働きながら公認会計士に受かるには?仕事と勉強を両立するポイントを解説

更新日時 2020/04/10

「働きながら公認会計士試験を受けることはできる?」

「働きながら公認会計士試験を受けるには何に気を付ければいいの?」

公認会計士試験の受験を考えている方の中には、このような疑問を持っている方が多いのではないでしょうか。

この記事では、働きながら公認会計士試験を受ける際のポイントについて解説しています。

気を付けるべきポイントについて知り、働きながらの公認会計士試験合格を目指しましょう!

働きながらの公認会計士試験についてざっくり説明すると

  • 働きながら公認会計士に合格することは可能
  • 公認会計士試験は社会人でも受けやすい仕組みになっている
  • 効率的な勉強方法を意識すれば、仕事しながらでも合格できる

働きながらの合格は厳しい?

クエスチョンマーク今の仕事よりも高収入を目指したいなどの理由で、働きながら公認会計士への転職を目指している方は多いです。

ただし、公認会計士になるためには公認会計士試験に合格する必要がありますので、仕事と試験勉強の両立をしなければなりません。そのため、試験の難易度はかなり高くなると言えます。

また、合格するためには仕事の合間を縫って毎日コツコツ勉強するなど、長期的な計画を立て、強い目的意識を持って勉強する必要があります。

社会人の合格割合

平成29年度の公認会計士試験では、合格者の中で社会人は106人で、全体に占める割合は8.6%でした。一方、学生は840人で全体に占める割合は68.2%となっており、学生の合格者の割合が大部分を占めていました。

社会人の合格者の割合は8.6%ですから少ない数ですが、実際に、8.6%の人が仕事と勉強とを両立させ合格したとも言えます。

仕事と勉強との両立をしっかり行い、長期間粘り強く勉強していけば公認会計士試験は合格が可能な試験なのです。

公認会計士試験の試験形式・内容は?

公認会計士の試験は、短答式試験と論文式試験の二段階選抜形式になっています。論文式試験は、短答式試験での合格者のみが受験できる試験です。

短答式試験は5月と12月の年二回、論文式試験は8月に年1回開催されています。

短答式試験の科目は財務会計論、管理会計論、監査論、企業法の4科目、論文式試験は会計論、監査論、企業法、租税法、選択科目の5科目があります。

なお、論文式試験の選択科目は経営学、経済学、民法、統計学の4科目から1つを選ぶ方式になっています。

短答式試験、論文式試験についてまとめた内容は次のとおりです。

短答式試験

科目 内容
財務会計論 財務諸表等の作成方法を学ぶ簿記とその理論を学ぶ財務諸表論を学習する
管理会計論 企業の将来性の計画・立案やその方向性についての情報を正しく提供する方法を学習する
監査論 監査業務の制度や公認会計士に必要な資質を学習する
企業法 企業活動や組織形態について規定している会社法を中心に学習する

論文式試験のみで出題される科目

科目 内容
租税法 消費税法などの税金の仕組みを学習する
経営学 企業経営における理論を学習する
経済学 経済理論を学習する
民法 国民全般について定めた民法を学習する
統計学 統計的手法を中心に学習する

※経営学・経済学・民法・統計学の4科目は選択科目として1つのみを選択する

社会人が受けやすくなった

平成17年から、社会人が働きながら受験できるように試験制度が変わりました。

例えば、一次試験がなくなったことや、論文に科目合格の制度ができたこと、試験が開催される曜日が金曜日、土曜日、日曜日になったことが挙げられます。

このように制度が変わったことで、会計関係の仕事をしていない社会人でも試験が受けやすくなっています。

働きながら公認会計士を目指す際のポイント

ノートとペン働きながら公認会計士を目指すには、かなりの努力が必要です。どのようなポイントに気を付けて勉強をすればよいのでしょうか。

効率性を意識して勉強

社会人は大学生のようにまとまった勉強時間を取ることは難しくなります。

そのため、勉強にあてられる時間でどれだけ暗記や理解ができるかが勝負になります。

勉強する時間は、できるだけコンディションがよく頭をフル回転することができる時間帯を選ぶことがおすすめです。

例えば、朝は頭がリフレッシュされた状態で集中しやすい時間帯であると言えます。

ただ、人によって集中できる時間は違います。朝に集中できるという人は多いですが、一方で深夜の方が集中できるという人もいるでしょう。自分に合った時間を見つけることがおすすめです。

