公認会計士試験の合格率は?低い理由から合格者数・資格難易度の変遷まで解説!

更新日時 2020/04/05

「公認会計士試験はかなり難しいって聞いたけど、合格率はどれくらいなんだろう?」

会計のスペシャリストである公認会計士は様々な資格の中でも特に高い人気を誇る資格です。資格の取得を目指して毎年多くの人が試験を受験しています。

何か資格を取りたいと考える中で公認会計士が気になっていたり、合格率や合格者数などの試験の難易度について詳しく知りたいと思っている人も多いのではないでしょうか?

そこでこの記事では公認会計士試験の合格率について詳しく解説していきます!

効率的に学習を進めるためには試験の難易度や特徴を理解することが大切です。最短での試験合格・公認会計士の資格取得に向けてぜひ活用して下さい!

公認会計士試験の合格率についてざっくり説明すると

  • 合格率は短答式10%台前半・論文式30%台半ばで推移し、全体の合格率は11%前後
  • 令和元年度試験の合格者の平均年齢は25.2歳で合格者の約8割を20代が占めている
  • 合格するには4,000時間程の勉強が必要で試験対策に時間がかかるため合格率が低い
  • 難易度が高いからこそ公認会計士の資格を取得できれば多くのメリットを享受できる

公認会計士の合格率はどれくらい?

合格率への疑問 公認会計士の合格率は11%前後であり、およそ10人に1人しか合格できない資格です弁護士や医師と同じく三大国家資格の1つに数えられ、難易度はかなり高くなっています。

その一方で他の国家資格と比較してみると、合格率が6%前後の社労士や4%前後の司法書士よりも公認会計士の合格率が高いことも事実です。合格率が2桁に乗っていることからも公認会計士はきちんと対策をすれば十分に合格できる資格と言えます。

過去5年分の合格率の推移

公認会計士の過去5年分の合格率の推移は以下のようになっています。

年度 出願者数 合格者数 合格率
平成27年 10,180人 1,051人 10.3%
平成28年 10,256人 1,108人 10.8%
平成29年 11,032人 1,231人 11.2%
平成30年 11,742人 1,305人 11.1%
令和元年 12,532人 1,337人 10.7%

出典:公認会計士・監査審査会ホームページ

過去には平成19年の19.3%、平成23年の6.5%のように合格率が大きく変動した時期もありましたが、近年の公認会計士試験の合格率は11%前後です直近の合格率に大きな変動は見られず安定しているので、今後も同様の水準が続くと考えて良いでしょう。

なお上記の合格率は「合格者数を出願者数で割った値」です。試験当日の欠席者を除いた短答式試験受験者数で割ると合格率は少し高くなります。ただしその場合でも率としては13%程なので、公認会計士が難しい試験であることに変わりはありません。

短答式・論文式試験の合格率について

公認会計士の試験は短答式と論文式の2段階あり、短答式試験に合格すると論文式試験を受験できる仕組みです。

短答式と論文式の両方の試験をクリアするためにも、それぞれの試験の合格率・難易度を確認しておきましょう。

短答式試験の合格率

短答式試験は年2回実施され、12月の第Ⅰ回試験と5月の第Ⅱ回試験があります。過去5年間の合格率は以下の通りです。

年度 実施回 合格率
平成27年 第Ⅰ回 12.3%
第Ⅱ回 10.3%
平成28年 第Ⅰ回 12.3%
第Ⅱ回 10.1%
平成29年 第Ⅰ回 15.3%
第Ⅱ回 7.2%
平成30年 第Ⅰ回 13.0%
第Ⅱ回 13.6%
令和元年 第Ⅰ回 12.9%
第Ⅱ回 9.4%

(合格率を算出する際の分母は「第Ⅰ回:願書提出者数」「第Ⅱ回:願書提出者数から短答式試験免除者数を引いた人数」)

短答式試験の合格率は10%前後ですが、同じ短答式試験でも5月の第Ⅱ回試験のほうが合格率が低くて難しい傾向にあります。

合格までの学習スケジュールを立てる上では短答式・論文式両方の試験日程を考慮に入れることになりますが、短答式に関しては難易度の低い12月の第Ⅰ回試験がおすすめです。

論文式試験の合格率

過去5年間の論文式試験の合格率は以下の通りです。

年度 合格率
平成27年 34.8%
平成28年 36.3%
平成29年 37.8%
平成30年 35.9%
令和元年 35.8%

(合格率は旧第2試験合格者を除いて算出)

