大学生が社労士資格を取得するメリットは?実際就活に有利になるの?
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社労士
のんびり社労士いけい
「社会保険労務士の資格を持っている大学生は就職に有利なの?」
「そもそも大学生でも社会保険労務士の資格ってとれるの?」
そのような疑問を持っている方はいませんか?
大学在学中に社会保険労務士(以下、社労士)の資格を取得することは可能なのか、社労士の資格を持っていると就職活動で有利になるのか、気になりますよね。
この記事では、皆さんのそんな疑問にお答えします。
この記事を読んで、大学生の皆さん、社労士の取得を目指してみましょう!
大学生の社労士取得についてざっくり説明すると
- 大学生でも社労士試験の受験資格を得ることはできる
- 社労士資格は就職活動で有利になる
- 大学生社労士は全体の1%未満と激レア
- 大学生であれば社労士業務が未経験でも不利にならない
- 大学生こそ社労士を目指すべき
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大学生でも社労士試験の受験資格を得られる
社労士試験を受けるにはまずは受験資格を満たす必要があります。
大学生のうちに社労士の受験資格を得られることはあまり知られていないかもしれませんが、短大の卒業所要単位に相当する62単位以上を取得していれば受験可能なので、在学中にも受験することができます。
つまり、単位さえ取得していれば大学生でも就活前に社労士資格を得ることは可能だということです。
社労士の受験資格についてより詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧下さい。
短大生の受験資格は?
社労士の受験資格における「学歴」要件を確認すると、短大は卒業していることが要件となるので、在学中に受験することは非常に難しいです。
「国家試験」の要件で、行政書士等に合格していると社労士試験の受験資格を取得することはできますが、 どの資格も非常に難関資格ですので、短大在学中に社労士を取得するのはほぼ不可能と考えられます。
所定の国家試験合格でも受験資格を得られる
大学生が所定単位の修得以外で社労士試験の受験資格を手に入れる方法として、厚生労働大臣が認めた所定の国家試験に合格するという方法が挙げられます。
その試験の種類は多岐に渡り、ここで全てを網羅することはできませんが、代表的な資格試験を取り上げると
- 行政書士試験
- 中小企業診断士
- 司法試験予備試験合格者
などが挙げられます。
特に行政書士は、資格取得後のダブルライセンス先として社労士が有力な選択肢となり両資格の相性は非常に良いと言えます。
受験の時期にも注意しよう
社労士試験は毎年8月に年に一回しか受験することができません。合格発表は11月です。
社労士試験に合格していることを4年生で就職活動でアピールしようとすると、3年生までに受験し、合格している必要があります。
社労士試験の申し込み時には大学の成績証明書の提出が必要となります。 受験資格にあたる必要単位62単位が2年生までの間に取得可能かを大学に事前に確認しておくことをおすすめします。
必須単位62単位を2年間で確実に取得しつつ、社労士の受験勉強にかける時間も充分に確保しようとすると、タフな挑戦にはなりますが、決して不可能ではありません。
大学生社労士は就活で非常に有利
簿記や語学検定などの資格を在学中に取得する大学生は多数いますよね。
社労士の試験はそれらの資格と比べて難易度も高く、在学中に取得する大学生は極めて少ないです。
下に社会保険労務士試験オフィシャルサイトの情報から2022年度の社労士試験合格者の職業別割合を示す表を作成しました。
職業 | 合格者に占める割合 |
---|---|
会社員 | 61.0% |
公務員 | 7.7% |
団体職員 | 4.7% |
自営業 | 4.4% |
役員 | 3.6% |
学生 | 0.6% |
無職 | 11.0% |
その他 | 7.0% |
学生は合格者のうちなんと0.6%です。単純に計算しても合格者2,134人のうちわずか12人。学生と言っても大学生のみとは限らないので、いかに大学生の合格者が少ないかおわかりいただけるでしょう。
このように大学生での社労士取得者は希少価値が高いので、周囲から一目置かれるほか、就活において非常に有利になるというメリットがあります。
難関試験を合格して取得した資格自体にも素晴らしい価値がありますが、計画的に努力し結果を出す能力があるという証明としても使えるからです。
就職活動では採用側の印象に残る学生であることがとても大事です。社労士資格を持つ大学生は注目を置かれること間違いありません。
大学生なら未経験でも就活が上手くいく
先ほどのデータからもわかるように、大学生のうちに社労士資格を取得する人はほとんどいません。
その点では社労士資格を持っているというだけで、他の学生と比べてスタート時点から大きくリードしていると考えられます。
また、多くの場合企業は社労士資格だけでなく、人事・総務などの実務経験も重視します。したがって社労士資格を持っていても未経験だと就活が上手くいかない場合も出てきます。
しかし大学生の社労士有資格者であれば実務経験がなくて当たり前です。
就職活動において会社側はポテンシャルを見込んで採用活動を行います。通常は経験がないと就職が難しいような企業や部署にも、大学生社労士であれば採用される確率が高いです。
