マンション管理士に独占業務は存在しない?仕事内容からデメリットまで徹底解説!

「マンション管理士って独占業務が無いと聞いたけど本当?」

「独占業務が無ければ将来性は低いのか不安です」

このような疑問や不安をお持ちの方、いらっしゃいませんか?

マンション管理士には法的に保護された独占業務はありませんが、需要と将来性は高く魅力たっぷりの資格です。

そこで、こちらの記事でマンション管理士の良い点と悪い点を解説していきます。

この記事を読み終われば、マンション管理士の実態を知ることが出来るでしょう。

マンション管理士の業務についてざっくり説明すると

  • 独占業務は無いが、実質マンション管理士にしかできない仕事があるので問題は無い
  • 専門性を生かせば大きなチャンスがある
  • 新しい資格なので、現状は競合も少ない

マンション管理士は独占業務を持たない

仕事の風景

多くの資格には、法律によってその資格を持っている人しかできない仕事が定められており、これを独占業務と言います。

独占業務があることでその資格の価値を高め、法律的に身分が保護されます。

マンション管理士には、残念ながら独占業務はありません。

マンション管理適正化法による位置づけ

マンション管理士の存在の根拠となっている、2001年施行のマンション管理適正化法という法律があります。

その法律において、マンション管理士の独占業務についての規定は無く「世間においてマンション管理のプロフェッショナルが求められているため」この資格が創設されただけに過ぎないのです。

そのため、「マンション管理士にしか行うことができない業務」は法律上ありません。

一方、社労士や税理士などの他の士業は、資格のある者しかその仕事をできない領域を持つ業務独占資格であることが多く、様々な恩恵を享受できるのです。

つまり、他の士業と比べると価値が劣ると言われてしまうこともあります。

独占業務なしで大丈夫なのか

気になる疑問

独占業務がないと聞くと、取得する意味はないのではないかと心配になる人も多いでしょう。

しかし、実際にはマンション管理士の資格を持っている人は、マンション管理・運営に関する確かな知識とスキルを身に付けているため、不動産業界で活躍できるのです。

また、今後マンションとマンションに住む人の割合が増加し、マンション管理組合の高齢化も進んでいくことが見込まれるため、マンション管理士の需要はさらに増加することが予想されています。

したがって、独占業務がなくてもマンション管理士の価値は高く、十分食べていくことができるのです。

マンション管理士の資格の活かし方

社会保険労務士や司法書士などのように 「独占業務がある資格を持っているから」というだけで、稼げるという確証があるわけではありません。

独占業務がある資格が持っていたとしても必ずしも安泰とは言えず 「その資格にどのようなニーズがあるか」「その資格を生かしてどのように仕事をするのか」を考える方が重要です。

そういった意味では、独占業務はなくても「マンション管理をコンサルティングしたり住民の住みやすい環境を作る」という専門領域を持っているマンション管理士は確実に需要があるのです。

住民の側に立ち、マンション管理や運営のプロフェッショナルであるという証明ができる資格はマンション管理士だけです。

つまり、他の士業と同じように集客のための営業努力を怠らずに、一件一件の案件に誠実に向き合うことで各方面から信頼を得ることができます。

またそれに伴ってスキルを高めていけば仕事に困ることはありません。

今後独占業務が付与される可能性はある?

結論から言えば、将来的にマンション管理士に独占業務がつく可能性はゼロではありません。

例えば東京の豊島区で制定した「豊島区マンション管理推進条例」では、マンション管理組合の代表者がマンションの現状を届け出る制度を義務化することで、管理組合の実効性を確保しています。

このような流れは全国的に拡大していくと考えられるので、その過程でマンション管理士の実績が認められることで、マンション管理士への独占業務の付与も現実的になってくるのではないでしょうか。

