大学生が行政書士資格を取るメリットは?就活で有利になるってホント?
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行政書士
宮城彩奈
「大学生だけど、何か資格を取って就活を有利に進めたい」
「行政書士って、大学生が取得するとメリットはあるの?」
こういった疑問をお持ちの方もいらっしゃると思います。
大学生は比較的時間も取りやすく、資格を取得するにはもってこいの時期ですよね。一方でせっかく勉強するなら就活でも有利になる資格を目指したいところです。
そこでここでは大学生が行政書士を取得するメリットについて解説していきます!
行政書士と大学生の関係についてざっくり説明すると
- 行政書士試験に受験資格はないため、高校生や大学生でも受験できる -行政書士は就活で有利に働く
- 行政書士に合格している大学生はなかなかいない
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大学生でも行政書士資格は取得可能?
行政書士は難関資格ではありますが、非常に人気の国家資格であり毎年受験者数は4万人近くいます。
行政書士試験には受験資格が設けられておらず、高校生でも大学生でも受験できます。
そのため、就活を有利に進めるために取得を目指す大学生も毎年多くいます。試験は毎年11月の年1回しか行われないので、勉強の計画は予め立てておくと良いでしょう。
行政書士の合格発表は1月末であるため、4年の就活に間にあわせるには3年の内に取得を目指すのが一般的です。
行政書士の資格で就活は有利になる?
学生で行政書士に合格する人は極めて少ない
上の表は2022年行政書士試験の年代別の合格率です。合格者の内訳で最も多いのは働き盛りに当たる20~40代で、全体の4分の3以上を占めています。
20代で取得する人の半分が大学生だと仮定しても、学生のうちに行政書士資格を取得する人は全体の約10%しかいません。
行政書士の合格者は毎年4000~6000人前後です。つまり、行政書士資格を保有する大学生は560~640人程度しかいない計算になります。
このように大学生で行政書士資格を持つ人は非常に希少価値の高い人材となるので、就活の際に非常に良いアピールになるでしょう。
一般的に、面接で大事なのは第一印象や人柄の良さ、また地頭の良さです。行政書士の資格に合格したことは地頭の良さのアピールになるため、その点でも就活で有利だと言えるでしょう。
法律の知識をアピールできる
行政書士を実際に本業としている人は、「街の法律家」などと呼ばれ、法律の知識を生かして仕事をしています。
呼び名があらわすように行政書士で学べる法律の知識は幅広く、民法や行政法など様々な法律に精通していることがアピールできます。
また、行政書士は弁護士や司法書士などの他の法律系の資格と比べると取得しやすい資格です。
専門性に関してはさすがに弁護士などと同程度とは言えませんが、一般の人よりも明らかに博識であることは間違いないでしょう。
法学部の大学生でも無い限り、法律の知識が豊富な人はいません。そもそも行政書士の資格を取得している大学生は稀有であるため、大きなアピールになるでしょう。
合格した事実そのものも好印象
何か武器になる資格を持っているだけで、就活は有利になります。
その中でも、行政書士試験のような合格率の低い難関国家試験を突破した努力・能力の高さもしっかりと評価してくれるでしょう。
就活の面接などでは大学生活の中で頑張ったこと、またその中で工夫したことなどを聞かれることが多々あります。
行政書士試験を合格した中で、「どのような困難をどのような方法で乗り越えたのか」「取得した動機は何か」をわかりやすく具体的に説明できると良いでしょう。
併せて合格後は資格をどう活用していくかもしっかりと考えていくのがおすすめです。
また、誘惑の多い大学生活の中でコツコツ真面目に取り組む姿勢も好印象を残せる要因の一つであるといえます。
大学生行政書士の就職先
一般企業の法務部
最近は業界を問わず、どの会社でもコンプライアンスの遵守がうるさく叫ばれています。
行政書士の独占業務を一般企業内で行うことは法律上できませんが、身につけた法律知識はコンプライアンスの面など、企業の法務部で生かすことができます。
