危険物取扱者の試験日はいつ?乙4の試験日程や申し込み方法まで解説!

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「危険物取扱者試験の試験日はいつなの?」

「危険物取扱者を受験したいけど、申し込み期限は試験前ののいつなの?」

年間35~40万人もの方が受験しており、危険物取扱者資格は常に一定の注目を集めています。そうしたこともあって、上記のような疑問を抱く人は多いです。

この記事では、危険物取扱者試験の概要とともに試験日や申し込み方法について解説し、試験日から逆算した勉強法などまで分かりやすく紹介します!

危険物取扱者試験の概要をざっくり説明すると

  • 試験日や会場は都道府県によって異なる設定
  • 試験会場は住まいや勤務先に関係なく受験者が選択
  • 甲種以外は受験資格がないので誰でも受験が可能
  • 試験日は春から冬まで複数回
  • 試験申し込み期限は試験日の1ヶ月前が目安
  • 申し込みは電子申請と書面申請が可能

危険物取扱者試験の試験日

教室 危険物取扱者試験に関する事務は、都道府県知事から委任を受けた『一般財団法人消防試験研究センター』の各支部(東京は中央試験センター)が担っています。

したがって試験を実施するのは、各都道府県の消防試験研究センター支部です。

ここでは、試験日程・申請期間・申込方法などの情報を提供します。

試験日程は都道府県によって異なる

危険物取扱者試験の試験日は消防試験研究センターの各支部(東京は中央試験センター)が決定しますので、試験日は都道府県によって異なります。

また、試験日だけではなく実施回数も異なりますので、消防試験研究センターのホームページで最新情報を収集してください。

なお、受験する都道府県は、住まいや勤務先に関係なく受験者が自由に選択できます。

令和2年度の申請期間・試験日一覧

ここに、令和2年度危険物取扱者試験の試験日程・申請期間を一覧表で紹介します。

この表は、前期日程の申請締切日が6月以降の試験(各都道府県2つまで)を示したものです。 なお、掲載のない府県では、前期日程の試験の受付は終了しています。

支部名 試験日 電子申請の受付期間 書面申請の受付期間
北海道 7/19(日) 6/09~6/16 6/12~6/19
9/06(日) 7/27~8/03 7/30~8/06
青 森 8/30(日) 7/14~7/28 7/17~7/31
9/05(土) 7/14~7/28 7/17~7/31
岩 手 9/26(土) 8/10~8/17 8/13~8/20
宮 城 7/26(日) 6/08~6/16 6/11~6/19
9/06(日) 7/18 ~7/28 7/21~7/31
秋 田 7/19(日) 6/02~6/19 6/05~6/22
7/26(日) 6/02~6/19 6/05~6/22
山 形 7/25(土) 6/05~6/15 6/08~6/18
茨 城 9/26(土) 7/13~7/27 7/16~7/30
9/27(日) 7/13~7/27 7/16~7/30
埼 玉 7/12(日) 6/07~6/16 6/10~6/19
7/19(日) 6/07~6/16 6/10~6/19
千 葉 8/30(日) 6/15~7/14 6/18~7/17
東 京 7/26(日) 6/01~6/12 6/04~6/15
8/01(土) 6/08~6/19 6/11~6/22
神奈川 9/06(日) 7/14~7/27 7/17~7/30
新 潟 9/06(日) 7/17~7/31 7/20~8/03
石 川 8/23(日) 6/29~7/06 7/02~7/09
8/29(土) 6/29~7/06 7/02~7/09
福 井 8/30(日) 7/12~7/19 7/15~7/22
愛 知 8/30(日) 7/25~8/03 7/28~8/06
9/05(土) 7/25~8/03 7/28~8/06
兵 庫 8/01(土) 6/16~6/30 6/19~7/03
8/02(日) 6/16~6/30 6/19~7/03
滋 賀 8/02(日) 6/14~6/27 6/17~6/30
大 阪 9/27(日) 8/17~8/24 8/20~8/27
奈 良 8/23(日) 7/06~7/13 7/09~7/16
徳 島 8/22(土) 6/30~7/07 7/03~7/10
沖 縄 8/16(日) 7/06~7/13 7/09~7/16

