公認会計士の将来性はAIに脅かされている?今後の需要やIT化の影響を徹底考察!

更新日時 2020/04/01

「公認会計士の仕事って将来AIによってなくなるの?」

「公認会計士の仕事の中でAIに代替されない仕事ってあるの?」

今後、今ある仕事の約半数がAIによって消滅するといわれている中で、公認会計士の業界においてもこのような不安を抱えている方がいらっしゃるかと思います。

そこで、この記事では公認会計士の仕事内容やAIの代替可能性、将来性について幅広く紹介します!

これを読めば、公認会計士についての基本知識を身につけられるのはもちろん、なった後の将来図を描けるようになるでしょう!

公認会計士の将来性をざっくり説明すると

  • 公認会計士は企業にとって必要不可欠な存在で、今後も需要は高まっていく
  • 公認会計士の仕事がAIに完全に取って代わられることはない
  • 公認会計士は将来の選択肢が豊富

AIの影響による公認会計士の将来性

スパコン

AIの進化は、将来様々な仕事に影響を及ぼすと考えられています。

ここでは、AIの進化と公認会計士の仕事の関係性について考察していきます。

公認会計士の未来は保証されている?

昔は士業といえば安心・安泰というイメージがありました。しかし、今は公認会計士であることだけで高収入が確実に保障されているわけではありません。

そもそも公認会計士の仕事は、債権や債務の残高確認といった定型業務と、経営者とのコミュニケーションといった非定型業務があります。この中で、定型業務はAIなどに代替されやすいと言われています。

その一方で、監査業務に関する専門家による相談業務やアドバイスは必要であるため、非定型業務はAIに代替することができず、公認会計士の仕事はほぼ確実に残るといえるでしょう。

公認会計士は企業から頼られる存在

公認会計士は財務諸表の監査やコンサルティングなど会計業務を多岐に渡って行っており、様々な場面で高い信頼を集めています。

マネジメントクラブの調査によると、経営者・自営業者が会社経営について相談できる相手として最も多くあげられたのが税理士・会計士であり、企業が問題を抱えている時に役立つ存在となっています。

企業が人によって運営される限り、こうした相談相手は必要不可欠です。公認会計士の専門知識は、人と人とのコミュニケーションを軸とする仕事にも活かされており、今後も公認会計士の需要は高いと考えられています。

AIによって会計士の仕事は奪われるのか?

将来、多くの職業がAIに取って代わられると言われており、公認会計士もその1つではないかという意見があります。それは、本当なのでしょうか。

AIの代替可能性が高い業務

近年、財務諸表の分析といった単純な作業がAIに任せられることが多くなっており、AIによって公認会計士の仕事が失われてしまうのではないかと話題になっています。

公認会計士の仕事の中でも、簡単な仕分け入力作業や複雑な税金の計算といった定型業務はAIに取って代わられるとみられています。

なぜなら、AIはルールで定められた作業や大量のデータの処理、複雑な計算を短時間で行うことに長けているからです。

また、企業の業務が全般的にITによって電子化されていることもあり、会計監査の際にAIが利用しやすくなっています。

さらに、近年企業の不正会計が問題となっていますが、AIは不正会計の調査にも利用されることが期待されています。

不正会計の調査を行う際、企業の会計データや販売管理データを幅広く調べることが必要ですが、実際には人員不足や人件費の高騰によって厳しくなっています。

そのような場合、AIを活用することで人員や費用を抑えて不正会計の調査を行うことが可能になります。

AIの代替可能性が低い業務

公認会計士の仕事は上記のような単純作業ばかりではありません。

専門知識に基づいて、顧客と話し合いを重ねながら会計や監査が妥当かどうかを判断したり、企業の特色を踏まえて柔軟なアドバイスを行ったりするなど、機械で代替することが難しい業務も多く存在しています。

さらに、AIは常識に基づいて直感的に判断することや、文脈の因果関係から判断することが苦手であり、こうしたことは監査業務において不利になります。

また公認会計士は、長年の経験から財務諸表の誤りに気づくこともありますが、そうしたことは自己学習が苦手なAIにとって難しくなっています

こうしたことから、公認会計士の仕事が完全にAIに代替されることはないと言えます。

IT化で仕事の幅は広がる

AIといったデジタルテクノロジーは、人間の仕事を奪うというイメージが強いですが、決してそうではありません。こうした技術はこれまでの仕事を効率化し、仕事にさらなる可能性を与えてくれるのです。

公認会計士においても、テクノロジーによって単純作業を行う手間が減ることで、顧客に寄り添ったより質の高いコンサルティングや、多種多様な会計管理システムの立案などができるようになります。

テクノロジーを恐れて避けるのではなく、今後はそうした最新技術を常に取り入れて業務の幅を広げることで、他の公認会計士との差別化を図ることも大切になっていきます。

公認会計士の仕事って何をするの?

