公認会計士は30代から目指せる?就職・転職状況や気を付けるべき点を解説!

更新日時 2020/04/02

「30代で公認会計士への転職を目指して資格取得に挑むのは誰にでも出来ることなの?」

30代はキャリアアップを目指して転職を考える人が多い世代です。転職を考えたり何か資格を取得して仕事に活かしたいと考えている人も多いと思います。

数ある資格の中でも公認会計士は人気が高くて取得によるメリットも大きいので、転職を考える中で公認会計士資格のことが気になっている30代の方もいるのではないでしょうか?

そこで今回は30代から公認会計士を目指す場合のポイントについて解説していきます!

この記事を読めば30代から公認会計士を目指すことが可能なことや試験勉強をする際のポイントも理解できるので、公認会計士として転職を目指す上で是非活用して下さい!

30代から公認会計士への転職を目指す場合のポイントについてざっくり説明すると

  • 公認会計士の約3人に1人は30代なので30代から資格取得を目指すことは十分に可能
  • ただし合格率は全体の約11%よりも低くて30代前半は8%前後・30代後半は5%前後
  • 資格取得後の様々なメリットを考えると目指す価値が十分にあるが独学合格は難しい

公認会計士は30代からでも取得可能な資格

資格取得に向けて頑張る様子 抜群の知名度を誇る公認会計士は高い人気を誇る国家資格の1つです。30代からでも資格を取得でき、転職意識が高い20代後半や30代の人たちからの人気も高くなっています。

独占業務として財務諸表をチェックする監査業務を行う権限を持ち、財務会計に関する専門知識を活かして経営コンサルティングを行うこともできる資格です。

幅広い職務を担う公認会計士は企業から信頼される存在として社会の中で重要な役割を果たしています。

公認会計士は30.40代が最も多い

2019年12月末日時点の公認会計士の年齢構成は以下のようになっています。

年齢 人数 割合
20代以下 1,353人 4.3%
30代 10,961人 34.5%
40代 9,516人 29.9%
50代 4,857人 15.3%
60代 2,693人 8.5%
70代以上 2,406人 7.6%
合計 31,786人

[出典:日本公認会計士協会『概要/会員数』]

公認会計士のおよそ3人に1人は30代であり、実に6割以上が30代・40代です。

公認会計士試験の合格率が高かったリーマンショック時代に大量に合格した人たちが30代を迎えて、現在は上記のような年齢構成になっているものと推察できます。

また公認会計士試験は合格者の約8割を20代が占めていることも特徴の1つです。20代で試験に合格した後に実務要件を満たして30代に公認会計士になるケースも多く、30代の公認会計士が多いことの一因になっています。

30代の人はどれくらい試験に合格しているか?

公認会計士試験の合格率を年齢別に見た場合、30代前半・30代後半の直近5年間の合格率は以下のように推移しています。

30代前半の合格率の推移

年度 合格者数 合格率 論文式の合格率
2015年 159人 8.4% 26.2%
2016年 155人 8.5% 26.3%
2017年 160人 8.9% 27.8%
2018年 123人 6.8% 21.7%
2019年 142人 8.1% 25.6%

[出典:公認会計士・監査審査会『過去の試験結果等』]

30代後半の合格率の推移

年度 合格者数 合格率 論文式の合格率
2015年 77人 7.3% 24.3%
2016年 57人 5.5% 18.9%
2017年 58人 5.3% 18.5%
2018年 51人 4.4% 14.8%
2019年 58人 5.0% 16.2%

[出典:公認会計士・監査審査会『過去の試験結果等』]

公認会計士試験の合格率は全体では11%前後、論文式試験は35%前後です。それに比べると30代前半・30代後半ともに合格率は低いことが分かります。

30代の社会人が働きながら合格を目指す場合、学生のように勉強に集中できるとは限らず勉強時間を十分に確保できないケースも少なくありません

仕事と試験勉強の両立に苦しむ人も多く、そのため世代としての合格率が低くなっているものと考えられます。

またこのことは職業別の合格者数・合格率のデータにも表れていて、令和元年度試験の合格者の職業別の内訳は以下の通りです。

職業別の合格者数・合格率

職業区分 合格者数 合格率 合格者構成比
会計士補 4人 6.0% 0.3%
会計事務所員 83人 12.3% 6.2%
税理士 1人 1.9% 0.1%
会社員 83人 3.5% 6.2%
公務員 29人 7.5% 2.2%
教員 2人 5.3% 0.1%
教育・学習支援者 3人 4.7% 0.2%
学生 750人 15.0% 56.1%
専修学校・各種学校受講生 171人 12.6% 12.8%
無職 185人 9.9% 13.8%
その他 26人 4.0% 1.9%
合計 1,337人 10.7%

