米国税理士(EA)ってどんな資格?難易度や日本での求人・年収まで解説!
「米国税理士ってどんな仕事だろう?」
「資格を取るとどんなメリットがあるのか?」
この記事を読まれている方はきっと上記の疑問をお持ちの方なのではないでしょうか?
米国税理士(EA)とは米国国家資格の税理士です。日本の税理士と米国税理士でできることの違い、米国税理士の資格を取得するメリットについて気になる方も多いと思います。
この記事では、米国税理士について詳しく解説するとともに、試験難易度や取得メリットについて解説していきます。米国税理士に興味がある方は是非ご一読ください!
EAについてざっくり説明すると
- 米国内国歳入庁(IRS)から認可を受けた税理士
- 在日米国人の税務業務を対応できたり、海外で事務所開業できるため、業務範囲が広がる
- 平均年収は800~1000万円と高水準
- EA保有者はまだまだ少ないのでビジネスチャンスあり
米国税理士(EA)って何?
EAとは米国の内国歳入庁(IRS)から認可を受けた税理士で米国の国家資格のことを指します。
EAを取得することができれば、米国で税務の申告業務を行うことができるようになります。
在日米国人の税務業務を受けることができたり、米国で税理士として開業することもできるので、業務範囲を拡大することができます。
現在のステータス及びキャリアアップを図り資格取得をする人が多いです。
日本の税理士やUSCPA(米国公認会計士)との違いは何?
日本の税理士と米国税理士の違いとしては、受験資格です。日本の税理士試験では学歴や職歴など様々な条件が必要となりますが、米国税理士は18歳以上であれば誰でも受験することができます。
米国税理士試験は日本の税理士試験と比較すると試験難易度も低いです。
USCPA(米国公認会計士)とEA(米国税理士)の違いは、試験を運営している組織にあります。
USCPAは各州が認定する試験になりますので、合格した州でしか業務を行うことができませんが、EAは内国歳入庁(IRS)が認定する試験ですので、合格できれば米国全土で税務業務を行うことができます。
USCPAについてより詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
日本でEAは活躍できる?
日本国内で米国税理士の資格を取得して果たしてどれだけの需要があるのでしょうか?
ここでは米国税理士の業務、求人や年収について解説していきます。
日米をまたいで税務業務に従事できる
米国税理士の資格を取得することができれば、以下の内容まで業務範囲を拡大することが可能です。
米国税理士の業務例
- 日本企業の海外投資及び海外進出に関わる税務業務
- 米国企業の対日投資及び日本進出に伴う二国間にまたがる税務業務
- 在日米国人の米国への納税申告関連業務
- 在米日本人の米国への納税申告関連業務
- 二国間税務コンサルティング業務
近年日米間のビジネスはますます活発になりつつあり、企業や個人の交流も盛んに行われています。それに伴い、両国間での税務問題も増加傾向にあります。
EAは知名度も低く資格保持が難しいこともあり、日本のEA資格保有者はまだまだ少なく、実際に活動できているEAも多くはないのが現状です。
EAの求人と年収は?
求人の内容を確認していると、EAとして雇用される場合の平均年収としては約800〜1000万クラスと一般的に比較してもかなり高水準なケースが多いです。
ですが有名な監査法人などハイレベルな企業の求人が多いので、資格以外に実務経験などの要素も重視されることが多いです。
EAの魅力や資格習得のメリットとは
EAの資格を取得するとどのようなメリットがあるのでしょうか?
ここではEA資格のメリットや取得を狙うのにオススメの方について解説していきます。
EA資格取得のメリットは?
外資系企業への就職・転職に有利
米国税理士は税務知識・英語力スキルの証明になりますので、外資系企業にとっては重宝されます。
まだまだ認知度の低い資格ですので、取得できればライバルとの差別化を図ることも十分狙うことができます。
英語力の証明
米国税理士試験は英語での受験になります。税務業務について英語で理解する必要がありますので、資格を取得できれば一定の英語力があるということが証明できます。
米国全土で活かせる資格
米国税理士は米国国家資格になりますので、合格すれば米国全土どこでも働くことがきます。
海外で税理士として働きたいとお考えの方にとっては魅力的な選択肢となります。
在日米国人の税務業務ができる
在日米国人は、母国の米国に対して税務申告を行わなければなりません。米国への税務業務は米国税理士の資格がないとできないため、資格を取得していると希少性が高まります。
EAはこんな人にオススメ!
