【宅建試験】登録講習で5点免除できる?講習の内容や難易度・合格率を解説!
この記事は専門家に監修されています
宅建士
関口秀人
「宅建の登録講習ではどんなことをするの?」
「宅建試験で5点免除できるってホント?」
宅建試験には登録講習というものが存在しますが、内容や5点免除の条件など、詳しく知りたい方も多いと思います。
この記事では宅建の登録講習や試験の5点免除について、講習の内容や費用、難易度や講習の合格率まで踏まえて解説します!
宅建の登録講習の疑問はここで解決しましょう!
宅建の登録講習についてざっくり説明すると
- 宅建の登録講習を修了すると試験で5点免除になる
- 登録講習を受講した人の宅建試験の合格率は高いが、5点免除しても落ちる人もいる
- 宅建の登録講習の修了試験の難易度は高くはない
このページにはプロモーションが含まれています
宅建の登録講習ってどんなもの?
宅建の登録講習とは、宅地建物取引業(宅建業)に従事している人向けの講習です。
宅建業の従事者は、登録講習を受けることで宅建試験を他の人よりも有利に受験することができます。具体的には、宅建の登録講習を受講し、無事に修了すると、宅建試験のうち5問が免除になります。
宅建試験は50点満点中およそ34~37点が合格ラインなので、5点免除者は45点のうち32点前後取れれば合格ラインに達します。
講習は各実施機関により4月から8月まで全国各地で行われています。申し込みは12月頃に開始され、締切は2月から5月までとなっています。
宅建登録講習を受けられる人
宅建の登録講習を受けられるのは「講習の受講期間中に宅地建物取引業に従事している人」という条件があり、従業者証明書の写しを提出する必要があります。
また、登録講習を受講するのに「~年以上従事していなければならない」といった、経験年数による制限はありません。
宅建業以外の業界で働いている方や、学生の方などは登録講習を受講することはできません。
登録講習の内容
宅建試験の登録講習ではどのようなことを行うのでしょうか?
登録講習の内容を5点免除とともに詳しくみていきます。
登録講習の目的
登録講習の目的については、以下のように言及されています。
「宅地建物取引業に従事している方を対象として、宅地建物取引業に関する実用的な知識および紛争の防止に関して必要な知識を習得し、業務の適正化と資質の向上を図ることを目的としています」 出典:職能研究会「登録講習(5点免除)」
宅建登録講習は法定講習です。業務に必要な知識や高い資質を身につけることが宅地建物取引業に従事している人にとっていかに重要か、というような講習の意義が分かります。
登録講習のスケジュール
登録講習では、通信教育(テキストや問題集が配布される)を中心としつつ、最後にはスクーリングといった通学形態による講義も用意されています。
通信講習(配布教材による学習)が約2ヶ月、スクーリング(講義)が1~2日間あります。
スクーリング後には修了試験があり、合格するためには7割以上の得点率が必要になります。この修了試験に合格すると、合格日から3年以内の宅建試験で5問免除が受けられます。
登録講習で学習すること
宅建登録講習では以下について学びます。
- 宅地建物取引業法その他関係法令に関する科目
- 宅地及び建物の取引に係る紛争の防止に関する科目
- 土地の形質、地積、地目及び種別並びに建物の形質、構造及び種別に関する科目
- 土地及び建物の需給に関する科目
- 土地及び建物の調査に関する科目
- 宅地及び建物の取引に係る税務に関する科目
これらは宅建試験の出題内容と重なる部分が多く、登録講習を受講することで試験勉強にも大いに役立てることができます。
5点免除となる分野
登録講習を受講、修了すると、試験の一部である5問(例年:問46~50)が免除になります。
免除される分野は以下の通りです。
- 土地の形質、地積、地目及び種別並びに建物の形質、構造及び種別に関すること。
- 宅地及び建物の需給に関する法令及び実務に関すること。
登録講習修了試験の難易度
登録講習修了試験の難易度は高くはありません。
普通に講義を聞いて真面目にやっていれば、よほどのことがない限り合格できます。修了試験で不合格になる人は非常に少ないようです。
講師が重要なポイントを教えてくれたりする場合もあるようなので、大事な内容を聞き逃さないように講義に集中しましょう。
登録講習の費用
宅建の登録講習の費用は実施機関によって異なりますが、相場は15,000~20,000円程度です。
また、一部の通信講座のように教育訓練給付金制度は利用できないので注意が必要です。
登録講習利用者の宅建試験合格率
登録講習を利用すると宅建試験の合格率にどう影響するのでしょうか?