また、勉強をするときには、まず出題内容をしっかり把握しましょう。そして、試験で頻出の分野を中心に勉強すれば、学んだ知識を効率よく点数に繋げることができるようになります。

効率性を重視した勉強をするためには、試験問題の分析を徹底し、勉強の方向性を間違えないことが大切です。

時間を決めて集中

社会人は毎日勉強時間を決めて勉強を進めていくことは難しいため、週のトータルでどれくらい勉強するかを決めることがおすすめです。

例えば、平日は合計15時間、休日は合計20時間勉強し、週のトータルでは35時間を勉強するという計画を立てるということです。

このような設定にすれば、平日は一日3時間、休日は一日10時間といったように具体的な勉強時間の目安を決めることができ、一週間で勉強する時間や勉強量の目標を立てることができるようになります。

休みの時間も作ること

社会人は仕事で忙しい中、時間を作って勉強をしなければなりません。

仕事と勉強の両立は疲労が溜まりやすいため、休みの時間を決めて、その時間はしっかりと休む時間にあてるのがよいでしょう。集中して勉強する時間と休む時間のメリハリをつけることが大切なのです。

モチベーションを保って勉強

モチベーションを保つことは、社会人が忙しい中で試験勉強をする上では一番大切なことです。

例えば、平日の場合、夕食を済ませてから勉強をしようとすると開始時間は20~21時となるため、勉強を終える時間は遅くなってしまいます。

このような厳しい環境で勉強を続けるためには、絶対に合格するという強い意志が必要です。

合格後にはどのような姿になっていたいかなどを想像しながら勉強することで、モチベーションを保つことができます。

仕事しながらの試験勉強の実態

女性とパソコン仕事しながらの限られた時間で公認会計士試験の勉強を効率的に行うためには、コツが必要です。

次に、どのようなコツが必要なのかご紹介します。

目安は4000時間以上の勉強

公認会計士試験に合格するためには、4000時間以上の勉強時間が必要だと言われています。

4000時間といえば到底1年で終わらせられる時間ではありません。また、あらかじめ勉強計画を立て、その計画に沿って勉強を進めないと4000時間という膨大な勉強時間をクリアすることはできないでしょう。

実際に、合格する人はたいてい2~3年前から毎日コツコツと勉強を重ねることで合格しているのです。

ただ、社会人の場合は実務経験で得た知識を試験に活かせる場合もあるため、人によって必要な勉強時間は異なるでしょう。

独学がおすすめの人

独学で勉強を進められるのは、勉強のやり方がわかっており、モチベーションを自分で保つことができる人です。そのような人は独学での勉強をおすすめします。

勉強のやり方とは、自分で参考書を読み込んで知識を得ること、問題を解くときにその覚えた知識を適切に活用する力を指します。

モチベーションを保つとは、休日や仕事終わりでも3~4時間勉強し続けられる力を指します。

また、独立開業が目的ではなく、現在の仕事に活かすために公認会計士の資格を取得したいなどの目的があり1回で合格する必要がない人にも、独学はおすすめできる勉強方法です。

予備校がおすすめの人

予備校に通うのがおすすめの人は、勉強のやり方がわからない人、自分だけではモチベーションを保つことが難しい人です。

予備校に行くと一流の講師による試験対策講義を聴くことができるというメリットがあります。一方で、平日の夜に仕事や用事がある人は、予備校は利用しにくくなってしまいますので注意が必要です。

