宅建に登録しないのはアリ?合格後の流れと注意点を解説!
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宅建士
関口秀人
「宅建士に合格したけれど、登録していない人でも履歴書に宅建士と書けるの?」
そんな疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか?
宅建士の試験に合格したものの、登録が面倒に感じてしまったり金銭的な面を考えて高いと感じている方もいるかと思います。
この記事では、宅建士合格後の流れや登録についてあらゆる面から詳しく解説していきます。
読み終わった頃には合格後の動きについて完璧に理解し、登録すべきか否かが分かるはずです!
宅建士の登録についてざっくり説明すると
- 登録しない人は意外と多い
- しかし必ず登録すべきケースも存在する
- 登録する際いくつか注意点がある
宅建の登録をしない人も多い
まず、宅建士試験に合格するだけでは宅建士として名乗ることはできません。
合格後に登録をすることで初めて宅建士であることを名乗ったり、名刺などに宅建士であることを記載できます。
しかし、試験には合格したけど登録をしない人も多いのが実情です。
登録にはトータルで40,000円から70,000円ほどかかるため、不動産業界に従事していない人は急いで登録する必要はありません。
宅建士として登録するのにかかる費用は実務経験の有無や、試験合格してから1年以上かどうかなどその人の状況によって変わってくるのです。
それでも、宅建士証は5年に1度更新する必要もあり(更新料15,500円)、非常に維持コストがかかる資格なのです。
宅建士として従事しない場合
宅建士として活動しないのであれば、登録していなくても業務に支障が出ることはありません。
むしろ登録にあたっての費用や手間を考えると登録しない方が良いケースもあります。
ただし、登録が済んでいる方は就職や転職市場において即戦力とみなしてもらえるでしょう。
宅建士の登録は1~2ヶ月ほどかかるため、入社してから登録の手続きをすると空白期間ができてしまうため、即戦力が必要とされていることも多いです。
登録していなくても履歴書に書けるの?
宅地建物取引主任士を名乗ることはできませんが、「宅地建物取引士試験 合格」と書くことはできます。
宅建士の資格は国家資格で認知度もあるため、資格試験合格だけで十分アピール出来る場合も多く、履歴書に書く事で不動産業界や金融業界では就職活動を有利に進めることができるでしょう。
後から登録することは出来る?
宅建士試験の合格は生涯有効です。
そのため、必要に応じて手続きをすればいつでも好きなタイミングで登録することができます。
ただし宅建士証の交付を受ける際は、合格後に1年以上経過していると「法廷講習」を受講しなければなりません。
また、登録には合格証書が必要なので必ず忘れないところに保管しておきましょう。
万が一無くしてしまった場合、救済措置として合格証書の代わりに合格証明書を発行してもらえるので、そちらで手続きをすることができます。
登録をしない場合の注意点
合格から数年後に登録するとき
登録する場合は実務経験2年以上が必要なので、足りない場合は、宅建登録実務講習を受ける必要があります。
実務講習の受講後に修了証が発行されますが、この講習により実務経験2年以上と同等の資格を有していることになるのです。
登録後、宅地建物取引士証の発行が完了すると宅建士として名乗れます。宅建試験合格に登録しただけでは、すぐに宅建士と名乗ることはできないので注意してください。
宅地建物取引士証の発行は協会に申請し、法定講習を受講する必要があります。
資格手当への影響
会社によっては宅建士を持っていることで、資格手当が支給される場合があります。
会社の規則によりますが、登録が済んでいて、「宅地建物取引主任士」として名乗れる状態でないと資格手当が支給されない場合があるので注意が必要です。
単に合格しているだけで資格手当はもらえない可能性があるため、会社に詳しく確認するようにしましょう。
宅建士の資格手当についてより詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
宅建の登録をした方が良い場合
宅地建物取引業法という法律において、不動産業を営む際には事務所に5人に1人の割合で、宅建士を置いておくことが定められています。
そのため、不動産業に従事するのであれば確実に登録を済ませておいた方が良いでしょう。
宅建士は不動産業界においてだけではなく、金融業界や保険業界でも役立つ資格です。
なので不動産業でなくても、例えば銀行員のような関連業界においても登録して名刺に書くことによって顧客からの信頼を得る効果が期待できます。
登録に当たって数万円の費用はかかりますが、会社が負担してくれるケースもあるので登録する価値は十分にあります。
宅建士登録の流れ
資格登録要件
資格登録をするためには、次の3つの要件を満たさなければなりません。
- 宅建士資格試験に合格した
- 実務経験が2年以上ある
- 登録の欠格要件に該当しない
宅建士資格試験に合格しただけでは、資格登録できないため特に実務経験が2年以上必要な点には注意が必要です。
登録実務講習
実務経験2年以上の要件を満たせない方は、登録実務講習を受けなければなりません。(2年以上の実務経験がある場合、登録実務講習を受ける必要はありません)
講習の申込をすると、通信講座の教材が送られてきますので、演習問題などに目を通しましょう。
通信講座終了後、2日間の講習会(スクリーニング)があります。
スクリーニング会場にて、物件調査の手法を学び、重要事項説明書や契約書を実際に作成しながら学びます。
2日目には修了試験があり、80%以上の正解で合格となります。
なお、修了試験の合格率は99%で、よほどのことがない限り不合格にはなりません。
登録実務講習の修了証は、通信講座を受講し、2日間の演習(スクーリング)を受講し、修了試験に合格することで交付されます。
ちなみに、登録実務講習の費用は実施機関により異なりますが、2万円前後のところが多いようです。
登録実務講習についてより詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
宅建士の登録まとめ
宅建士の登録まとめ
- 登録していない人も多い
- 手順をしっかり踏めば比較的自分の好きなタイミングで登録出来る!
- 自己投資として登録する価値も十分にある
宅建士の登録について様々な側面から解説してきました!
ご自身の状況を考えて、是非今すぐ登録すべきか否か検討してみてはいかがでしょうか。