次の表は、登録講習修了者の合格率と一般受験者の宅建士試験合格率の推移です。
試験年度 | 一般受験者の合格率 | 登録講習修了者の合格率 |
---|---|---|
2018年 | 14.1% | 20.6% |
2019年 | 15.2% | 22.9% |
2020年 | 16.0% | 19.4% |
2021年 | 17.7% | 21.3% |
2022年 | 17.0% | 17.3% |
上記をみても分かるように、登録講習修了者は一般受験者の合格率を数ポイント程度上回っています。
講習を修了すると、一般で受験するよりも合格率が高いことが明らかです。
試験で5問免除になること、独学ではなく通信講習やスクーリングを受講できることなどが、登録講習修了者の合格率が高い主な要因です。
また、そもそも講習の受講者は不動産業の事前知識があることも合格率の高さに関係しているでしょう。
一方で5点免除したとことで圧倒的に合格率が跳ね上がるわけではないとも言えます。
5点免除しても8割近くの人は落ちてしまうので、安心することなく気を引き締めて受験に臨みましょう。
5点免除は試験に有利になるの?
宅地建物取引業に従事している人であれば、宅建登録講習を利用したほうが良いです。
宅建登録講習を受けると宅建試験に合格できる可能性が高まるのはもちろん、通常の通信講座等に比べて登録講習を受講する方が費用が安く済みます。
そして一度試験に失敗しても、講習修了による5問免除は3年間有効なので、数字が示す合格率以上に講習受講者は合格しやすい環境となっています。
登録講習を受講して5点免除するメリット
宅建登録講習を受講すると、メリットがいくつもあります。
登録講習の受講者は一般受験より試験の合格率が高いので、講習の受講により合格の可能性が高くなるということは、もはや言うまでもないポイントです。
また、5点免除になるということは5問分の勉強をしなくて済むということです。仕事と試験勉強の両立は大変です。講習修了者は5点分の労力を使わずに宅建試験の他の分野の勉強に専念できます。
また、登録講習の学習内容が試験の出題内容と重なっているところもあり、独学で勉強するよりも効率良く勉強を進めることができます。
登録講習のデメリット
登録講習は2か月の通信講習があるので、日々の業務の傍ら課題に取り組む必要があります。忙しいなかでもスケジュールを調整しなければなりません。
そして、1~2日間のスクーリング を受講するために仕事をお休みしなければならない場合もあるかも知れません。
しかし、一般受験をする場合にも勉強は必要ですし、講習のために仕事を休んだとしても、試験に合格すれば従事できる業務の範囲が広がるなど、デメリット以上のメリットがあるといえるでしょう。
5点免除利用者の口コミ
5点免除の利用者の口コミを見てみましょう。
やはり登録講習の受講生からは、「登録講習の修了試験はあまり難しくない」といった意見が見られました。
5点免除後の宅建試験受験者の口コミからは、無事5点免除を手に入れた方でも宅建試験の一発合格は難しいことや、5点免除の恩恵があって合格を手にしている方も多いことが伺えました。
宅建登録講習の実施機関
宅建登録講習を実施している機関について、実施機関名、費用、主な会場等 を中心にみていきます。
実施機関名 | 受講料(円) | 会場 |
---|---|---|
東京リーガルマインド(LEC) | 18,000 | 全国各地 |
TAC | 19,000 | 全国各地 |
アットホーム | 不明 | 全国各地 |
総合資格 | 15,000 | 全国各地 |
辰巳法律事務所 | 14,800 | 全国各地 |
日建学院 | 15,000 | 全国各地 |
日本ビジネス法研究所(日本宅建学院) | 不明 | 東京 大阪 名古屋 横浜 大宮 |
ユーノリカ(宅建ゼミナール) | 23,000 | 名古屋市、東海エリア |
Kenビジネススクール | 16,000 | 神奈川、東京、大阪、名古屋、広島、沖縄、仙台 |
九州不動産専門学院 | 16,200 | 全九州 |
職能研修会 | 13,000~ | 全国各地 |
大原学園 | 16,000 | 全国各地 |
プライシングジャパン | 10,800 | 東京 |
Social Bridge | 15,000 | 大阪 |
福島宅建サポートセンター | 11,000 | 福島 |
名古屋大原学園 | 16,000 | 名古屋、岐阜、津、浜松、静岡 |
ハートステーション | 不明 | 不明 |
コンプリート TOP宅建学院 | 16,000(通常) | 渋谷、新宿、池袋、横浜、北千住、浅草 |
TAKKYO | 不明 | 不明 |
TOP宅建学院 日本就職支援協会 | 16,000(通常) | 渋谷、新宿、池袋、横浜、北千住、浅草 |
住宅新報 | 16,000(定価) | 全国各地 |
おおうら(自習室うめだ) | 16,000 | 大阪・梅田、東京・新宿 |
新東京・不動産biz | 不明 | 不明 |
早くに予約で埋まってしまうこともあるようなので、登録講習を受講することが決まったら早めに申し込みされることをおすすめします。
宅建の登録講習と5点免除まとめ
宅建の登録講習まとめ
- 宅建の登録講習を修了すると、そこから3年以内の試験で5問免除(5点免除)が受けられる。
- 登録講習を受講するほうが、一般受験の場合よりも試験の合格率が高い。
- 登録講習の難易度は高くなく、講義をしっかり受けていれば修了試験に合格できるといわれている。
宅建の登録講習の5点免除について、あらゆる角度から徹底的に考察してきました。
宅建建物取引業に従事している人は登録講習を受講されることをおすすめします。
宅建登録講習を利用して合格を勝ち取ってください!