公認会計士の勉強法とは?各科目の勉強法・勉強時間から独学での合格可能性まで解説
「公認会計士試験ってどう対策すればいいんだろう?」
「独学で合格できないものだろうか?」
この記事を読まれているあなたは、上記のような疑問をお持ちの方だと思います。
公認会計士試験は国家資格の中でも最難関に部類する資格試験と言われており、試験範囲も膨大となっています。合格までに必要な勉強時間は4000時間と言われており、効率良く勉強していく必要があります。
ここでは公認会計士試験における勉強方法や各科目ごとの攻略法、独学のメリット・デメリット等について、実際に公認会計士試験に合格された白井敬祐様の意見を踏まえて解説していきます。
公認会計士の勉強法についてざっくり説明すると
- ただ暗記するだけでなく理解する心がけが必要
- 足切りがあるので満遍なく理解すること
- 勉強の反復を繰り返して知識に植え付けさせること
- 計画通りにメリハリをつけて学習を継続すること
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公認会計士試験に合格するための勉強法
以下では公認会計士試験に合格するに際して押さえておきたい学習方法をご紹介していきます。
また、今回は実際に公認会計士試験に合格された白井敬祐様に学習方法についてアドバイス頂きましたので、こちらもぜひご覧ください。
知識の理解に重きを置く
公認会計士試験の出題範囲はとてつもなく膨大なボリュームとなっています。
試験では覚えた知識を基にした応用問題も数多く出題されるため、ただ暗記しただけでは解答できない場合もあります。知識の暗記と理解の両面に重きを置いて学習を進めていく必要があります。
特に知識を暗記しただけでは応用問題への活用がうまくできないため、知識を理解をするための学習を重点的に行うことがポイントになります。
正しく理解するとは、その知識の構造を把握して人に具体的に説明できる状態まで持っていくことです。
理解しているかどうかを確かめる手段として、勉強仲間と既習範囲をお互いに説明し合うことによって、正しく理解できているかどうかを確認することが有効になってきます。
これを行うことで時間を短縮した効率的な勉強が可能になります。
教材は予備校の教材がおすすめ
公認会計士の学習においてたくさんの教材が各出版社から発売されていますが、大原・TAC・CPAといった大手予備校が作成しているテキストを活用することが最も効果的です。
予備校が長年培ってきた経験から、出題可能性の高い問題が抑えられており、知識として理解しやすい学習構成になっています。これを活用することで効率良く学習を進めていくことができます。
理解した気になっている状態を脱出する
本当に理解しているかどうかを確認するには人に説明するのがおすすめです。受験仲間に勉強した論点を説明してみましょう。
意外に説明できなかったりするので「理解した気になっている」状態を解消してくれます。
通信の方は講師に電話などして自分の理解が正しいか確認するという方法もあります。
苦手科目を作らないように勉強
公認会計士試験では、短答式の各科目合計が70%以上確保することが合格ラインの目安であると言われています。また1科目でも40%を割ってしまうと「足切り」となり不合格になる可能性もあります。
公認会計士試験に合格するためには、苦手科目を作らずに各科目満遍なく理解しておく必要があります。
苦手科目については基本的に知識の理解が不足しているケースがほとんどです。覚えた知識の意味や背景を深く理解しながら勉強することが重要です。
予備校でよく言われている基本的な頻出論点を身につけるだけでも苦手科目を一定の水準まで引き上げることができるため、苦手な科目はその科目の頻出論点を中心に勉強を進めていくことがおすすめです。
苦手科目の勉強の方法としては、サラッと学習して何度も覚え直すよりも一度の学習で知識の意味などをじっくり考えて行う方が効果的です。
苦手な科目でも本番では得点源になり得る。
私は租税法が個人的にあまり面白くなかったので苦手でした。しかし、苦手でも毎朝3時間は租税法の勉強と決めてずっと欠かさず繰り返しました。
そのおかげもあってか本番では偏差値60を超える得点源になりましたので、苦手でも逃げずに繰り返すことが重要です。
反復は繰り返したほうが有効
公認会計士の知識は、一度覚えただけで試験に使いこなせるような甘いものではありません。
