中小企業診断士は独学だとどれくらいの期間が必要?勉強開始の時期はいつ?

この記事は専門家に監修されています

中小企業診断士

平井東

「中小企業診断士の資格に興味があるけど、なるべく独学で目指したい・・・」

「独学だとどれくらいの期間がかかるものなの?」

このような疑問を抱いている方も多いのではないでしょうか?

ビジネス関連資格でトップの人気を誇る中小企業診断士ですが、実際のところどのくらい難しいのでしょうか。ここでは独学する際に注意したほうが良いことや難易度、勉強開始時期などをご紹介します

新たなキャリアップに向けて、中小企業診断士の資格取得を目指している方は参考にしてみてください。

中小企業診断士の独学期間を説明すると

  • 独学だと3年の勉強期間は見込んだ方が良い
  • 予備校や通信講座利用者でも1,000時間ほどの勉強時間が必要(1〜2年)
  • 短期合格を目指して不合格になるよりも、1年かけて確実に一発合格を狙おう

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診断士の独学合格に必要な期間

机に向かって勉強する人とノート

中小企業診断士の試験に合格するためには勉強時間が1,000時間ほど必要と言われています。もちろん人によって前後する数字ではありますが、かなりの勉強時間が必要なのは間違いありません。

1日3時間継続して勉強しても1年ほどの期間が必要な計算になります。そのため、挫折せずに継続することが必要です。

仕事で忙しい社会人の方の場合は勉強時間の確保が難しいため、強制的な学習環境づくりとして予備校に通う人もいます。

1次試験の勉強時間

科目ごとの勉強時間の目安と難易度については以下のようになります。

科目 勉強時間 難易度 2次試験との関連度
財務・会計 220時間
経済学・経済政策 180時間
企業経営理論 140時間
経営法務 140時間
経営情報システム 120時間
運営管理 120時間
中小企業経営・政策 80時間

7科目それぞれに100~200時間程度の勉強時間を確保する必要があることからも、1次試験だけでも長期的に勉強時間を確保する必要があることがわかります。

2次試験は勉強の質で時間が変動

2次試験は中小企業の診断及び、助言に関する実務についての出題がなされます。 記述式の問題が出題されます

科目 勉強時間
事例Ⅰ/Ⅱ/Ⅲ 100-150時間
事例Ⅳ 100-150時間

中小企業診断士の2次試験は記述式の出題がなされます。

そのため、これまでで身につけた知識を土台として、自分の頭で徹底的に考えることが必要です。

記述式の問題の1問1問に対して、いかに向き合うかが対策をする上での鍵となります

また、事例Ⅳに関しては、経営指標などに関する計算問題が出題されます。計算が苦手な人は特に、過去問を丁寧に演習していきましょう。 また事例Ⅳは数値で答えるため、部分点を取ることが難しいです。

ここで正解できなければ2次試験全体の合否に関わるほど大きく点数を落としてしまうために、入念な対策が必要です

2次試験対策に150~200時間程度の勉強で2次試験に合格したという方もいれば、500時間近くかけて100事例の問題演習を行ったものの不合格になったという方もいらっしゃいます

独学の場合は特に、勉強の質が低いままだと膨大な勉強時間が必要となってしまうことに注意しましょう。

1次試験までの期間は2~3カ月じゃ足りない

中小企業診断士試験は非常に難易度の高い試験です。

1次試験までの期間が2~3カ月では普通に考えたら不可能でしょう

インターネットで検索すると超短期間での合格が可能であると書いてある記事も見かけます。しかし、受験経験者からすると、これらは本当に試験範囲を見て執筆したのかどうか怪しいものが大半です。

ネット上では受験すらしていない人がさも合格者のように振舞うことがあるので、体験談をあまり真に受けるのは避けましょう。

1日8時間以上の勉強を3カ月間継続できたなら、3ヶ月での合格可能性はなくはないです。しかし、働きながら1日8時間確保するのは不可能でしょう。

あるいは、卒業単位を取り切った時間に余裕のある大学生なら可能かもしれませんね。いずれにせよ1次試験までに3ヶ月しかない場合は全科目合格は不可能に近いです

1次試験までに半年は勉強しておきたい

中小企業診断士の1次試験までの期間が半年である場合は、人によりますが合否は運に左右される場合が多いです。最低でも1日に4~5時間の勉強時間の確保が必要になるでしょう。とにかく時間がないです。