論文式試験の合格率は35%前後で推移していて約3人に1人が合格している試験です。

あくまで受験しているのは短答式試験を突破した人たちなので「知識量がある程度ある人たちの中で見た場合の合格率」ですが、「公認会計士に合格するのは至難の業でほとんど合格できない」といった世間的なイメージよりは多くの人が合格していることが分かります。

公認会計士試験のジャンル別合格者数

続いて公認会計士試験の合格者データを男女別・年齢別・職業別に紹介していきます。

男女別の合格者数

令和元年度試験の合格者1,337人の男女の内訳は男性1,022人・女性315人で女性比率は23.6%となっています。合格者に占める女性割合が約35%と比較的高い社労士よりは低いものの、司法書士や行政書士と同様に合格者の4人に1人が女性です。

年齢別の合格者数

令和元年度試験の年齢別の合格者数は以下のようになっています。合格者の平均年齢は25.2歳で、最高年齢62歳・最低年齢18歳でした。

年齢区分 出願者数 合格者数 合格率
20歳未満 238人 24人 10.1%
20歳以上25歳未満 5,029人 769人 15.3%
25歳以上30歳未満 2,660人 308人 11.6%
30歳以上35歳未満 1,747人 142人 8.1%
35歳以上40歳未満 1,170人 58人 5.0%
40歳以上45歳未満 677人 23人 3.4%
45歳以上50歳未満 423人 8人 1.9%
50歳以上55歳未満 247人 2人 0.8%
55歳以上60歳未満 161人 2人 1.2%
60歳以上65歳未満 82人 1人 1.2%
65歳以上 98人 0人 0.0%
合計 12,532人 1,337人 10.7%

(出典:公認会計士・監査審査会ホームページ)

公認会計士は合格者の約8割を20代が占める試験です。大学生が在学中に受験することが多いので20代前半の受験者が特に多く、次いで社会人になってから5~10年以内に受験する層が多くなっています。

職業別の合格者数

令和元年度試験の職業別の合格者数は以下のようになっています。

職業区分 出願者数 合格者数 合格率
会計士補 67人 4人 6.0%
会計事務所員 673人 83人 12.3%
税理士 52人 1人 1.9%
会社員 2,362人 83人 3.5%
公務員 389人 29人 7.5%
教員 38人 2人 5.3%
教育・学習支援者 64人 3人 4.7%
学生 5,016人 750人 15.0%
専修学校・各種学校受講生 1,356人 171人 12.6%
無職 1,872人 185人 9.9%
その他 643人 26人 4.0%
合計 12,532人 1,337人 10.7%

合格者の過半数を学生が占めていて専修学校などに通う学生も合わせると7割近くにもなっています。会社員や会計事務所員で合格している人も一定数いますが、公認会計士試験は学生の合格者が圧倒的に多い資格試験です。

また在学中に受からず卒業後も就職せずに試験勉強を継続するケースもあるため、無職の方の受験も比較的多くなっています。

公認会計士の合格率が低い理由

合格率が低い理由を分析 試験の合格率を確認することで難易度をおおよそ把握できますが、なぜ合格率が低いのか背景を理解することも大切です。合格を難しくしている理由や試験の特徴を踏まえて試験対策を講じることで、ポイントを押さえた効率的な学習が可能になります。

以下では公認会計士試験の合格率が低い理由について解説していくので、実際に試験合格を目指して勉強する際の参考にして下さい。

公認会計士試験は試験範囲が膨大

公認会計士の試験範囲は以下の通りで、分量が非常に多いことが特徴です。

  • 短答式:「企業法」「管理会計論」「監査論」「財務会計論」の4科目
  • 論文式:「監査論」「租税法」「会計学」「企業法」の4科目+選択科目1科目

準備不足のまま試験当日を迎えてしまう受験生も多く、公認会計士試験の難易度を上げる大きな要因になっています。学習範囲を全てしっかりとカバーできるように、あらかじめ適切な学習スケジュールを立てることが大切です。

勉強時間がとても長い

公認会計士試験に合格するには4,000時間程の勉強時間が必要と言われています。これは税理士の3,000時間や社労士の1,000時間に比べても圧倒的に長い勉強時間です。

毎日5時間勉強し続けた場合でも2年以上かかる計算であり、会計知識のない初学者が挑む場合にはそれ以上かかることも少なくありません。働きながら合格を目指す社会人の場合は1日に確保できる勉強時間に限りがあるので、数年かける前提で臨むケースも多くなります。