特に企業法・監査論や財務会計論・管理会計論の理論は、一度理解しても一定時間経つと解けなくなってしまうということもあるため、繰り返しの反復を行うことをお勧めします。
覚えた知識をいつでも使いこなせる状態のことを「習得」といい、この状態に知識レベルを引き上げていくための復習を繰り返し行うことが重要です。
反復学習を行う際には、忘却曲線を意識しましょう。忘却曲線とは、人が一度記憶した内容を再度完全に記憶し直すまでに必要な時間をどれだけ短縮できるのかの割合を示す曲線です。
記憶してから時間が経過する毎に、再記憶するための時間は再び多くかかってしまいます。つまり短いスパンで復習を繰り返していくと、記憶として知識を定着させやすくなります。
具体的には1回目の復習は2日以内、2回目は1週間後、3回目は1か月後というように、3回以上タイミングを見ながら復習していくことで記憶への定着率かなり向上し「習得」の状態へと繋がっていきます。
直前期は高速回転できるようにする
特に試験直前の2ヶ月〜1ヶ月は忘却との勝負です。毎日各科目に満遍なく触れて知識を維持することが必要です。
それを見据えて自分のまとめノートを作るなど効率的に学習できるように準備しておくことも必要かと思います。
メリハリをつけた勉強
勉強する上で基本となるのは、いかに集中力を保って勉強できるかどうかになります。集中していない状態で勉強したとしても、知識として身に着きづらいでしょう。
具体的には、10時間だらだら勉強し続けるよりも3時間ビシッと集中して勉強した方が、得られる成果としては大きくなります。集中して勉強することで余暇の時間も増えますので、コンディションを整えながら日々の生活を送ることができます。
また自宅学習だけ集中するのではなく、予備校の授業でも集中して受講することが大切です。同じ授業時間・講師であっても、本人の集中力次第で吸収できる知識の量・質ともに倍以上となり大きな差がつくことになります。
必ず時間を測る
自習で答練を解く際は必ず時間を測りましょう。試験はスピードも命です。
決められた時間内にどれだけ点数を稼ぐかの勝負なので、時間内に効率的に点を稼ぐ練習もしましょう。
そして今の自分は制限時間内でどれだけ解けるのかというレベルチェックにもなります。
カリキュラム通りに勉強
予備校講座を受講している場合は予備校毎のカリキュラムを、独学で学習している場合は自分で計画したスケジュール通りに学習をこなしていくことが大切です。
もちろん、こなすべき学習計画には復習・反復・答案練習や学習後のフォローも含まれています。
これを全てこなすことが学習においての大前提となります。サラッとテキストに目を通すだけという程度のものは学習とは言えません。
不合格になる方の多くは、与えられたカリキュラムを素直に取り組むことができないために実力の伸び悩みが生じてしまっているのが実情であるため、まずは復習も含めてカリキュラム通りに確実にこなすことから始めていきましょう。
自習が全て
カリキュラムこなすのに精一杯になりがちですが、一番重要なのは自習です。
本番までに答練を何回解いた何点取れたなどは本番試験を受験する上で自信になってきます。答練は満点を取れるまで解き続けましょう。
絶対に受かるという気持ちが大事
試験勉強において受かったらいいなという程度の気持ちでは、学習意欲を継続することは難しいでしょう。
特に難関資格である公認会計士試験では、中途半端な気持ちで学習を続けても成績の伸び悩みが高い確率で発生してしまい、試験勉強の長期化につながってしまいます。
やるからには絶対に合格する!という気持ちがないと学習のモチベーションを保つことができません。
この気持ちを常に持ち続けることで勉強のやる気が上がり、「何が何でも受かる」という気持ちで日々を過ごすことができるでしょう。
受験はモチベーションとの勝負
厳しい試験かつ長い受験期間が必要ですので、多くの方が挫折していきます。
受験期間中モチベーションが下がって諦めてかけてしまう場面がどうしてもあると思います。
その時に支えになるのは「絶対に会計士になりたい」という気持ちです。なぜ自分は会計士になりたいんだろうというところを見つめ直すと良いと思います。
毎回答案練習を欠かさない
予備校講座を受講している人は、実際の答案の作り方を練習する「答案練習」を行っています。公認会計士試験を短期合格する秘訣としては、答案練習を繰り返し受けて点数にこだわることが重要です。