マンション管理士の主な業務

業務の風景

マンションに関するコンサルティングの仕事や管理運営の外部委託などで、マンション管理士に委託されるケースが多いです。

明確に決められた業務範囲は無いため、自分の裁量やアイデア次第でで様々な領域の業務を行うことができるのです。

具体的には、マンション管理規約を見直したり、大規模修繕の時期を迎えたマンションの建て替えに関する事務などをサポートしたりすることが挙げられます。

また、マンションの大規模修繕だけでなく、共用部分の機械の故障やメンテナンスを行う際の施工工事会社の選定役を担ったりすることもあります。

マンション管理業務はどうやって探すのか

マンションは全国各地にあるため、自然とマンション管理士の求人も全国各地で見つかります。

マンション管理のプロであるマンション管理士は需要が高く、またマンションの数だけ仕事はあるため、どこでもつぶしが利くというメリットもあるのです。

実際の就職・転職先としては、不動産会社やマンション管理会社からマンション管理組合の顧問のポストまで数多くあり、幅広いフィールドで活躍できることがわかります。

一般的な人はマンション管理に関する専門的な知識は持っておらず、煩雑な事務も率先してやりたがらないため、マンション管理士という資格を持っていることで就職・転職が有利になるケースも多いのです。

また、資格を生かして独立開業するという選択肢もあり、将来的に独立開業を夢見ている人は活用すると良いでしょう。

独立に向けて実務経験をしっかりと積んでおき、現場のノウハウなどを身に付けておくことで独立しても安定した収入を得ることができます。

マンション管理業務で注意したいこと

マンションは多くの人が住んでいるため、当然様々なトラブルが発生します。

そのようなトラブルを解決したり、仲裁に入って適当な落としどころを見つけて穏便に済ませるといった精神的に疲れる仕事もあります。

マンション管理業務では、機械的にマニュアルを運用して住民トラブルの仲裁をするだけでなく、住民の方々と信頼関係を構築して、時には柔軟に対応することも求められます。

そこで重要になるのはコミュニケーション能力であり、日ごろから多くの人と良好な関係を作っておくことでトラブルが発生したときにスムーズに解決に導くことができます。

なお、このようにトラブルの仲裁などは中高年~シニア層の方が得意なケースが多く、実際に60代以降のシニア層が活躍しているケースも多いようです。

業務によっては精神的な負担が大きいこともある点に注意が必要ですが、年齢問わず活躍できる資格である点はメリットと言えるでしょう。

マンション管理士にしかできない仕事もある

マンション管理組合は、多くの場合マンションの一般住民で構成されています。

こうした住民は、普段は自分の仕事に従事していたり、あるいは高齢化が進んでいたりするため、マンション管理組合だけで住民トラブルに対処し解決できるケースは稀です。

そこで、マンション管理のプロであるマンション管理士を専属として置き、スムーズにトラブルに対処することの重要性が認識されつつあるのです。

今後もマンションの建築数が増えていくことが予測されているので、よりマンション管理士の重要性や価値は高まっていくでしょう。

活躍していくためには、地道に信頼を積み重ねて、また独自のアイデアでフィールドワークを広げていく取り組みが重要なのです。

独占業務がある他士業と比べると?

真実を探す

独占業務があることがかえってデメリットになったり、独占業務がないからこそできることもあります。

業務の範囲

弁護士・司法書士・税理士・社労士などの業務独占資格はその資格がないとできない領域あると法律で定められているため、法律によりその身分が守られていることは確かです。

一見、これらのような独占業務のある資格の方が競合が減るため、安定した仕事が望めるように思えるかもしれませんが、実際にそんな単純ではありません。

例えば、弁護士業界では、司法試験合格者を急増させる政策がとられたため、弁護士の数が激増しました。それにより、もはや独占業務を持っているというだけで安泰であるとは言えない時代になったのです。