具体的には民法の知識を生かして契約書の不備がないかを調べる、商法の知識を生かして株主総会といったイベントでの対応などがあります。
企業において、民法や商法に関する紛争やトラブルが発生する可能性があります。行政書士は予防法務の専門家でもあるので、紛争対応の業務でも活躍できるでしょう。
士業事務所
ただし、士業事務所の求人数は少なく、また年収も他の業種と比べると低い水準にあります。
士業事務所の年収の低さは残念な点ですが、士業事務所に勤めたときのメリットもあります。それは、実務経験を積んでいけることです。
ただ合格しただけでは、当然実務に関する経験や知識がないため、取得後すぐに独立しても顧客は獲得できません。独立を成功させるには必ず実務経験が必要となります。
士業事務所に勤務することで、必要な実務能力を働きながら身につけることができるため将来的にもいい経験となります。
さらに、事務所に勤めることで先輩行政書士など他の士業の方の人脈も広がります。この人脈が、将来独立後に困ったことがあっても助けてたり、役に立つことがあるのです。
行政書士として仕事をするための手順
士業事務所に勤める場合
行政書士として働くためには試験合格だけでは足りず、行政書士会に入会して登録しなくてはなりません。ここまでしないと、行政書士の独占業務を行うことはできないのです。
ただし、行政書士登録は未成年では行えないため19歳以下の方は20歳になるまで待つ必要があるので要注意です。つまり高校生や未成年の大学生は合格した後でもすぐに行政書士にはなれないということになります。
行政書士登録の初期費用はわりと高く、総額で30万円近くの費用がかかるため、費用面も注意が必要です。
一般企業に勤める場合
一般企業に勤務する場合は、行政書士登録をしてはいけません。
行政書士登録を行う場合は「行政書士として業務を遂行する義務」が生じてしまうため、一般企業に勤めることができなくなります。
一般企業内で行政書士業務を行うことはできないので、一般企業の就職を目指すのであれば、登録はしないで就活に臨んでください。
ただし、行政書士登録をしなくても試験の合格者であるということだけで十分にアピールになるため、就活においてはなんの問題もありません。
行政書士は大学生が目指すのにおすすめの資格
大学生は有利に学習が進められる
行政書士の合格率は概ね10%となかなか難しい試験ですが、法律系の国家資格の中では難易度はそれほど高くありません。
法学部に在籍している方であれば、他の受験生よりも有利に勉強が進められるため、受験を試みる価値は十分にあります。
法学部でなくても、しっかりと勉強時間を確保して効率的な勉強法で学習を進めれば、一発合格も狙える試験だと言えるでしょう。
行政書士を目指す方の多くは30代から50代の働き盛りの社会人です。このような方は忙しい仕事の合間の時間を使って勉強しているため、勉強時間の確保に苦労しており、それだけで大きなビハインドを背負っています。
一方、大学生で資格取得を目指すのは様々な面で有利です。
まとまった勉強時間が確保できることに加えて、キャンパス内には教室や図書館など勉強できる環境が整備されているためです。
よって、勉強に集中できる環境が存分に整えられているため、合格を目指して前進するにはうってつけなのです。
今後のキャリアの選択肢が広がる
行政書士は試験に合格すればその効果は生涯有効です。
行政書士の取得で、いずれは独立開業することも可能となるため、将来のキャリアの選択肢が広がります。
また、同じ法律資格や士業である司法書士や社労士といったさらに上の資格へのステップアップへのきっかけにもなるため、ダブルライセンスを生かしたキャリア形成も可能になります。
行政書士は他の資格との相性も良い資格であり、行政書士の取得をきっかけに人生の選択肢が広がるでしょう。
公務員を目指す場合も有利になる
公務員試験は、筆記試験と面接試験に分かれています。学生の内に行政書士の勉強をしておくと、公務員の筆記試験において有利になります。
なぜなら、行政書士試験は公務員試験と試験範囲が重複する部分が多いためです。
公務員の志望も検討している人は、行政書士の勉強が大いに役立ちます。