答案練習を受けたほうがいい理由としては、以下の3つが挙げられます。
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勉強中の短期的な目標になること:都度目標を設定することでモチベーションが向上し、日々の学習の質を高めていくことにつながります。
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現状を把握することができること:試験合格という目標を達成するためには何をするべきかを常に分析することが大切です。今の自分のレベル、目標とのギャップを把握することで、対応策を具体化することができます。
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勉強の質を高められること:点数にこだわることでアウトプットの質の向上につながります。
また、論文式試験に向けた答案練習では自分の論述を客観的にフィードバックしてもらえる機会を得られるのもメリットです。
このフィードバックを行わないまま練習を継続しても、いわゆる「論ずれ」を引き起こす可能性が高まり、点数の大きなブレにつながるので、必ず答案練習にてフィードバックをもらうようにしましょう。
本番と同じ環境で答練を受けよう
できれば本番と同じ環境で受けられることをお勧めします。つまり、お近くの予備校の教室でみんながいる中で制限時間のある中で答練を受けましょう。
そうすることで試験慣れしますので、制限時間内での効率的な点の取り方や人がいても集中力を切らさない訓練、また集中力を鍛えることもできます。
予備校に行って勉強すべき?
独学での勉強を検討している場合、独学よりも予備校に通って勉強することをオススメします。
理由としては、学習する教材が充実していること、勉強仲間を作ることで互いにモチベーションを維持しやすいこと、答案練習を受けられること、講師に質問して悩みをすぐ解消できることが挙げられます。
また予備校に通うことで、知識を正しい形で理解することができるので、試験合格後の業務にもそのまま反映させやすいといったメリットもあります。
これらのことから学費を捻出することができない場合以外は、予備校に通って合格する可能性を高めることをオススメします。
コスパのいい通信講座もおすすめ
上記のように、可能であれば公認会計士試験の対策は予備校に通って行いたいところですが、大手予備校であるCPA会計学院や資格の大原の講座費用は70万円〜80万円ほどと極めて高額となっています。
そのため、こうした予備校の費用が高すぎて払えない人やまとまった学習時間がとりづらい人には、予備校よりもクレアールなどの通信講座の受講がオススメです。
通信講座のメリットとしては、予備校の価格よりも大幅に低価格(50〜60万円ほど)で受講することができること、自分の好きな時間で学習することができることが挙げられます。
近年は通信講座の質も上がってきていますので、高い質の授業を低価格で受けることが可能になってきています。
位置づけとしては予備校と独学の良いとこ取りとして考えるといいでしょう。
クレアールについて気になった方は、ぜひ一度資料請求で充実の内容を確認してみてください。
科目ごとの勉強法
公認会計士試験の試験科目はそれぞれに特徴がありますので、それらの傾向をしっかり押さえて勉強に取り掛かることが効率的に勉強を進める鍵となります。
ここでは各科目ごとにおいて意識しておきたい勉強法について解説していきます。
会計学
短答式試験では、「財務会計論」と「管理会計論」に分けて出題されます。論文式試験では、短答式試験の2つの科目が会計学として1つにまとめられて出題されます。
財務会計論
財務会計論の勉強法として基本になるのは、テキスト例題と問題集を繰り返し解き続けることが重要です。
各問題に対しての解答パターンを作り上げ、問題を見て瞬時に解答パターンを書き出せるようになるくらい身体に染みこませましょう。
まずは問題を普通に解いて解答を確認する。そしてまた同じ問題を解く…。これを集中的に繰り返していくことで解答パターンが身に着いていきます。
財務会計論の問題を繰り返し解く際の注意点として、問題の雰囲気でなんとなく正解を導き出してしまわないようにすることが挙げられます。
何度も演習を繰り返していると、該当箇所の理解・暗記が伴っておらずとも正解を導き出せるようになりますが、このような学習では少し問題文を変えられて同じ趣旨の問題を出題された際に正解を導き出すことが難しくなります。
