CFPの難易度はどれくらい?受験資格からおすすめ勉強法・テキストまで紹介
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ファイナンシャルプランナー
FPこう
「CFPを取得してみたいけど、実際どれくらい難しいの?」
そんな疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
ファイナンシャルプランナーとして、FP技能士資格だけでなくAFP資格やCFP資格の取得を目指している方もいらっしゃることでしょう。
そこでこの記事ではCFP試験の難易度や受験資格、おすすめのテキストを紹介していきます!
CFP試験に向けて最短距離で合格を目指しましょう!
CFP受験についてざっくり説明すると
- CFP資格試験は1科目ごとに合否が存在する
- 資格取得の難易度は高く独学合格には時間を要する
- CFP取得のメリットは大きい
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CFP試験の難易度
そもそもCFPってどんな資格?
CFP資格とは、北米やアジア、ヨーロッパ、オセアニアを中心に世界24か国の地域で導入されている、「世界が認めるプロフェッショナルFPの証」で、FPの頂点とも言えるものです。
正式名称は、「CFP資格審査試験」と言います。
CFP資格試験は、競争試験です。つまり、取得すべき点数が決まっているのではなく、他の受験者との点数の比較により合否が決まるため、少しでも多くの点数を取る必要があります。
CFP試験は、6科目あり、そのすべてに合格しなければなりません。
そのため、試験に合格するためには綿密な計画とスケジュール、忍耐強く勉強していく根性が必要で、勉強期間も長期戦になることがあります。
6科目一括合格率は、年度によりますが約10%前後とかなり低いです。
ただし、CFP資格試験は、1科目ごとに受験でき、その合格には有効期限がありません。つまり、何年かけて6科目合格するのかという計画が必要になります。
各科目の合格率
ここでは、各科目の合格率を見ていきます。
各科目の合格率は、30%~40%くらいです。
どの科目が合格しやすくて、どれが合格しにくいかは、各科目の合格率からは見えてきません。そのため、どの科目も同じように難しいと言えます。2018年度の第2回の場合、2500人前後受験して、900人前後が合格しています。その900人に入る貪欲な勉強が必要です。
科目ごとの合格ラインは?
CFP資格試験は6科目あり、各科目2時間の試験が2日間に渡り実施されます。
先述いたしましたが、CFP試験ではそれぞれの科目ごとに合否が判定され、その合格には有効期限がありません。そのため、1科目ごとに合格を重ねることも可能です。
各科目の合格基準は、100満点中54~66点の間に合格ラインがあります。以下に過去6回の合格基準を載せていきます。
以上、各科目の合格基準を見ても分かるように、同じような点数での合格になっています。しかし、あくまでCFP試験は競争試験ですので、1点でも多くの点数を稼ぐ勉強をしていきましょう。
CFPの試験内容と科目別難易度
CFP試験は6科目分の知識が問われる試験内容となっています。
そのため、仕事をしながらの勉強に不安を感じる方もいっらっしゃることでしょう。
しかし、各科目の難易度にも多少のバラツキがあり、その中でも難しいとされる難易度の高い上位3つの科目を紹介し、各科目ごとの攻略法を見ていきます。
難関ランキング1位から順に、「金融資産運用設計」、「 ライフプランニング・リタイヤメントプランニング」、「不動産運用設計」です。
難関ランキングはあくまで一つの目安です。しかしこれから紹介する科目は、多くの受験者が苦戦する傾向があるので、ここで他者と差をつけましょう!
金融資産運用設計
金融資産運用設計は、顧客のライフプラン実現の為に必要となる金融商品全般の知識や活用方法に関する豊富な知識が問われます。
かなりマニアックな問題も多く、経済の仕組みや時事問題をしっかり理解していないと解けない問題もあります。
景気動向に沿った適切な提案をするための情報収集能力も問われますので、CFP合格後の実務的な問題を視野に入れた問題構成となっています。
また計算問題も多く出題されますが、過去問などと同じような定番の問題が多く、過去問を中心にしっかり対策をすれば解けるようになります。苦手意識がある人は、繰り返し問題を解いて時間内に解けるようにする必要があります。
ライフプランニング・リタイヤメントプランニング
ライフプランニング・リタイアメントプランニングは、ライフプランを作るうえで必要となる知識が幅広く問われるため、テキストだけでなく幅広く社会動向なども知っておく必要があります。
ライフプランというぐらいですから、人の生活に密接に関わってくる問題でもあります。工夫として、自分の人生設計に当てはめながら勉強していくと良いです。
年金額や高齢者雇用継続制度、購入可能な住宅物件の価格など、自分にも関わりがあるテーマであり、かつ対策しやすい定型的な問題が多いため、興味をもって、過去問を用いながら対策していくことが求められます。
不動産運用設計
不動産運用設計は、不動産運用に必要な不動産の権利関係・登記簿読解力や不動産売買取引や賃貸契約の実務的知識、また不動産に関わる規制法規などが範囲です。
不動産の知識はもちろん、トラブルを回避する際の法律の知識や建築基準法などの用語をしっかり理解して、応用問題にも対応できるよう勉強していくことが大切になります。
問題文の表現がややこしいため、基礎用語の理解を着実に行いましょう。また、現実の問題として関わる機会の多い不動産の問題は、幅広い知識を習得する勉強方法が大事になってきます。
CFP取得に必要な勉強時間
CFP資格試験に合格するための勉強時間は、どれぐらいになるのでしょうか?
