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行政書士試験の難易度は?合格率・受験者層・勉強時間から実態を考察!

更新日時 2019/10/15

「行政書士の資格に興味があるけど、実際どれくらい難しいの?」

そんな疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

行政書士は難易度の高い国家資格として知られていますが、実際どれくらい難しいのか、どれくらいの勉強時間をかければ合格できるのかなど、不明瞭な部分も多いかと思います。

そこでここでは行政書士の資格の取得難易度について、試験の合格率や必要な勉強時間、他の国家資格との難易度比較など様々な側面から具体的に解説します

行政書士に興味がある方は必見です!

行政書士試験の難易度についてざっくり説明すると
  • 難易度は高いが、法律の事前知識がなくても合格を目指せる資格である
  • 独学でも合格は不可能ではないが、合格率は低い
  • 法律系国家資格の中では中程度の難易度
  • 合格率が低いのには理由がある

そもそも行政書士ってどんな仕事?

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行政書士は行政書士法によって規定されている士業系の国家資格です。

官公署等に提出する書類の作成や、提出書類に関する相談などを独占業務として行うことができます。

ここではまず行政書士という仕事の基本を確認しましょう。

行政書士ができること

行政書士の業務は大きく分けて以下の3つになります。

  • 書類の作成
  • 書類提出等の手続き代理業務
  • 書類作成に係る相談

行政書士の仕事は、書類作成の相談に乗り、依頼があれば法律に則って書類を作成し、許認可申請など提出が必要なものであれば然るべき申請先に提出する、ということであると言えます。

あっさり聞こえてしまいますが、行政書士が扱える書類は10,000種を超えると言われています。そのそれぞれに意味・目的・関連業界・関連法律があるため、行政書士が関わる仕事の範囲は多岐・多方面に渡ります。

さらに、特別な研修を受けて特定行政書士になることで、不服申し立ての手続き代理など、これまで弁護士の担当であった業務なども行えるようになります。

行政書士資格を取得するメリット

独立開業したい

行政書士は、その資格一つで独立開業が可能です。自分の名前で仕事をして収入を得る喜びは他では得がたいものです。

開業してすぐに仕事と収入を安定させることは難しい面もありますが、冒頭でも述べたように、行政書士が扱える書類は10,000種を超え、相談内容も多岐に渡ります。

その中で自分の専門分野を極めて同業者と差を付けて勝負していくこともできるでしょう。

就職・転職が有利になることも

行政書士は一般企業の中で「企業内行政書士」として独占業務を行うことはできません

そのため資格があるだけで即採用というのは難しいですが、企業の法務部やその関連部署への就職や転職において、行政書士資格を持っていることは有利になることはあっても不利になることはまずありません

自社内に、法律や書類作成等手続きの専門家がいるということは企業にとって大きなメリットとなります。

また、難関資格を取得したという事実そのものも、能力の高さや努力できる姿勢の証として高評価のポイントになります

今の職場で昇給・昇格が狙える

今の職場が法務部等であるなら、行政書士資格を取得することによるメリットは非常に大きいと言えるでしょう。

自社の業務における法律・行政手続きに対して、専門家として的確なアドバイスが出来るようになります。頼れる存在として社内での評価が高まることは間違いありません。

自己研鑽になる

自身のスキルアップという面でも、行政書士資格の取得はメリットがあります。

資格取得のために勉強する努力をすることで得られるものもあるでしょうし、何より行政書士の勉強を通じて身に付く民法などの知識は自身や家族が生活していく上で役に立ちます

資格を取得してから、その後の働き方を考えていくということも出来るでしょう。

法改正など社会の動きにも敏感でなければなりませんが、行政書士登録をしておけば常時最新の情報が得られるようになっているため、制度の変更や知識のアップデートも難なくできます。

行政書士の難易度を合格率から考える

「推移」のイメージ 資格試験に向けた勉強を始めるにあたって、合格率や受験者層、その他のデータから試験の難易度を知るということはとても重要です。

合格率一つとっても、ただの結果としての数字として捉えるのではなく、なぜその様な数字になるのか、例年それくらいなのか、実際の数字はどれくらいだと想定できるのか、その結果難易度はどれくらいだと考えられるのか、などを分析することで試験そのものや受験する自分自身の立ち位置を冷静に捉えることが出来ます。

また、自分の立ち位置が分かれば、ゴールに向けての戦略を具体的に立てることができます。

難易度を知ることは、受験のスタート時には非常に重要なことなのです。

行政書士の合格率

行政書士試験の直近10年間の合格率を見ると概ね10%弱~15%の間を推移しています。2012年以前は合格率一桁台が当たり前でしたが、翌年以降は緩やかに上昇しており、ここ数年の合格率は二桁台が続いています。

