公認会計士はやめとけって本当?難易度や就職状況・仕事の実態を徹底調査!
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公認会計士
白井敬祐
「公認会計士になるのはやめとけ」
「公認会計士を目指すのは、あまりおすすめしない」
このように言われたことはありませんか?なぜ、そのように言われるのでしょう。
収入が少ないから、仕事がきついから、就職先がないから、色々な理由が想像できますし、実際そのような声がたくさん上がっています。ですが、これらの理由の中には実は単なる噂で事実とは異なる部分も多くあります
この記事では、なぜ公認会計士はやめとけと言われるのかという理由や、公認会計士として仕事をした時の現実、更に公認会計士におすすめな人について解説します。
公認会計士の実態についてざっくり説明すると
- やめとけと言われる理由には勘違いも混ざっている
- 公認会計士は高収入で就職しやすい価値ある資格
- 公認会計士におすすめな人はコツコツタイプ
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公認会計士がやめとけと言われる主な理由4選
公認会計士を目指して勉強している人にとって、「やめとけ」と言われるとショックですし、不安にもなります。なぜ、そのように言われるのでしょう。何もないのに「やめとけ」という人はいません。何らかの理由があるから止めようとしているのです。
それでは、どんな理由があるのでしょう。公認会計士はやめておいた方がいいと言われる理由について解説します。
難しすぎて落ち続ける
公認会計士は、医師と弁護士に並んで三大国家資格と言われています。それだけ資格を取得することが難しい試験なのです。
合格率も過去7年(2017~2023年)で約10%と大変低く、目安とされている必要な勉強時間も約4,000時間とされています。
ただ、それだけ目安となる4,000時間を超えて勉強しても、国家資格に合格しないということもあります。このような現実にがっかりしてしまい、「公認会計士はやめとけ」という考えが増えているのです。
しかし、公認会計士の勉強を通じて思考力や判断力を身につければ、合格する可能性は充分あります。実際、約10%の人たちは合格しているのです。ただガムシャラに勉強するのではなく、質も考えた勉強方法を編み出すことが大切です。
公認会計士試験の難易度について知りたい人は以下の記事を御覧ください。
監査法人が激務すぎる
公認会計士の多くは監査法人に就職します。監査法人は人手不足に陥っており、公認会計士の資格を持っている人材を熱望しています。ようするに、売り手市場が現在も続いていることになります。
監査法人の主な仕事は株主総会のスケジュールを基準にして進められます。株主総会を監査法人の都合で遅らせることは絶対にできないため、手続きや処理などで遅れた場合には残業してカバーする必要があります。
「お客様のため」という考え方が現場に浸透しているため、残業が正当化されているのです。一時は膨大な残業を強いられていた現実があり、それが労働環境が悪いというイメージに繋がってしまっています。
しかし、近年は労働環境が見直されています。一定時間を過ぎるとネットワークから遮断されて強制的に仕事ができないシステムを取り入れているところもあります。
よって、監査法人が激務すぎるという現状は過去のものになりつつあるということです。
監査基準の規定増加で現場の負担は増加傾向
監査基準は、監査で問題になった部分を後付けで禁止・規制するという形で毎年改正が加わり、遵守すべき基準の数は年々増加傾向にあります。
そのため、現場の負担は年々増加しつつあり、このような現状も激務のイメージを世間一般に助長させています。
ただ、今後はAIなどの活用も急速に進み、このような負担を分散していくことが期待されます。
つまらない仕事ばかり
「公認会計士の仕事はつまらない」という意見や声を聞いたことがあるかもしれません。それは、仕事への理解が足りず、上司や先輩の言われるままに業務をこなしてしまっているからかもしれません。
若手の頃は、一つひとつの業務に対する理解が足りないため、「つまらない」と感じてしまうのです。
しかし、日常業務をこなしていく中で、自分が手掛けている仕事の目的や意味の理解力が深まっていきます。
また、日を追うごとに任される仕事の量も増え、それに比例して質も必ず上がっていくので、「つまらない」と感じる機会は減っていきます。
実際の公認会計士の仕事はコンサル、監査、税務など多種多様な内容が存在しています。時間が経ち、公認会計士としての経験値が上がれば、いずれはこれらの仕事も任されるようになります。
気が付けば「つまらない」という気持ちはなくなり、毎日やりがいを感じて仕事に取り組んでいるでしょう。
公認会計士の仕事内容について詳しく知りたい人は以下の記事を御覧ください。
AI登場で食えない資格になった?
