社会人から公認会計士になるには?試験合格年齢から独学法まで徹底解説!
「社会人から公認会計士を目指せるの?」
「社会人から公認会計士の合格を目指す場合は独学でも可能?」
このような疑問をお持ちの方、いらっしゃいませんか?
公認会計士の試験は非常に難易度が高いため、多くの人が苦労して勉強しています。
試験を受けるうえで年齢は関係あるのか、また取得後に就職活動などをする際にはどのようなメリットがあるのか気になりますよね。
こちらの記事では、社会人が公認会計士を目指すときのコツや取得メリットについて解説します!
社会人が公認会計士の合格を目指すコツについてざっくり説明すると
- 年齢は全く関係なく、勉強を始めるのに遅すぎることは無い
- 難関試験なので、余裕を持った勉強計画がとても重要
- 合格後は就職が非常に有利になるほか、多くのメリットがある
- 独学で進めるか予備校などを使うかは慎重に決めよう
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社会人でも公認会計士は目指せる?
「今の職場よりも高いお給料が欲しい」「しっかりと休暇が欲しい」などの理由から、働きながら公認会計士への転職を目指している方が増えています。
公認会計士を目指す上で年齢は関係ないため、社会人経験者が公認会計士を目指しても全く問題ありません。
公認会計士試験には受験資格が設けられていないため、誰でも気軽に勉強を始めることができます。
30代で公認会計士なるのは遅くない
難関資格である公認会計士は、まとまった学習時間を要することから時間に余裕を持ちやすい20代から勉強を始める人が多いことは事実です。
しかし、やる気さえあれば何歳から勉強を始めても資格取得は可能です。
実際に、令和4年では58歳の方も合格しているため、しっかりと勉強すれば合格できることがわかります。
なお、令和5年の30代前半の合格率は8.0%、30代後半のは1.8%でした。
合格率が低い試験なので、仕事をしながら勉強もするのは簡単ではありませんが、効率よくコツコツと継続することで着実に合格を目指すことができます。
公認会計士を目指せる年齢についてもっと詳しく知りたい人は以下の記事を御覧ください。
公認会計士試験はどんな試験?
試験は2006年に試験制度の変更が行われて以降は、1次試験と2次試験の2段階になっています。
一次試験はマークシート方式の「短答式試験」、二次試験は記述方式の「論文式試験」の構成となっています。
なお、二次の論文式試験に落ちてしまった場合はその後二年の短答式試験の免除期間があるため、この期間は論文式試験に集中して勉強することができます。
試験の難易度は高く、平均合格率は過去6年(2016~2021年)で約10.6%となっており10人に1人しか合格できないレベルです。
公認会計士の顧客には大企業も多いため、このような企業の会計では多額の金額を扱うことになるため、高度な会計処理能力が求められているのです。
公認会計士の試験科目
短答式試験の試験科目は、以下の4つです。
- 財務会計論
- 管理会計論
- 監査論
- 企業法
一方で、論文式試験は以下の5科目です。
- 会計学(財務会計論と管理会計論がセット)
- 監査論
- 企業法
- 租税法
- 選択科目(経営学、経済学、民法、統計学から1科目)
財務会計論・管理会計論・監査論・企業法の4科目は短答式でも論文式でも出題される科目なので、重点的に行うと効果的です。
公認会計士の試験科目について詳しく知りたい人は以下の記事を御覧ください。
公認会計士試験の社会人受験者数
社会人の受験者数は年々増加している
2014年から2022年までの、社会人(会計士補・会計事務所員・税理士・会社員・公務員・教員・教育・学習支援者の合計)の願書出願者数は以下のようになっています。
年度 | 人数 |
---|---|
2014年度 | 3,205人 |
2015年度 | 3,111人 |
2016年度 | 3,124人 |
2017年度 | 3,338人 |
2018年度 | 3,419人 |
2019年度 | 3,645人 |
2020年度 | 3,521人 |
2021年度 | 3,763人 |
2022年度 | 4,796人 |
このように、社会人の公認会計士志望者は年々増加しています。
以前よりも、社会人が公認会計士を目指すことは現実的に可能であり、目指す人が増えてきた、と言えるでしょう。
願書提出者の約26.5%は社会人
2022年度公認会計士試験において、願書提出者の属性別割合を見ていくと、実は社会人が26%で二番目に多くなっています。
なお、最も多いのが「学生」で、こちらは45%です。
社会人受験生も一定割合を占めている事実がこちらの数字からも明らかであると言えるでしょう。
このように受験者数の観点から見ても、社会人が公認会計士を目指すことには何の問題もなく、実際に目指している方も多いことがわかります。
働きながら公認会計士になるには
これまでの学習経験は重要?
