中小企業診断士の更新手続きを徹底解説!資格の維持費は結局いくら?
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中小企業診断士
平井東
「中小企業診断士の資格は更新が必要ってホント?」
「中小企業診断士の資格の更新費用ってどのくらいかかるの?」
この記事を読まれているあなたは、きっとそんな悩みを抱えていることでしょう。
中小企業診断士は資格を取ったら安心というわけではなく、最新の知識と提案力を保つために必要な要件を満たして資格を更新していく必要があります。また、そのために費用が必要になるものも存在します。
この記事では、中小企業診断士の更新手続きの流れや実際にかかる費用について詳しくまとめました。
これらについて疑問に感じられている方は是非ご一読ください!
中小企業診断士の更新手続きをざっくり説明すると
- 中小企業診断士の資格の更新要件は複数存在する
- 資格を維持するにはそれなりの費用が必要
- 資格更新が間に合わない場合でも手続きをすれば延長可能
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中小企業診断士の更新手続きについて
中小企業診断士の資格を維持し続けるには更新が必要となります。
せっかく苦労して資格を取得できたとしても、更新要件や手続きしなければならない時期を知らないまま、気づいた時には資格を失効してしまっていた!という人もいます。
この記事を読んでいるあなたはそうならないように以下の内容をしっかり把握してください。
中小企業診断士の更新手続きの要件とは?
中小企業診断士の資格の有効期限は5年間です。
資格の更新手続きを行うには、前回の登録を受けた日から更新登録の申請の日までの間において、「知識の補充に関する要件(理論ポイント)」を5年間で5回以上、「実務の従事に関する要件(実務ポイント)」を5年間で30点以上を満たし、経済産業大臣に更新の申請をする必要があります。
理論ポイントの具体的な内容
理論ポイントを取得するためには、以下3つの方法があります。
理論ポイント取得方法
- 理論政策更新研修の受講
- 論文審査の受講
- 中小企業大学校の支援人材向け研修
2と3についてはあまりメジャーな方法では無いため、ここでは1の理論政策更新研修について解説をしていきます。
理論政策更新研修について
理論政策更新研修とは経済産業省に登録した 「理論政策更新研修機関」によって実施される半日の更新研修のことです。1回の受講で理論ポイントが1点取得できます。
多くの中小企業診断士がこの更新研修を5年間のうちに5回受講して資格更新するという手段を取っています。
理論政策更新研修の受講には、中小企業診断協会に入会している場合は1回につき6,000円費用としてかかります。
中小企業診断協会の入会は任意ですが、入会していない場合費用は割高となります。
理論政策更新研修についてより詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
実務ポイントの具体的な内容
実務ポイントを取得するためには、以下2つの方法があります。
実務ポイント取得方法
- 中小企業に対するコンサルティングの実施
- 実務補習機関が行う実務補習・実務従事
以下、それぞれのポイント取得の方法について解説してきます。
中小企業診断士としての実務経験
実際に中小企業者に対して、経営に関するコンサルティング業務を行うことでポイントを取得することができます。
そのため、経営コンサルタントとして独立している中小企業診断士は、日々の業務をこなしているだけで容易に資格更新要件を満たすことができます。
一方で企業に勤務しており普段経営コンサルタントとして活動していない方にとっては達成が難しい方法となっています。
実務補習の受講
普段コンサルティング業務を行わない企業内診断士の方については、「実務補習」を活用してポイントを取得することになります。
実務補習を受講するには、中小企業診断協会の各支部へ入会する必要があります。ちなみに中小企業診断協会は入会費約50,000円に加え、年会費約50,000円が費用として発生します。
※入会費、年会費は支部によって異なります。
中小企業診断教会には試験合格後3年以内に入会しなければ、以降入会することができませんので注意してください。
同時期に申し込みをした中小企業診断士が5~6名でチームを結成し、実際の中小企業へコンサルティング業務を行います。
5日コースを3回受講するか、15日コースを1回受講するか、自分のスケジュールに合わせて選ぶことができます。基本的に実務補習は土日を含んだスケジュールになっているため、会社勤めの方もある程度対応できるように考慮されています。
実務ポイントについてより詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
中小企業診断士の更新手続きの流れ
資格の更新時期はいつ?
