中小企業診断士は無駄で意味のない資格なの?資格の需要と必要性の実態を調査!

この記事は専門家に監修されています

中小企業診断士

平井東

「中小企業診断士って独占業務も無いみたいだし、取得しても意味ないんじゃないの?」

そんな疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

何か資格を取得しようと考える時には、取得するまでの難易度もそうですが、その資格の需要や将来性についても考慮する材料に含まれることと思います。

そこでここでは中小企業診断士の資格の需要や将来性の実態について、様々な観点から解説します!

この記事を読むことで、中小企業診断士を目指す1つのきっかけになればと思います。

中小企業診断士の必要性をざっくり説明すると

  • 中小企業診断士を取得するメリットは極めて大きい
  • 「意味ない」「無駄」と言われるのは、独占業務がない影響が大きい
  • 資格の活かし方は非常に多彩

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中小企業診断士が「無駄」でも「意味ない資格」でもない理由

資格のメリットを示したイメージの画像 ご存知のとおり、中小企業診断士は「経営コンサルタント」を認定する唯一の国家資格です。

過去には「ビジネスパーソンが新たに取得したい資格」で第1位に輝いたこともあるなど、非常に人気がある資格ですが、1次試験と2次試験を合わせた合格率がわずか4%前後しかないほど、超難関な資格であるとも言えます。

一方で、「そこまで時間をかける価値はない」「資格を取る意味ない」と言った意見を述べる人も中には存在します。

しかしながら、中小企業診断士を取得するメリットは非常に大きいものと言えます

転職で明らかに有利になる

中小企業診断士の資格を取得するにあたっては、経営、人事、IT、財務、物流、店舗管理など、様々な知識やこれらを活かす思考力を身に付けることになります。

これらの知識・思考力は、業種を問わず幅広いジャンルの業界で活用することが可能です

また、この資格を所持しているということは、すなわち経営に関する知識と、思考力や問題解決力などといったコンサルタントとしての資質を兼ね備えているという証明にもなります。

そのため、大変人気の高いコンサルティング会社への就職・転職に関しても、有利に働くことになるでしょう

さらに、上記でも触れたとおり、中小企業診断士試験の難易度はとても高く、最低でも1年間ほどは勉強を継続しなくてはなりません。

試験の合格率もとても低いため、このような難関試験を突破したことそのものが、能力の高さや継続して努力できることの証明になり、このことが転職の場面においても高く評価されることになります。

社内・社外問わず評価が上がる

中小企業診断士は、上記で触れたとおり、唯一の経営コンサルタント資格として人気を集めています。また、その難易度の高さも広く知られていることから、社会的な評価がとても高い資格です

そのため、中小企業診断士の資格があると、もちろん転職にも有利になったり独立することも可能ですが、企業に勤めている場合には、その会社での昇格・昇給が狙えたりなど、中小企業診断士の資格を仕事に生かせるチャンスがいくつもあることでしょう。

実際に2021年の中小企業診断協会による 中小企業診断士活動状況アンケート調査によると 中小企業診断士の資格取得により、上司同僚から良い評価を得た人の割合が25.6%、また関係先から良い評価を得たと答えた人の割合が24.4%となっています

中小企業診断士は、士業の中でもいわゆる「独占業務」がほぼ無いこともあり、資格取得後も企業で働く人の割合が高いことが特徴として挙げられます。

新たな仕事にチャレンジできる、昇進や昇給につながる、経営に関する相談を持ちかけられたり企業からの信頼が厚くなるなど、資格取得によるリターンはとても大きいものと言えるでしょう。

任せられる仕事が増える

中小企業診断士の資格を持っていれば、経営企画やプロジェクトマネージャーなど、経営に関する重要な仕事に携わる機会が多くなるでしょう

これは、資格を持っていることで、財務会計、経済、法務、人事、生産管理、情報システムなど、広い分野での知識を保有しているとともに、これらを利用して経営側の視点で物事を考えることができる人と認められるためです

そのため、特に管理職や経営者を目指している人にとっても適した資格だと言えます。

また、中小企業診断士の学習領域では「論理的思考力」を鍛えることができますが、この論理的思考力はビジネスのあらゆる場面で役に立ちます。

ビジネスの現場においても、不測の事態が発生したり、厳しい社会情勢・環境変化にも対応していかなければなりません。

これらに対応するためには、ただ知識が豊富なだけではなく、その知識を使って体系的・論理的に物事を判断して答えを導き出していく力が必要となります。

この「論理的思考力」を兼ね揃えていれば、仕事の幅がさらに広がっていくことでしょう。

年収増加に繋がる

中小企業診断士の平均年収は700~800万円程度と言われています。この金額は世間一般と比較してもかなり高水準にあるものと言えるでしょう。

この理由としては、例えば中小企業診断士の資格を持っていることから会社から資格手当が支給されたり、現在の勤め先で昇給・昇格したりなどといったことが挙げられます。

上記でも触れたとおり、任せられる仕事が増え活躍の場が広がることによって、結果的に社内での信頼・評判を勝ち取り、ひいては昇給や昇格に繋がるといったことが考えられます。

