中小企業診断士は主婦でも合格できるのか?勉強するメリットや独学の難易度を解説!
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中小企業診断士
平井東
「育休中に資格を取得したいけど、どの資格がおすすめなんだろう?」
「中小企業診断士って主婦でも取得できるのかな…」
このような疑問をお持ちの主婦の方も多いのではないでしょうか?
近年では資格を活かして復職・転職をされる方や、資格を活用した副業をされる主婦の方も増えています。
そこでここでは中小企業診断士の資格に注目して、受験資格や取得難易度、主婦の方が取得するメリットまで分かりやすく解説します!
これを読めば中小企業診断士の魅力や自分に向いている資格なのかどうかまでバッチリ分かるはずです!
主婦と中小企業診断士についてざっくり説明すると
- 中小企業診断士は受験資格がなく、主婦の方でも問題なく受験できる
- 難易度は高いが、忙しい方でも合格できる資格である
- 社会的な評価が非常に高く再就職や転職に活かせる
- 短期間で独学合格するのは極めて難しい
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そもそも主婦は中小企業診断士試験を受験できるのか
資格試験には受験資格があるものも多いですが、そもそも中小企業診断士に受験資格があるのでしょうか。
受験資格が厳しい資格の場合、そもそも試験を受験することができない場合もあります。
ここでは主婦の方でも中小企業診断士試験受験できるのかご説明します。
中小企業診断士試験には受験資格がない
社労士や税理士などの士業系の国家資格では受験資格が存在するのが一般的であり、これらの資格は大卒以上の学歴や実務経験を必要とすることが多いです。
一方で中小企業診断士試験には受験するための条件がなく、誰でも受験することができます。
もちろん学歴などの条件は一切ないので、主婦の方でも中小企業診断士試験に挑戦することができます。
中小企業診断士の女性割合は非常に低い
中小企業診断士は、「新たに取得したいビジネス関連資格」で1位に選ばれるほど人気の高い資格です。
中小企業診断士の資格を取得することで、職場での昇給や昇格、資格手当、ハイレベルな転職など、キャリアアップに直結したメリットを得ることができます。そのため、特に働き盛りの男性からの人気が高い資格となっています。
一方で、女性で中小企業診断士を取得される方の割合はかなり少ないです。
女性の社会進出に伴い女性の受験者も少しずつ増えてはいますが、それでも例年受験者の女性割合は10%に満たないのが現状です。
そのため、主婦で中小企業診断士の資格を取得することができれば、非常に希少価値の高い優れた人材になれると言えるでしょう。
主婦が中小企業診断士に独学合格は可能なのか
主婦の方で、家で独学で勉強し中小企業診断士の取得を目指したい方も多いのではないでしょうか?
実際、主婦が中小企業診断士に独学合格は可能なのでしょうか。ここでは受験生の特徴や独学の難易度についてご説明します。
中小企業診断士の受験生は忙しい社会人が大半
中小企業診断士の受験生の中で最も多いのは、30代と40代です。令和4年度の1次試験の受験者のデータを記した下記の表から分かるように、それぞれ受験者全体の30%近くの割合の方が30代から40代であることがわかります。つまり、仕事をしていながらでも受験は可能であると言えます。
1次試験の受験者の年代 | 申込者数 | 構成比 |
---|---|---|
20代未満 | 136名 | 0.2% |
20代 | 3,681名 | 15.3% |
30代 | 7,103名 | 31.7% |
40代 | 7,187名 | 28.3% |
50代 | 5,118名 | 19.2% |
60代 | 1,410名 | 4.7% |
70歳以上 | 143名 | 0.4% |
忙しい社会人の方でも受験しているため、家事や育児で忙しい主婦の方も十分に挑戦できると言えます。家事や育児が忙しくて勉強時間の確保を心配している主婦の方も、受験を検討してみてはいかがでしょうか。
主婦は資格勉強に向いているというデータも
宅建士の資格では主婦の合格率が一番高いというデータがあります。
平成29年度 | 平成30年度 | |
---|---|---|
主婦の受験者数 | 6,678人 | 6,745人 |
主婦の合格者数 | 1,288人 | 1350人 |
主婦の合格率 | 19.3% | 20.0% |
全体の合格率 | 15.6% | 15.6% |
上記の表は平成29年度と平成30年度の主婦の宅建受験についてまとめています。主婦の合格率は、全体の合格率に比べて3~4%ほど高いです。
また、下記の表では令和4年度年度宅建士試験の主婦の合格率を他の業種と比べています。