公認会計士試験で学ぶ内容は、非常に専門性が高く財務会計のエキスパート向けです。
そのため、中学や高校で学ぶ内容と全く関係が無い内容を学ぶため、大学入試に向けて勉強していたかどうかなどついては大きく影響しません。
大学の学部としては、経済学部・経営学部・商学部などであれば公認会計士になるための専門の講座や講義が多くあります。
これらの学部に進学して、該当講座を受講すれば公認会計士になれるチャンスが広がるのは間違いありません。
ただし、公認会計士試験には専門的な内容が問われるため、出身学部に関しても直接合否とは関係ありません。
社会人であれば、PDCAやWBSなどのビジネス・ツール、ビジネス・スキルを受験勉強に活かすことができるため、効果的に活用するように心掛けましょう。
勉強計画を立てよう
試験までに勉強することができる期間は、人それぞれの置かれている状況で異なります。
自分の状況に応じて、1日にこなすべき勉強時間やどれくらいの勉強期間を考えてスケジュールを組むか決める必要があります。
難易度が高い試験に臨む際には、インプットやアウトプットなどの一つ一つのステップの目安時間を知ったうえで、無理なく計画的に勉強することが大切です。
様々な勉強法がありますが、基礎知識を詰める入門期には6ヶ月程度の時間をかけ、過去問などの演習を行う期間には9ヶ月ほどの勉強期間を考えておくと良いでしょう。
もしもインプットが順調に進んだ場合は、予定よりも早く問題演習などのアウトプットに取り組んでみましょう。
多くのアウトプットをこなすことで、本番でも様々な問題に対応できるようになります。
各科目の時間配分は慎重に
公認会計士試験は試験範囲が非常に広く、各科目にどれくらいの時間を割くべきかを決め、各科目を満遍なく勉強することが重要です。
特に、短答式と論文式両方に出てくる会計分野の財務会計論については、配点も高いことから取りこぼしは許されません。
財務関係論には勉強時間の三分の一以上を勉強時間を割いて、とにかく完成度を高めていきましょう。
他の科目に関しては、得意不得意に応じて勉強時間を調整すると良いでしょう。
社会人の公認会計士試験勉強のコツ
社会人が仕事をこなしつつ、限られた時間で公認会計士試験の勉強を効率的に行うにはコツがあります。
勉強時間は4000時間以上必要
一般に、合格までに必要な勉強時間は4000時間以上と言われています。
4000時間もの勉強をこなすためには、根気と計画性がとても重要となります。
これだけの勉強をこなす過程ではつい疲れが出てしまいますが、ダラダラとやらずに質の高い勉強を意識しましょう。
ちなみに、公認会計士と比較されることの多い税理士の勉強時間は3000時間以上であり、税理士よりも難しいことがわかります。
また、三大国家資格として比較されることの多い弁護士の勉強時間は6000時間以上です。
つまり、難易度のイメージとしては
弁護士>公認会計士>税理士
のようになります。
勉強期間は2年が目安
4000時間の勉強をクリアし合格を目指すには、一般的に2年以上かかることが多いです。
2年間毎日勉強すると仮定して、1日あたりの勉強時間は5時間半以上は必要となります。
社会人が平日に5時間半も毎日勉強し続けることは非常に困難なので、休日に8〜10時間の勉強をこなすのが一般的です。
合格までに2年以上かかってしまうことは決して珍しくなく、長期間にかなりの学習量をこなす必要があります。
公認会計士の資格取得に必要な勉強時間について詳しく知りたい人は以下の記事を御覧ください。
独学がおすすめな方
高い集中力を維持できて自発的に勉強を進められる人は、勉強のやり方がわかっている人なので独学に向いています。
また、モチベーションを自分で保つことができることも必要な条件です。
インプットを行う際には自分で参考書を読み込んで、知識を整理して覚えることが求められます。
次のステップであるアウトプットでは、過去問題などを解くときに適切に覚えた知識を活用することが求められます。
独学はこれらのインプットとアウトプットの作業を自力で行わなければならないため、計画的に進めていくことを意識しましょう。
また、休日や仕事終わりでもしっかりとやる気を維持し、長時間勉強し続けられるモチベーションも求められます。
正しい勉強方法を知ろう!
