簿記2級は簡単な資格なのか?難易度や勉強時間の実態を調査!

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簿記

公認会計士たぬ吉

「簿記2級は簡単に合格できると聞いたけど取得する意味はあるの?」

「簿記2級に興味があるけど難易度や合格に必要な勉強時間を知りたい!」

簿記2級は大人気の資格であり、何らかの資格取得を考えている人の中には簿記2級の受験を検討している人も多いと思います。

しかし簿記2級は簡単だという意見がネット上では散見されるので、「簡単な資格ならば簿記2級は取得する価値が本当にあるのかな?」と疑問に思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか?

そこで今回は簿記2級の難易度について詳しく紹介します!

実は簿記2級は決して簡単な資格ではありません。合格点を超えるためのコツを身に付ける必要があり、難易度を見誤ると不合格を繰り返す可能性も上がってしまいます。

この記事を読めば簿記2級の本当の難易度を理解できますし難しいからこそ合格を目指す価値のある資格であることが分かるはずです!

簿記2級の難易度についてざっくり説明すると

  • 簿記2級の試験では毎回5人中4人は落ちるので簡単ではない
  • 士業系資格に比べれば易しいが簿記2級自体は難しい資格
  • 合格するには350時間ほどの勉強が必要で入念な対策が必須
  • 独学合格も可能だが効率よく勉強できる通信教育等がおすすめ

簿記2級は簡単な資格なのか

簿記2級の難易度への疑問

ネットでは「簿記2級は簡単!」といった書き込みが一部で見られますが、簿記2級の直近の平均合格率は約20%と決して高くありません。

直近10回の合格率は以下の通りであり、毎回5人に4人ほどの受験者は合格点に達することができず、残念ながら落ちていることが分かります。

出典:日本商工会議所

簿記2級に一発合格する人は確かにいますが、全体としては受験生の8割近くが落ちる試験です。

受からない人も非常に多くいる試験ですので、「簿記2級は簡単」などという意見を安易に鵜呑みにしないようにしましょう。

回によって合格率に差があるので、受験回による難易度差のブレはありますが、いずれにしても簿記2級に合格するのは簡単なことではありません。

簿記2級はなぜ簡単と言われるのか

8割近くもの受験生が落ちる試験なのに「簿記2級は簡単」と言われてしまうのにはいくつかの理由があります。

「簿記2級は簡単」という間違った意見が出てくる背景を確認して、実際は簡単に合格できる資格ではないという事実を理解しておきましょう。

受験資格がなく挑戦ハードルが低い

簿記と同様に人気資格である税理士や社労士等は受験資格がありますが、簿記2級は受験資格がないので挑戦のハードルは低い資格です。

そして「誰でも簡単に受験できる資格」と「誰でも簡単に受かる資格」を混同した結果、「簿記2級は簡単」と思っている人がいます。

しかし当然のことながら両者は全く別の話です。

簿記2級を受験すること自体のハードルは低くても合格のハードルは低くありません。受験のハードルと合格のハードルを混同しないように注意しましょう。

他の有名資格と比べると易しい

簿記2級と他の国家資格で合格に必要な勉強時間の目安を比較すると以下のようになっています。

資格 勉強時間の目安
公認会計士 3,000時間以上
税理士 3,000時間以上
司法書士 3,000時間
不動産鑑定士 2,000時間
中小企業診断士 1,000時間
社会保険労務士 1,000時間
簿記2級 350時間

他の難関国家資格と比べると簿記2級は少ない勉強時間で合格できるので、簡単に合格できるものと勘違いしてしまう人がいます。

しかしそもそも簿記2級に合格するには350時間の勉強が必要ですこれは1週間から1カ月で満たせるような勉強時間ではありません。

知識を吸収して計算問題に慣れる所から始まり、最終的に合格するためのコツを身に付けて、さらに合格点を超えるには数ヶ月の時間がかかります。

簿記2級自体が難しい資格であることをしっかりと認識して、合格点を確実に超えるために数ヶ月前から勉強するようにして下さい。

有名国家資格と簿記の難易度比較については、下記の記事をご覧ください。

経理・会計経験者は馴染みやすい

普段の仕事で経理や会計に関する業務をこなしている人であれば簿記の試験範囲は非常に馴染みやすい分野です。そういった人であれば短い勉強期間で合格することはできます。

しかし経理・会計業務を経験したことがない人にとってはそうはいきません。

学ぶことの1つ1つが全て初めてのことばかりで、目安の勉強時間である350時間を超えた学習時間が必要になる場合もあります。

経理・会計の経験者なのか未経験者なのかによっても、簿記2級の難易度は大きく変わるので注意が必要です。

不合格者の声はなかなか届かないもの

ブログやネット上では簿記2級について検索すると、「一発合格」や「1ヶ月で合格」という書き込みや記事で溢れかえっています。

しかしこれは「一発合格」や「1ヶ月で合格」などの華々しい言葉を用いた記事の方が多くの人の関心を集めるので、検索上位に来るようにこういった誇張表現を盛り込んだページが量産されているだけなのです。

つまり簿記2級の難易度の実態を反映して記事が書かれるというよりも、注目を集められる単語を並べただけの記事ということです。

それこそ実際の難易度を正しく記述しているわけではないので鵜呑みにすべきではありませんし、そもそも「一発合格」や「1ヶ月で合格」できる人はいるかもしれませんが、ごくわずかに過ぎません。