資格取得後のメリットを考えれば数年かける価値があるのが公認会計士ですが、実際に資格を取得できるかどうかは勉強時間を確保できるかが重要なポイントです。

合格ラインも高め

会計や財務、監査といった難しい分野を扱う試験の割に合格ラインが高く設定され、合格基準点を超えるために確実に得点しなければいけないことも合格率が低い理由の1つです。

短答式では4科目合計で70%以上、論文式では5科目合計で52%以上の得点が必要で、1科目でも40%に満たない科目があると不合格になります。偏った勉強をしたり苦手科目を残したままにすると科目別の足切りに合うこともあり、満遍なく勉強する必要があります。

公認会計士試験の受験資格について

公認会計士試験は受験資格がないことも特徴の1つです。受験資格を設定して受験者を一定のレベル以上に絞っている司法試験や税理士試験とは違って誰でも試験を受けられます。

難関資格の中でも受験ハードルが低く、試験に合格できる知識レベルに達していない人も含めて様々な学力層の受験者が受験している試験です。そのため結果として合格率が低くなっている側面があり、しっかり勉強できている人が合格できる確率はより高いと言えます。

公認会計士の偏差値は高い

公認会計士の偏差値は65~70程と言われています。医師・弁護士と並ぶ三大国家資格の1つに数え上げられるだけあって偏差値は高く、その分だけ合格率は低くなっています。

ただし偏差値が高い試験とは言っても医師や弁護士ほどに資格取得のハードルが高いわけではありません。普通の人が受験した場合でも努力を継続すれば十分に合格が可能です。

税理士とどっちが難しい?

税理士も公認会計士も超難関資格である点では同じなので、試験が難しいことに変わりはありません。ただし合格に必要な勉強時間の目安は公認会計士4,000時間・税理士3,000時間で、合格までにかかる時間からすれば公認会計士のほうが難しいと言えます。

また公認会計士は無試験で税理士登録できる一方で税理士が無試験で公認会計士登録することはできないので、資格のランクとしては公認会計士のほうが上の扱いです。

ただし試験の受験資格の点では公認会計士試験は誰でも受験できるものの税理士試験は要件が厳しく、この点では税理士のほうがハードルが高くて難しいと言えます。

公認会計士の取得メリット

試験に合格して喜ぶ様子 試験に合格するのは簡単ではありませんが、資格を取得できれば様々なメリットを享受できるのが公認会計士という資格です資格としての魅力が大きいからこそ誰でも簡単になれるわけではなく、そのことが合格率の低さ・難易度の高さに表れていると言えます。

以下では公認会計士の取得メリットを紹介していくので、長期間に渡ってモチベーションを維持して勉強を継続するためにも是非活用して下さい。

需要が高く就職・転職に有利

独占業務として監査を行う権限を持つ公認会計士は企業にとって欠かせない存在です。財務諸表の作成や決算対応で企業をサポートする監査法人に就職するケースが多く、監査法人での経験が評価されると一般企業などへの転職も有利になります。

財務会計に関する知識を持つ専門人材であり、就職・転職をする際には高収入も期待できるのが公認会計士です。監査だけでなくコンサル業務を行うこともでき、担える業務の幅が広い公認会計士の資格が就職・転職でアピールポイントになることは間違いありません。

平均年収がとても高い

平成30年賃金構造基本統計調査(職種別)によると1,000人以上規模の企業に勤務する公認会計士・税理士の平均給与額は所定内給与額が約50万円・賞与等が約250万円です。

公認会計士も税理士も年収に大きな差はないのでこの金額を公認会計士の年収として捉えることができ、平均年収は約900万円という高い水準になっていることが分かります。

これは全国の平均年収と比較するとおよそ2倍の金額です。世間一般でのイメージ通り公認会計士の年収は非常に高く、資格としての人気の高さの一因になっています。

出世すれば1000万円を超える

公認会計士が主に就職する監査法人にはスタッフ・シニアスタッフ・マネージャー・シニアマネージャー・パートナーという役職が存在します。出世して役職が上がっていけば給料も増えることが多く、経験を積む中で収入をさらにアップできる点も魅力の1つです。

一番上のパートナーまで行くと年収は1,500万円~3,000万円にもなり、一般の会社員の年収額を遥かにしのぐ金額を稼げるようになります。

独立開業も可能

資格取得後には監査法人に勤務するのが一般的ですが、経験を積んだ後に自分で事務所を開いて独立することも可能です。これは公認会計士のキャリア形成の王道とも言えるパターンで、努力次第で高収入を狙える可能性があり年収が数千万円に達するケースもあります。

もちろん独立開業した場合には事業が軌道に乗るまで苦労をしたり廃業リスクを背負うことにはなりますが、他士業に比べて需要が大きい分リスクは相対的に低く、公認会計士の場合はキャリアアップを目指して積極的に独立開業できるのが大きな魅力です。

公認会計士は独学でも大丈夫?