職業 | 合格率 |
---|---|
不動産業 | 27.7% |
金融業 | 12.4% |
建設業 | 9.6% |
他業種 | 27.6% |
学生 | 10.8% |
主婦 | 4.1% |
その他 | 7.9% |
上記のように他業種と比較して少ないものの、宅建試験に合格される主婦の方が一定数位らっしゃることがわかります。家にいる時間を有効的に活用し、真面目に継続して勉強している結果が合格率に反映されているのでしょう。
独学はかなり難易度が高い
中小企業診断士の試験は宅建士試験と比べて難しいです。独学での合格は不可能ではありませんが、誰もができるわけではありません。
一般的に中小企業診断士試験の合格までの平均受験回数は3回です。つまり数年かけて挑戦することが一般的な試験だと言えます。
独学の場合だと勉強時間の確保が難しくなるほか、勉強効率が落ちてしまい合格まで長期間かかってしまうことがあります。その結果、途中で挫折してしまう可能性も高くなってしまうでしょう。
試験の難易度を考慮すれば、独学は正直おすすめできません。
主婦が中小企業診断士資格を取るメリット
難易度の高い中小企業診断士の資格ですが、「そこまで努力して主婦が中小企業診断士の資格を取得するメリットはあるの?」と思う方も多いのではないでしょうか。
以下では主婦の方が中小企業診断士の資格を取得するメリットについてお伝えします。
再就職や復職がしやすくなる
中小企業診断士の資格を持っていると経営や経営に関わる領域の知識を有していることの証明になります。そのため、経営に関する領域の業務にも取り組めると認めてもらえることも多いです。
また、仕事から離れていた間も社会人としての期間を空けずに、自分の価値を高める努力をしていたと評価してもらえます。
特に一度仕事から遠ざかった方であれば、中小企業診断士の資格は復職の際に大きな武器となるでしょう。
転職先の候補が増えたり、採用が有利になる
中小企業診断士の資格を持っていることはコンサルティングとしての適切な知識を持っていることの証明になります。中小企業診断士は経営コンサルタント唯一の国家資格であるためです。
また、中小企業診断士資格を持っていると経営や財務会計、経済政策、マーケティングについても知識を有していることになります。
このようにどの業界でも通じる大切な力を持っていると判断してもらえるので、転職先の候補が非常に広がると言えるでしょう。
また、中小企業診断士向けのハイキャリア求人もあります。専門性の高い「士業」のということで、ワンランク上の求人を見つけることも可能です。
大幅な年収アップが期待できる
中小企業診断士の平均年収は600~700万と言われており、日本国民の平均年収と比較してもかなり高水準です。
これは中小企業診断士の有資格者は昇級昇格に有利であることや、より待遇の良い会社への転職を成功させているためであると推察されます。
また、中小企業診断士の資格に資格手当をつけている企業も存在するので、より直接的な収入アップにつながることもあります。
将来的には独立開業することも可能
中小企業診断士の資格を取得して独立開業する方もいます。独立された方は、身に付けた知識を生かして経営コンサルタントとして活躍される方が多いようです。
コンサルタントとしての実務経験を積まずして独立することは非常に難しいですが、中小企業診断士になると人脈が広がるため、先輩の診断士の方のお手伝い等で経験を積むことも可能です。将来的に独立を考えている方にもおすすめの資格だと言えます。
また、中小企業診断士の勉強で得た経営や財務会計などに関する知識を活かして、別の業種で経営を行う人もいます。
もちろん上記のようにガッツリと独立して活動せずとも、週末起業のように休日を活かして活動することも可能です。自分のライフスタイルに合わせて資格を生かすのが良いでしょう。
女性の中小企業診断士は重宝される
化粧品や美容、ファッションなど、女性向け商品やサービスは多く、こうした業界では男性の意見よりもむしろ女性目線の考えが重宝されます。
一方で女性の中小企業診断士の数は非常に少なく、中小企業診断士全体の10%程度しかいません。
こうした背景もあって、企業の女性中小企業診断士へのニーズは高まっています。女性向けサービスの需要は尽きることがないので、女性中小企業診断士は今後も様々な企業に求められ続けるでしょう。
主婦が中小企業診断士を目指して勉強するメリット
女性の中小企業診断士のニーズは高まっていて、さらに中小企業診断士を取得するメリットも数多くあります。ここまで読んでくださった主婦の方で、挑戦してみようと思っている方もいるかと思います。
一方で、「勉強するのが大変そう」「勉強することの良さは何か」などの不満や疑問を感じている方もいるでしょう。