勉強時間は、人により個人差がありますが、およそ500時間~600時間が目安と言われています。相当なボリュームがあります。
また各科目ごとの勉強時間は、平均80時間~120時間と言われています。6科目あるので、時間配分について自分なりに計画を立てていくことが必要です。
CFP受験の計画
ここまで、CFP資格試験の科目数や合格率、合格までの必要時間を見てきましたが、CFP試験の勉強を進めるに当たり最も重要となるのは、綿密な計画です。
この計画の綿密に立てておくことで、その後の学習をスムーズに進めることができるのです。
勉強方法については、独学でするのか、通信教育にするのか、それともスクールに通うのかなど、様々な選択肢があります。
以下の記事では、独学のための勉強法や通信講座のメリットなどをお伝えしていきますが、皆さんは、時間的、経済的な要素を考慮しながら、合格から逆算した計画をしっかり立てたうえで勉強を始めることをお勧めします。
CFP独学合格を目指す方向けの勉強法
CFP資格試験もそうですが、多くの資格試験がそうであるように、やはり独学での勉強には過去問演習がお勧めです。
CFP試験では、同じような問題が6割程度出題されます。そのため、過去問の内容を頭に入れておけば、合格にかなり近づきます。
独学での学習がおすすめの方
CFP試験は年々難易度が上がってきているため、思った通り合格できずに、6科目合格するのに時間がかかる場合がほとんどです。そのため、CFP試験は長期戦になったときのための継続して勉強する習慣が必要になります。
継続性をもたずに勉強してしまうと、結果として挫折してしまう方が多いです。
今まで短期詰込み型の勉強スタイルをとってきた方は、少しづつでも継続性をもった勉強方法にシフトしていきましょう。
独学での勉強の進め方
効率的な学習の進め方を紹介します。
- CFP受験対策精選過去問題集を解く。
- わからない部分をテキストで確認。
- 上記2つを繰り返す。
この手順で、勉強を進めていきます。過去問重視の試験ですから、普段の学習から思いっきり過去問に触れていくのがベストです。
最初に精選問題を解く段階ではまだ全然わからないと思いますが、繰り返すうちにだんだん分かるようになってきます。
出題傾向など試験の全体像を掴んでいくことも大切です。
科目毎に学習を進めよう
過去問演習をする際に使う教材は CFP受験対策精選過去問題集が良いでしょう。
他の教材を使っても過去問演習自体はできますが、各科目ごとの頻出問題や難易度が分からないため、多くの人が使っている精選過去問題集をメインで活用することをお勧めします。
精選過去問題集は、トピックスごとに問題がまとめられて、難易度も分かるので点数をどこで取るのかを考えて勉強することができます。1科目ごとに200問~300問程度でまとめられているので、効率よく勉強していくことができます。
また、6科目全体をムラなく勉強していくやり方ではなく、1科目ごとに集中してやり切ってしまう方法が良いでしょう。1回の試験で何科目合格を目指していくかを最初に決めておくことが大切ですが、1科目ごとに合格する制度があるCFPです。
広く浅く学習するのではなく、科目毎に集中してやりましょう。
CFP公開模試を受験しておこう
仕上げとして本番形式の問題を解くことは大切です。
CFP試験にも、公開模試があり、2日間にわたり開催されます。
試験の雰囲気を掴んでおくことや、時間配分を見ておくことなど多くの収穫があります。
問題集を使い家で気楽に対策することもできますが、試験会場で緊張感を持って試験を受けることは良い経験になるため、公開模試はぜひ受験しましょう。
通信講座はおすすめできるのか
多くの場合において、通信講座は独学での学習よりも優れた結果を出しています。
試験のプロが傾向を解析し、効率的なテキストを用意していて、分からないことを説明してくれるため、勉強もはかどり合格に近づきます。
難易度が高まっている現状を鑑みても、勉強をする際に分からないところを人に説明してもらった方が理解が深まるというのが事実です。
通信講座の受講がおすすめの理由
通信講座の受講がおすすめな理由は、独学と比較して合格に必要な勉強時間が短くて済む上に、合格率も高いからです。
通信教材会社は、長年のノウハウを駆使して作って教材を提供しており、問題分析や出題予想も頼りになります。また、合格までのモチベーション維持にも非常に役立つでしょう。
FP3級程度の難易度の低い試験であれば独学で合格を目指すのも良いと思いますが、CFPほど難易度が上がってくれば流石に独学は辛くなってきます。
独学で途中で挫折してしまっては、結局テキスト代や勉強時間を最も無駄にすることになってしまいます。
その意味で、CFP資格試験の合格を狙うために、通信講座の受講はお勧めです。
CFP対策ができる通信講座
CFPの通信講座は小規模な資格学校ではそもそも扱っていない場合が多いです。
難易度や専門性の高いCFPですから、受講する講座は大手資格学校のものが一番おすすめです。
大手は講座費用が高いものが多いですが、「LEC東京リーガルマインド」の通信コースであれば、比較的費用を抑えつつ、良質な講義と手厚いサポートを受けることができます。
通信講座を検討される場合はぜひ一度チェックしておきましょう。
より多くのCFP講座から比較検討したい方は、以下の記事をご覧ください。
FP1級とCFPの違い
FP1級とCFPとの違いは、どのようなものでしょうか。
FP1級は国家資格であるのに対し、CFP資格は、民間資格です。
また、FP1級は日本国内だけに有効な資格になりますが、CFP資格は、国際的に通用する資格になります。
このように資格の属性が別れてはいますが、難易度やランクとしては同等の資格となっています。どちらの資格保持者を優遇するかは企業ごとに異なりますが、何れにせよ高い能力を持っていることの証明には十分でしょう。
両者には資格継続要件の違いもありますので、以下に紹介します。
CFP | FP1級 | |
---|---|---|
資格の継続要件 | 2年ごと30単位取得必要 | 永久 |
資格維持費用 | 年会費12000円CFP会費8000円 | 無料 |
FP1級についてより詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
AFPとCFPの違いは?
