行政書士の平均受験回数は?何年も不合格になるのを避けるための注意点
「行政書士に合格するためには一体何年くらいかかるのだろう?」
行政書士は人気資格の1つですが、しっかり勉強しなければ合格できない資格です。勉強時間や受験回数について気になる人も多いのではないでしょうか?
短期間で合格するには効率的に勉強することが重要であり、学習を進める上で押さえておくべきポイントを理解しておく必要もあります。
そこで今回は行政書士の平均受験回数と勉強を進める際のポイントについて解説します!
試験に合格するためには難易度や勉強時間・平均受験回数など試験そのものを理解することが大切です。
1日でも早く行政書士として活躍するためにも、行政書士試験の特徴をしっかりと理解しましょう!
行政書士の平均受験回数と学習の進め方についてざっくり説明すると
- 平均受験回数は2回前後である
- 合格率は10%前後と低いが合格率が表すほど難しくはない
- 不合格でも知識が無駄になる訳ではないので受験し続けるべき
- 最短で合格するためにはスケジュール管理や継続が大切である
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行政書士試験の平均受験回数は2回前後
行政書士に合格するまでの平均受験回数は2回前後と言われています。そのため行政書士は2~3年かけて合格を目指すべき資格であると言えます。
ただし平均受験回数が2回前後なのであって、1発で合格する人もいれば4年程かかる人もいます。5年以上かかる人は滅多にいませんが、1~3回受験して合格する人が多いのが現状です。
以下では合格に至るまでの受験回数に影響する要因や、行政書士を何度も受験する価値がある理由について紹介していきます。
受験回数は試験の合格率にも依存する
試験の難易度には年によってどうしても差が生じます。2010年度や2014年度のように合格率が1桁で難しい年に受験した場合、例年ならば合格できた人でも不合格になってしまった人が当然いたはずです。
その一方で近年の合格率は比較的高く、逆に1発合格を狙いやすくなっています。
合格するまでに何回受験することになるのかは試験の難易度によっても変わるので、1度や2度の不合格で諦めないことが大切です。
今は一発合格しやすくなっている?
行政書士試験の特徴の1つに近年の受験者数の減少が挙げられます。
行政書士会としては毎年ある程度の合格者数を輩出する必要があり、合格率まで下げて合格者数を減らすのはリスクが大きいと言えます。そのため試験レベルが極端に難化することは考えにくい状況です。
そして合格率1桁が当たり前だった2012年以前と比べると、近年は合格率が高い水準で安定しています。最近は昔に比べて少ない受験回数で合格できる確率が高くなっていると言えるでしょう。
行政書士は何度も受験する価値があるのか
行政書士に合格するためには平均で2~3年かかります。数年もの時間と労力を費やす以上、何回か不合格になってでも受験し続ける価値がある資格なのか、この点を確認しておくことが大切です。
そこで以下では行政書士資格を取得するメリットについて解説します。
受験し続ける価値がある行政書士の魅力を理解してモチベーションをアップさせ、合格する日まで学習を継続できるようにしましょう。
独立開業することができる
士業系資格を取得することのメリットの1つが独立開業できることです。自分の事務所を持ち、自分の裁量で様々なことを決められます。
また、行政書士は扱う書類の種類も多くて業務分野が広い資格です。自分の得意分野を中心に業務を行うこともでき、特定分野を専門に扱う行政書士事務所として開業すれば活躍できる可能性も上がります。
全て自己責任なので独立後に成功できる保証はありませんが、これは会社員として企業に雇われて働く場合には得られないメリットです。
高年収が目指せる
行政書士の年収は600万円程度と言われています。日本人の平均年収よりも相当高い金額であり、高収入を目指せる点もメリットの1つです。
そもそも行政書士の各業務の報酬相場はかなり高く、顧客をそこまで多く獲得しなかったとしても高収入を得られる可能性があります。
顧客を獲得して高収入を実現できるかどうかは営業スキル等にもよりますが、行政書士試験の合格を勝ち取るために頑張った分だけ将来的に高収入を得られる確率が上がることは間違いありません。
就職や転職にも資格が活かせる
行政書士の資格を持っていれば就職や転職活動でも活かせます。
