簿記合格に必要な勉強時間・期間は最短でどれくらい?期間・スケジュールを級別に解説!

更新日時 2020/03/02

簿記資格を目指すと決めた方、受験しようかどうか迷っている方にとって、自分の受験勉強の期間がどのくらいになるかは、とても気になるところだと思います。

この記事では各級に共通するテーマの「簿記資格とは何なのか」「級別の難易度」「必要な勉強時間」「スケジュール管理など」をまず明確にしました。

その上で上記のテーマごとに簿記3級から簿記1級までの道標として、それぞれに解説をつけています。

この記事を読めば、簿記資格といっても色々なものがあり、試験自体のレベルや対策の立て方が分かるようになります。

簿記合格のための条件をざっくり説明すると

  • 簿記検定には受験資格はないが、各級の知識を身に付けるべし
  • 学習初期の理解不能状態は無駄ではないので乗り越える
  • 近年は合格率が不安定だが、コスパのいい資格であるといえる

そもそも簿記資格とは?

簿記に関する質問

簿記資格とは、そもそも経理の能力を証明する資格で、初級から1級まであり、日本商工会議所が毎年2月、6月、11月の3回実施しています。

上記を少し補足しますと、旧簿記4級が「初級」に改められており、ネット受験が可能になっています。また、2月の試験では例年1級の試験は実施されません。

主催団体が日本商工会議所以外の簿記資格もありますが、履歴書などで求められる簿記資格は通常、日商簿記です。

以下、階級ごとに簡単に説明していきます。なお、初級については受験者数が少ないことや、一般的な受験開始級は簿記3級からであることを考慮して省略いたします。

簿記3級とは?

日商簿記3級(通称:簿記3級)は、「ビジネスパーソンが身に付けておくべき経理に関しての必須の基本知識」を身に付けていることを証明するための資格です。

合格点は100点満点中70点以上であり、毎年3回の試験で30万人以上が受験する人気の資格です。

簿記3級の難易度は?

簿記3級は小規模企業の経理で活きるなど、メリットが大きいのですが、どうしても「3級」という言葉で簡単に取れる資格だと勘違いされていることは事実です。

しかしながら簿記3級の実際の合格率は40%台であり、10人受けたら4人しか受からないような試験であるため簡単だと言い切るのは難しいのです。

「誰でも受かる」と言って舐めて受験してしまうと、簡単に落とされてしまうので気をつけましょう。

簿記2級とは?

日商簿記2級(通称:簿記2級)は、「高度な商業簿記・工業簿記(原価計算を含む)を修得し、財務諸表の数字から経営内容を把握できるなどのスキルを身に付けている証明になります。

現代の企業は即戦力を求めており、簿記2級をとることで就活でも、企業活動や会計実装を踏まえた仕事の場で使うのに十分な経理能力、つまり「経営管理・判断能力」を身に付けていることをアピールできます。

また、就職に限らず転職面接やなどでも仕事の場で使うのに十分な経理能力があることを証明でき、大きなアドバンテージとなるため、一生使えるかなりコスパの良い資格と言えることができます。

気になる簿記2級の合格点は、100点満点中70点で、1年間で述べ14万人が受験する人気の資格です。

簿記2級の難易度は?

簿記2級の合格率は20%台です。

受験者の大半が簿記3級合格者である中での20%台ですから、簡単な資格ではありません。近年の出題範囲の改訂により、日商簿記1級で出題されていた論点が2級で出題されることが合格率を下げる大きな要因になったといえるでしょう。

しかしこれを逆に解釈すれば、最近2級を取得した人は、これまでの簿記2級合格者よりも幅広い学習をした人材として評価されるため、簿記2級を持っていれば簿記を活かした仕事が行えます。

簿記1級とは?

日商簿記1級(通称:簿記1級)は、「極めて高度な商業簿記・会計学・工業簿記・原価計算を修得し、会計基準や会社法、財務諸表等規則などの企業会計に関する法規を踏まえて、経営管理や経営分析を行うために求められるレベル」の能力を身に付けていることを証明するものです。

つまり、経営管理のプロといえます。

簿記1級は簿記2・3級と異なり、2月の試験が行われませんが、それでも1年間で延べ1.5万人が受験する人気資格です。

簿記1級の難易度は?

