宅建の登録実務講習の内容は?実施日程やおすすめ教育機関を紹介!
更新
この記事は専門家に監修されています
宅建士
関口秀人
宅建士試験に合格できても、人によってはすぐに宅建士の資格登録ができるというわけではありません。
宅建業務の経験が少ない方の場合は、宅建士の資格を登録する前に「登録実務講習」を受講し、修了する必要があります。
しかし、登録実務講習についてよく知らないという人や、講習を実施している講習機関やスクールが非常に多く、どこで受ければいいかわからない・・・ と迷っている方もいるのではないでしょうか?
この記事では、登録実務講習とはどのようなものなのか、また、登録実務講習を受けるのにおすすめの講習機関を解説、紹介していきます!
宅建の登録実務講習をざっくり説明すると
- 登録実務講習の基本的な内容は実施機関によらず同じである
- 講習内容は「通信教育」「スクーリング」「修了試験」の3つである
- 修了試験の難易度は低く、合格率は9割を超えているので落ちることは滅多にない
- 講習機関は「アクセス」「日程」「安さ」の3つの要素を考慮して選ぶのがおすすめ
このページにはプロモーションが含まれています
宅建の登録実務講習ってなに?
宅建士試験に合格したとしても、全ての人がすぐに宅建士として資格を登録できるというわけではありません。
宅建士試験に合格した人の中でも、宅建業の実務経験が2年以上ある人であれば、そのまま資格の登録申請に進むことができます。
しかし、宅建業の実務経験がない、もしくは2年未満という人は、「登録実務講習」を受講し、修了・合格しなければ、宅建士の資格登録をすることができません。
登録実務講習とは、国土交通大臣の登録を受けた法廷講習であり、多くの機関で講習が実施されています。
この登録実務講習を受けることにより、宅建業の実務経験が2年に満たない人でも、「2年以上の実務経験を有する者と同等以上の能力を有する者」として認められます。
登録実務講習の内容
登録実務講習は法定講習であるため、どの講習機関で受講しても内容はほぼ同じです。
登録実務講習の流れとしては、各講習機関の通信講座を1か月ほど受講したのち、2日間スクールへ通って演習と修了試験を行い(スクーリング)、これに合格することで登録実務講習は修了となります。
登録実務講習で扱われる科目と時間数の内訳は、「宅地建物取引士制度に関する制度」が1時間、「宅地または建物の取引実務に関する科目」が37時間、「取引実務の演習に関する科目」が12時間で、合計50時間となっています。
登録実務講習の流れ
-
通信講座(1か月間)
-
スクーリング・演習(2日間、計12時間)
-
修了試験(演習の後1時間)
-
合格・修了証発行
実施日程
登録実務講習の実施日程は、講習機関によって異なります。
各機関でそれぞれ年に複数回実施していることが多いですが、1~2月がピークとなり、春以降になると講習を行う機関はぐっと減ってしまいます。
あまり規模が大きくない講習機関では、1~2月にしか実施しないというところもあります。
1~2月の年度末は忙しくて講習を受けるのが難しい…という人も多いでしょう。
しかし、LEC東京リーガルマインドのような大規模な講習機関では、年間を通して講習を実施しているところもあります。
このような大手の講習機関を利用すれば、時期を問わず登録実務講習を受講することができます。
ただし、登録実務講習を修了するためには2日間のスクーリングが必須です。
地方に住んでいる方は、受講したい機関のスクールが近場になく、通うことができない…という場合もあり、選択肢が限られてしまうかもしれません。
実務講習の難易度と合格率
登録実務講習の最後に修了試験を1時間行い、これに合格することで講習は修了となります。
この修了試験については、合格率は90%と高い数字であり、難易度としては難しくはありません。実際、登録実務講習に落ちたという人を見かけることは殆どないでしょう。
残りの10%の落ちてしまう人は、何らかの理由で試験が受けられなくなった人や、宅建士試験に合格してから講習を受けるまでに時間が空きすぎて、知識をほとんど忘れてしまったという人が大半を占めています。
登録実務講習の修了試験は、宅建士試験とは異なり受験者を落とすような複雑な問題には作られておらず、講習を受けた人に合格させるための試験になっています。
つまり、講習をしっかり受け、適切な知識を身につけさえすれば、誰でも必ず合格できます。
ただし、登録実務講習の修了試験でもマークミスが原因で落ちてしまったという前例があるそうです。簡単な試験とはいえ見直しは必ず行いましょう。
登録実務講習を受講するメリット
登録実務講習を受講することで、宅建業の実務経験がなくても資格登録ができるということは非常に大きな利点となりますが、その他にも多くのメリットがあります。
この項では、実際に登録実務講習を受講した方々の意見を参考に、どのようなメリットがあるのかを解説していきます。
不動産勤務に活きる経験が得られる
登録実務講習は、宅建業務をシミュレートし、実践を踏まえた講義内容になっています。
そのため、実際に宅建士として宅建業務に携わった時に、登録実務講習で学んだ知識はとても重宝します。
特に、社会人になりたてであまり実務経験がないという方にとっては、登録実務講習で学ぶことが非常にありがたい機会となったという人も多いようです。
より実践を踏まえた講義内容
宅建士試験は難易度が高く、暗記物も多いため、「とにかく知識を暗記して詰め込む」というような学習方法をしていたという方も多くいらっしゃるかもしれません。
しかし登録実務講習は、ただ暗記するだけというものではなく、実際の宅建業務で必要な知識を身につけるための講習です。
また、宅建士試験に出てくる専門用語なども、登録実務講習の講義の中ではより詳しく解説してくれます。
講習を受ける過程では、宅建業務の実践として、状況に合わせて自分で考えなければならなかったり、他の意見を取り入れて自分で答えを導き出すということが必要になってきます。
宅建士試験の勉強だけでは身につけることのできない実践力、実際に業務に携わるうえでの知識と経験を身につけることができるということは、宅建士として業務を行う上で大きなメリットになるはずです。
多くの人と関われる
講習を受ける間に、講師の方や他の受講生と交流することに価値を見出すという方もいるようです。
登録実務講習の受講者の中には、新社会人の人から、長年宅建業務に携わってきたけれど年配になってようやく資格を取ることにしたという方などもいらっしゃり、幅広い年齢層の人々と関わる場合もあります。
他人の意見を取り入れることで、それまで自分にはなかった新しい考え方を学ぶいい機会となるかもしれません。
登録実務講習の講習機関
前述したとおり、登録実務講習は様々な講習機関で実施されています。
現在、国土交通省に登録されている登録実務講習実施機関は19社あります。(※2019年7月のデータ)
なお、講習機関の一覧は、国土交通省のホームページにて確認することができ、該当のページから各講習機関のホームページにアクセスすることができます。
この項では、それぞれの講習機関を比較しながら、おすすめの講習機関についてご紹介していきます。
各講習機関の受講料や受験会場は、現在わかる範囲での記載となっていますので、受講の際には各機関のホームページにて必ずご確認ください!