行政書士事務所に就職するという新たな選択肢が増えますし、一般企業に就職・転職活動を行う場合もアピールポイントになるからです。
行政書士資格は独立開業して活かすケースが多いですが、法務知識が豊富であることをアピールできる立派な資格であるため、一般企業での採用面接でも役立ちます。
行政書士事務所・一般企業どちらの場合でも採用確率が上がることは間違いなく、資格を持っていることが大きなメリットになります。
行政書士試験の合格点と合格率
弁護士や司法書士ほど難しくないとは言え、行政書士試験は簡単に合格できる資格ではないことも事実です。
行政書士の難易度をあらかじめ理解した上で勉強を始めることが大切なので、以下では行政書士の合格点と合格率を紹介します。
行政書士の合格ライン
行政書士の試験は大きく分けて法令等科目と一般知識等科目があり、合格ラインは以下の通りです。
- 法令等科目の得点が満点の50%(122点)以上
- 一般知識等科目の得点が満点の40%(24点)以上
- 試験全体の得点が満点の60%(180点)以上
上記3つの条件すべてを満たせば合格となります。つまり社労士のように科目ごとの足切り点がある訳ではないので、必ずしも全範囲を満遍なく学習しなければならない、というわけではありません。
特に商法や会社法は難易度が高い割に配点が低いので、勉強を後回しにしたほうが効率的です。
あくまで法令等科目・一般知識等科目・全体の3ヵ所で合格点を超えれば問題ありません。科目ごとに優先順位を付けて得点計画を立て、学習段階から優劣を付けて行政書士試験に臨むようにしましょう。
行政書士の合格率
近年の行政書士の受験者数・合格者数・合格率は以下の通りです。
受験者数 | 合格者数 | 合格率 | |
---|---|---|---|
令和4年 | 47,850人 | 5,802人 | 12.1% |
令和3年 | 47,870人 | 5,353人 | 11.2% |
令和2年 | 41,681人 | 4,470人 | 10.7% |
令和元年 | 39,821人 | 4,571人 | 11.5% |
平成30年度 | 39,105人 | 4,968人 | 12.7% |
直近5年間の合格率は10%前後で安定していることが分かります。過去には2006年の合格率4.8%のように5%を下回った年もありましたが、それに比べると近年の合格率は高い水準になっています。
また、行政書士試験研究センターが公表した資料によれば、行政書士試験の受験者や合格者の過半数は30代と40代が占めています。行政書士は会社勤務の方でも働きながら取得を目指せる資格であるといえるでしょう。
行政書士試験の合格率が低いのはなぜ?
行政書士試験の合格率は10%前後であり、約10人に1人しか合格できない試験です。このように聞くと非常に難しいように感じられるかもしれません。
しかし、合格率は試験の難易度以外の要素によっても変わります。合格率の低さだけで難易度の高さを過剰に見積もるのは良くないでしょう。
そこで以下では、行政書士試験の合格率が低い理由について解説していきます。見かけ上の合格率の低さだけに惑わされることなく、行政書士試験の難易度を正しく把握することが大切です。
合格率ほど難易度は高くない
行政書士試験は受験資格がない試験です。受験する際に一定の資格や知識レベルが求められる訳ではないので誰でも受験できます。
やる気のない人や勉強していない人でも受験できるので、不合格者が増えて合格率が押し下げられてしまいます。
そもそも行政書士合格のために必要な勉強時間は500~800時間程度と言われています。これは継続して勉強すれば1年程度で満たせる時間です。
そのため合格率が低い資格の割には難易度は高くありません。
年によって合格しやすさが異なる
行政書士の合格基準点は毎年変わらず一定です。難易度が高い年でも合格基準点が変わらず、そのような年は合格しにくくなります。
その場合は、正答率が高くて正解すべきだった問題を1問間違えただけで不合格になることもあります。
資格試験の中には上位者の一定割合を合格者とした上で合格ラインは変動するタイプの試験もありますが、行政書士はそれとは異なるタイプです。そのため年ごとに合格しやすさが異なるのです。
一般知識が妨げになる
意外にも不合格の原因になることが多いのが一般知識です。配点割合が小さいものの一般知識で足切りを受ける人が毎年多発します。
配点が少ないために対策が後回しになりがちであり、いざ勉強を始めても対策がしにくい分野だからです。