詳しい内容は、消防試験研究センターの下記サイトで確認してください。

令和2年度前期の試験日

令和2年度後期の試験日

危険物取扱者の受験申し込み方法

危険物取扱者試験の申し込みには「電子申請」と「書面申請」の2つの方法があります。

「電子申請」は、インターネットを利用した申し込みです(携帯電話・スマートフォンからは不可)。また、「書面申請」は、各都道府県消防試験研究センターなどで入手した願書による申し込みです。

電子申請

1日に1種類の危険物取扱者試験を受験する場合は、インターネットでの申し込みができます。

申し込みの際は受験地などを選択し、受験者情報・支払方法のデータを入力した後に試験手数料を払い込みます。

手数料の入金が確認されると、事務局から「受験票ダウンロード可能」のメールが届くので、自分で受験票のアウトプットと印刷することが必要です。

なお、電子申請の際には、下記の消防試験研究センターのサイトを利用ください。

消防試験研究センターのサイト

書面申請

書面申請をする場合には、下記から願書を入手します。

  • 各道府県:消防試験研究センター各道府県支部及び関係機関・各消防本部

  • 東京都 消防試験研究センター本部・中央試験センター・都内の各消防署

願書を入手したら試験手数料を払い込み、必要書類をそろえて指定の窓口へ申請します。試験日の10日前までには、受験票が届きます。

危険物取扱者試験の概要

DID you know 危険物取扱者とは、消防法に定める危険物を取り扱える国家資格取得者です。

一定量以上の危険物を貯蔵または取り扱う施設などには、危険物取扱者を配置しなければなりません。

危険物取扱者になるには、8つある危険物取扱者試験のいずれかに合格し、都道府県知事から免状の交付を受けることが必要です。

ここでは、この危険物取扱者試験の概要を解説します。

区分ごとの取扱いできる危険物

危険物取扱者資格は取り扱える危険物の違いにより「甲・乙・丙の3種と乙種の1~6類」の8種類に区分されており、具体的には次表のとおりです。

取り扱える危険物の例
甲種 全種類の危険物
第1類 酸化性固体:塩素酸塩類、過塩素酸塩類、無機過酸化物など
第2類 可燃性固体:硫化リン、赤リン、硫黄など
第3類 自然発火性及び禁水性物質:カリウム、ナトリウム、黄リンなど
乙種 第4類 引火性液体:ガソリン、灯油、軽油など
第5類 自己反応性物質:有機過酸化物、硝酸エステル類、ニトロ化合物など
第6類 酸化性液体:過塩素酸、過酸化水素、硝酸など
丙種 ガソリン、灯油、軽油、重油など(乙4で取扱いできる危険物の一部)

試験形式

危険物取扱者の甲種・乙種・丙種の試験の形式は、下表のとおり基本的には同じです。

ただし、受験する種が上級になるほど、試験時間が長くなり、問題の内容も難しくなります

選択形式 試験形式 試験時間
甲種 五肢択一式 マークシート 2時間30分
乙種 五肢択一式 マークシート 2時間
丙種 四肢択一式 マークシート 1時間15分

受験資格はあるの?

危険物取扱者の乙種と丙種には受験資格は課されないので、誰でも受験することができます。

しかし、甲種には設定されており、受験には下記の条件のいずれかを満たしていることが必要です。

  • 大学等において化学に関する学科などを修めて卒業した者
  • 大学等において化学に関する授業科目を15単位以上修得した者
  • 乙種危険物取扱者免状交付後、2年以上の実務経験を有する者
  • 次の4種類以上の乙種危険物取扱者の資格者:第1類又は第6類 第2類又は第4類 第3類 第5類
  • 化学に関する事項を専攻し修士や博士の学位を授与された者

受験料はどれくらい?

危険物取扱者試験の試験手数料(消費税不要)は次のとおりです。

危険物取扱者試験 試験手数料
甲種 6,600円
乙種 4,600円
丙種 3,700円

電子申請と書面申請の手数料は同額ですが、書面申請の振込手数料と願書送付費用は自己負担です。

甲種危険物取扱者の試験科目

甲種の試験科目別と問題数は下表のとおりです。

甲種の試験では、乙種とほぼ同様の試験内容構成ですが、「危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法」に特に多くの出題数が割かれています。

試験科目 問題数
危険物に関する法令 15
物理学及び化学 10
危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法 20

乙種危険物取扱者の試験科目

乙種の試験科目別と問題数は下表のとおりです。丙種に比べると「基礎的な消火に関する消火の知識」が重視される傾向にあります。

試験科目 問題数
危険物に関する法令 15
基礎的な物理及び基礎的な化学 10
危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法 10