よって、必ず正解に辿り着くためのプロセスを自分の中で腹落ちしながら解答を毎回の演習で進めていくことが大切です。
管理会計論
管理会計論の勉強法は、財務会計論と同様にテキスト例題と問題集への取り組みが基本となります。
ただ、わからないままただ機械的に問題を反復しても点数に直結しづらい科目となっているため、1回1回の理解を重視しながら問題に取り組むことが大切です。
これができたら後は答練対策です。答練において最も意識したいのはスピードです。時間をかけてきっちり解答していては間に合いません。
その上近年は難易度の高い問題も出題される傾向にありますので、まずはできる問題から解いていき、できない問題は捨てるなど、回答する優先順位をきちっと見定めたうえで問題に取り組むことが重要です。
監査論
監査論において基本となる勉強法としては、テキストの内容をしっかり理解して、○×問題を解いて細かな知識を蓄えていくことです。後は監査基準で監査の中心的理解を行いましょう。
監査基準における中心的理解とは、実際の現場をイメージすることが大切です。ある課題について理論的結論と実際の現場における結論とではギャップがあるケースがあるので、その妥協点を探し出すような感覚です。
監査論は細かい知識を覚えたとしても、点数への還元の観点から考えると非効率になります。それよりも中心的理解を深める方が得点力は確実についていきます。
企業法
企業法についてもテキスト理解と○×問題を中心に取り組みましょう。企業法は、短答でも論文でも「暗記」だけでそこそこ点数が取れるようになっています。そのため、いかにたくさんの問題を解いて知識を網羅的に蓄えられるかが鍵となります。
暗記が苦手という人は、単純に問題を解く量がまだまだ足りていない傾向にあります。得点のことを考えると、理解よりも暗記することが求められる科目になりますので、弱音を吐いている暇があったらとりあえず解き続けていきましょう。そのうち嫌でも覚えられます。
租税法
租税法は論文式試験でのみ出題されます。出題される論点としてはある程度限定されていますので、まずは覚えるべきことを中心に暗記していくことがやるべきことです。暗記がある程度まとまったら、答案練習を使って頻出論点を中心に演習を積んでいくことが重要です。
租税法は得点に結びついていくのに時間がかかる科目です。最初こそ点数が伸びにくいのですが、覚えることを確実にものにして論点を押さえて学習をしていくことで、点数が飛躍的に伸びていく科目です。言い換えれば、ライバルに差をつけやすい科目とも言えますので、粘り強く学習を続けていきましょう。
選択科目
選択科目は「経営学」「経済学」「民法」「統計学」の4科目あり、この中から1科目を選んで受験することになります。どの科目で受験するかを早めに決めた方が勉強効率も上がりますので、下記を参考に科目を決定してみてください。
経営学
経営学は受験者の約8割が選択している科目です。基礎問題が出題されることが多いので、他の科目と比べても難易度は低いです。勉強に必要な時間も少なく、合格後の業務にも知識が生かせるので、特殊なケース出ない限りは経営学で受験することをオススメします。
経済学
経済学は社会科科目のイメージを持たれがちですが、公認会計士試験では数学要素が強い科目です。
出題範囲が広い上に、微分など数学的な知識を求められる科目となっています。そのため数学が苦手という方は選択を避けた方がいい科目であると言えるでしょう。
経済学が得意、数学には自信があるという方は選択してみる価値はあるかもしれません。
民法
民法は条文が多い上に適用範囲も広いため、学習にかなりの時間が必要となります。ただ条文を覚えればいいというものでもなく、判例と合わせて条文を理解しなければなりません。
大学で法律を専攻していた方や、民法が得意という方で無い限りは選択を避けた方が無難でしょう。
統計学
統計学は勉強する範囲自体は少ないのですが、計算内容はとても高いレベルを求められています。暗記項目は少ないので、計算が得意という方は大きな武器になる科目であると言えます。
押さえてしまえばライバルに得点差をつけやすい科目ではありますが、計算ミスをしてしまうと総崩れになってしまいますのでリスクが潜んでいる科目でもあります。
公認会計士の試験科目については、以下の記事でも詳しく説明しています。
短答直前期の勉強で気を付けるべきことは?