また、2012年以前も2013年以降も年ごとに合格率に差があることがわかります。10年間の平均合格率は10.9%で、難関資格らしく合格率は決して高くありません。

とは言え、2012年以前の5年間の合格率の平均が7.9%、2013年以降昨年までの合格率の平均が11.6%であることを考えると、以前に比べて合格率は高くなっていると言えます。

基本的にはその年に出題される問題の難易度によってある程度は合格率が決まってくるものですが、ここ数年が合格率二桁台で推移していることを見ると、以前と比べると試験難易度も安定していると見ることができるかもしれません。

行政書士は合格率ほど難しくはない

10年間の平均合格率が10%程度ということで少し尻込みした方もいるかもしれません。しかし、実際の合格率がどうかと考えると、そこまで小さな数字にはならないと考えられます。

というのも、行政書士試験は「義務」ではなく、自分でモチベーションを高く維持しながら勉強をし続けなければいけないものなので、十分に勉強できないまま本番試験に臨む人が多いからです。

試験は申し込んだもののモチベーションを維持できず勉強は不十分、でもとりあえず受けておく、といった受験者は多くいます。また、受験資格等も特にないので、いわゆる「記念受験」的な感じで受ける人もいます。

合格率を出す時の母数となる受験者数にはそういった人たちも含まれているため、しっかりと勉強してきた人たちだけを母数として考えると、実際の合格率は公表されているより高い数字になるはずです。

それを考えても、しっかり勉強をすれば合格に近付くので、きちんと試験対策をして効果的に勉強をしていくことが必要です。公表されている合格率の数字に戸惑うことなく、勉強したことに自信を持って試験に臨みましょう。

知識0の状態から勉強を初めても合格出来る

行政書士試験は、先ほども述べたとおり、受験者全体のレベルは実はそれほど高くありません。年度によって難易度に差はあるとしても、問題自体は他の法曹系資格と比べても難しいというものでもなく、きちんと勉強した人が受かる試験です。

マニアックな法律知識までないといけないというタイプの試験でもなく、法律の基礎知識をしっかりと定着させ、基本問題を確実に解答し得点できれば、必ず合格出来ます。

合格率に怖じ気付いて、予備知識がないと合格出来ないなどと考えて躊躇する必要はありません。

独学で勉強ができるのか

難易度は低くはないものの、行政書士試験は独学では対応が出来ないと言うほどのものではありません。しかし、試験範囲の法律が多い分、勉強する内容が多いので、自学が苦手な方やモチベーションの維持が困難なタイプの人には難しいかも知れません。

また、巷では「行政書士は簡単だ」という声も散見されますが、いずれも根拠に欠ける信憑性の低いものばかりです。

簡単だと舐めてかかると何年も不合格になり続ける羽目になるので、行政書士を目指す際は入念な準備の上で試験に臨みましょう。

行政書士合格のための勉強時間と合格点

「success」のイメージ

合格点の基準

行政書士試験は法令科目が244点満点、一般知識という科目が56点満点の、合計で300点満点となっています。

合格には、法令科目で122点以上、一般知識等科目で24点以上、且つ全体で180点以上という3つの条件を満たす必要があります。

例えば法令等科目で160点、一般知識等科目で20点だった場合、合計180点で全体の点数としては足りていますが、一般知識等科目が基準点に達していないので、不合格となります。

両科目でボーダーラインがありそれをクリアすることが大前提で、さらにプラスして得点を稼ぐ必要があるということです

問題数と試験時間

行政書士試験では60問を180分で解く必要があります

60問の出題形式は、法令等科目が択一式(5肢択一式及び多肢択一式)と記述式、一般知識等科目が択一式(5肢択一式)となっており、様々な出題形式に対応する必要があります。

配点は1問につき5肢択一式問題が4点、多肢択一式が8点、記述式が20点です。

180分で60問を解く、というのはなかなかタフな作業になります。記述式の問題に時間がかかることを考えれば、択一式の問題などはかなりのスピードで解答していかなければなりません

正答率を上げるのはもちろんですが、普段から問題を解く速さを上げる練習もして、当日に慌てないで済むよう対策をしておく必要があります。

目安の勉強時間

行政書士試験は年に一回なので、きちんと計画を立てて勉強しなければなりません。

行政書士試験の場合、勉強時間は600時間が必要と言われることが多いです。法律初学者(0から勉強する)だと800時間くらいかかる場合もありますし、独学となるとさらに膨大な時間がかかると言われています。