あるいは、もっと待遇の良い職場への転職を成功させる人が多いため、といった理由も挙げられます。

難関資格である中小企業診断士に合格したことで、そのポテンシャル・能力の高さや努力する姿勢などが買われ、転職を成功させる人も多いです

人間関係を形成できる

中小企業診断士の資格取得後や取得に向けての勉強の中で、ビジネスやコンサルティングの世界での人間関係を築くことができます。

実際に2021年の中小企業診断協会による中小企業診断士活動状況アンケート調査によると

中小企業診断士として志向している項目を最大二つ選ぶとする質問項目の中で「診断士仲間、異士業間の人間関係形成やネットワークに活用したい」という選択肢を1番目に選んだ人が19.5%、2番目に選んだ人が24.6%となり、

選択肢 1位 2位
診断士仲間、異士業間の人間関係やネットワークに活用したい 19.5% 24.6%
自分の担当業務の専門性を高めたい 16.6% 10.5%
経営全般の勉強等,スキルアップを図りたい 30.5% 23.4%
定年後,または退社後に資格を活用したい 22.8% 25.2%
休日などを利用してコンサルティング業務に活用したい 9.8% 14.7%
特にない 0.9% 1.5%

「経営全般の勉強等、スキルアップ」や「定年・退社後の資格活用」に続いて多くの中小企業診断士が人間関係の形成を志向していることがわかります。

経営コンサルタントとしての独立や起業にも役立つ

中小企業診断士の資格を活用することで、経営コンサルタントとして独立したり、起業して身につけた知識を自身の経営に役立てることも可能となります。

そもそも、経営コンサルティングそのものは中小企業診断士の独占業務というわけではありません

したがって、たとえ中小企業診断士の資格を持っていなくても経営コンサルティングの業務を行うこと自体は可能です。

しかしながら、中小企業診断士の資格を持っていると、やはり顧客からの信頼も得やすく、また、同じ中小企業診断士同士のネットワークも利用できることから、顧客を獲得しやすいと言えるでしょう。

さらに、資格の有無でコンサルティングの報酬単価や集客のしやすさに大きな差が生まれるため、超高収入が目指すことができ、あるいは出資を受ける際もプラスに働くことでしょう。

中小企業診断士が食えない資格と言われるのはなぜ?

食えない資格の理由が分からないイメージの画像 これまで触れてきたとおり、中小企業診断士にはたくさんのメリットがあることが分かりました。

にもかかわらず、「中小企業診断士は食えない資格」「意味ない資格」だという不名誉なレッテルを貼られることもしばしばあります。

その多くは根拠の曖昧なものに過ぎませんが、このように言われることにはいくつかの理由が存在します。

独占業務が存在しない

中小企業診断士は食えないと言われている理由の1つに、独占業務が存在しないということが挙げられます。

独占業務とは、その資格を持っている人しか報酬をもらって行うことができない仕事のことであり、この独占業務の存在こそがいわゆる士業と呼ばれている人々の独立を助けていることになります

社労士や公認会計士など、中小企業診断士以外の士業には基本的に独占業務が存在していますが、中小企業診断士にはこれがありません。

しかし、確かに中小企業診断士には独占業務こそありませんが、逆に言えば、その分特定の業界にとらわれずに様々な場面で活躍することができるとも考えられます。

また、助成金申請の中には中小企業診断士のチェックが必要となっているなど、実質的な独占業務もあるため、それらは中小企業診断士の独立を支えることになるでしょう。

経営コンサルタントは資格がなくても可能

中小企業診断士が独立する場合においては、「経営コンサルタント」として活躍するケースが多いです。

ただし、経営コンサルタントそのものは中小企業診断士の資格を持っていなくてもできる仕事です

そのため、世の中には資格なしで「経営コンサルタント」を名乗っている人が数多く存在しています。このことも中小企業診断士が「意味ない」と言われる要因となっています。

一方で、中小企業診断士の資格を持っていることで、一定のスキル・能力を保有していることの証明となるため、顧客からの信頼を獲得しやすくなり、結果的に無資格者よりも収入アップが見込めることになります。

この点からも、経営コンサルタントとして独立するにあたっても、中小企業診断士の資格を持っていた方が、その活動が飛躍的にしやすくなることでしょう。

独立後は顧客獲得が重要

中小企業診断士として独立を成功させるためには、何よりも集客が大切であり、営業力が肝要と言えるでしょう。

集客を成功させるためには、営業の計画は綿密に立てる必要があります。

また、士業全般に言えることですが、中小企業診断士においても人脈が大切な世界ですので、普段から様々な人と関わっておくことが重要です。

セミナーも積極的に活用しよう

集客を行うにあたっては、セミナーを積極的に活用するのも一案です。

顧客が興味を持っていそうな内容のセミナーを自主開催することで、新規顧客の獲得につなげたり、セミナー講師としての依頼を受けることで、新たな人脈を獲得したりなど、セミナーを通してさらに活躍の幅を広げ、収入アップを図ることが可能です。

そのため、セミナー講師としての活動を計画的に行うことも、集客をする上では大切となってくるでしょう。

中小企業診断士は意味ない資格なのかまとめ

中小企業診断士の需要・必要性まとめ

  • 中小企業診断士の取得メリットは多数ある
  • 独占業務が存在しないが、決して「意味ない」資格ではない
  • 中小企業診断士の資格は独立開業の際も役立つ

中小企業診断士という資格の需要と必要性の実態について紹介しました。

独占業務を持つ他の士業と異なり、一見するとメリットがないように見られる中小企業診断士ですが、取得することによる恩恵は非常に大きいです。

中小企業診断士を取得することで身に付けられる社会的信頼や思考力は、生涯にわたってキャリアを支える強い味方となることでしょう。

皆さんも是非中小企業診断士の資格取得を目指してみませんか?

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