短答直前期(試験まで2〜3週間程度)の勉強の際に意識すべきことは、主に以下の3つです。
- 今までの復習をできる限り早く回す
- 重要な暗記事項の詰め込みを行う
- 試験当日までの学習スケジュールを組む
総じて、「本番で100%の力を引き出すためにはどうすれば良いか、徹底的に考えること」が重要であると言えるでしょう。
試験当日に向けた調整の時期、だと言えるでしょう。
この時期に新しいことをインプットしようとすると、今まで蓄積してきた内容を忘れてしまう危険性があります。そのため、アウトプットによる復習主体の勉強をすると良いでしょう。
また、当然最近勉強したことの方が記憶として残りやすいので、絶対に忘れてはいけない暗記事項の復習も、忘れずに行ってください。
本番でベストパフォーマンスを出すためには、日々の勉強だけでなく、このような「調整」をしっかり行うことも必要になります。
合格までの勉強時間
公認会計士の試験科目・試験範囲がかなり膨大なものであることはご理解いただけたかと思います。
公認会計士試験を合格するために必要な勉強時間はどれくらいなのでしょうか?
一般的な必要勉強時間は4000時間
公認会計士試験を合格するために必要な勉強時間は、一般的に4000時間以上とされています。
公認会計士とよく比較される税理士の勉強時間は3000時間と言われているのでそれよりも多いことになります。
また、三大国家資格として比較されることの多い弁護士の勉強時間は6000時間ですので、それよりは簡単になっていると言えます。
勉強期間はかなり長い
公認会計士試験に合格するまでには、一般的に2年以上の勉強期間が必要です。
2年間毎日勉強すると仮定したとしても、1日の勉強時間は5時間半以上となります。
当然これ以上かかることも珍しくありませんので、長期間でかなりの学習量をこなす必要があります。よほどの覚悟を持って挑まなければならない試験であると言えます。
勉強時間は人によって変わる
必要な勉強時間について記載しましたが、勉強する環境は人それぞれ当然違います。その環境の優劣によって勉強時間は変わってくることになります。
例えば大学生であれば、サークルとアルバイトととの両立を考えながら勉強時間を組み立てていく必要があります。
社会人なら、仕事終わりか休日しか勉強時間を確保できませんので、長期戦になることを見据えて勉強スケジュールを立てていくことになります。
公認会計士試験合格までの学習期間のおおよその目安としては、大学生であれば1.5~2年、社会人であれば2~3年です。
これ以上年月をかけるようなスケジュールで勉強を進めていくのはモチベーションの維持も難しくなってきますのでオススメしません。
公認会計士合格に必要な勉強時間は以下の記事でも詳しく解説しています
独学での勉強はおすすめか?
独学合格は現実的でない
公認会計士は国家資格の中でも最難関の部類に入ります。合格までに必要な勉強時間は4,000時間と掲げている通り、数年間かけて合格を目指していく試験となります。
予備校であれば、長期的な学習計画を立てた上でカリキュラムを進めていくことができますが、独学だと学習ペースが掴めないため、試験期間が非常に長引いてしまう恐れがあります。
学習量に加えて内容面での難しさもあるので、独学だと壁にぶつかった際に理解するまでに多くの時間を費やしてしまいますので、合格にするの何年もかかってしまう可能性が高いです。
独学合格が難しい理由
公認会計士は最難関資格であると言っても過言ではありません。それを独学で目指すということは、メリットよりもデメリットの方が大きいです。独学をオススメしない理由について下記に解説していきます。
モチベーションが続かない
独学で勉強する場合は、最低でも2,3年もの間ほとんどの時間を一人で勉強していかなければなりません。予備校のようにライバルの存在を意識する機会も少ないため、刺激を受けることが少ないです。
長期間公認会計士の難解な勉強を一人で続けることは並大抵ではありません。モチベーションを保つことが出来ずに挫折していってしまうケースがほとんどです。
独学用テキストは充実していない
そもそも公認会計士は予備校や通信講座を利用して勉強するのが一般的です。そのため独学者向けの教材はどの会社もあまり力を入れておらず、質・量共に予備校に比べて非常に少なくなっています。
特に公認会計士試験の山場である論文式試験に関しては効果的な教材がほとんどありませんので、独学で合格を目指すのはほぼ不可能に近いと言えます。