一般知識で足切りになることがないように、事前にスケジュールをしっかりと立てて勉強するようにしなければいけません。
出題形式が多様である
行政書士試験の配点の約7割は択一式ですが、記述式や選択式の設問もあり出題形式が多様です。
最も配点割合が高いのは択一式ですが、その一方で択一式とは全く異なる記述式は法令科目の中で約4分の1の配点を占めていて、こちらも対策を怠ることができません。
出題形式ごとに対策を行う必要があり、十分な対策を行うためにはどうしても時間がかかります。これも行政書士の合格率が低くなっている原因の1つになります。
何度不合格になっても大丈夫
行政書士試験は合格率の低さ程には難しくないものの、上記で紹介した様々な理由から合格までに時間がかかる資格です。
逆に見方を変えてみると、行政書士試験で不合格になることは決して珍しいことではありません。
仮に行政書士試験に不合格になったとしても諦める必要はなく、翌年の合格発表日には自分が合格者になっているイメージを思い描きながら勉強を継続することが大切です。
何年も勉強した人は知識の定着率も理解度も高い
難易度が高くて難しい年に偶然あたって不合格になる場合もありますし、単に勉強が間に合わずに不合格になる人もいます。
その場合には更に1年学習することで合格できる可能性が十分にあり、時間をかけて習得した知識なので定着率も理解度もアップするでしょう。
反復を繰り返して確実に定着させた知識だからこそ、仕事でも活かせる確かな知識として役立ちます。
その後行政書士として仕事をする際に有利になることは間違いなく、不合格になった場合でも翌年の受験に向けて学習を継続するようにしましょう。
努力は決して無駄になりませんし、合格を信じ続けて翌年の試験日や合格発表日まで諦めないことが大切です。
短い期間で合格するための勉強法のコツ
行政書士は数年かけて合格する人が多いとは言え、できるだけ短期間で合格して1年でも早く行政書士になりたいのは誰でも同じはずです。
闇雲に勉強したりダラダラと学習を進めて時間を浪費して不合格を続けても意味はなく、合格するために効率良く勉強することが重要になります。
そこで以下では短い期間で合格するための勉強法のコツを紹介します。効率よく学習することで勉強時間を短縮することができ、1年でも早い合格につながるはずですので、是非参考にしてみて下さい。
スケジュール管理を徹底する
試験までに過不足なく勉強を行うためには、スケジュール管理を徹底することが大切です。
単に「試験当日までに全範囲の学習を終わらせる」といった漠然とした意識で取り組んでしまうと、学習ペースが遅れていても途中で気付くことができずに本番直前で慌てることになってしまいます。
いつまでに何を勉強するのか、学習スケジュールを立てれば進捗状況を可視化することができます。合格に向けて着実に前進していることを自覚でき、モチベーションアップにもつながるでしょう。
真面目に勉強を継続する
最後に合格を勝ち取れるかどうかは、結局は真面目に勉強を継続できるかどうかによって決まります。
行政書士は仕事をしながら勉強して受験する人も多い資格ですが、忙しい日でも1日10分の勉強時間を確保する意識が大切です。
「合格発表日には自分が合格者になるんだ!」という熱い想いを持って勉強を継続できる人のほうが合格しやすいことは言うまでもなく、たとえ忙しくても少しでも勉強する癖を付けるようにしましょう。
暗記は繰り返し学習が基本
知識の暗記は1度の学習だけでは記憶として全く定着しません。定着させるためには繰り返し学習する必要があります。
暗記の基本は繰り返し学習することであり、2回・3回と繰り返し覚え直すことで記憶が失われなくなり、脳に内容が定着していきます。
そうすれば試験本番でアウトプットできる知識レベルに到達できますし、行政書士の合格を勝ち取ることができるはずです。
短期間で合格をつかみ取る勉強法を知りたい方は以下の記事も併せてご覧下さい。
行政書士の平均受験回数と学習の進め方まとめ
行政書士の平均受験回数と学習の進め方まとめ
- 平均受験回数は2回前後であり合格まで数年かかる場合も多い
- 合格率は10%前後と低いが難易度はそこまで高くはない
- 不合格になっても諦めることなく合格を目指すことが大切
- 短期合格のためにはスケジュール管理や継続学習が重要
今回は行政書士に合格するためのポイントについて紹介しました!
行政書士は資格取得までに平均で2~3年かかりますが、それだけの時間と労力をかける価値がある資格です!
魅力あふれる行政書士資格の取得に是非チャレンジしてみて下さい!