独学合格のための重要な要素として正しい勉強法を実践できるかどうかが挙げられます。
独学を失敗するパターンの多くは間違った勉強法のまま実力が伸びず試験本番を迎えてしまったというものです。
そこで独学者にお勧めなのが勉強法を効率よく学べる大手資格学校のクレアールが出している「非常識合格法」です。
これには資格のプロが公認会計士試験合格のために必要とされる要素を詳しく解説しており、独学者にとってはとても参考になる内容となっています。
現在クレアールではこのノウハウ本を先着100名に無料でプレゼントしています。 お得なチャンスとなっているので少しでも勉強法に不安を持っている人は是非1度手に入れて読んでみるとよいでしょう。
予備校がおすすめな方
予備校に通うべき人は、独学で進めることに不安がある人、勉強のやり方がわからない人、自分一人だけではモチベーションの維持が難しい人です。
予備校の教材は質が非常に高く充実しており、これまでに蓄積されているデータを生かした効率的なものとなっています。
良質な教材を使って確実に合格を目指したい人は予備校を使うべきでしょう。
一流の講師による対策講義が聞ける一方で、デメリットとしては平日の夜の時間に仕事や用事が入ってしまうと講座に出席できないため利用しにくい点があります。
また、独学と比較すると膨大な費用がかかってしまうことにも注意が必要です。
通信講座がおすすめな方
通信講座を使うべき人は、自分でモチベーションは保てるものの勉強のやり方がわからない人や勉強時間の確保が難しく短期間で効率の良い学習が必要な人です。
通信講座はリアルタイムな対面講義ではないものの、予備校と同じくとても良質な教材を使っているため、独学と比べると圧倒的に効率的です。
また、通信講座であれば自分の都合のつく時間帯で勉強することができるため、隙間時間なども活用しやすいです。
最近では、スマホやタブレットを使って動画コンテンツを見ることができるサービスも充実しており、一流講師による質問回答が受けられるサービスも登場しています。
そのため、予備校と同じようなクオリティの講義が受けられるようになっており、特に社会人の人にはオススメです。
隙間時間を活用しよう
どの勉強方法にせよ、大事なのは普段よりも頑張って早起きして勉強したり、通勤時間を使って暗記を進めたり、昼休みなどの休憩時間を使って問題を解いてみたりといった隙間時間を有効活用する姿勢です。
公認会計士試験は難易度が高いため、寸暇を惜しんで勉強する姿勢が非常に重要なのです。
さらに、忘却曲線を意識して1週間・1ヶ月後などに反復して勉強し直すことが大切です。
せっかく頑張って得た知識を忘れてしまわないように、継続的に復習は行いましょう。
隙間時間を活用することで、例えば1日30分の通勤時間の活用を1年間継続することで、120時間程度の勉強時間を確保できることになります。
一日の時間は短くても、継続すれば馬鹿にならない勉強時間になるため、日頃は時間を無駄にしてしまっている自覚がある人は、ぜひ心を入れ替えてちょっとした時間でも有効活用するようにしてください。
経験者の言葉
こちらのトピックでは、実際に公認会計士試験を働きながら受けた人の声を掲載します。
疑問は早めに解決
勉強していく過程で分からない問題や理解が曖昧な論点が出てきた場合は、そのまま流すのではなく一旦立ち止まって理解するようにしましょう。
疑問点を後回しにしてしまうと、自分が分からなかった問題の箇所を忘れてしまうだけでなく、具体的にどのポイントが分からなかったのか整理できなくなってしまいます。
こうなってしまうと混乱してしまい、勉強の進捗に悪影響が出てきてしまうため絶対に避けましょう。
働きながらの勉強では、勉強時間を確保することが難しいため、限られた時間で密度の濃い学習を心掛けるべきなのです。