内容をなかなか理解できない
公認会計士試験で学ぶ内容は非常に専門的であり、自分でテキストを読んでいてもなかなか理解できないケースが多いです。
予備校や通信講座の講義を聞けばすぐに理解できるようなことも、独学であれば自力で理解していかなければならないので、長時間苦労することも珍しくありません。分からない点が出てきても質問をすることができないので、学習が停滞してしまう恐れもあります。
公認会計士を目指す際の独学については以下の記事をご覧ください。
独学ではメンタル面が非常に重要
独学の場合は、モチベーションの維持が難しかったり、理解できない部分が出てきた際に投げ出しやすかったりと、メンタル面が原因で継続できないことが多いです。
そのため、一人でも学習継続ができるように自身のメンタルをコントロールする能力も必要になります。
「独学では継続できないかも」と少しでも不安がある方は、以下の点を実践してみると良いでしょう。
- 絶対に合格すると自分に言い聞かせる
- 勉強の目標とその期限をきっちり決める
- 合格した際に得られるものをいつでも見れるようにする
特に「資格を取得するメリットや目的」を常に意識すると、サボらず勉強を継続しやすくなります。
試験に失敗する人の勉強方法
公認会計士試験に合格するためには、間違った勉強をしないことが重要です。勉強した気になっていたり、誤った理解で進んでいってしまってはいつまでも合格を掴むことはできません。間違った勉強法についてまとめましたので、自分が陥っていないか確認してみてください。
ノートを頑張ってとる
予備校講座やテキストをノートに書き写すだけで勉強した気になっていないでしょうか?公認会計士の試験範囲は膨大ですので、いちいちノートに書き写していては終わるものも終わりません。
知識を吸収する上で重要なのはテキストを何度も読み込むことです。書き写したノートを見るよりも遥かに綺麗にまとまっていますので、ノートを作成する暇があればテキストを少しでも読み込む時間に費やしましょう。
授業を聞いただけで満足
授業を聞いただけで勉強した気になっている方も要注意です。授業は先生のレベルによってムラがある上に、自分のペースで学習することができません。さらに授業は受講しているクラスのレベルに合わせて展開されるケースがほとんどです。
本来学習とは、自分の理解のために自分のペースに合った学習を行うのが本筋です。
理解しているのであれば本来授業にでる必要は無いのです。授業に出ることが目的となっているケースが多いです。
復習を一切しない
問題・答練を解きっぱなしにしている場合も勉強しているとは言えません。記憶というものは毎日コツコツと繰り返していくことで身に着いていくものです。
一度解いただけでは、数日経った時には既に記憶から無くなってしまっている場合がほとんどです。必ず復習・反復練習を行い自分のものにしてしまいましょう。
いろいろな教材を買い込む
現在の予備校の教材で成績が伸びないからと言って、他の学校の教材に手を付けている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
いろんな教材に手を付けるよりも、一つの教材を何度もやりこんでいった方が知識は確実に身についていきます。
いろんな教材に手を出してサラッとしかこなせないようでは、結局テキストの求めているレベルにまで到達することができず中途半端に終わってしまう可能性が高くなります。
継続できない
公認会計士を目指すのであれば長時間勉強に身を捧げる覚悟が必要です。時には仕事やプライベートを犠牲にしてでも学習を継続しなければならないパターンも出てきます。
長期戦になりますので当然サボりたくなったり休憩したくなるケースも出てくるでしょうが、そうして休んでいる間にもライバルは着実に力をつけていっているということを知っておきましょう。
公認会計士試験の勉強法まとめ
公認会計士試験についてまとめ
- 合格までに必要な勉強時間は4000時間
- 予備校や通信講座を活用することで効率良く勉強できる
- 独学はモチベーション維持が難しく学習非効率
- 間違った学習方法で進めない
公認会計士試験の勉強法について解説してきました。公認会計士試験は合格までの道のりがとても長い試験です。
約4000時間を勉強に捧げる必要がありますので、それなりの覚悟を持って挑戦するようにしましょう。