丙種危険物取扱者の試験科目

乙種の試験科目別と問題数は下表のとおりです。

試験科目 問題数
危険物に関する法令 15
燃焼及び消火に関する基礎知識 5
危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法 10

合格基準は6割

危険物取扱者試験には、「試験科目のそれぞれの正解率が60%以上」という合格基準が設定されています。

『それぞれ』が条件ですから正解率が平均で60%を超えていても、1科目でも60%を超えていなければ合格できません

試験結果は合格・不合格だけではなく各科目の正答率も通知されますので、不合格の場合でも再挑戦に向けた的確な対策が可能です。

試験科目が免除されることがある

次の4つに該当する方の場合では、危険物取扱者試験の科目の一部が免除されます。そのため、これに該当する場合にはこれまでに培った強みを活かしてコスパよく対策することが可能です。

なお、一部免除を希望する受験者は、受験申請の際に実施団体への申し入れが必要です。

  • 乙種危険物取扱者資格を有する者

他の乙種危険物取扱者試験を受験する場合は、「危険物に関する法令」「物理学及び化学」の科目がすべて免除されます。

その結果、試験科目は「危険物の性質並びに火災及び消火の方法」の10問だけで、時間は35分に変更されます。

  • 火薬類製造保安責任者資格を有する者

乙種の1類と5類の試験を受験する場合は、「物理学及び化学」の6問と「危険物の性質並びに火災及び消火の方法」5問が免除されます。

その結果、問題数は24問で、時間は1時間30分に変更されます。

  • 乙種危険物取扱者と火薬類製造保安責任者を有する者

両資格を有する人が乙種の1類と5類の試験を受ける場合は、「危険物の性質並びに火災及び消火の方法」だけに免除されます。

その結果、試験科目は「危険物の性質並びに火災及び消火の方法」の5問だけで、時間は35分に変更されます。

  • 丙種危険物取扱試験受験者

「5年以上消防団員として勤務したこと」と「消防学校での基礎教育又は専科教育の警防科を修了したこと」の両方を証明する書類を提出すれば、試験科目の「燃消」が全部免除されます。

危険物取扱者試験の合格率は?

グラフ 令和元年度の危険物取扱者試験の合格率は甲種40%・乙種45%・丙種50%・全体平均45%となっており、具体的には下表のとおりです。

区分 申請者数 受験者 合格者 合格率
甲種 22,765 19,540 7,721 39.5
乙種1類 11,912 11,465 7,786 67.9
乙種2類 11,504 11,114 7,618 68.5
乙種3類 13,084 12,535 8,545 68.2
乙種4類 248,667 221,867 85,669 38.6
乙種5類 13,375 12,862 8,836 68.7
乙種6類 13,005 12,573 8,421 67.0
乙種計 311,547 282,416 126,875 44.9
丙種 29,074 27,523 13,879 50.4
合計 363,386 329,479 148,475 45.1

乙4の合格率が30%台で他の類が60~70%と高いのは、受験する人の多くが乙4合格後に科目免除で受験することによるものです。危険物取扱者資格はいずれも取得する価値がある資格ですが、乙4試験から取得するという人が多いことがこうしたことからもわかるでしょう。

危険物取扱者試験はどれを受験するべき?

方向指示

危険物取扱者試験は種類が多く、どれから受験するべきか迷うという人も多いです。こうした方に対しては、基本的には合格後にやりたい仕事に応じて決定すべきということができます。

また、試験免除制度や現実的には試験に応じて難易度の違いもあるため、戦略的に受験する試験を決めていく必要があります。

ここでは、危険物取扱者試験を受ける場合、どれを受験すべきかについて解説します。

自信がない人には丙種がおすすめ

「小中学校の理科や高校の物理・化学が苦手だった」「理系資格の初受験で甲種や乙種に自信がない」といった人には、まずは丙種を受験してみることがおすすめです

また、危険物取扱者試験を難易度の低いものから段階を踏んで取り組みたいという人にもおすすめします。

これは、丙種で合格の成功体験をすることで、少し難易度の高い次のステップに向けての自信ができるでしょう。

勉強時間が十分にある人は乙4がおすすめ

危険物取扱者試験の初受験であっても勉強時間も十分確保できる人には、乙種第4類に挑戦してみることがおすすめです。また、試験日までに余裕がある場合や、試験を一回見送ってでも取得のメリットの大きい資格が欲しいという人にも乙4はおすすめです。