簿記2級を簡単に合格できる試験などと勘違いせず、数ヶ月前からしっかりと勉強をして試験本番に臨むようにして下さい。

簿記2級は簡単には受からない

簿記の勉強

上記のような理由から簿記2級は簡単というイメージを持たれがちです。

しかし実際に合格を目指して勉強を始めると思うように進まないことも多く、決して楽勝で合格できるような試験ではありません。

簡単には合格できないからこそ、簿記2級を受験する際に意識しておくべきポイントを押さえておくことが大切です。

合格には入念な対策が必須

士業系資格などに比べれば簿記2級は合格率が高くて必要な勉強時間の目安は短いと言えます。

しかし簿記2級自体の難易度は決して低いわけではありません。合格するには入念な対策が必須です。

また、年に1回しか試験がない士業系資格よりも、試験の実施回数が年3回と多い簿記2級は取得しやすい資格と思われがちです。

しかし、実施回数が多いぶんダラダラと勉強して不合格を繰り返すリスクがあります。

1度落ちると次の試験まで数ヶ月を無駄にしてしまうという危機感をもち、一発合格を目指して集中的に勉強するのがおすすめと言えるでしょう。

簿記検定は難化している

簿記2級は2015年に3年間かけて出題範囲の大幅改定を行うことが決まり、実際に2019年2月の試験では新範囲である「複数子会社を持つ連結会計処理問題」が出題され多くの受験生が試験の難化を実感しました。

従来1級の範囲だったリース取引や外貨建取引、その他有価証券の処理、税効果会計、本支店会計なども2級の範囲として追加されたので、試験自体が難しくなっていることは間違いありません。

元々簡単ではなかった試験がさらに難化傾向にある状況です。簿記2級は、より一層十分な勉強を積まないと合格できない資格と考えるべきでしょう。

簿記2級は独学でも余裕?

独学で勉強する様子

資格の取得を目指す際には、独学で目指すか通信講座や予備校を活用するかも検討すべき事項の1つです。

以下では簿記2級は独学で合格を目指せるのかについて、詳しく解説していきます。

もちろん独学合格者も少なくない

簿記2級に必要な勉強時間の目安は350時間ですが、独学で目指す場合はもう少し長くなり500時間程度が必要と言われています。

弁護士や公認会計士のように、独学がほぼ不可能と言われる資格がある中、簿記2級では実際に独学で合格している人も少なくありません。

会社員として働きながら勉強して受かっている人もいますし、主婦が育児と両立しながら勉強して合格しているケースも見られます。

こういったケースが見られることからも、簿記2級は試験のレベル自体は独学でも対応可能な資格と言えるでしょう。

効率の良い勉強法で目指すのが良い

独学は自分のペースで勉強できる等のメリットがある反面、非効率な勉強を続けて合格まで必要以上に時間がかかってしまいかねない点がデメリットです。

勉強していて難しい論点に莫大な時間がかかったり、そもそも的外れな勉強をしてしまい、遠回りをしていること自体に気付けないようなケースも起こり得ます。

これらの自体を回避するため、最初から通信講座等を利用してプロの指導を受けてしまったほうが良いケースも多いです。

例えば通信講座や資格予備校では、独学での対策が難しい「試験範囲で追加された項目」や独学では理解に時間がかかる「工業簿記」などを分かりやすく解説してもらえるので、合格の可能性が確実にUPします。

また、講座のカリキュラムに沿って勉強すれば合格まで、試験対策に迷うこともないので、合格点クリアのために最短コースで勉強ができる通信講座や予備校の活用を検討してみると良いでしょう。

合格後も見据えるならプロの指導を受けよう

資格試験の受験を検討している方の中には、資格取得だけを目的とせずに簿記の知識を今後の仕事に活かしたいという方もいるはずです。

通信講座や予備校を利用すれば、簿記試験で出題されるポイントだけでなく、資格取得後に実際の仕事で生きてくるポイントまでしっかりと教えてもらえます。

将来的に簿記を利用した仕事に就くことを考えている方には、試験対策だけの表面的な知識や対策に留まらず将来的に役立つ深い理解や知識を得られる通信講座や予備校は非常におすすめです。

合格後の活躍・昇進のためにも、プロの指導を受けられる通信講座や予備校の活用をぜひ検討してみて下さい。

簿記通信講座ならスタディングがおすすめ

簿記2級の取得を考えた時に、一番おすすめの通信講座はスタディングの「簿記2級合格コース」です。

スタディングの「簿記2級合格コース」は、19,800円で受講可能と業界最安値の価格を実現しています。

簿記講座の相場価格が、50,000円〜60,000円であることを考えると、いかにスタディングの講座がリーズナブルであるかご理解いただけるでしょう。

また、スタディングの簿記講座はスマホによる映像講義を重視しており、毎日スマホを触る機会の多い学生の方や、忙しくて机に座って勉強する時間が取れない会社員の方には特におすすめの講座となっています。

ぜひ一度公式サイトを覗いてみると良いでしょう。

スタディングの公式サイトはこちら

簿記2級の難易度まとめ

簿記2級の難易度まとめ

  • 毎回8割近くの人が落ちる簿記2級は決して簡単ではない
  • 「簿記2級は簡単」という意見は根拠が間違っていることが多い
  • 合格するには入念な対策が必須だが簿記2級は独学合格も可能
  • 通信講座等を活用すれば最短での合格を目指せるのでおすすめ

今回は簿記2級の難易度について紹介しました!

「簿記2級は簡単!」というネット上の意見とは異なり、取得がそれなりに難しい資格ですが、入念に試験対策をすれば時間のない方や学生の方でも合格が十分に可能な資格です。

勉強時間も、他の士業系資格より遥かに短期間で十分合格を目指すことができるでしょう。

様々な形で役立つ簿記2級の資格取得をぜひ検討してみて下さい!

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