行政書士の年齢層や学歴は?40代や50代から目指すのは遅すぎる?
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行政書士
宮城彩奈
30代や40代で行政書士を目指していると「年齢的に遅すぎるのでは?」「今から目指しても大丈夫?」と不安になることがあるのではないでしょうか。
一般の職業では30代や40代で転職をすることはなかなか難しいため、行政書士を取得しても仕事に就けるのかどうか想像ができずに、資格取得をするかどうか迷ってしまう方もいるでしょう。
この記事では、行政書士の年齢層はどのようなものなのか、30代や40代で行政書士を目指すことはできるのかといった点について解説しています。
今から行政書士を目指しても全く問題ないことを知り、自信を持って受験勉強を始めましょう!
行政書士の年齢層についてざっくり説明すると
- 行政書士の合格者は30代、40代が一番多い
- 30代で行政書士を取得した場合は転職や独立をする人が多い
- 行政書士は高齢化が進んでおり、若い行政書士は貴重な存在
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行政書士の年齢層
日本行政書士連合会が2018年に発行した『月刊日本行政 10月号』(日本行政書士連合会)では、行政書士の年齢層について調査しています。
以下は、各年齢がどのくらいの割合でいるのかどうかを表したものです。
年齢 | 人数 | 割合 |
---|---|---|
20~30歳 | 33 | 0.8% |
31~40歳 | 347 | 8.0% |
41~50歳 | 752 | 17.3% |
51~60歳 | 776 | 17.9% |
61~70歳 | 1,543 | 35.6% |
71歳以上 | 864 | 19.9% |
未回答 | 23 | 0.5% |
合計 | 4,338 | 100.0% |
この調査は回収率が9.2%であり、また、回答を積極的にした年齢層と消極的な年齢層がいる可能性があるため、この調査の結果が行政書士の実際の年齢層をそのまま表していると言い切ることはできません。
しかし、おおよその傾向はこの調査から知ることができます。
まず、60歳以上が全体の50%を占めていますが、実際も行政書士の半分程度は高齢者がいると考えられます。また、20歳~30歳は0.8%と全体の1%にも満たない人数です。
行政書士は高齢化が進んでおり、若い人材は希少価値が高いという傾向が読み取れます。
行政書士合格者の年齢分布
行政書士は法律系の資格の中では比較的難易度が低く、合格率は毎年13%前後です。
行政書士は国家資格ですが、数ある資格の中でも超難関資格の一つとして知られています。
一方で受験資格は存在しないため、誰でも受験することができる挑戦のハードルが低い資格だとも言えます。
そのため、受験者の年齢層は若い世代から高齢の層まで幅広いことが特徴です。
以下は、行政書士試験の令和2年度の合格者の年齢層の分布を表にしたものです。
年齢 | 合格者数 | 割合(%) |
---|---|---|
10歳代 | 56 | 0.97% |
20歳代 | 1,178 | 20.3% |
30歳代 | 1,611 | 27.77% |
40歳代 | 1,513 | 26.08% |
50歳代 | 1,058 | 18.24% |
60歳代以上 | 386 | 6.65% |
合計 | 5,802 | 100% |
※試験結果分析資料より作成
合格者の年齢としては20~40代が非常に多く、全体の75%を占めています。このように、働き盛りの年齢でも行政書士に挑戦し、合格をつかみ取ることができます。
難易度が高い資格ではありますが、仕事の合間にコツコツ勉強すれば合格は十分可能なのです。
また、50代の割合も18.24%と高く、全体的に合格者は年齢層が高い傾向があると言えます。
30代、40代の方で「今から行政書士を目指しても大丈夫?」と不安になっている方がいるかもしれません。
しかし、行政書士の合格者は年齢層が高めですので今の年齢で合格することは決して遅くはありません。安心して受験勉強を進めてください。
行政書士試験受験者の男女比と学歴
行政書士試験の受験者の男女比には特徴があるのでしょうか。また、学歴によって合格できるかできないかといった傾向があるのかも気になるところです。
そこで、次に受験者のデータから男女比があるのかについて学歴による違いなどがあるのかについて解説していきます。
行政書士合格者の男女比
令和4年度の行政書士試験では、受験者数の男女比は以下のようになっています。
男性 | 女性 | |
---|---|---|
行政書士受験者数 | 32,627人 | 15,223人 |
受験者に占める割合 | 68.2% | 31.8% |
行政書士試験の受験者割合を見てみると、男性が7割、女性が3割弱となっており、女性の受験者が少ない状況です。
また、行政書士登録者の中での女性の割合は、2018年の日本行政書士連合会のデータでは13.7%にとどまっており、行政書士に限らず、士業の場合は男性の割合が大きいことが特徴です。
例えば、他の士業での女性の割合を見ると、税理士の場合は15%未満、中小企業診断士の場合は10%未満しかいません。
ただし、行政書士の女性登録者の割合は年々増加してきており、行政書士は、女性の活躍の場が広がりつつある職業だと言えるでしょう。
行政書士は学歴が低くても合格できる?