これはよく聞く話かと思いますが、そのニュースの出どころを調べてみましょう。大抵は会計士の仕事を知らないライターだったり不安を煽るような情報商材の方が書いていることが多いです。
しっかりと誰が言ってる情報なのか判断する必要があります。私のYouTubeでも詳しく話してますのでご参考にしてください。
公認会計士の仕事の中には、簡単な仕分けや入力作業など、定型業務もあります。これらは確かにAIに取って変わられるような業務内容と言えるかもしれません。
しかし、公認会計士の仕事は、このような定型業務的な事務作業ばかりではありません。専門的な知識を駆使して顧客と話し合い、会計や監査が正しく行なわれているかを判断するコンサルティング業務もあります。
状況に合わせた判断や決断が必要なコンサルティング業務はAIのような機械では代替ができません。
今後、公認会計士の業務に更にAIが進出してきたとしても、その分コンサルティング業務などのような顧客と接する仕事に携わる時間を増やすことができますし、事実そのようになりつつあります。
AIの登場で食えない資格になったというのは実際には正しくありません。 気にしなくて良いでしょう。
公認会計士の資格とAIの関連性についてもっと知りたい人は以下の記事を御覧ください。
公認会計士は本当にやめたほうがいい資格なの?
「公認会計士はやめておけ」と言われると、「本当にやめたほうがいい資格なの?」と思う人もいるでしょう。ですが、本当にやめておいたほうがいい資格なのでしょうか?
実際の公認会計士の資格の価値や、公認会計士として仕事を始めた後について、詳しく掘り下げて解説します。
公認会計士は価値のある資格
公認会計士は監査業務や税務業務に関しては、他に右に出る者がいないほどの高い知識を持っています。それらの高い知識を活用しながら、多くの顧客だけではなく、経済そのものが円滑に進むようにするのが公認会計士の仕事です。
いわゆる、プロフェッショナルというわけです。
また、国際化の影響で企業の大規模化が進み、公認会計士の需要が増えてきています。国内だけでなく、海外にも活躍の範囲が広がっていくことが予想されます。今後、公認会計士の活躍の場はますます広がっていくでしょう。
経営者は公認会計士を頼りにしています。 起業する人たちが増えているという現状から、ますます公認会計士を頼る人も増えていくでしょう。それに伴って社会的地位も高くなるので、公認会計士は大変価値ある資格なのです。
かなりの高年収が期待できる
令和5年の賃金構造基本統計調査によると、公認会計士の平均年収は922万円となっています。同年の一般的な平均年収は458万円なので、比較すると2倍以上の平均年収があることがわかります。
また、男女別の平均年収で見ると、男性は989万円、女性は728万円でした。どちらも一般的な平均年収を軽く超えています。それだけ高収入を得ることができる職業だということです。
公認会計士の大きなポイントは、女性でも高収入を稼ぎ出している点です。多くの職業では女性の収入は男性に比べて少なくなりがちです。
ですが、公認会計士は女性でも安定した高収入を得ることができる資格であるということがわかります。
公認会計士の年収についてもっと詳しく知りたい人は以下の記事を御覧ください。
売り手市場で就職しやすい
ほとんどの仕事や職種は、景気の変動が利益に大きく影響します。ですが、公認会計士は景気の影響をほとんど受けないという利点があります。それは上場企業にとって会計士が行う監査業務を受けることは必須となるからです。
よって、景気の良しあしでその需要が変化するということは考えづらいのです。
また、近年では会計基準が複雑化していることに伴い、監査業務のみならず企業の内部統制構築や会計システム構築などの仕事の需要も増えつつあり、総じて需要は高まっているといえます。
また、転職の面でも専門的な知識と資格を活かし、大企業なども視野に入れて就職活動をすることができます。それなりの経験があれば、実務経験のある公認会計士を求めている企業は多いため、引く手数多でしょう。
働き方が幅広い点も魅力的
公認会計士の主な仕事は監査や会計ですが、それ以外にも資格を持っていることで様々な働き方を選択することが可能です。
公認会計士の資格を取得していれば、税理士登録を行って税理士として働くことができるため、税理士として仕事を行っている方も多くいらっしゃいます。
また、財務コンサルタントや事業再編アドバイザリーなど、コンサルティング業務を行うことができる点も、大きな魅力の一つです。
その他にも公認会計士には多様な働き方があるため、監査の仕事が自分に合わないなと感じても、他の選択肢を取ることができるのです。
会社経営に直接関われるメリットも
公認会計士の主な顧客は、経理財務や決算・株主総会対応などが必須な上場企業です。
会計・経営・財務などの知識を生かし、顧客企業にアドバイスを行う中で、会社経営において重要な部分を決定することも少なくありません。
上述のコンサルタントの場合は、より直接的に顧客の会社経営にインパクトを与えることが必要となります。
また、多くの公認会計士が目指す監査法人の「パートナー」の役職は、監査法人の共同経営者です。
共同経営者として監査法人のマネジメントに関わり、方向性の舵取りをすることは、非常に大きなやりがいがあります。
公認会計士がおすすめな人とは?