いきなり甲種に挑戦してみてもよいのですが、受験資格が問われる上、難易度が乙種や丙種より高いので、危険物取扱者試験を初めて受験する人向きではありません。

乙4合格には丙種の勉強時間の約2倍の勉強時間が必要と言われていますが、それでも2~3ヶ月の勉強期間で合格することが可能です。

乙4の資格取得者には、他の乙種の試験を受ける際に、試験科目一部免除のメリットがあります。また、乙4を取得していると仕事の需要も多いため、就職や転職を考えている人には非慈雨に取得する価値は大きいです。

危険物取扱者試験の勉強方法

子供 危険物取扱者試験に合格するためには、どのように勉強すればいいのでしょうか?

危険物取扱者試験の受験勉強をする際のポイントは、大きくの3つです。

  • 覚えるべきポイントは確実に暗記すること
  • 使用するテキストは1冊に絞り込むこと
  • 過去問を徹底的に利用すること

ここでは、これらの3つのポイントに関して解説します。

暗記を重点的に行う

危険物取扱者の試験科目をマスターするには暗記は避けては通れない要素です。

危険物取扱者試験では、「危険物の種別性質」「第4類危険物の指定数量」「イオン化傾向」「第1~第4類の引火点」など、暗記が必要なことが山積しています。

そのため、理解すべきところは理解しつつ、法規など暗記事項はゴロあわせなども有効活用しながらしっかりと暗記する必要があります。

1冊のテキストを大切に使う

テキストを入手しただけで勉強した気分になってしまう、テキストを何冊も購入したがどれにもしっかりと取り組めない、という事態は避けたいところです。

市販されているテキストの多くが危険物取扱者試験の出題範囲を網羅的に解説しているものであるため、1冊のテキストをしっかりと読み込んだ方が結果的に効率がいい対策ができる場合が多いといえます。

効率的な学習をしていくうえでは、テキストを1冊に絞ることが重要なので、書店で複数のテキストの内容を自分で比較し、このテキストなら継続して勉強できると確信できるものを1冊だけ購入するようにしましょう。

過去問が大切

基本的には過去問と全く同じ問題は出題されません。しかし、過去問は問題を作成する専門家が、これだけは知っておいてほしいと考えたうえで作成しているため、合格するために必要となる指針を得るためにも解いておくべきです。

5~10年分の過去問を解くと、出題傾向や出題形式に慣れるため、何を暗記すべき重要な事項も肌感覚でわかってくるでしょう。

また、過去問を解くことでこれまで知らなかったことや誤解していたことも明らかになるので、過去問はそうした弱点を把握することにも役立ちます。

合格者の口コミ

最後に、受験の動機や勉強法の具体的なイメージをつかんでもらうために、乙4試験合格者の口コミを厳選して紹介します。

年に何回も受験チャンスがあるうえ、しっかり勉強すれば1年以内に合格できそうと思ったので、乙4への挑戦を決めました。乙4を選んだのは、取得すれば会社から資格手当をもらえるし仕事の幅も広がることや、万が一の場合には就職や転職に役立つと考えたからです。私が取り組んだ勉強方法は、徹底的に過去問を解きながら暗記することです。具体的には、過去問を解いてこれまで知らなかったことや誤って記憶していたことを、テキストを使ってすべて暗記しました。過去問集を3周するまでこの作戦を繰り返したことが、合格に結びついたと思います。

危険物取扱者試験の試験日についてまとめ

危険物取扱者試験の試験日についてまとめ

  • 試験会場や日程は都道府県によって異なる設定
  • 試験会場は住まいや勤務先に関係なく受験者が選択可能
  • 試験日は都道府県ごとに通年で複数回実施
  • 試験申込日は試験の1ヶ月以上前までのケースが多い
  • 試験手数料は3,700~6,600円
  • 危険物取扱者へ初挑戦の人へのおすすめは丙種もしくは乙4

危険物取扱者試験についてさまざまな事項を解説してきました。

危険物取扱者試験は、甲種を除けば決して難易度の高い試験ではありません。そのため、危険物取扱者試験は、仕事上今すぐ資格が必要な人にも、自己啓発のため取り組みにしたい人にもおすすめできます。

あなたも、この危険物取扱者資格の取得に、ぜひ挑戦してみてください!

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