[出典:公認会計士・監査審査会『令和元年公認会計士試験の合格発表について』]

公認会計士試験の合格者の半数以上が学生で、専修学校の生徒等も合わせると7割近くになっています。

また勉強に集中するために仕事に就かず無職で試験合格を目指すケースも多いのが公認会計士試験です。合格者のうち無職の方の割合は1割以上になっています。

その一方で合格者の中に会社員が5%超いることも事実で、働きながら公認会計士を目指すことは十分に可能です

自分の状況を踏まえた上で適切な試験戦略を立てて勉強時間を確保すれば、30代で試験に合格して公認会計士に転職できるチャンスは誰にでもあります。

資格取得後の就職・転職先

企業面接で採用される様子 30代で転職を目指す場合、転職後のキャリアや人生計画のイメージを明確に描いた上で転職活動に臨む必要があります

公認会計士の資格取得後の就職・転職先として一体どんな業界があるのか、本当に自分に向いているのか、これらを確認しておくことが大切です。

以下では公認会計士の資格を取得した場合の主な就職・転職先を紹介していきます。公認会計士への転職を検討する際の参考にして下さい。

主な就職先は監査法人

公認会計士の資格取得後の就職先として9割の人が選ぶのが監査法人です

監査法人とは企業の財務状況をチェックする組織のことで、特に4大監査法人(トーマツ・あずさ・EY新日本・PwCあらた)は就職先として人気が高くなっています。

監査法人では役職区分が明確に分かれて昇格すると給与も上がるのが一般的で、キャリアを積む中で収入をアップできる点も魅力の1つです

企業規模によって年収額は異なりますが、例えばパートナーの平均年収は2,000万円と言われています。

公認会計士が不足している状況から今後も売り手市場が続くと予想され、難関試験を30代で突破できた場合には就職先に困るリスクは低い状況です

ただし30代後半の人は30代前半の人より就職活動で努力が必要で、前職での経験をアピールすることも重要になります。

監査法人就職で気を付けるべきこと

監査法人に30代で転職した場合、多くの若手と同じポジションからのスタートになります。基本的に前職の経験は考慮してもらえません

自分より年下からの指導も多いので、上下関係に耐えられない人であれば転職先として向かないのが監査法人です

また若いうちから時間をかけて経験を積める若手に比べると30代の人はどうしても昇格争いで厳しくなります。監査法人で昇格できないと平社員のまま過ごすことになり、収入アップも見込めなくなるので注意が必要です。

一般企業への就職も可能

公認会計士として監査法人で実務経験を積めば、その後に一般企業に転職してさらにキャリアアップを図ることができます

監査法人の側から企業の財務諸表をチェックするだけでなく、財務諸表を作成する企業側で専門知識を駆使して活躍することもできるからです。

近年では企業が大規模化して企業構造が複雑化し、会計基準など財務諸表を作成する際に様々な知識が必要になっています。

公認会計士という専門人材は企業にとって必要不可欠な存在で、資格を取得できれば就職・転職で有利になるのは間違いありません

コンサルティング業がアツい

公認会計士の仕事と親和性が高く、就職・転職先としておすすめの業界がコンサル業界です。

監査法人に勤務して企業の財務諸表を監査するだけでなく、公認会計士は財務状況が適切になるように経営コンサルや財務コンサルを企業向けに行うこともできます。

コンサル業界への転職はあまり難しくなく、収入と実力をアップさせて独立することも可能です。

対人スキルなどが問われるコンサル業は監査法人とは違った世界であり、30代で監査法人の出世ルートから外れてもコンサル業界に入って成功した事例が多く見られます

独立の選択肢も

会計・経理に関する業務はどの企業にとっても重要で、公認会計士には独占業務もあるので顧問契約を結びやすいことも資格としての特徴の1つです

独立開業した場合でも廃業リスクは他士業に比べて相対的に低くて独立しやすい資格と言えます。

さらに努力次第で高年収を狙えることも独立開業の大きな魅力です。開業公認会計士の平均年収は1,000万円以上と言われ、実力を付けると2,000万円~3,000万円といった高収入も夢ではありません。

