中小企業診断士とITストラテジストを徹底比較!難易度・年収・メリットを調査!

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中小企業診断士

平井東

「中小企業診断士とITストラテジストの難易度はそれぞれどのくらいなのだろう?」

「中小企業診断士とITストラテジストどっちの資格を取得しよう…」

この記事を読まれているあなたは、上記のような疑問をお持ちのことでしょう。

中小企業診断士とITストラテジストはどちらもコンサルタント能力を示す国家資格となっています。これらの資格内容について詳しくご存知で無い方もいらっしゃると思います。

この記事では、中小企業診断士及びITストラテジストの仕事内容や資格難易度、年収など気になる点を徹底比較しています!

中小企業診断士とITストラテジストをざっくり比較すると

  • 難易度は中小企業診断士の方がやや高い
  • どちらも転職などに非常に有利になるが、ITストラテジストは業界が絞られる
  • ダブルライセンスはあまり一般的でない

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中小企業診断士とITストラテジストの試験難易度比較

疑問

難易度はどっちの試験が高い?

中小企業診断士とITストラテジストの試験はどちらも難易度の高い試験となっております。

それぞれ試験内容が異なりますので一概には言えませんが、合格率だけで判断すると、中小企業診断士は最終合格率が単純計算で5.5%(1次試験30.2%×2次試験18.3%)、ITストラテジストは14%となっているため、中小企業診断士の方が試験の難易度は高いと言えます。

以下、令和4年度における中小企業診断士とITストラテジストの結果について表にまとめてみました。

中小企業診断士 1次試験結果 2次試験結果
受験者数 17,345人 8,712人
合格者数 5,019人 1,632人
合格率 28.9% 18.7%
ITストラテジスト 試験結果
受験者数 4,450人
合格者数 660人
合格率 14.8%

中小企業診断士とITストラテジストの難易度についての詳細は、それぞれ以下の記事を参考にしてください。

試験内容の違いは?

中小企業診断士とITストラテジストの試験内容は大きく異なります。中小企業診断士は、企業経営や経済学などが試験科目となっており、1次試験はマークシート方式、2次試験は短答・記述方式です。

ITストラテジストは、その名の通りITに関する問題が出題され、マークシートと記述に加え、論文も試験に含まれています。

ITストラテジストの試験については、論文に盛り込む必要のあるポイントが問題に書かれており、自身のIT実務経験を基に解答を表現することが重要になってきます。何を書いても問題ないため自由度の高い試験となっています。

ここで言う実務経験とは、システム開発などの経験ではなく、実際にPDCAサイクルを回した経験となります。したがって実務経験の無い人にとっては不利な条件となっています。

一方、中小企業診断士は解答に盛り込む必要のあるポイントが問題に書かれており、与件文を引用して忠実に解答を表現しなければなりません。つまり解釈さえキチンと理解しておけば、経験が無くても解答できるということになります。

試験範囲自体は広いため覚えることも多いですが、言い換えると、勉強したことをそのまま出すことができれば十分試験に合格することができます。

資格試験における共通点

中小企業診断士とITストラテジストの資格試験は回答作成における考え方が共通している部分があります。

中小企業診断士2次試験は戦略的思考が求められることになりますが、ITストラテジストの午後1と解答ステップが似ています。

またITストラテジストの資格を保有していると、中小企業診断士1次試験において経営情報システムの科目が免除になるというメリットもあります。

中小企業診断士とITストラテジストのメリット比較

グッドポイント

中小企業診断士は経営コンサルタントに関する唯一の国家資格であり、日本版MBAとも呼ばれています。

経営の診断や解決策の考え方について学習することができるため、より広い視点で仕事に取り組むことができるようになります。社内ではチームリーダーとして運営管理を任されたり、新たなプロジェクトを任されたりするチャンスが増えることでしょう。

また、中小企業診断士の登録課程において、実務補習というグループワークがあり、ここで共に作業をした仲間ができたり、中小企業診断士のネットワークに加入することで、社外の人脈を増やすことができます。

これは、今の仕事以外にも、転職や独立を目指す際に役立つきっかけとなることもあります。中小企業診断士という資格を保持しているだけでも能力の高さを社内外へ示すことができます。

一方で、ITストラテジストは情報処理技術者としての国家資格であり、ITの高度な専門知識を要求されます。

ご存じの通り、現代ではIT技術が急速に進化を遂げているため、企業もこの発展についていかなければ、時代の流れに取り残されることになってしまいます。その専門であるITストラテジストは今後需要がますます高まる資格と言えるでしょう。

特にシステムエンジニアとして働いている方については、中小企業診断士の資格よりもITストラテジストの方が有利に働くケースが多いです。こちらの試験についても難易度が高いため、資格を取得できれば社内外の評価を高めることができます。

就職・転職のしやすさ

中小企業診断士の場合、職種や業界に縛られることなく就職・転職で有利に働くことが多いです。一方ITストラテジストは、IT系や情報系の職種においては絶好のPRポイントになると言えますが、ITと直接関係の無い職種となると、そこまで有利は働かないでしょう。