はっきり申し上げて、簿記1級の難易度は極めて高いといえます。その難易度は、3級や2級とは比べものにならず、難関国家資格と変わらないという現実があります。

なぜなら簿記1級の合格率は10%を切る回が多々あります。そして簿記1級の合格点は、これまでの3級・2級と同じ70点ですが、足切り制度があるため合格しにくくなっているのです。

ここで簿記1級の足切り制度について補足すると、上述したように試験は「商業簿記」「会計学」「工業簿記」「原価計算」に分かれ、この4科目に対して25点ずつが割り当てられています。

そしてそのうち1科目でも「満点の40%を下回る」と、他の出来がどんなに良くても不合格となるのです。つまり、1科目でも10点未満の科目があれば、合計で70点を超えてもで不合格です。

通学でも通信講座でも、しっかりと腰を据えてスケジュール管理をしながら、計画的に学習することが必要です。

実際問題、簿記試験合格の為に勉強時間はどれくらい必要なのか?

時間管理

総論として読者の方に注意していただきたいのは、ここで示す勉強時間はあくまでも目安であり、個人差があります。

また、ご自身がおかれた環境や、独学かスクールを利用するかでも変わってきますのでご留意ください。

当然のことながら1級の方が3級より勉強時間が必要なのは理解できるでしょう。しかし、3級で基礎をおろそかにすると上位の級に進んだときに理解不能な論点が出てきますので、3級から勉強量を意識しましょう。

以下は各階級ごとにどのくらい勉強時間がかかるのか解説していきます。

簿記3級に合格するには100~150時間は必要

合格率が40%程度である簿記3級合格のためには、一般的に100~150時間程度かかるといわれています。

1日2時間の学習時間を確保できる方にとっては、2・3ヶ月程度の計算となりますが、商業高校出身者や経理の経験がある人はもっと短い時間で合格点に到達します。

これまでの簿記検定は、同じような問題が繰り返し出題されていたので、過去問を丸暗記すれば合格は十分に可能でした。

しかし最近の試験範囲の改訂の影響で、丸暗記では対処できない実務的な問題が出題されている為、実際にはもっと勉強時間が必要となってくるでしょう。

簿記3級初心者は何から手をつけたらいいの?

簿記3級の受験者の方は、初心者の方が多いことでしょう。

そんな簿記初心者の方に向けての3級合格のポイントは「仕訳(しわけ)」と「勘定科目」を理解することです。

この二つをしっかり理解し、他の人に説明できるようになるまで落とし込みましょう。この二つを押さえられれば3級合格への第一歩となります。

「仕訳」をマスターしよう。

仕訳とは「簿記上の取引」を借方(かりかた)と貸方(かしかた)に分けて記録する作業です。

カッコ内の言葉の意味は、ここで語りきれるものでないため割愛します。他の記事や、予備校の無料ガイダンスなどで知ることができる場合が多いため、そちらをご覧いただければ理解できるでしょう。

これ以降の記事を読みやすくするために簡単に、解説しながら記述していきますが、簿記上の「取引」とは財産などの増減を伴う取引のことを指します。

簿記3級の山場は「仕訳」という問題であり、第一問で5問出題される問題であり、100点満点中20点もの配点があります。

ここでは取引の一つ一つをルールに沿って分類していくため、仕分けを完璧に理解しておかないとなかなか正解できないことになります。

またこれ以降の処理は仕訳された結果をもとに進むため、仕訳の間違いは連鎖的な失点を招きますので注意しましょう。

「勘定科目」を押さえよう

「勘定科目」は、簿記上の取引を記録する際に用いる、「簿記の世界のコトバ」のことです。

今分からなくても合格できますので安心していただきたいのですが、例えば銀行の普通預金に利息が付いたら、「普通預金」と「受取利息」という勘定科目を使います。

最初は知らないコトバの学習をしているような気分になるかもしれませんが、学習を進めていくうちに自然と身体で覚えることができます。

そして勘定科目は資産・負債・純資産・収益・費用というグループに分類されていきます。

取引が勘定科目を用いて上記の5つのグループに分類されるかを意識して学習するようにしましょう。

簿記2級に合格するには200~250時間程度必要

簿記2級合格の為には、一般的に200~250時間の勉強時間が必要と言われています。

一日2時間程度の勉強量ならば、3~4ヶ月かかる計算です。ただし、簿記3級を学び合格レベルに達した人であれば着手しやすいでしょう。

工業簿記を味方に付けよう

簿記2級からは、簿記3級で学んだ商業簿記に加えて新たに「工業簿記」が範囲となります。

工業簿記では、原価計算という自社が販売する商品をいくらで作ったのか等の計算も学習します。簿記2級では工業簿記の出題範囲が基礎的である為、基礎を固めることに取り組みましょう。