もちろん無計画に開業しても顧客は獲得できないので、最終的に独立したい場合はキャリアプランをしっかり立てることが大切です。監査法人で実務経験を積んで一般企業で広く社会人経験を積み、経営者の気持ちを理解できて顧客に信頼される公認会計士を目指しましょう。

前職の経験を活かせる場合も

30代で転職する場合は20代の転職に比べて何かと不利になる面も多いのが実情です。

そもそもポテンシャルの評価がしづらく、公認会計士への転職自体をリスク回避的・積極性欠如としてネガティブに評価されてしまうケースも多くなります。

その一方で前職で企業経理経験があるようなケースなど、転職活動の際に前職での経験をアピールできる場合も少なくありません

30代は若手よりも早く結果を出すことが求められるだけに、新卒採用とは違った強みや能力を持つ点をアピールすることが大切です。

30代から公認会計士を目指すメリット

資格取得のメリット 公認会計士の資格を取ることで様々なメリットを得ることができ、30代の方にとっても資格取得によるメリットが非常に大きいのが公認会計士資格です

試験に合格するのは簡単ではありませんが、難易度の高さは資格としての魅力の裏返しでもあります。

以下では30代から公認会計士を目指すメリットを紹介するので、公認会計士への転職を目指して試験勉強をする際のモチベーションアップに役立てて下さい。

活力ある生活を送れる

社会人として日々の仕事に追われるだけの生活を送っていると何となく時間だけが過ぎていくことも多いはずです。

そんな中で「資格試験に合格する」という明確な目標ができると日々の意識から変わり、目標に向けて頑張る中で普段の生活が充実したものになります。

仕事や家事だけに終始して疲弊する生活から解放され、さらに仕事や社会生活の中で役立つ会計の知識が身に付く点もメリットです。

財務諸表の仕組みを知れば勤務会社のことがより詳しくなり、企業や社会全体を見る目が変わって充実した生活を送れるようになります。

年収アップの可能性も

公認会計士の平均年収は約892万円であり、日本人の平均給与額のおよそ2倍とかなり高い水準になっています。30代で公認会計士に転職することで年収を大幅にアップできる可能性がある点も魅力の1つです。

また一般の会社員以上に公認会計士の場合は就職・転職先の選択肢の幅が広く、監査法人・大企業・コンサルティング会社など様々な会社で就職して活躍できるチャンスがあります。

キャリアを積む中で年収を着実にアップさせて高収入を狙うこともでき、実力を付ければ数千万円の年収も十分に可能です。

さらに独立開業した場合の平均年収も1,000万円と非常に高く、自分の裁量・ペースで仕事ができる独立開業という選択肢も大きな魅力と言えます。

実力次第でいくらでも収入を上げることができるのが公認会計士であり、仕事としてのやり甲斐も社会的な意義もある魅力的な資格です。

長期間働くことも可能

公認会計士の資格を取得すれば一生涯有効で、定年がないので生涯に渡って働くことができる点もメリットの1つと言えるでしょう。

老後に職を失って生活に困るといった不安を減らすことができ、試験合格のために頑張った努力が生涯に渡って効果を発揮します。

公認会計士への転職は30代までにすべき理由

転職による人生の成功 転職を志す理由は人それぞれですし、転職しても成功できる保証はないので実際には勇気を出せずに踏み出せない人も多いはずです。

特に20代とは違って30代では結婚して家庭を持っている場合も多いので転職の決断は決して簡単ではありません。

しかし30代というのは転職できる最後のチャンスであることも事実です。40代になってしまうと管理職世代としての傾向が強まり、新たな職場でイチからチャレンジするのはどうしても難しくなります。

例えば転職者比率(就業者数に占める転職者の割合)は年齢が上がるほど下がり、25~34歳では7.8、35~44歳では4.7、45~54歳では3.6です。

30代の転職は年齢が上がるほど難しくなるので1年でも早く行動に移す決断力が求められます。[出典:労働力調査(2019)]

そして実際に転職活動をする際には目指す業界に関する正しい知識や情報を得た上で行動に移すことが大切です。資格Timesで掲載している様々な記事が役立つので、公認会計士への転職を目指す場合には是非活用して下さい。