在学中に経験を積めるとなお良し
大学生で、アルバイトをしている人は多いと思います。
行政書士の資格を取得した後でも、現在勉強中の人でも、実践的な法律の知識や仕事を覚えるには法律関係の事務所などでアルバイトを経験すると良いでしょう。
求人そのものは多くありませんが、大学を卒業する前に法律関係の仕事を経験できる機会は多くありません。
将来、行政書士の資格を生かして独立開業を目指している人や、法務関係の仕事に携わりたいと思っている人は、若い内からそのような求人を探してみると良いでしょう。
大学生でも行政書士として独立開業できるのか
20を超えていれば大学生でも法律上は独立開業することはできますが、それだけで稼ぎ、食っていくことはほぼ不可能でしょう。
行政書士は、資格があるからと言って仕事が自動的に降ってくるわけではないため、学生でなくても取得後すぐの独立開業で食っていくことはほぼ不可能です。
行政書士として食っていくためには、仕事を受けるための営業能力、業務を遂行する実務力、契約を継続してもらう信頼関係が必須です。
これらは実務経験を地道に積んでいくことでしか身に付かない能力になります。
独立開業を考える場合は、一般企業の法務や士業の事務所で十分な経験と人脈を培い、十分な経験を積んで仕事のノウハウを覚えてからの方が良いでしょう。
また、開業する上では人脈も大切です。様々な業務経験の中で、先輩行政書士の方の話を聞いたりして良い関係を築いておくことが必須です。
就活は資格以外の要素も重視される
就活において企業側が重視するのは、資格の有無ではありません。
人柄や将来性、また会社を志望している本気度など、様々な要素を勘案して合否を決めます。
そのため、行政書士の資格を持っているからといってすぐに内定が出るなどといったことはないので注意しましょう。
しかし、資格を持っていることが就活で全く有利にならず選考で無関係かというと、そうではありません。
行政書士は法律に詳しい人間である証明になりますから、法律関係の起業や事務所であれば、有利になるでしょう。
しかし、一般企業を目指すのであれば必ずしも法律に関係する部署に配属されるとは限りません。
そのため、ただ資格を持っているというアピールだけではなく、「何故取得を目指したのか」「どのように努力してきたのか」など、自分が努力をしてきた過程をアピールしましょう。
それにより印象が上がり、また「入社後も様々な業務を頑張ってくれる人材」として評価してもらえるでしょう。
在学中の合格を目指すには
大学生の期間は勉強に集中しやすい環境なので、ぜひ在学中の取得をおすすめします。理由は、就職して社会になってから勉強するルーティンを作るのは難しいからです。
そこで、在学中にオススメする勉強方としては、法律科目の講義を積極的に受講することです。
憲法や民法、行政法に関わる講義があれば、ぜひ履修してみてください。単位が取れる上に、行政書士の勉強の助けになれば一石二鳥です。
講義のコマの間などに図書館で資格勉強をするなどして日頃から資格を目指すためのルーティンを作れれば、在学中の合格も見えてくるでしょう。
電車通学の時間に時間がかかる方などはスタディングなどの通信講座もおすすめです。
費用が安く大学生でも負担が小さい上に、スマホを活用して通勤時間などの隙間時間を活かして勉強できます。
毎日のスマホを触っている時間を勉強時間に変えられるので、なかなか座って勉強する時間が取れないという人にも非常におすすめです。
この機会に是非注目のスマホ学習をチェックしてみてはいかがでしょうか。
大学生が行政書士を取得するメリットまとめ
大学生が行政書士を取得するメリットまとめ
- 行政書士資格を持っていることで就活で有利になる
- 資格取得の努力の過程などをアピールできると強い
- 就職してからでは勉強が難しくなるため、在学中の取得がおすすめ
大学生で行政書士を取得している人はとても少なく、就活は有利に進められるでしょう。
ただし、何の目的もなく取得しただけでは意味がなく、努力の過程や将来設計などを首尾よく説明できることも大切です。
その点に留意して行政書士の取得ができれば、就活だけでなく将来にわたってメリットが享受できるはずです。
ぜひ行政書士の合格を目指してみてください!