大学生社労士の就職先
社労士資格を取得した大学生であれば、就職先は一般企業のみではなく、士業の事務所といった選択肢も視野に入れることが出来ます。
ここでは大学生社労士の就職先候補を具体的にみていきましょう。
一般企業
一般企業に就職する場合は、社労士資格は人事部や総務部等で特に重宝されます。
人事部や総務部は、社内の人材にまつわる業務を請け負う部署です。業務の中には、社会保険や労働保険に関わる書類の作成や役所への申請などが含まれます。
例えば、社員の出産にあたり産休や育休を取得するだけでも、社員に色々な書類の提出を求める必要がありますし、役所に提出しなければならない申請書が多数あります。社会保険や雇用保険などの全般的な知識が必要となるので、社労士試験で勉強したことが非常に役立ちます。
もちろん前述のように資格そのものの学習内容とは関係ない点でも、資格を持っているだけで努力できる人間性の証明になるので、他の部署でも歓迎されるでしょう。
社労士資格を生かした一般企業の就職先としては、他にも経営コンサルティング会社が挙げられます。全般的なコンサルを行うには、人事労務にまつわる知識も不可欠です。
経営コンサル企業は、大学生の就職先として非常に人気です。社労士資格は、経営コンサル企業への就職を希望する学生にも有利となるでしょう。
士業の事務所
いわゆる社会保険労務士事務所です。こちらには社会保険労務士法人も含めて考えます。
社労士として将来独立を考えているのであれば、経験を積むのにもってこいの場でしょう。
一般的には、社労士事務所は実務経験者を求めています。ただし、社労士資格を有している大学生については別で、新卒採用の道も開かれています。
そして、そういう事務所は大手の事務所である場合が多いです。大手事務所で働くのは忙しくて大変かも知れませんが、多岐にわたる事務経験を積み、人脈を築くことができるので、将来独立開業を目指す人には非常に有益です。
また、税理士事務所や弁護士事務所など他の士業の事務所と並行して社労士事務所を開いている事務所も多数ありますし、社労士の有資格者を求める前述のような大手事務所もあります。社労士の活躍できる士業の事務所は多岐に渡ります。
社労士有資格者の就職先についての詳細は、以下の記事を参考にしてください。
社労士として仕事をするには何が必要?
社労士試験の受験し合格して、社労士と名乗って仕事ができるようになるまではいくつか段階を踏む必要があります。
念のためその流れを確認しておきましょう。
-
4月~5月頃に社労士試験の受験申し込み
-
8月に社労士試験の受験
-
11月に合格者の発表→晴れて社労士試験合格者に
引き続き、「社労士試験合格者」から「社労士」となるまでの流れを説明します。
社労士になるには試験に合格するだけでなく、2年間の実務経験が求められます。実務経験がない人は、通信添削と翌年の7月~9月頃に各地で実施される面接指導(座学)の事務指定講習を受講し修了することで実務経験を有すると見なされます。
大学生は、この事務指定講習を受けない限り社労士にはなれません。
そして、重要なのはここですが、社労士と名乗るには登録が必要です。
社労士連合会に入会し、社労士名簿に登録されて、初めて自分自身を社労士と名乗って仕事をすることができるようになります。
ただ、就職活動においては「社労士試験合格者」で十分アピールできますので、安心してください。
大学生でも社労士資格で独立開業できるのか
正直、経験のない状態でいきなり独立開業するのは、たとえ学生でなくても無理です。
社労士は、資格があるからと言って仕事ができるわけではありません。
仕事をとってくる能力、業務を遂行する能力、契約を継続してもらう関係を築く能力、これらは実務を積むことでしか手に入れることができません。
独立開業を考える場合は企業の人事・総務部や士業の事務所で十分な経験と人脈を培ってからが良いでしょう。
社労士の独立・開業は以下の記事をご覧ください。
大学生こそ社労士資格の取得を目指すべき!
大学の在学中に社労士資格を取得することはとても難しい挑戦になります。それでも、大学生こそ社労士資格取得を目指すべき だと言わせてください。
大学生におすすめしたい理由は以下のとおりです。
なぜおすすめなの?
- 大学生には多くの時間があること
- 大学生専用の学習スペースも多いこと
- だらだら過ごすよりも日々に目標ができ、メリハリのある生活になること
- 何より就職に有利なこと
大学生は毎日朝から夕方まで授業があるわけではないので、自由に使える時間がありますよね。社会人になると勉強時間の確保が難しくなってきます。
図書館など勉強できる場所も近くにありますよね。他の学生さんに刺激を受けながら集中して勉強できる環境が揃っています。
貴重な大学生活、だらだらと過ごしてしまってはもったいないでしょう。目標をもつと、計画的なメリハリのある生活 を送れます。
そして、就職活動にも有利になります。まさに、いいことづくしですよね。
大学生が社労士資格を取得するメリットまとめ
大学生が社労士資格を取得するメリット
- 大学在学中に社労士試験の受験が可能
- 難関である社労士資格は就職活動でアピールできる
- 企業の人事総務部などで重宝される
- 新卒でも大手事務所に就職する道が開かれる
- 時間と勉強しやすい環境があるからこそ大学生の間に受験するのがおすすめ
大学生が社労士資格を取得する方法やメリットをお話ししました。
社労士の資格を知らない大学生も多いなか、社労士を目指そうという志の高いあなた、社労士試験を目指して勉強をはじめましょう!