工業簿記を重視することには理由があります。

これも近年の出題範囲の改訂と、商業簿記の出題形態の変化によって商業簿記での得点が難しくなっているためです。

ここで簿記2級の配点を説明しますと、

・第一問20点

・第二問10点

・第三問30点

・第四問20点

・第五問20点

以上が本試験での配点ですが、工業簿記での配点は第四問と第五問で20点ずつで計40点です。

商業簿記での失点を考えると、工業簿記では大きな失点ができず、むしろ40点を守り切ることが大切になります。

最難関簿記1級に合格するには500~1000時間必要

最難関の簿記1級に合格するためには、500~1000時間必要とされていますが、簿記2級までの習熟度によって大きく左右されます。

簿記1級の試験範囲には、これまで述べたとおり2級までの「商業簿記」「工業簿記」に加え「会計学」「原価計算」が加わります。

商業簿記・会計学

簿記1級の商業簿記では、中~大規模の株式会社のお金やモノの出入り試算表の作成方法も学びます。

簿記2級までの知識をベースに、デリバティブ取引などの特殊な取引や特殊な財務諸表の作成に必要な会計処理も学びます。

会計学においては企業会計原則や会社計算規則などの考え方を、計算問題や短文での記述問題が出題されますので、その対策を学びます。

工業簿記・原価計算

工業簿記では、製造業における原価計算の流れを学習します。

簿記1級の工業簿記・原価計算ではより深く厳密な原価計算・外部への報告を目的とする製品原価計画をさらに細かく学習します。

そのためには原価計算基準と呼ばれる会計規則を十分に理解しなければなりません。

勉強時間を短縮するポイント

学習ポイント

以下、簿記合格のための勉強時間を短縮するポイントを解説します。

アウトプットが何より大事

資格試験においては、本試験当日に自分が合格レベルに達しているというイメージを持ち、それから逆算して学習スケジュールを組むといいでしょう。

主に受験期間の前半は基礎事項の勉強(インプット)に使うことが大切です。ここを疎かにすると、基礎が身につかず問題演習が上手くいかなくなるためです。

そして受験期間前半で基礎を身に付けたら、過去問題演習や予想問題集を解きます。

ここでインプットが大事と述べながら、見出しには「アウトプットが何より大事」と書いてあることに疑問がある方もいるかもしれません。

ここで大切なことは、インプットはアウトプットを兼ね、アウトプットはインプットを兼ねるということです。

どちらが大事ということは無く、例えばアウトプットで間違えたところはテキストを参照し、テキストで覚えたことをアウトプットで試すのです。

直前期は総復習として、市販の予想問題集や間違いノートなどで自分の弱点をひたすら潰す実戦練習を行いましょう。

学習計画を立てる

先ほども述べましたが、学習時間のように学習計画も、スケジュールを立てるときは自分のライフスタイルを考えて、一日の勉強可能時間を計算し、逆算してスケジュールを組みましょう。

各級の具体的スケジュールは?