上述のように、中小企業診断士の資格の有効期限は登録してから5年間となっています。
資格有効期限の1か月前から期限日までが更新時期となっていますので、その期間中に更新書類を提出しなければなりません。
更新に必要な書類
中小企業診断士の資格更新に必要な書類は下記の通りです。
中小企業診断士登録申請書
中小企業診断士の登録における書類です。名前や住所など基本項目を記載します。
申請書は中小企業診断協会のHPでダウンロードが可能なのです。更新が必要になった時はこちらからダウンロードしましょう。
理論政策更新研修終了証明書
理論政策更新研修を受講することで取得することができる修了証明書です。資格の更新のためには期間中に合計5回分の証明書が必要です。
※仮に証明書を紛失してしまった場合、受講した研修機関に問い合わせれば、再発行してもらえます。
診断助言業務実績証明書
実務補習もしくは公的機関等で窓口相談業務を行った場合、実施機関にて証明書を発行してもらえます。計30点分の証明書が必要です。
自分もしくは知人の紹介で診断先を見つけて実務を行った場合、中小企業診断協会より書式を用意して記載する必要があります。
中小企業診断士登録証
上記4点を封筒に入れて期限内に中小企業庁へ郵送します。
期限ぎりぎりに発送すると間に合わない可能性もあるので、余裕を持って準備をするようにしましょう。
資格更新に間に合わない場合の最終手段
「資格有効期限までに要件を揃えられそうにない…」
「海外転勤になってしまい、数年間実務ポイントを取得できそうにない…」
長い期間中小企業診断士の資格を持ち続けているとこんな場面に直面することもあるでしょう。
本来資格更新時期までに必要要件を揃えられない場合は、当然資格失効となってしまいます。その場合は緊急手段として資格の休止手続きを行いましょう!
中小企業庁へ休止の届け出を提出することで、休止申請を行った日から15年を限度に資格有効期間の時間経過を一時的に休止することができます。
資格を再開する際には再開手続きを行うのですが、再開申請日までの3年以内に、理論ポイント5点、実務ポイント15点の取得という要件が必要になります。
再開後の初回更新には実務ポイント15点が別途必要になります。
この初回更新に必要な実務ポイントは、「前回の登録・更新から業務休止申請日までに取得していたもの、休止中に取得したもの、業務再開後に取得したもの、すべてが有効」 となっています。
つまり、資格休止中に実務ポイントを15点取得し、再開3年以内に実務ポイント15点・理論ポイント5点を取得できれば、資格の更新が可能となるのです。
資格の休止手続きについてより詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
中小企業診断士の資格維持費の総額
知識の補充要件にかかる費用
知識の補充要件にかかる費用は、5年間で5回受講する「理論政策更新研修」による費用となってきます。
中小企業診断協会にて実施されている研修で、1回6,000円かかります。5回受講する必要がありますので、1回の更新に計30,000円かかることになります。
実務の従事要件にかかる費用
実務補習を受講する場合は、中小企業診断協会に加入する必要があります。
中小企業診断協会の年会費は約50,000円です。
また実務補習の受講にも費用がかかり、受講料は150,000円と非常に高額です。
自分でコンサルティング業務先を見つけられる方は、実務補習を受講する必要が無いため、中小企業診断協会には加入せずコストを抑えるという選択肢もあります。
資格維持の総費用
上記をまとめると、実務補習を受ける場合、1回の更新にかかる費用の総額は以下のようになります。
更新要件 | 費用(年額) | 合計費用 |
---|---|---|
理論政策更新研修 | 6,300円 | 31,500円 |
協会の年会費 | 約50,000円 | 約250,000円 |
実務補習 | - | 150,000円 |
表を見て分かるようにトータルの5年間での維持費は約430,000円かかることになります。
資格の維持には1年あたり86,000円必要ということなので決して安くはない金額ですが、中小企業診断士の資格を保有しておくメリットを考えれば出し渋るほどのものではないでしょう。
ちなみに自分で実務従事先を見つけられる方は、研修5回受講するのにかかる30,000円のみが必要になります。
中小企業診断士の更新手続きまとめ
中小企業診断士の更新手続きまとめ
- 中小企業診断士の資格更新は、5年間で理論ポイントと実務ポイントを一定獲得する必要がある
- 知識要件のポイント取得は理論政策更新研修の受講が一般的
- 実務従事のポイント取得は自分で実務の機会を見つけるか、実務補習を受講するかの二択
- 資格更新が間に合わない場合は資格休止の手続きが必要
- 資格維持費は30,000円から430,000円前後
中小企業診断士の資格更新手続きについて説明しました!
中小企業診断士は資格の維持にも気を配る必要のある資格ですが、更新があるということはそれだけ身につけた知識が衰えにくいということです。
皆さんも資格の維持を通じて知識をブラッシュアップして、顧客に頼られる診断士であり続けましょう!