簿記2級の資格は評価される?社内外での立ち位置を徹底考察!
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簿記
公認会計士たぬ吉
「簿記2級の社会的評価はどれくらいのものなの?」
簿記2級の取得を検討している人の中には、このような疑問を抱いている人も多いかと思います。
そこでここでは、簿記2級という資格について、社内外の評価や立ち位置について色々と紹介していきます。簿記2級の取得を検討している人にとっての参考情報になれば幸いです。
簿記2級の評価についてざっくり説明すると
- 簿記2級は社会的評価が高く、社内外で評価される
- 経理の仕事以外でも活用できる資格である
- 資格手当も支給されることがあり、コスパの高い資格である
- ほかの資格と組み合わせてさらなるステップアップも可能である
簿記2級は社内外で評価される
早速結論から申し上げますが、簿記2級は社会的評価が高く、社内外で評価される資格と言えるでしょう。その理由として、以下の事項が挙げられます。
決して簡単な資格ではない
簿記2級は、決して簡単に取得できる資格ではありません。
簿記2級の取得までには3ヶ月から半年ほどの期間を要すると言われており、その期間はあらゆる誘惑に耐えながら、継続して勉強し続ける必要があります。また、簿記2級の試験は受験者の15〜30%しか合格できないため、およそ4人に1人しか合格できないという狭き門に当たると言えます。
これらの理由から、簿記2級の資格を保有しているということは、継続して努力できることや、一定以上の能力の高さを持っていることなどの証明になると言えるでしょう。
ビジネスパーソンに不可欠な知識の証明
簿記関連知識の汎用性の高さという点も、社会的評価が高い理由の1つとなっています。
簿記の資格取得を通じて身につけることができる簿記関連の知識というものは、あらゆるビジネスパーソンにとって必須とも言えるほど大事なものです。
しかしながら、そうは言っても実際に簿記の資格を取得している人は社内外でもそこまで多くはないのが実情です。そのため、簿記2級の資格を持っていることは、きちんとした知識を身につけているということを証明してくれることにもなり得ます。
経理以外の業種でも活躍
また、簿記の知識というものは、経理部門で働いているケースのみならず、あらゆる業界や業種などで活用できるということも、簿記取得を目指すにあたって魅力的な点です。
簿記の知識を持っていれば、財務諸表から企業の経営状況を読み解くことも可能となります。そのため、企業の経理部門や会計事務所、税理士事務所などといったフィールドだけでなく、営業職や販売職、製造部門などでも活用することができます。
さらに、業界に関しても、金融業界のみならず、商社や小売、サービス業、あるいはコンサルティング会社など、あらゆるビジネスのシーンで活かすことができるため、非常に需要の高い資格であると言えるでしょう。
簿記2級がずば抜けて人気である理由は?
簿記2級の受験者数は毎年15万人を超えており(コロナの影響があった2021年は除く)、ほかの多種多様な資格の中でも圧倒的な人気を誇っています。
それではなぜ、簿記2級という資格がずば抜けて人気があるのでしょうか。それは、名前だけではなく、実際に大いに役立つ点が多くあるということが人気の理由です。
経理・財務の世界では必須資格
当然と言えば当然ですが、会計業界などといった経理・財務の世界においては、簿記2級は非常に重視される資格となっています。
事務や経理、財務の仕事では、「伝票記帳・整理」「入出金管理」「財務諸表の作成」、会計業務では「会社の財産管理」「収支管理」「予算編成」「金融関連情報の収集・分析」「資金調達・資金管理」など、簿記の知識を直接的に活かせる仕事ばかりであり、資格のポテンシャルを十分に発揮することができます。
就職・転職で非常に有利になる
企業の経営状況を読み解くことができる簿記の資格を持っていることは、企業から即戦力として期待されたりもします。
そのため、履歴書に簿記2級という資格を書くだけでも、ほかの応募者よりも一歩リードすることができるため、就職や転職の場面においてもとても有利に進めることができるでしょう。
また、大手転職サイトでは、簿記の資格による絞り込みが可能となっていますので、この点からも転職に有利なことが分かるでしょう。
事務職はもちろんのこと、営業職志望でもこの資格を持っていれば、強みをアピールすることができ、印象はがらりと変わるでしょう。
さらに、新人内定者向けの研修には簿記が組み込まれている企業があるなどといった点からも、簿記の知識はどの企業でも重要視していることが分かります。
資格手当が出ることも多い
また、簿記2級の資格を持っている社員に対して、資格手当を出している企業も多いです。
資格手当を支給している場合、その金額は月に3,000円から5,000円程度となっているケースが多く、簿記2級の取得難易度や必要な勉強時間などを考えると、とてもコストパフォーマンスが良い資格と言えるでしょう。
資格手当が出る資格ということは、すなわち簿記の社内評価が高いこと・企業にとって需要が高い資格であることの証であるとも言えます。なお、昇格の要件になっているケースも少なくないようです。
日々の生活でも知識が生きる
さらに、簿記の資格で得た知識は、ビジネスだけではなく、日々の生活の中でも生きることになります。
私たちの生活は常にお金と隣り合わせであり、それなしの生活は考えられません。そのため、簿記で学べるお金の知識というものは、確定申告を行う際など、生活の様々な場面で生かすことができます。
また、日々のニュースで取り上げられる金融の話などの意味が理解できるようになり、それによって世の中の動きがきちんとわかるようにもなります。その他にも、例えば投資を行う際にも役立つことでしょう。
ほかの資格へのステップアップも
簿記2級は、多くの資格と関連性・親和性が高いため、ほかの資格と組み合わせて取得することで、さらなるステップアップを見込むことができます。
具体的な資格としては、以下のようなものが挙げられます。
-
簿記1級
-
FP(ファイナンシャル・プランナー)
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公認会計士
-
税理士
-
不動産鑑定士
-
建設業経理士
簿記2級の学習で得られた知識や、試験勉強の習慣などといったものを生かしながら、さらなるステップアップを目指してみるのも良いでしょう。
簿記2級の評価まとめ
簿記2級の評価まとめ
- 社内外で評価される、社会的評価の高い資格である
- 決して簡単な資格ではないが、コストパフォーマンスの高い資格である
- あらゆる業界・業種で活用できる資格でもある
- 上級資格との組み合わせで、さらなるステップアップも狙える
今回は簿記2級の評価について、社内外の評価や立ち位置など、様々な観点から紹介してきました。
これまで紹介してきたとおり、簿記2級は社会的評価も高く、全てのビジネスパーソンにとってとても役に立つ資格と言えます。
簿記2級の取得を検討している人、取得しようか迷っている人にとって、この記事の内容が参考情報の1つになれば幸いです。