ですがITストラテジストも難関資格ではあるので、その資格を所持している能力の高さについては、一定の評価はされると考えられます。

独立開業のしやすさ

中小企業診断士・ITストラテジストどちらにおいても独占業務が存在しないため、独立のしやすさに大きな差はありません。

差があるとすれば、中小企業診断士の方が中小企業診断協会などで人脈を形成しやすいので、その点で考えると中小企業診断士の方が独立への道を開きやすいかもしれません。

中小企業診断士とITストラテジストの年収比較

中小企業診断士の平均年収は700~800万円、ITストラテジストの平均年収は670万円と言われています。

ほぼ近い水準ではありますが、中小企業診断士の方が若干高い傾向にあります。

資格維持費用を比較

中小企業診断士は資格維持の費用が発生します。 中小企業診断士は5年に1度の資格更新手続きが必要となっており、更新条件として「知識の補充」要件を5年に5回、「実務の従事」要件を5年で30ポイント以上満たさなければなりません。

中小企業診断協会に加入したケースの場合、年会費50,000円+理論政策研修6,000円=56,000円の費用が年間必要となります。

中小企業診断協会に加入すると、「実務の従事」についての機会をいただけるメリットがあります。加入は任意のため、自分の力で実務案件を獲れる方は加入しないという選択肢もあります。

一方ITストラテジストの場合、資格取得できれば以降の費用は発生しません。

中小企業診断士の資格維持費用についての詳細は、以下の記事を参考にしてください。

中小企業診断士とITストラテジストの仕事内容を比較

ビジネス 中小企業診断士とITストラテジストは、専門とする分野がそれぞれ違います。以下それぞれの仕事内容について解説していきます。

中小企業診断士の仕事

中小企業診断士の仕事は経営コンサルタントになります。中小企業の経営者より相談依頼を受け、経営についての問題点を指摘したり、具体的な改善案を提示 してあげることが仕事になります。

企業に勤めている場合は、経営目線で考えられる能力を買われ、プロジェクトマネージャーや新しい制度の企画など、経営に関わる重要な仕事を任せてもらえる場合もあります。

また、経営コンサルタントとして休日に副業をしたり、ゆくゆくは独立することも可能です。

中小企業診断士の仕事内容については、以下の記事を参考にしてください。

ITストラテジストの仕事

ITストラテジストとは、IT技術を活用して企業の経営改革の提案を行う仕事になります。現代社会においてIT技術は凄いスピードで進化を遂げています。

各企業はこういった環境の中でおいてけぼりにならないように、情報を収集・活用して対応していかなければ生き残ることはできません。

ITストラテジストは、高度かつ最新のIT技術を用いた経営戦略を提案することができる証明となります

IT分野を専門職としている方や、企業によっては部長や幹部クラスの方が資格を所有している場合もあります。他にも、コンサルタント会社やフリーランスとして活動されている方もいらっしゃいます。

中小企業診断士とITストラテジストのダブルライセンス

仕事 中小企業診断士とITストラテジストのダブルライセンスはあまり一般的ではありません。これは逆に考えると、ライバルと差別化ができると考えることもできます。

特に中小企業診断士の方で、IT分野に特化したコンサルタント業務にチャレンジしたいと考える方であればメリットが大きくなるので検討する価値はあるでしょう。

どちらを取るかは担当する業界で判断しよう

勉強中 中小企業診断士及びITストラテジストの資格難易度・取得メリットについて解説してきました。

中小企業診断士とITストラテジストは両方とも難易度の高い資格となっておりますが、これからの時代の需要にマッチした仕事であると言えます。

どちらかの資格取得を検討されている方において、担当する業界が特に定まっていない方については、まず中小企業診断士の資格を取得することをオススメします。汎用性があることに加え、資格難易度の高さからくる評価や知名度の点から見てもメリットが大きいです。

IT業界に特化していくことを検討されている方は、ITストラテジストの資格取得を優先するといいでしょう。業界内においてはこの資格自体がスキルの証明となります。

コンサルタントとして差別化を図りたい方はダブルライセンスも狙ってみましょう。ITの分野は先にも述べている通り目覚ましい速度で技術が進歩していっています。その専門性の高さから、苦手意識を持っている経営者の方も数多くいます。そういった経営者に対してIT技術を駆使した経営戦略を提示することができれば、経営者からも非常に頼りにされることでしょう。

中小企業診断士とITストラテジストまとめ

中小企業診断士とITストラテジストまとめ

  • 合格率は中小企業診断士の方が低いが、ITストラテジストの試験では実務経験がないと厳しい
  • 平均年収は診断士の方が高いが、その分資格の維持に費用がかかる
  • ダブルライセンスの希少価値は高く、他のコンサルタントと差別化を図れる

中小企業診断士とITストラテジストについて解説しました!

どちらの資格も専門知識を身につけた非常に魅力的な資格ですが、扱う領域は大きく異なります。

両者の違いを正しく認識し、自分の目指すキャリアに合わせた資格を取得しましょう!

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