一番の違いは「難易度」でしょう。AFPはFP2級レベルですが、CFPはFP1級レベルです。
そのため、CFPの方が取得が難しく、上級資格であると言えるでしょう。
また、AFPはきんざい・日本FP協会の両方で受験可能ですが、CFPは日本FP協会でしか受験できない、という違いもあります。
こういった点に加えて、CFPの受験のためにはAFP資格の取得が必要であることから、先にAFPを受験するのがおすすめだと言えます。
FP1級まで取得したい場合、AFP→CFP→FP1級の順に取得を目指すと良いでしょう。
FP2級レベルと言われるように、AFPも実務レベルとして認められている資格ですので、取得メリットも大きいです。
CFP資格審査試験の受験資格
CFP資格審査試験の受験資格は次の2つを満たしていることなります。
-
AFP認定者であること
-
所定の大学院で単位を取得していること
CFP認定を受けるために必要な手順は?
CFP資格取得後の認定を受けるために必要な手順は、次の4つの項目を全てクリアすることです。
-
CFP資格審査試験に合格すること。
-
試験合格後に実務研修であるエントリー研修を受講し、終了すること。通信研修と集合研修があります。
-
3年間の実務経験を有すること。(原則として試験合格前10年間、合格後5年間のうちに通算して3年以上の実務経験を有すること)
-
協会が定める会員倫理規程等諸規程を遵守する旨の制約を、所定の書面にて行うこと。
CFP資格はキャリア形成に役立つのか
ファイナンシャルプランナーは、税理士や公認会計士、宅地建物取引士などと異なり、独占業務を持っていません。
しかし、CFP資格を取得することで、日常レベルの問題解決や、一般企業の就職・転職、ファイナンシャルプランナーとして独立するなど、幅広く活躍できる可能性が広がります。
CFPはファイナンシャルプランナーとして働く際、自身の能力証明として非常に強い効力を発揮します。CFP取得者は増加傾向にありますし、FPとして独立をしたいと考える方であれば今後取得は必須になってくるかもしれません。
独立しない場合もこの難関資格を突破したということで、属する企業の評価や個人の社会的信用も高まってきます。
また、CFPは国際資格ですので、グローバルな舞台でも十分に通用する資格として今後存在感を高めていくでしょう。
他の人気資格との難易度比較
ここでは、他の人気資格とCFPの難易度を比較してみましょう。
宅建
取得した際に独占業務を行うことのできる宅建ですが、宅建資格を取得するまでの必要時間は、およそ100時間~300時間と言われています。
CFP資格は、500時間~600時間ですから、難易度ではCFPの方が難しいと言えます。
宅建の難易度についてより詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
不動産鑑定士
CFP試験でも不動産の科目があります。同じ不動産に関する資格として、不動産鑑定士とどちらが難易度が高いのでしょうか?
不動産鑑定士資格取得の必要時間は、2000時間~3000時間と言われています。不動産鑑定士の方がかなり難易度が高いことがわかります。
税理士
税理士もCFPど同様に科目合格の制度がありますが、各科目のボリュームも多いですし、難しい試験です。税理士資格取得の必要時間は、2500時間~3000時間と言われています。
超難関である税理士や不動産鑑定士と比べれば、CFPはまだ取得しやすい部類の資格だと言えるでしょう。
税理士の難易度については、以下の記事で詳しく解説しています。
CFPの難易度・勉強法まとめ
CFPの難易度まとめ
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CFP資格試験は全部で6科目あり科目ごとに合格制度がある
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6科目一括合格は難易度が高く、その合格者は10%ほどである。
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試験難易度は上昇傾向にある
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お勧めの勉強方法は過去問⇒確認⇒直前対策試験問題の順で進めること。
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CFP資格試験合格後には幅広い活躍の場がある。
CFP資格について説明してきました!
今回の記事が、CFP資格審査試験の受験で悩んでいる方の一助となれば幸いです。