3級は最初の50時間をテキストでインプット、次の50時間はアウトプット、残りの50時間は予想問題集での実践演習が目安です。

2級は最初の150時間で商業簿記・工業簿記のインプット、次の100時間でアウトプット、最後の100時間は予想問題集を使って実践演習をするのが目安といえます。

テキストは絞ろう

予備校や通信講座を使って受験する方は、そのカリキュラムに従ってテキストを選びましょう。

独学などで受験勉強をする方は、自分の感覚にあったテキストを使うべきで、一概に「これがいい」と指定することはできません。

初学者向けの導入本の他は、テキストと問題集は「初心者向け」、「簿記2級対策」などと自分のレベルにあったテキストを選びましょう。

キャラクターの挿絵の入った対策本でも、文字中心のテキストでも、どちらでも構いません。

一番おすすめの方法は実際に書店に行って手に取って確かめ、「これと決めたテキスト・問題集」以外には浮気せず、その一冊を完璧にすることに努めましょう。

最近では頻出論点を絞った薄いテキストで、挿絵の入った薄い本が人気です。

テキストは可能であれば3周せよ

インプットのためには、まずはテキストを読み込む必要があります。そしてその範囲を読み終えたら、該当範囲の問題集を解くのが一般的な学習方法です。

しかし、簿記初心者にとっては学習初期は何をどうしていいか分からないということもあります。

それはアタリマエです。

なぜなら初めて学ぶ世界に入ったからであり、理由付けを求めてもそもそもの知識の蓄積がないために、アドバイスも理解できないこともあるでしょう。

そのようなときには迷わず次に進むべきです。

完璧主義のあまり分からないところから前に進めず、短期挫折・練習意欲不継続の原因になります。

1回目で概要をつかみ、2回目で難しい箇所を集中して理解し、3周目で最後のおさらいができれば優秀です。

簿記試験に独学は向いているのか?

簿記3級試験は商業高校生が受験したり、内容も初心者が取り組みやすい資格といえ、受験者数が多いため一定数の独学合格者がいます。

簿記資格を何級まで目指すかは個々の事情があると思いますが、3級がゴールならば独学も悪くはありません。

しかし簿記2級以上になれば、最近は2級が難化傾向にあり、1級はもともと難しいため、重要なポイントである「簿記の本質」を理解するなら、独学よりも通信講座の利用をおすすめします。

通信講座により自分に合った勉強が可能になる

以前は予備校の校舎に通い、生で講師が前に立って講義をするという方式が主流でした。

近年は技術の発達により遠隔地で予備校に通えない方や、時間に制約がある方が細切れに時間を使って一流講師の講義を受講できるため、通信講座の方が人気になっています。

また、通信講座のフォローも最近ではとても充実しており、分からないことは質問メールを出すことができたり、規則などの改正情報も素早く講義に反映されます。

そのため一人きりで学習している感覚ではないので、モチベーションの維持にも役立ちます。

オススメの通信講座ならスタディング

通信講座の受講を検討されている方にオススメの通信講座は、リーズナブルな価格と使いやすい教材で有名な「スタディング」になります。

例えば、スタディングの簿記3級対策講座は、3,480円から受講可能と、独学のために市販のテキストや問題集を買い込むよりもリーズナブルな価格で受講することが可能になります。

授業もスマホを使った映像授業が中心であり、仕事や家事で忙しい会社員の方や主婦の方でも隙間時間で勉強に取り組むことができるので、全く勉強が負担にならないと受講生からも高い評価を受けています。

もし、スタディングの簿記講座が気になる方は下記のリンクをぜひチェックしてみてください。

スタディングの公式サイトはこちら

短期合格は無理をして目指すものではない

簿記資格は難易度が高かったり、問題との相性が悪いなどの理由で、数回も失敗する方もいます。

例えば簿記1級を受験資格として税理士試験に挑戦したいとか、会社の都合で期限が決まって簿記資格を取らざるを得ない場合を除いて、無理をしてまで短期合格を目指す必要はないといえます。

自分のおかれた環境と時間に合わせてスケジュールを組んだ上で、確実に一発合格を狙って欲しいと思います。

簿記試験合格のスケジュールまとめ

簿記資格取得の計画まとめ

  • テキストと問題集は一冊のものをやり込む
  • 戦略的にスケジューリング、短期合格ではなく一発合格を
  • 通信講座を有効に活用しよう

簿記資格は日本商工会議所が公式にアピールしているとおりで、就職、転職、大学進学などで利点があるものです。

また、最近の簿記資格の試験範囲の改訂と出題傾向の変化を知っている志望企業の採用担当者ならば、正当に評価してくれるでしょう。

まずは3級を、そして2級、1級と自分に合わせた資格計画を立てましょう。そこで無理のない計画を実現するために通信講座などのツールも上手に利用してはいかかでしょうか。

合格時間割 合格時間割
人気記事