それに対して、マンション管理士は2001年に新設されたばかりの国家資格であるため、業界そのものがまだ発展途上なのです。

また、これまであまり重要視されてこなかったマンション管理士の重要性の認識が高まっており、今後需要が高まっていくなど将来性も豊かなのです。

競合相手

そもそも独占業務がある資格であったとしても、同じエリア内に同業者がいれば当然厳しい競争が生じます。

顧客の奪い合いなどが発生してしまうとその資格そのものの信頼を損ねてしまい収入面でも精神面でも疲弊してしまうという状況も考えられます。

一方、マンション居住人口の増加とマンション居住者の高齢化に伴い、今後マンション管理士の需要はますます高まっていくと考えらています。

特に高齢化は地方の方が深刻であり、マンション管理士の独立開業がようやく進みつつあります。

そのため、うまく仕事をする地域やエリアを絞って営業活動をするなどの工夫をすれば、競合相手が少ない状態でマンション管理士として仕事ができるチャンスがあるのです。

また、地元の不動産業者といい関係を築くことができれば新築マンションの着工情報などを教えてくれたり、マンション管理士を探している管理組合などを紹介してもらえる可能性があるのです。

独占業務に囚われない考え方もある

前述したように、既に司法試験業界では弁護士の飽和状態が発生しつつあり、もはや独占業務があるからと言って安泰とは言えません。

一方、マンション管理士の分布は地域によって偏りがあります。

都心部ではやはり多い傾向にありますが地方ではまだマンション管理士は少なく、大きなビジネスチャンスがあると言えます。

そもそも、現在はまだ全国でも2万人ほどしかマンション管理士として登録されておらず、競合が非常に少ないという特徴があるのです。

したがって、マンション管理士は独占業務がなくても十分やっていけるということであり、自分の営業や工夫次第では大きなビジネスチャンスとなります。

独占業務がないのはデメリットではない

明るい女性

独占業務を持たないことによって、仕事の範囲も限定されることもなく、競合のの登場が起こりにくくなるなど、メリットがあることが分かりました。

仕事の範囲が限定されないことで、自分の得意なことを生かしつつ、仲間のマンション管理士とも協力して顧客の利益になることを実行しやすいなど、融通が利きやすいのです。

つまり、マンションの管理運営のプロとして、現場の経験や視点に基づいた独自のアイデアでフィールドワークを広げていく取り組みが重要だと言えます。

結局のところ、マンション管理士には法律で定められた独占業務は存在しないものの、資格取得を通じて身につけた専門性そのものに大きな価値があるのです。

普通に考えてみれば、マンション管理に詳しい一般人なんて圧倒的に少ないですよね。

つまり、専門性を生かした仕事をいくらでも創出できるので、独占業務がないことを悲観的に捉える必要は全くありません。

逆に法律による縛りが無いため自分のアイデア次第で多くの人に感謝される非常にやりがいのある仕事となるのです。

独立に向けた準備

仲が良い人たち

独占業務が無くても多くの強みがあることをお伝えしてきましたが、具体的に食っていくためには集客活動や営業をしなければなりません。

他の士業の人たちと交流を図る

地域に密着した不動産業者や弁護士などと交流をしていい関係性を作っておくと、大きな助けとなるでしょう。

特に不動産業者は土地の開発やマンションの新築情報に詳しく、とても頼りになります。

また、マンションで発生したトラブル案件が弁護士事務所に依頼されるケースもあります。実際には、その案件が弁護士の仕事ではなく、マンション管理士の仕事の範囲であるケースもあるのです。

このようなときに仕事を回してもらえたり、また「知り合いに頼れるマンション管理士がいるよ」などと営業をしてもらえれば効率的な営業となります。

インターネットなどの活用

マンション管理士はシニア層が多く、インターネットを使いこなせる人は多くありません。

そこで、インターネットを使いより多く人目に付くように工夫すれば、効率的な集客手段となるでしょう。

ホームページだけでなく、ブログやSNSなどの手法をどんどん取り入れ、地道に営業をしていきましょう。

マンション管理士の業務に関するまとめ

マンション管理士の業務に関するまとめ

  • 独占業務が無いことを逆手にとって食っていくことができる
  • 専門性を生かした集客をすることで大きなビジネスチャンスがある
  • 住民だけでなく幅広い人とのコミュニケーションが重要

独占業務が無いことを懸念して取得を迷っていた人は、一安心できたのではないでしょうか?

マンション管理士は自分の生かし方次第で価値が大きく変わります。

マンション管理士に興味を持っている人は、迷わずに取得を目指しましょう!

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