また、600時間、800時間勉強したからと言って確実に合格するということでもありません。人によって必要な時間も当然変わってきます。

この数字にこだわりすぎる必要は全くなく、試験までに時間は取れるだけ取った方が当然良いです。一年間は勉強に費やすくらいの余裕を持って取り組むことができると安心でしょう。

科目別勉強時間の目安

行政書士試験で出題範囲となる科目別の勉強時間を表にしています。あくまでも目安ではありますが、一つの参考になるはずです。

科目 勉強時間
基礎法学 30時間
憲法 70時間
行政法 200時間
民法 210時間
商法・会社法 30時間
政治・経済・社会 15時間
情報通信・個人情報保護 25時間
文章理解 20時間
合計 600時間

行政法、民法に勉強時間の過半数を使うことになります。

合格基準には科目毎の足切りはないので(例えば「基礎法学」で~点以上、など)、得点効率の高い科目から優先的に勉強するのが良いでしょう。

注意点として、小科目毎の基準点はないものの法令等科目、一般知識等科目の大別では基準点があります

毎年、「法令等科目では基準点を大きくクリアし総合得点でも180点を超えているのに、一般知識等科目で得点が足りず不合格・・・」という人が一定数います。

法令等科目に重点を置きがちですが、一般知識で足切りにならないようにすることも大切です。

行政書士試験の難易度を受験者層から考える

「人数」のイメージ

受験者層も試験の実際の難易度を決定づける非常に重要な要素となります。

例えば「合格率60%以上だけど、受験者の8割が東大卒」の試験は、簡単とは決して言えません。

この様にどのような人が多く受験していて、どういう数字が出ているのかを見ることで、実際の難易度を推し測ることが出来るのです。受験者層の分析は、難易度を考える際には外せません。

行政書士合格者の年齢層

以下では平成29年度試験の行政書士試験合格者(6,360名)の年齢毎の比率を表にしています。

年齢(年代) 比率
10歳代 0.8%
20歳代 21.0%
30歳代 29.9%
40歳代 26.7%
50歳代 15.1%
60歳代以上 6.5%

表を見てわかるように、30代・40代の働き盛りの人が合格者の過半数を占めています

中には「勉強のために一年間休職した」という人もいるかも知れませんが、多くは仕事をしながらの受験であると考えられます。ここから、行政書士試験は仕事をしながらでも十分に合格を目指せることがわかります。

また、この年代での行政書士資格の取得は、企業で会社員勤務をするにしても独立開業を目指すにしても、その後十分に資格を生かしていく時間があると言えます。

一年間、勉強のために他のことを諦めたとしても、その後取り返せるという前向きな希望や意思を持って、モチベーションを高く維持出来るのがこの年代であると言えるでしょう。

行政書士合格者の男女比

次に、同じく平成29年度試験の合格者の男女比と男女別の合格率を表にしてみます。

受験者数 合格者数 合格者割合 男女別合格率
男性 29,608名 4,958名 78.0% 16.7%
女性 10,841名 1,402名 22.0% 12.9%

合格率を見ると、男性の方が高くなっています。また、合格者割合もと男性の方がかなり多いです。しかし、だからといって男性に有利、女性の合格は難しい、ということを示しているわけではありません。

まず、男性の方が圧倒的に受験者数が多いので、当然合格者の割合も男性が多くなります。合格率が男性の方が高いことも、男性の方が資格取得に積極的で、キャリアアップ等のために真剣に試験に臨んでいる方が多いことが主な要因と推測されます。

また、近年は男性の育休取得等も積極的に言われるようにはなってきたものの、やはり日本ではまだまだ家事・育児は女性がするものという認識が意識的・無意識的に関わらずあります。

女性が男性と同じように真剣に試験に臨もうと思っても、小さい子供がいる家庭などではどうしても女性に負担がかかりがちです。意欲を持って受験申込をしたものの、男性と同じ様に勉強に集中するのは難しいという状況もあることが、男女の合格率の差の一因となっている可能性もあります。