資格を取って独立したいという目標がある人は早く合格する必要があるため、独学するよりも予備校に通って勉強することをおすすめします。

通信講座を受ける人も

通信講座を使った方がいい人とは、モチベーションは保てるものの勉強のやり方がわからない人、勉強時間の確保が難しく、短期間で効率のよい学習が必要な人です。

通信講座は都合がつく時間帯で勉強することができるため、まとまった勉強時間が取れない人でも勉強を進めることができます。

また、最近の通信講座では、スマホやタブレットを使って動画での講義を受けることができるサービスや、一流講師による質疑応答が受けられるサービスが登場しました。

そのため、予備校と同じようなクオリティの授業が受けられるようになっています。

空いている時間の活用が大切

独学でも通信講座でも共通して大切なのは、隙間時間を有効活用する姿勢です。

例えば、朝早起きをして仕事に行く前に勉強する時間を設けたり、通勤時間を使って暗記を進めたりしてみましょう。

また、昼休みなどの休憩時間は問題集を解く時間にあてるというのもよいのではないでしょうか。

全ての隙間時間を使わなくても、1日30分の通勤時間を活用すると1年間で120時間程度勉強できることになります。隙間時間を活用することは非常に重要なのです。

働きながら公認会計士の資格を目指すメリット

スマホと画面社会人が働きながら公認会計士の資格取得を目指すことによりメリットが生まれます。以下では、どのようなメリットがあるのかご紹介します。

身近な内容としてとらえやすい

会計の仕事に携わっていない多くの社会人受験生は参考書などを使って知識を詰め込むことが中心になるため、内容を捉えにくいことが多いです。

しかし、会計士の補助として働いている場合は、公認会計士試験をより身近なものとして捉えることができます。

実務で会計の仕事をしており、公認会計士の仕事を実際に見ている場合は、試験勉強で得た知識がどのように仕事に活かされるのかを実感することができます。

そうすると試験勉強の内容の理解がスムーズになり、勉強を続けるモチベーションにも繋がっていきます。

会計の仕事に携わっている人の方が、その他の仕事をしている人よりも試験内容が理解しやすいというメリットがあるのです。

社会人の経験が生きる

公認会計士の試験勉強中に生まれるメリットもありますが、試験に合格したあとに生きてくるメリットもあります。

それは、これまで社会人として働いてきた中で得たコミュニケーション能力を活かすことができるという点です。

公認会計士はクライアントとのコミュニケーションが大事な職業です。そのため、ただ勉強ができて試験に合格できたというだけでは公認会計士の適性があるとは言えません。

その点、社会人経験がある人の場合、営業やマーケティングなどで得た社会人としてのスキルを公認会計士に転職後活かすことができるという有利な点があります。

合格体験談

ノートと鉛筆ここからは、実際に働きながら公認会計士試験を受け合格した人の体験談をご紹介していきます。

学習管理アプリで勉強管理をした

合格した人の中には、学習管理アプリで勉強の管理をしたという人もいます。

学習管理アプリはどの科目をどのくらい勉強しているのかを可視化して把握することができます。例えば、累計学習時間の科目別の割合を円グラフで表示することにより、一目で科目ごとの勉強量がわかるため大変便利です。

このように、勉強量を把握しやすい工夫をすることにより、忙しい中でも勉強のバランスを管理することができるのです。

また、アプリによっては他の学習者の進捗状況を見ることも可能です。他の学習者の様子をチェックすることで刺激を受けることができ、モチベーションを上げることができます。

実務経験を学習に活用できた

試験勉強の内容を実務を通して理解できたということも合格できた要因の一つのようです。

その方は経理部で働いていましたが、受取手形を扱ったり有価証券報告書の「経理の状況」を作成したりするなどの業務がありました。

このような業務は試験科目の内容に関連しているため、経験することで学習内容が理解しやすくなります。

勉強して知識を得ただけではわからないことでも、実際に業務として経験することで実感できるようになったということです。

家族の理解を得られた

その方は試験勉強のことを周囲に伝えていたということでしたが、勉強のために好きなことを我慢したり、一人で戦うことを覚悟したりするなどの状況下であったそうです。

しかし、妻をはじめとした家族の支えが大きな力となり、勉強を続けることができたということです。

また、試験勉強をする中で、自分だけではなく家族も負担を強いられているのだと実感したことにより、勉強できるありがたみを感じ謙虚になることができたのだそうです。

働きながら公認会計士に受かることまとめ

働きながら公認会計士に受かるには

  • 公認会計士に合格するには4000時間以上の勉強時間が必要
  • 仕事しながら受験勉強する人は2~3年かけてコツコツ勉強している
  • 将来独立したい人は、早く合格するためにも予備校に通うのがよい

仕事しながらの試験勉強は、勉強時間の確保やモチベーションの維持など難しいことがさまざまあります。

公認会計士になるという強い意志を持ち、隙間時間をうまく使って勉強を進めることが大切です。

仕事と勉強というそれぞれの時間のメリハリをつけながら勉強を続ければ、きっと合格できるのではないでしょうか。