グラフ

公認会計士は非常に有名な士業であり、会社の経営には必要不可欠な存在です。さらに近年は、グローバル化の進展により、国内外を問わず活躍の幅が広がっています。

公認会計士の独占業務で可能なこと

独占業務とは、資格を保持していないと行うことができない業務のことです。公認会計士には大きく2つの独占業務があり、これらの存在が公認会計士の需要の高さを支えています。

監査業務

公認会計士の主な独占業務は、監査業務です。監査業務とは、企業の財務諸表が適切に作成されているか、第三者の立場でチェックし意見を表明する仕事のことです。

財務諸表は、金融機関や投資家といった利害関係者の取引に関する意思決定に大きく影響しています。そのため、公認会計士の監査によって財務諸表の信頼性を保証することは、企業にとって非常に重要なのです。

財務諸表の信頼性は、企業だけでなく経済全体にとっても重要です。財務諸表に虚偽の掲載がある、つまり粉飾決算が頻繁に行われれば、金融機関や投資家がお金を出すことを躊躇するようになります。

そうなると、企業にお金がまわらなくなり経済が停滞してしまいます。このことから、会計士は経済活動全体を支えているといえるのです。

税務業務

また、税務業務も公認会計士の独占業務とされています。税務業務は本来、税理士の独占業務ですが、公認会計士試験の科目に租税法が含まれているといった理由から、公認会計士は税理士として登録することができます。

税務業務の主な内容は、税金申告の代理や税務書類の作成、税務に関する相談などです。

税法は非常に複雑であるため、特に個人事業主や中小企業にとって適切な申告・納税を行うことが難しい場合があります。その際に公認会計士が税務業務を行うことで、企業はぬかりなく申告・納税を行うことができます。

また、節税したいという個人や企業は多いため、専門知識を用いて節税のアドバイスを行うことができる公認会計士・税理士の需要は高くなっています。

注目を集めているコンサルティング業務

AIに代替される可能性が低い業務の代表例として、経営コンサルタントとしての業務があげられます。

経営コンサルタントとは、クライアントがビジネスで抱えている問題に対して、会計や法律の知識を活用して解決策を提案し、実行を支援する仕事です。

クライアントと話し合いを重ね、会社の実情に沿った解決案を提示することから、業務が毎回創造的になります。そのため、定型業務を主に行うAIでは代替することが極めて難しいのです。

実際に、会計・監査の専門家である公認会計士にコンサルティングを求める企業は多く、非常に需要のある仕事です。

一方でコンサルティング業務を行うには、既存の公認会計士としての専門知識の他に、幅広い分野の専門知識や、観察力や問題解決能力、コミュニケーション能力などの人間性も必要になってきます。

日頃から意識して様々な能力を身につけることが必要なのです。

グローバル化と公認会計士

企業の海外進出の増加に伴い、証券制度や会計基準の国際化が進んでいます。海外で公認会計士が活躍できる機会は増えており、現地の事情に適応できる柔軟性や高い専門性を持った公認会計士が求められています。

また、公認会計士の中には、国の会計インフラや公認会計士制度の整備を支援している人もいます。これらは経済活動を根底から支えるものであり、こういった支援は途上国の経済発展に貢献すると考えられています。

公認会計士の今後の需要は?

働く2人の女性

公認会計士の需要は現在も非常に高いですが、今後さらに高まっていくと予想されています。

好景気による売り手市場

現在、公認会計士は好景気を背景とした売り手市場であり、就職がしやすくなっています。

理由としては主に、監査報酬の値上げや、コンサルティング業務といった非監査業務の受注増加が挙げられます。

さらに近年、上場直後の不祥事発覚が相次いだため、監査業務が厳格化されました。その結果、公認会計士の業務が増え、大手監査法人は人手不足となっています

公認会計士の業務自体は景気の影響を受けにくいですが、監査法人に就職または転職するとなると、景気の影響を受けやすくなります。

2021年の東京オリンピック開催により、景気は上昇すると考えられていますが、その後好景気が続くかどうかはわかりません。

ですから、コミュニケーション能力や幅広い分野の知識を兼ね備えることで、他と比べて需要の高い公認会計士になることが必要です。

ベンチャー企業での活躍も

公認会計士の最も主な就職先は、大手監査法人です。しかし近年、公認会計士としてベンチャー企業へ就職、または監査法人で経験を積んだ後に転職することの人気が高まっています。