そのため、わからない問題に直面しても放置せずに、質問をしたり自分で調べるなどして1つ1つ丁寧に理解していく姿勢が大切です。
仕事はやめない方が良い
本気で合格を目指している人の中には、思い切って今の仕事を辞めて公認会計士試験の勉強に集中する人もいます。
働きながら勉強する人よりも合格できる可能性が高まるのは間違いありませんが、公認会計士は難易度が高いため仕事を辞めて勉強に集中しても合格できない可能性も十分に考えられます。
「仕事を辞めてまで勉強に集中するのはやめとけ」という合格者の声も実際にありますが、収入が途絶えてしまい精神的なプレッシャーが大きく負担になってしまうリスクを背負ってまで、勉強に集中するべきではありません。
つまり、本気で合格を目指していても金銭面や精神面を総合的に考えても絶対に仕事を辞めるべきではありません。
公認会計士試験は、働きながらでも受かることは十分に可能であるため、隙間時間をフル活用してコツコツと頑張っていくのが良いでしょう。
働きながら公認会計士を目指すためのポイントを知りたい方は以下の記事を御覧ください。
就活の際の面接で勝負
就職活動や転職活動の面接は、自分の魅力をアピールする最大のチャンスの場です。
社会経験のある社会人の方であれば、新卒の人よりもコミュニケーション能力に秀でているため、就活の面接では有利になるケースが多いです。
これまでの社会人経験で培ってき経験や、どんなスキルを身に着けてきたのかを魅力的に説明できれば、人事担当者から良い評価をしてもらえるでしょう。
また、社会人経験者は基本的なビジネスマナーが既に身に着いているため、新卒とは違って1から研修を行う必要がありません。
企業としては研修の手間が省けて即戦力として期待できるため、この点は新卒と比べると大きなアドバンテージとなります。
社会人のステップアップでオススメの転職先
監査法人
公認会計士の資格を取得し、ステップアップを目指すための転職先として人気なのが監査法人です。
監査法人とは、企業の財務などを検査する組織であり、監査以外にも経営に関するコンサルティングを行っている監査法人もあります。
監査法人に就職するとかなりの高年収を狙えるようになり、1000万円以上の年収を稼ぐ人も多くいます。
法人の数だけ監査の仕事はあるため、今後も高い需要があると見込まれています。
一般企業
監査法人以外でも、一般企業の財務や経理の部署で活躍することができます。
近年では会計基準も複雑になってきているため、会計に関する専門知識を持っている公認会計士の価値が高まっています。
また、一般企業の中でも規模が大きい企業であれば1000万円以上の年収も期待できるため、金銭的なメリットが大きいと言えます。
また、一般企業な勤めている強みとして雇用が安定している点が挙げられます。
長く同じ企業に安心して勤めたいも考えている人にとっては、一般企業への転職も有力な選択肢となるでしょう。
社会人が公認会計士を目指すコツのまとめ
社会人が公認会計士を目指すコツのまとめ
- 年齢や出身学部・学齢は合否に全く関係ない
- 2年以上の勉強は必要になるため、モチベーションの維持と計画的な勉強が必要
- 隙間時間などを有効活用し、寸暇を惜しんで勉強する姿勢が重要
- 「疑問は早く解決しろ」「仕事を辞めるのはやめとけ」など、経験者の声を参考にすると良い
公認会計士は年齢に関係なく、また学歴に関係なく合格を目指すことができる資格なので、努力次第で誰でも合格できます。
合格後は監査法人や一般企業などでその知識を生かすことができ、高い年収を狙うこともできるようになり、さらには独学も視野に入れることができます。
キャリアアップを狙う上でも公認会計士は非常に魅力的な資格なので、数字に強く興味を持っている人は早めに勉強に着手してみてはいかがでしょうか?