しかし、主婦が中小企業診断士の勉強することにもいくつものメリットがあります。
勉強を楽しむことができる
中小企業診断士の勉強をすることで新しい知識に触れることができます。それにより、家事や育児で同じことを繰り返す日々に、刺激が生まれます。
毎日同じ家事を繰り返していると、不安や焦りから精神的にまいってしまうことがあります。しかし勉強を通して新しい知識に触れたり、自分の成長を感じられることにより、精神的に安定することは多いです。
また、世の中のビジネスの仕組みを知ることはとても面白いことです。自分が使っているサービスの裏側を知れます。これらのメリットから、資格の勉強を趣味にしている主婦の方も多いです。
子供にも良い影響を与えることが期待できる
「子供が勉強してくれなくて困っている」「子供に勉強させるために叱ってしまう」人もいるのではないでしょうか?そのような場合は、親の勉強している姿を見せてあげましょう。
親がしていることを子供は真似したがります。親が真剣に勉強していたり、楽しそうに勉強している姿は子供は必ず見ています。そして子供は真似するようになります。
その結果、子供も勉強することは良いことであり、楽しいことであると思うようになる可能性が高まると言えるでしょう。子供が勉強しなくて悩んでいる方は、自分が勉強する姿を見せてみるのもおすすめです。
これまで関わらなかった人たちとの人脈が増える
職場での出会い以外に、新たな人脈が増えるというメリットもあります。
中小企業診断協会に登録すると、他の中小企業診断士の方とのつながりが増えます。さらに税理士・社労士などの他の士業の方と出会う機会にも恵まれます。
また、中小企業診断士向けのセミナーや勉強会などの集まりなどは多く存在します。それらの機会に積極的に参加して、他の参加者とコミュニケーションを取ることで人脈が増えていきます。
いままでの職場環境では出会えなかった人と会うことができるので、より人生が豊かになると言えるでしょう。
主婦が中小企業診断士を目指す際に気をつけること
主婦の方で中小企業診断士を目指す際に気をつけたいことがいくつかあります。
メリットが多いのは事実ですが、場合によってはデメリットの方が大きくなってしまうこともあるので注意が必要です。
合格までに何年もかけない方が良いことも
中小企業診断士の試験は数年かけて合格するのが一般的です。しかし、合格するまでに長期間の時間をかけない方が良い場合も存在します。
長期間の勉強期間を割かないほうがいい場合を2つご紹介します。該当する場合は、注意して勉強の計画を立てましょう。
育休などを利用して勉強する場合
中小企業診断士合格のために必要な勉強時間は約1,000時間と言われています。もちろん人によって多少前後しますが、毎日2~3時間勉強しても約1年間かかるのが一般的なのは間違いありません。
育休中で、子育ての隙間時間を使って勉強するだけでは、全範囲勉強し終えるのに時間がかかりすぎてしまいます。また、知識を定着させることが難しいです。
特に独学の場合は、時間の確保や長期間の勉強の見通しを立てるのが難しいです。育休中などを利用して短期間での合格を目指す場合は独学は避けるべきでしょう。
資格を再就職に活かしたいと考えている場合
一度仕事から離れてブランクがある場合、ブランクの期間は短くしたほうが良いです。
どの業界でも、復職・転職までのブランクが長いと評価が下がってしまう傾向にあります。
同じ職場に復帰するとしてもブランクの長さによっては、昇進しにくくなる可能性もあります。また希望とは別の部署に配属されることもあります。
再就職に活かしたいと考えている場合は短期間での合格を目指しましょう。効率的に勉強することが大切です。
短期間での合格を目指すなら
中小企業診断士の短期合格を目指す場合は通信講座を利用するのが一番おすすめです。
予備校と違って時間的制約もない上に、費用もかなり安く抑えられます。
通信講座の中でも特に人気なのがスタディングの中小企業診断士講座で、独学で教材を揃える場合とほとんど変わらない値段で受講できるほか、スマホを使っていつでもどこでも勉強することができます。
家事や育児で忙しい主婦の方にはぴったりの通信講座です。この機会にぜひチェックしてみてください。
主婦と中小企業診断士まとめ
主婦と中小企業診断士まとめ
- 主婦でも中小企業診断士に挑戦することができる
- 女性中小企業診断士のニーズが高まっている
- 育休中の独学はおすすめできず、通信講座がおすすめ
- 資格の勉強は自分や子供に良い影響を与える
中小企業診断士は人気・格式ともに非常に高い資格です。取得することで生涯にわたって役立つことは間違い無いでしょう。
また、ビジネスについて学べるので、勉強していてとても楽しい資格でもあります。キャリアップを目指している主婦の方はぜひ挑戦してみてください!