就職活動を控えた大学生
米国税理士は国際資格であり、税務の知識と英語力をアピールすることができるため、企業側から即戦力とみなされます。
結果として、採用活動を有利に進めることができるのです。
米国での税務及び経営コンサルに興味がある方
ゆくゆくは世界で活躍するビジネスマンになりたいという人は米国税理士の資格取得をオススメします。
国同士の税務問題の需要が増加している中、英語力と税務知識のスキルを兼ね備えた人はまだまだ少ないのが現状です。米国税理士の資格はまさにその証明となります。
EA資格の合格率・難易度
米国での合格率は約69%で難易度はさほど高くない
米国内における各資格の合格率について表にまとめてみました。
資格名 | 合格率 |
---|---|
EA(米国税理士)試験 | 69% |
CPA(米国公認会計士)試験 | 48% |
CMA(米国公認管理会計士)試験 | 45% |
CIA(米国中央情報局)試験 | 40% |
米国でのEA試験は合格率69%とCPA試験と比較しても20%ほど高くなっています。内容はほぼ選択問題で、勉強期間も半年~1年あれば合格できると言われています。
非英語圏の人間であっても難易度はCPAなどと比べると低いと言えます。
EA試験の受験資格は?
日本の税理士になろうとした場合、まず税理士試験を突破する必要があります。
税理士試験は税務の知識はもちろんですが、そもそもの受験資格として学歴などが求められるため、まずこれを満たすことがなかなかのハードルであると言えます。
一方でEA資格の国家試験は受験資格が「18歳以上」という年齢による制限のみであり、18歳以上であれば誰でもチャレンジできる試験となっています。
誰でも気軽に受験できるという間口の広さに加えて、この高い合格率ですから、EA試験の難易度がいかに易しいかが伺えると思います。
EAの試験内容
EA試験の試験科目は3科目で構成されています。日本国内でも受験可能で、どの科目から受験しても問題ありません。
試験科目 | 内容 |
---|---|
Part 1 | Individuals(連邦個人所得税法および連邦贈与税法・相続税法) |
Part 2 | Businesses(事業関連の連邦税法) |
Part 3 | Representation, Practices and Procedures(税務代理業務および諸手続き) |
各科目100問ずつ全問4肢選択式(英語)で出題され、試験時間は各科目3.5時間となっています。
コンピュータ試験のため、合否結果は試験終了時に分かります。
EAにも科目合格制度が存在
EA試験では、日本の税理士試験と同じように科目合格制度を採用しています。3科目合格して晴れて米国税理士となることができます。
注意しておきたいのが、日本の税理士試験では科目合格が生涯有効なのに対し、EAでは科目合格の有効期間は2年までと設定されています。
つまり、2年以内のうちに全科目を合格する必要があります。
EAに高度な英語力は必要ない?
EA試験は英語で行われるため、どれくらいの英語力があればいいか気になる人も多いと思います。
英語力の指標目安としてTOEIC600点程度の英語力があれば十分対応することができると言われています。
リーディングスキルのみを問われるため、高校生レベルの文章が読めて専門英単語をしっかり覚えておけば対応可能です。
EA資格を取得してライバルに差をつけよう!
EAについてまとめ
- EAは英語力と税務知識をアピールできる国際資格
- ビジネスチャンスが多く、就職や転職にも有利
- 受験資格や試験も比較的容易
EAについて解説しました!
日米間の税務問題が増加している中、EA資格者はまだまだ少ないのが現状です。つまりEA資格を取得できれば、それだけ多くのビジネスチャンスをつかむ可能性が広がるということになります。
税理士として業務範囲を拡大したい方、外資系企業への就職・転職を検討している方はEAの資格取得を検討されてみてはいかがでしょうか?