過去問をひたすら解き、傾向を知りながら知識を定着させましょう。過去問を解いて詰め込むことが一番効率的です。

運がよければ合格できますが、勉強時間としては明らかに不足しているので、不合格になってしまう可能性が高いでしょう。

基本は2次試験まで合わせて1年程度

独学で一発合格を目指したいのであれば、10カ月から1年の勉強期間は確保しておきましょう。1次試験までに8~10ヶ月、2次試験までに10~12ヶ月の計算です。

1年ほどの期間があると1日の勉強時間は平均3時間ほどになり、かなり実現できる勉強時間になります。

意識したいことは、勉強しない期間を作らないことです。勉強しない期間が生まれるとせっかく覚えたものを忘れてしまいます。なるべく毎日勉強し、知識を理解しましょう。

独学だと3年は見込んだ方が良いかも

ノートとマグカップ

中小企業診断士試験の合格までの平均受験回数は3回です。つまり3年間合格のために勉強する人が多いのです。

合格者の学習年数 割合
1年以内 27%
2年以内 21%
3年以内 21%
4年以内 13%
4年以上 15%

上の表は、大手資格学校のLECが発表していた、試験合格者が合格までにかかった学習年数をまとめた表です

1年以内に中小企業診断士に合格する人が割合としては一番大きいものの、数年かけて合格する人が大半です。

また、この数字はもちろん独学者も予備校・通信講座利用者も混在しています。独学の場合、1次試験だけでも科目合格を利用して3年かけて突破する人も珍しくないです

なんとか1次試験を合格できても2次試験はさらに難しいです。

2次試験の記述問題を独学で対策しようとすると、解答の正誤を判断してくれる人がいないので、極めて精度が下がってしまいます。

基本的には記述試験対策には予備校や通信講座を利用した添削指導が重要となります

独学では解答作成のコツをつかめず、いつまでたっても合格できないということも珍しくありません。

このように、中小企業診断士試験は独学者にかなり不利な試験であると言えるでしょう

なるべく短期間で独学合格するには

プリントとペンと電卓

独学合格が難しいと知った上で、それでも独学で目指そうという方もいらっしゃるかと思います。

ここではなるべく学習期間を短縮するために重要なことをお伝えします。

一発合格するのが短期で合格する唯一の手段

一発合格することが短期間で合格する唯一の手段です。言われてみれば当たり前のことですが、大事なことです。

例えば、半年で合格を目指して不合格になってしまうと、結局勉強期間は1.5年になってしまいます。つまり、一度落ちてしまうと、再挑戦するためにもう1年かかってしまいます。

そのため無理に短期合格を目指すことなく、確実に勉強を始めて1回目の試験で合格することが最短の手段だと言えるでしょう。

2次試験対策が肝心要

中小企業診断士試験の中で特に鬼門なのが2次試験です。「2次試験からが本番」とまで言われるほどの難しさです。1次試験は知識の有無を問われますが、2次試験は知識を使って経営の課題解決ができるかが問われます。

2次試験の対策は独学では難しく、誰かに添削してもらうことも必要です。解答作成方法や使える知識の有無が重要になります。特定の分野だけの知識だけでは、解答を作れないことも2次試験の難しさの理由です。

2次試験対策は1次試験対策と並行して行う

2次試験は1次試験合格後から2か月後にあります。対策を並行して行わなければ2次試験までに間に合いません。2次試験でも出題される1次試験の分野を、1次試験対策で重点的に勉強しましょう。

2次試験に関わりのある1次試験の科目は、主に企業経営論、運営管理、財務・会計です。これらの分野を1次試験対策の勉強で重点的に対策することで2次試験対策を効率的に進めていきましょう。

1次試験対策中に少しでも2次試験対策を進めておくことが重要です。

学習分野の横断的理解を重視する

中小企業診断士の2次試験は、1次試験での知識を活かして経営課題へのアプローチ法を考えます。そのため、知識を知識として独立して覚えていると知識を応用することが難しく、2次試験では通用しません

分野ごとの共通点や因果関係を見抜いて、科目ごとの繋がりを意識して学習しましょう。

このように横断的理解を意識することで、内容の理解が深まるとともに、実際に使える知識として定着しやすいでしょう。

1日の勉強時間を増やし、継続する

当然のことですが、1日の勉強時間を増やせばそれだけ短期間で合格できます。独学の場合はある程度非効率な状況で勉強することになります。なるべく日々の勉強量を確保し、質を量で補うつもりで勉強しましょう。

また、毎日継続して勉強しましょう。

勉強しない日が生まれてしまうと知識が定着しにくいです。時間がどうしても取れないこともあるかと思いますが、毎日30分だけでも勉強するように工夫しましょう

まずは勉強法から学ぶ

中小企業診断士試験が独学者にとって不利な試験であるのは先ほどお伝えした通りです。特に「どうやって勉強したら良いのか」という疑問は、独学していれば誰もが直面することだと思います。

そこでおすすめなのが、中小企業診断士試験のプロである予備校講師の方が持つ、中小企業診断士試験の勉強ノウハウそのものを学ぶことです。

大手資格学校のクレアールでは、在籍するベテラン講師が執筆した中小企業診断士試験の攻略本「非常識合格法」を無料でプレゼントしています

この書籍では資格試験のプロの目線から効率的な勉強を進めるコツ2次試験の効果的な対策法まで記されており、独学されている方にとっては非常に参考になる内容となっています。

無料プレゼントは先着100名様限定となっているので、この機会を逃さず手に入れておきましょう!