講習機関ごとの料金
以下の表は、講習実施機関19社と、それぞれの受講料をまとめたものになります。(※2019年7月現在のデータ)
受講料は時期によって変動することが多いため、注意が必要です。
団体 | 受講料 |
---|---|
不動産流通推進センター | 21,000円 |
東京リーガルマインド | 21,000円 |
日建学院 | 24,000円 |
TAC | 22,000円 |
総合資格 | 20,000円 |
九州不動産専門学院 | 27,000円 |
日本ビジネス法研究所 | 17,000円 |
TAKKYO | 15,000~16,000円 |
職能研修会 | 23,000円 |
Social Bridge | 20,000円 |
Kenビジネススクール | 17,000円 |
ハートステーション | 不明 |
プライシングジャパン | 11,880円 |
新潟県宅建サポートセンター | 19,800円 |
アットホーム | 不明 |
クレールAI | 7,100円~ |
住宅新報 | 事業休止 |
新東京・不動産biz | 不明 |
おおうら(自習室うめだ) | 21,600円 |
一覧を見ると、20,000円前後の料金のところが多いようです。
こちらの表では、各講習機関のホームページにて公開されている基本料金をまとめていますが、講習機関によってはインターネット割引が適用できたり、期間限定で割引していたりする場合もあるので、各機関のホームページを見て確認してみてください。
講習機関の受験会場
こちらの表は、修了試験が行われる会場の都道府県・都市を、各講習機関ごとにまとめたものです。(※2019年7月現在のデータ)
団体 | 受験会場 |
---|---|
不動産流通推進センター | 東京、名古屋、大阪 |
東京リーガルマインド | 東京、名古屋、大阪など全国26か所 |
日建学院 | 全国47都道府県 |
TAC | 北海道、仙台、東京、神奈川、埼玉、名古屋、京都、大阪、神戸、広島、福岡 |
総合資格 | 全国47都道府県 |
九州不動産専門学院 | 九州、沖縄 |
日本ビジネス法研究所 | 札幌、仙台、東京、横浜、大宮、船橋、名古屋、大阪、神戸、広島、博多 |
TAKKYO | 東京、名古屋、大阪 |
職能研修会 | 東京、横浜 |
Social Bridge | 大阪 |
Kenビジネススクール | 東京、千葉、愛知、沖縄 |
ハートステーション | 神奈川県 |
プライシングジャパン | 東京 |
新潟県宅建サポートセンター | 新潟 |
アットホーム | 未定 |
クレールAI | 銀座 |
住宅新報 | 事業休止 |
新東京・不動産biz | 不明 |
おおうら(自習室うめだ) | 東京、大阪 |
表に見られるように、全国47都道府県で試験を行っている講習機関もあれば、都心部や地方のみで実施しているところもあります。
前述したとおり、登録実務講習を修了するためには、通信講座だけでなく、2日間のスクーリングが必要です。
地方に住んでいる人などは、会場が遠方になると通うのが非常に大変になってしまいます。
自身の居住地のことも加味して、講習機関を選びましょう。
おすすめは料金の安い講習機関
上述の通り、宅建の登録実務講習は法廷講習であるため実施機関による内容の差はほとんどありません。
したがって講習機関を選ぶ際は「スクーリング会場のアクセスの良さ」と「講習日程」、「講習の安さ」の3つで判断してしまって良いでしょう。
講習は基本的に定員数が少なく締め切りになってしまうことも多いので、事前に受講する講習を決めておき、募集が始まったら早めに申し込みを済ませてしまいましょう。
宅建の登録実務講習まとめ
宅建の登録実務講習まとめ
-
登録実務演習の受講者として該当するのは、宅建士試験に合格した人のうち、宅建業務が2年未満の人
-
登録実務講習の内容はどこで受けてもほとんど同じであるが、日程は各講習機関によって異なり、規模の大きい機関では通年実施しているところもある
-
登録実務講習の修了試験は、講習をしっかり受けさえすれば必ず合格できる
-
登録実務講習を受けることで、宅建の実務経験がない人でも経験を積むことができたり、他の受講生・講師と関わる機会ができるなど多くのメリットがある
以上、宅建の登録実務講習と、おすすめの講習機関について解説してきました。
自分の仕事やライフスタイルに合わせて、適切な講習機関を選びましょう!