国家資格の中には、受験資格として大学卒業や大学などで特定の単位を取得することなどといった要件が設けられている資格もあります。
しかし、行政書士試験には受験資格がありません。学歴だけではなく他の要件も関係がないため、誰でも受験できるのです。
また、試験の実態として学歴が高くないと合格できない試験というわけではなく、合格者の中には高卒の方もいらっしゃいます。
ただし、試験は決して簡単なものではなく、計画的に粘り強く勉強していく必要があるでしょう。
行政書士合格後の年齢別働き方
行政書士に合格したあとの働き方はどのようなものがあるでしょうか。行政書士の場合、どのような年齢であっても活躍できる可能性が高い資格であると言えます。
そこで、それぞれの年齢ではどのような働き方の可能性があるのかについて解説します。
20代で行政書士資格を取得した場合
20代で行政書士を取得する人は、就職活動に役立てようと大学生のうちに取得する人や、就職してから仕事に役立てようとしたり、転職を視野に入れて取得した人など様々います。
いずれにしても若くして資格を取得したばかりではいきなり独立開業をすることは難しいため、まずは就職をする人が多い傾向があります。
また、20代の行政書士は非常に希少価値が高いため、20代での行政書士試験合格は就職や転職活動では大きなアピールポイントになりえます。
将来的に独立することを見据えている場合は、まずは行政書士事務所などに就職して修行をする人も多いです。
30代・40代で行政書士資格を取得した場合
30代・40代で行政書士を取得した人は、企業の法務部などで活躍するために転職をする人もいます。
ただし、30代・40代では就職や転職をする人は少数派であり、独立を選ぶ人も多いです。
独立をするためには行政書士事務所などにある程度の期間勤務し経験を積むのが一般的となっています。
しかし、それまで一般企業に勤めていたなどで社会人としての経験や人脈がすでに培われている人の場合、合格後すぐに独立の準備をする人もいます。
合格後すぐの独立は無計画でいきなりするのではなく、だいたい半年から1年ほどの期間は開業のために必要な資金を貯めたり、開業に必要な知識を身に着けていくのがよいでしょう。
50代以上で行政書士資格を取得した場合
行政書士には定年がなく、生涯にわたって働くことができるため、50代で取得しても遅すぎるということはありません。
50代といえば早期退職も可能な年代です。合格後に退職をし、セカンドキャリアとして行政書士を選んで活動することもできます。
退職金があれば老後の資金面での心配がない状態で行政書士を始めることができますし、行政書士の仕事を続けることで、老後に定期的な収入が入ってくることも魅力的です。
また、行政書士の登録者は年齢層が高めであるため、50代から行政書士になったとしても年齢が高すぎるということはありません。50代で老後を見据えて行政書士に転職することは現実的な選択肢の一つになります。
行政書士の年齢層についてまとめ
行政書士の年齢層
- 行政書士の受験者は10代から60代まで幅広い
- 行政書士の合格者は30代や40代が半分以上を占めるため、年齢を気にする必要はない
- 30代で行政書士を取得して独立をする場合は、あらかじめ半年から1年ほど資金を貯めるなどの準備をするのがよい
行政書士試験の受験者は10代か60代までおり、幅広い年齢層の方が行政書士を目指しています。
また、実際に行政書士として働いている方たちは60代以降の方たちも大変多いため、30代や40代の方でも年齢を気にする必要はありません。
30代や40代の方の場合、資格取得後は就職や転職をする方がいる一方で最初から開業する方もおり、さまざまな進路があります。
「今から目指しても遅いかな」などと不安に思うことはありません。ぜひ行政書士講座を受講し、資格取得を目指してみてください!