誰もが公認会計士に向いているとは言えません。どんな仕事も同じことが言えますが、向き不向きがあります。公認会計士は「会計業務」という特殊な業務に携わるため、向き不向きが大きな仕事と言えるかもしれません。
どんな人が公認会計士として向いているのか、特におすすめな人のタイプを挙げて解説します。
地道な作業ができる人
公認会計士の主な業務は監査業務です。詳しい仕事内容は監査手続きと証拠集めで、地道な作業と言えます。
努力をしたからと言ってすぐに目に見える成果や結果が得られるわけではありません。日々の小さな積み重ねが時間をかけて結果へと繋がります。
なかなか結果や成果が出なくて、途中で嫌になってしまうこともあるかもしれません。
ですが、途中で投げ出してしまうことは許されません。公認会計士は決して葉では仕事ではなく、縁の下の力持ちとしての役目を担っているからです。
そのため、コツコツした作業をすることが好きな人や、地道な作業ができる人が向いていると言えます。
すぐに目に見える成果や結果が出なくても、最後まで粘り強く取り組むことができる人は、公認会計士向きの性格をしているのです。
チームワークが取れる人
公認会計士は昨今、業務内容が事務作業よりもコンサル業務に傾きつつあります。
コンサル業務は、クライアントと話し合いをして業務を進めたり、問題点についての解決策を発見したりすることが主な内容です。単独で仕事を進めるのではなく、クライアントとのチームワークが不可欠な仕事と言えます。
また、公認会計士のもう一つの大きな業務である監査業務も、チームワークが不可欠です。進捗状況をこまめにして互いの業務内容などをすり合わせ、疑問点や問題点を解決していく必要があるからです。
これらの点から、報連相はもちろんコミュニケーション能力が高く、互いに信頼関係を築いてチームワークが取れる人が向いていると言えます。
数字に苦手意識がない
公認会計士は財務諸表のチェックを主に行なっています。財務諸表には企業の価値や強さが数値化されており、その数字の大小から企業の状態を正しく把握する必要があります。
また、財務諸表上の数値を見たうえで虚偽表示を見つけ、指摘することも必要となるため、数字のチェックに敏感になる必要があるのです。
数字に苦手意識がない、または数字に強い人の方が、財務諸表のチェックだけではなく、公認会計士全般の業務をスムーズにこなすことができると言えます。
公認会計士が向いていない人の特徴は?
上述のように、公認会計士に向いている人がいれば、あまり向いていない人がいることも事実です。
自分が以降の特徴を持つ人間に当てはまっていないか、しっかり確認しておくことが必要でしょう。
年収だけに魅力を感じている
非常に高い年収を魅力に感じ、公認会計士取得を目指している人が多くいることは事実です。
しかし、公認会計士を目指している理由が「高い年収だけ」という人は、残念ながらあまり向いていないことが多い、と考えられます。
業務内容や忙しさの度合い、他業種でも高い年収を受け取れる機会が豊富に存在する等の情報を取得前に把握していない人ほど、取得後に「こんなはずじゃなかった」という結果に陥りがちです。
「公認会計士はやめとけ」という人の多くは、このようなミスマッチが起こってしまった人、と言えるでしょう。
勉強時間が長く、難しい内容の勉強を長期間にわたって行わなければいけない資格ですので、実際の仕事内容についてもしっかりと情報を集める必要があります。
仕事が忙しく時間が取れない
仕事が忙しく、まとまった時間が取れない人ほど、公認会計士の勉強を途中で挫折してしまうことが多いです。
実際、公認会計士・監査委員会の発表によると、公認会計士合格者の70%以上が学生もしくは無職などの勉強時間が取りやすい人、となっています。
会社員や公務員など、会計とは関係ない仕事をして合格している人は、20%ほどしか満たないのです。
逆に、現在勉強のためのまとまった時間が十分確保できる人には、大きなチャンスがあるといって差し支えないでしょう。
公認会計士の実態や現状まとめ
公認会計士の実態や現状まとめ
- 公認会計士は大変やりがいのある仕事
- 公認会計士の活躍の場は今後広がる可能性が高い
- 性別に関係なく安定して高収入が期待できる
公認会計士の実態や現状について、さまざまな側面から詳しく解説しました。
今後、公認会計士はますますその需要が高まっていくと予想されます。大変高い知識が求められる資格ですが、将来性を見越してチャレンジてみてはいかがでしょうか。