働きながらの試験対策法

試験勉強をする様子 公認会計士の試験は難易度がかなり高く、働きながら勉強して資格取得を目指す社会人の場合には相当な努力が必要です

非効率な勉強をして時間を無駄にしないためにも、試験対策を進める上で意識すべきポイントを押さえた上で学習を進めることが重要になります。

30代で合格して公認会計士になっている方は実際にいるので転職は十分に可能ですが、資格の取得を目指す上では以下で紹介する点も踏まえて勉強に取り組むようにして下さい。

試験の難易度は高い

公認会計士は様々な資格の中でも難易度が高い部類に属し、令和元年度試験の合格率は10.7%でした。約10人に1人しか受からないので生半可な努力では合格できません。

さらに令和元年度試験の年齢層ごとの合格率は以下の通りで、30代の合格率は全体平均の10.7%よりも低くなっています。

30代で転職を目指して公認会計士試験にチャレンジする場合には高い壁がある現実をまずは認識しなければいけません。

年齢区分 合格率
20歳以上25歳未満 15.3%
25歳以上30歳未満 11.6%
30歳以上35歳未満 8.1%
35歳以上40歳未満 5.0%
40歳以上45歳未満 3.4%

出典:公認会計士・監査審査会『令和元年公認会計士試験の合格発表について』

公認会計士の試験に合格するために必要な勉強時間は一般的に4,000時間程と言われる中、働きながら合格を目指す社会人の場合には勉強時間を確保することが難しく、そのことが高い壁となって合格率の低さに表れていると言えます。

また公認会計士の試験は出題範囲が膨大で、得点が40%を下回る科目が1つでもあると不合格になる仕組みです。

満遍なく全ての範囲を漏れなく勉強しなければならず、時間が限られる社会人にとっては試験の難易度を上げている要因の1つとなっています。

普段の仕事も抱えながら合格を目指す際には、平日のスキマ時間や休日など限られた時間をフル活用して勉強時間を積み上げて集中して学習を進めることが大切です。

独学は相当厳しい選択

働きながら公認会計士試験の合格を目指す社会人の場合には独学でチャレンジする人もいますが、公認会計士試験に独学合格するのは決して簡単ではありません。

そもそも公認会計士は数年計画で学習スケジュールを立てて臨むことが多く、予備校でプロの講師の指導を受けて合格を目指すのが一般的です

分量が多いので独学では学習のペースやコツを掴むことが難しく、不合格を繰り返して寧ろ時間がかかる可能性があります。

また内容自体が財務会計という難しい分野である点にも注意が必要です。独学だと理解するまでに時間がかかるケースも多く、時間を無駄にしたり先延ばしにすることができない30代の場合には時間がかかる中で途中で挫折するリスクもあります。

30代のうちに確実に試験に合格して公認会計士への転職を達成するためにも、予備校や通信講座を利用して正しいカリキュラムで効率的に勉強するのがおすすめです。

まずは勉強法を理解しよう!

公認会計士の独学は試験範囲が広いこと・勉強期間が長いことが主な要因となって非効率な勉強を繰り返す可能性が非常に高いです。

これだといくら勉強しても実力が身につかず、かけた時間も無駄になってしまいます。

そこで独学者におすすめなのが資格のプロたちが考案した学習計画を理解したうえで勉強することです。

資格の学校クレアールでは、長年の指導で打ちだされた公認会計士試験の勉強法がまとまった書籍「非常識合格法」を無料でプレゼントしています!

この本を読むことで独学者でも効果的に実力を伸ばすことができます。無料で手に入れられるのは先着100名様までなので、勉強法に悩んでいる人はぜひ低楡ておきましょう!

30代から公認会計士を目指す場合のポイントまとめ

30代から公認会計士を目指す場合のポイントまとめ

  • 公認会計士試験の合格者の半分以上は学生だが会社員で合格している人も一定数いる
  • 公認会計士のおよそ3人に1人は30代であり30代からの転職も十分に可能である
  • 試験は非常に難しいので働きながら合格を目指す場合は予備校や通信講座がおすすめ

今回は30代から公認会計士への転職を目指す場合のポイントについて紹介しました!

公認会計士の試験は難易度が高くて決して簡単ではありませんが、資格としての魅力や取得後のメリットを考えれば転職を目指す方におすすめの資格です!

就職・転職先も豊富な公認会計士の資格取得を是非検討してみて下さい!