ベンチャー企業では財務に関する高度な専門知識を有している会計人材が乏しいため、会計や監査のプロフェッショナルである公認会計士の需要が非常に高まっています。

そしてベンチャー業界の拡大に伴い、ベンチャーの財務を取り仕切る公認会計士の需要は今後更に高まると予想されています。

また公認会計士にとっても、ベンチャー企業のほうが業務の幅が増えるといったメリットがあります。

ただし激務になりやすい、倒産する可能性が普通の企業より高いため不安定である、などといったデメリットもあり、注意が必要です。

開業のキャリアも将来性十分

監査法人で経験を積んだ後のキャリアの王道が、独立開業です。

開業するということは、自身でビジネスを行うことでもあるため、他の公認会計士と差別化を図ることや、営業によって顧客を獲得することが必要になってきます。また独立によって、自身に伴う責任も大きくなります。

しかし、実力次第では高い収入を得られる可能性があり、将来性は高いです。

例えば、開業した公認会計士の平均年収は1000万円以上と言われており、さらに成功すれば、2000~3000万円以上の超高年収も可能です。

ただし、開業公認会計士の年収は個人の能力に依存してしまうため、ばらつきが大きくなってしまいます。

公認会計士を目指したほうがいいの?

紙とペン

ここまで、公認会計士の仕事内容や将来性について説明してきましたが、公認会計士は目指す意味があるのでしょうか。メリット・デメリットを踏まえて考察していきます。

公認会計士のメリット

公認会計士の資格を取得するメリットは非常に多いです。

例えば、年収が高く、現在売り手市場であるため、就職・転職もしやすくなっています。

また、将来の選択肢も豊富です。大手監査法人に就職することもあれば、一般企業に就職・転職したり、独立開業したりすることもあります。

独立開業となると一般的にリスクは大きいですが、公認会計士の場合需要が高いため、独立に失敗したとしても、監査法人や他の企業に再就職することが可能です。

こうした理由から、公認会計士は将来性が非常に高い仕事といえます。

AIの進展によって、公認会計士は「仕事がなくなる」「消える」といった噂が出ていますが、惑わされてはいけません。

監査などの定型業務はAIに取って代わられると考えられていますが、コンサルティングや相談業務といった非定型業務は、今後も専門性と人間性を兼ね揃えた公認会計士の存在が必要不可欠となっています。

公認会計士のデメリット

このように多くの魅力がある公認会計士ですが、公認会計士試験の合格率はわずか10%程度と、その難易度は非常に高く、資格取得までにかなり大変な勉強を長期間行わなければなりません。

さらに資格取得後も、継続的専門研修制度(CPE) が存在しています。これは、研修への参加や自己学習によって、決められた期間に決められた数の単位をとらなければならないという制度です。

この義務を怠り続けると、氏名などの公表、監査業務の辞退勧告などの厳しい措置がとられます。

つまり、公認会計士になった後も、勉強を続けなければならないのです。自分が本当に続けられるかをよく考えた上で、公認会計士試験にチャレンジするかどうか決めるべきです。

結局目指すべきなのか

公認会計士はメリットとデメリットの両方がありますが、高い需要と将来性を考慮すると、目指すべきであるといえます。

確かに公認会計士になるため、そしてなった後の勉強は大変ですが、経済活動を根底から支えたり、経営コンサルティングによって企業の利益拡大に貢献したりすることで、大きなやりがいを感じられる仕事です。

よって、公認会計士を目指す意義は大いにあるといえます。

公認会計士の将来性まとめ

公認会計士の将来性まとめ

  • 公認会計士には独占業務があり、企業の相談相手としても需要が高い
  • 公認会計士の非定型業務はAIの代替可能性が低い
  • 公認会計士は売り手市場であり、将来性が非常に高い

ここまで、公認会計士の将来性について解説してきました。

公認会計士は需要と将来性が非常に高く、目指すべき職業といえます。

ですが、単純作業をAIが代替していく中で今後も活躍を続けるには、高い専門性やコミュニケーション能力で他の会計士と差別化を図っていくことが必要です。

公認会計士の資格取得について前向きに検討してみてはいかがでしょうか!