプランナー 322 13.0
その他 450 18.1
合計 2,483 100.0

出典:データで見る中小企業診断士2016(中小企業診断協会)

これを見ると、税理士、行政書士、社会保険労務士といった士業の資格を取得する人が多い傾向があることがわかります。

また、IT面からの助言もできるようにと、情報処理技術者、ITコーディネータといったIT系の資格を取得する人や、ファイナンシャルプランナー、販売士などを取得する人もみられます。 専門的な助言ができるように資格を取得する人が多いのです。

食えないという噂に対する現場の声

話し合う人々実際に中小企業診断士の資格を取得した人の中には「特に取得した意味ないですよ」と自嘲する人もいるとのことです。

資格を取得しても「役に立たない」「食えない」「仕事で使えない」と言ってしまう人がいることにより、将来性がない資格なのではと感じる人も出てきてしまうでしょう。

しかし、そのように自嘲する人たちが資格取得後にどのような活躍をしているのかを見ると、多くの方が資格を取得してから社内で業績がアップしたり、異動の機会を得たりするなどしているとも言われます。

また、企業に在籍しながら地域の企業のコンサルタントをするなど、副業のような形で資格を活かしている人もおり、活躍の仕方は多様です。

中小企業診断士は独立業務ではないことから独立する人が少ないこともあり、将来性については把握しにくい側面があります。

しかし、実際には資格を取得する価値は確実にあり、取得しても価値がない資格だと本当に思っている人はほとんどいないと言えるでしょう。

中小企業診断士は役に立たないのかまとめ

中小企業診断士は役に立たないのか

  • 役に立たないということはなく、さまざまなビジネスシーンで活躍できる
  • AI時代になっても仕事はなくならないと見られており将来性が高い職業
  • 資格の活かし方には昇進・独立・転職・副業などさまざま

中小企業診断士の資格を取っても使えない、役に立たないと言われがちですが、実際にはあらゆる活躍の仕方ができるという将来性が高い資格です。

企業で勤めるにしても独立するにしても、取得すれば有能な人材だと評価されやすい資格であり、取得する価値は十分にあります。

現在、取得するか検討している方は、ぜひ中小企業診断士講座を受講して資格の勉強を始めてみることをおすすめします。