独学にこだわる必要は全くない

非常に重要なことなのですが、中小企業診断士試験に合格するという目的を考えた際に、独学にこだわる必要は全くありません。

予備校や通信講座を利用した方が勉強を効率的に進めることができるのは間違いありませんし、通信講座であればスマホで隙間時間でも学べるようになるので単純に勉強量も確保しやすくなります。

独学だけでは難しいモチベーションの維持や2次試験対策もできます。さらに言えば、独学で市販の教材を揃える場合とほとんど費用が変わらない通信講座もあります。

よくあるのが「試験に合格すること」が目標だったはずなのが、いつの間にか「独学で合格すること」が目標になってしまっているパターンです。

早く資格を手に入れた方がキャリア形成も有利になるはずです。もし自分に余計なこだわりを感じたら、勉強法を変えてみるのも一手かもしれません。

独学の開始時期はいつが良いのか

パソコンとプリントとコーヒー

独学で勉強をする際にいつから勉強を開始するのがベストなのでしょうか?また、開始時期ごとの対策は異なるのでしょうか?

ここでは独学のベストな開始時期をご紹介します。また、開始時期ごとに押さえるべきポイントもご説明します。

すでに学習を開始している方は、自分が勉強し始めたタイミングと照らし合わせてみるのも良いでしょう。

9月から11月に勉強開始が理想

9月から11月に中小企業診断士試験の勉強を始めるのがベストです。

合格するためには1年ほどの勉強時間があるのが良いです。そのためこの9月から11月の時期に勉強をスタートさせるのが理想でしょう。

合格するために必要な勉強時間は1,000時間と言われています。そのため、9~11月に勉強を開始した人は1日に3~4時間ほどの勉強時間は確保すれば、必要水準は満たしていると言えます。

学習範囲は反復が基本

試験本番までに試験範囲を3周することを目標にしましょう。反復することによって知識は定着されます。

注意したいのは、最初の一週目に時間をかけすぎないことです。一週目を丁寧にやりすぎて、試験本番までに反復ができていないと試験問題を解けません。

1次試験で科目ごとの足切りがあることにも注意が必要です。1科目でも40点未満を取ってしまうと不合格になってしまいます。そのため、反復の際は苦手科目をなくすことも意識して勉強することが大切です

勉強開始が3月から5月の場合

中小企業診断士試験を受けてみようと思ったのが3~5月の場合、そもそも試験の申し込みが間に合うかギリギリです。

この場合、8月の1次試験を受けてもいいですが、翌年の8月の受験を本番として見据えるのが良いでしょう。

無理に次の8月に合わせて勉強しても、地に足がついた勉強ができず身にならない時間を過ごしてしまう可能性があります。

来年の試験を見据えて、地に足がついた堅実な勉強をすることをおすすめします。

また、科目合格を目指して1次試験にだけ出題される科目だけを集中的に勉強することもかなり有効です。ここで科目数を減らしておけば、来年度の試験勉強を有利に進められます。

3~4カ月で全科目合格しようと無理に詰め込んで勉強することは、長期的に見た時に非効率なので、避けるのが無難でしょう。

勉強開始が6月から8月の場合

勉強開始時期が6~8月の場合、8月の試験には申し込みが間に合いません。

必然的に来年度の試験を見据えて勉強することになりますが、試験までには勉強期間が1年と数カ月あります。じっくり時間をかけて一発合格を目指しましょう。

しかし、油断は禁物です。試験まで時間があるからといって勉強しない期間を作ったり、勉強時間を短くすることが逆効果なので、計画的に学習を進めていきましょう。

勉強開始が12月から2月の場合

独学の場合、次の8月の1次試験で合格できるかギリギリのラインです。かなり効率的に勉強をすることが求められます。

一発合格を目指すなら1日の勉強時間を極力増やしたり、効率的に進めるためにも通信講座を利用したほうが良いでしょう。

中小企業診断士の独学まとめ

中小企業診断士の独学まとめ

  • 勉強期間は最低1年はかかる
  • 独学だと3年間ほど勉強する可能性がある
  • 予備校や通信講座を利用して効率的に勉強することも大事
  • 9~11月には勉強を開始しておくことが大事

中小企業診断士を独学で挑戦することについてご説明してきました。

難しい試験である分、キャリアアップに有利になるのが中小企業診断士資格です。

通信講座を利用することも長期的にみた時に、決して高くはない投資でしょう。

中小企業診断士試験の合格を目指して、自分に合った勉強をしてください!

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