試験勉強する様子 公認会計士の試験合格に向けて予備校や通信講座を利用する人が多いものの、働きながら資格取得を目指す社会人をはじめとして独学合格を目指す人ももちろんいます。

ただし公認会計士に独学で合格を目指す場合には注意すべき点も多いので、独学でチャレンジする方は以下で紹介するポイントも意識して取り組むようにして下さい。

独学合格の際に気を付けるべきこと

公認会計士の勉強には非常に長い時間がかかり、難しい内容の勉強を一人で続けるのは思いのほか大変です。モチベーションを維持できずに途中で挫折する人も少なくありません。

さらに独学者向けの教材はどの会社もあまり力を入れていないので、予備校生に比べて勉強の質・量どちらの面でも不利になりがちです。予備校の講師から勉強法のコツの指導を受けられるわけでもなく、如何に自分で効率的な勉強法を探せるかが重要になります。

費用を抑えられる点や自分のペースで勉強できる点は独学のメリットですが、独学合格を目指す場合には上記の点に注意しながら非効率な勉強にならないように注意して下さい。

独学合格のために実践すること

膨大な試験範囲を漏れなくカバーするためには事前に学習スケジュールをしっかりと立てることが大切です。学習を進める中で進捗状況を確認できるようになり、自分が着実に合格に近づいていることを視覚化できればモチベーションの維持・向上にも役立ちます。

また頻出範囲は重点的に取り組んで完璧にするとともに、過去問や予想問題集を活用した試験対策も念入りに行って下さい。仮に同じ知識量を持っている人でもその資格試験の形式や特徴に対応できているかどうかで合否が変わってきます。

試験日から逆算して学習スケジュールを立てた上で知識のインプットを全分野について漏れなく行い、問題演習によって公認会計士試験の形式にしっかり適応するようにしましょう。

独学者におすすめのテキスト

独学者にとってテキストは知識をどれだけ効果的に吸収できるかを左右するものであるため、おすすめのものを選ぶとよいでしょう。

公認会計士試験にはいくつかの科目がありますが、今回は会社法のテキストである「公認会計士試験 初めての会社法 第4版」を紹介します。

この本はTAC出版から出版されており、価格は1980円となっています。

この本最大の特徴として、難しいとされる会社法について難しい言葉を極力使わず、豊富な図表を取り入れることで初心者でもイメージしやすいようになっている点です。

会社法でつまづいている初学者に特におすすめの1冊となっています。

独学の際には勉強法を知ることが重要

独学の場合間違った勉強法を繰り返してしまうと、実力が全然上がらないという事態につながってしまいます。

特に公認会計士の場合は長い時間多くの科目を勉強する必要があるため、自分1人で勉強法を確立していくのはなかなか難しいでしょう。

そんな時に使うべきなのが、大手資格学校クレアールが出している「非常識合格法」です。

この本は公認会計士試験を知り尽くしたプロが採点のからくりから、配点に合わせた勉強法まで効果的に勉強するために必要な情報を余すところなく掲載しています。

独学者にとっては公認会計士試験についての有益な情報を得るための絶好の機会といえるでしょう。

現在クレアールではこの本を先着100名様に無料でプレゼントしています

勉強法で悩んでいる人はこの機会にぜひこの攻略本を手に入れて、試験豪華浮くまでのロードマップを明確にしていきましょう!

公認会計士試験の合格率まとめ

公認会計士試験の合格率まとめ

  • 近年の合格率は11%前後で推移し、約10人に1人しか受からない難しい試験である
  • 公認会計士試験の合格者の平均年齢は25.2歳で過半数を学生が占めている
  • 試験の出題範囲が非常に広くて対策を取るのに時間がかかり合格率が低くなっている

今回は公認会計士試験の合格率について紹介しました!

公認会計士試験は合格率が低くて簡単に受かる試験ではありませんが、資格取得後の様々なメリットを考えれば数年かけてでも目指す価値のある資格です!

魅力あふれる公認会計士の資格取得をぜひ検討してみて下さい!