そのような社会的な要因も大きく考えられるので、表に現れた差が男女の能力の差であるとか、女性には難しい試験であるとかいう風には考える必要はないでしょう。

その他資格の国家試験との比較

「比較」のイメージ 行政書士の難易度は他の資格と比べるとどれくらいの立ち位置にあるのでしょうか。

ここでは行政書士資格とその他の国家資格とを、合格までの目安の勉強時間や合格率を軸として比較してみます。

司法書士

行政書士と名前が似ているのでよく比較されますが、司法書士の方が確実に難易度は高いです。行政書士の合格率が10%程度であるのに比べ、司法書士の合格率は3%程です。

この二つのWライセンスを目指す場合は、先に行政書士を取得して、法律の知識がある程度ある状態で司法書士の勉強をするのが良いでしょう。

宅建

宅建士とも呼ばれます。合格率は15~17%、勉強時間が一般的に300時間程度と、行政書士との比較で言えば宅建の方が簡単です。

宅建試験における民法の範囲は行政書士試験より狭く、内容もそこまで深くはないので、行政書士取得後であれば宅建試験の勉強範囲を減らすことが出来ます。

また、宅建は安定して仕事に繋がりやすい資格でもあるので、行政書士とのダブルライセンスは将来の安定にも繋がると考えられます。

司法試験の予備試験

司法試験の予備試験と行政書士試験を比較すると、行政書士試験の方が難易度は低いと言えます。

この二つは法律科目の範囲が重なっているのですが、予備試験に合格した人が、数回の過去問対策だけで行政書士試験にも受かることが少なからずあることから、上記のことがわかります。

社労士

合格率は6%程度、必要な勉強時間は1000時間と社労士の方がやや難易度が高いです。

また、行政書士の資格を持っていることは社労士試験の受験資格になるのも特徴です。

この二つの資格は範囲が異なるので、ダブルライセンスを目指す場合は二つの資格分それぞれの勉強が必要です。

しかし、その分両方を持っている人も少ないので珍しく、独立した際に成功しやすいと言えます。

税理士

合格率は12%~17%で推移している税理士ですが、合格までに必要な時間は短い人でも2,500時間と言われており、数年かけて合格を目指す試験です。当然、税理士の方が行政書士より圧倒的に難易度が高いです。

さらに税理士試験は会計の科目があり計算も試験範囲に含まれるので、数字に弱い人にはかなり難しい試験です。

一方、行政書士は試験範囲は広いものの暗記と法律の解釈であるため、数字に弱くても合格できる試験であると言えます。

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行政書士試験の合格率が低い理由

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行政書士試験の合格率を下げている要因

以下の3つが合格率を下げている要因であると考えられます。

「足切り」がある

この記事の前の方でも書きましたが、行政書士試験では「法令等科目」「一般知識等科目」のそれぞれで足切りが行われます

法令等科目は重点的に勉強されるのでしっかり解答でき、基準点を大きくクリア出来るものの、一般知識等科目の方で基準点に足りず、総得点では基準の180点以上を獲得できているのに不合格になってしまう、ということがよくあるようです(当然その逆もあるでしょうが)。

足切り点が設定されている以上、そうならないための対策も必要です。

出題形式が多様

行政書士試験は択一式・選択式・記述式の3方式があり(一般知識等科目は択一式のみ)、それぞれに対して対策が必要です

出題数で見ると記述式は数が少ないですが配点は高く、選択式は配点は低いものの出題数が多いなど、当然ですがどれも手を抜くことはできません。

記述式問題に時間を取られ他に手が回らない、択一式・選択式問題で時間を使い過ぎる等、問題数の割に出題形式が多様で対応に戸惑うことも正答率を下げているの一つと考えられます。

「とりあえず受けてみる」人が一定数いる

いわゆる「記念受験」タイプや、勉強は十分ではなかったが次回試験への対策としてとりあえず受けておく、といった受験者が一定数は必ずいます。

こういったそもそも合格圏外にいる人たちも合格率算出の母数に含まれるので、どうしても合格率は低くなってしまいます。

合格率に惑わされない

上記のような理由によって、公表される合格率と、実際の難易度は必ずしも一致しているとは限りません。

確かに、行政書士試験は簡単ではなく合格には努力を必要としますが、公表される合格率が示すよりは実態としては取得しやすいと言って良いでしょう。

行政書士の難易度まとめ

行政書士まとめ
  • 行政書士はあらゆる書類作成に携わることのできる士業系の国家資格
  • 行政書士の合格率は例年10%前後だが、近年は合格率が上昇傾向にある
  • 行政書士の合格者は社会人の方が多く、働きながら合格を手にしている人も多い
  • 行政書士は税理士や司法書士といった超難関資格ほどは難しくない

行政書士の活動範囲は多岐に渡り、近年の法改正で新しく携わる業務も増え、社会的にも大きな役割が期待されています。

試験は決して簡単ではないものの、受験資格もなく隣接する国家資格の中でもチャレンジしやすい試験です。また、独学も可能で、難易度も合格率が示すほどには高くないと言えます。

行政書士試験を受けようか迷っている人、これから何かじっくり取り組んで資格取得を目指したいと考えている人には、是非行政書士試験に挑戦することをお勧めします。

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