危険物取扱者乙4とは?難易度や合格率・目安の勉強時間まで徹底解説!

更新日時 2021/08/24

危険物取扱者乙4ってどんな資格?更新は必要?

試験の難易度が高い?おすすめのテキスト・参考書は?

などと疑問をお持ちの方もいるでしょう。

乙種4類は、危険物取扱者の中で一番人気の資格です。大半の危険物を取り扱うことができるため、あらゆる現場で重宝されます。

今回は危険物取扱者乙4について、難易度・合格率や勉強時間、過去問などを解説します。おすすめのテキスト・参考書も紹介しましょう。

これを読めば、危険物取扱者乙4の魅力がよく分かるはずです。

危険物取扱者乙4についてざっくり説明すると

  • 合格率は35〜45%程度
  • 合格には50時間程度の勉強時間が必要
  • 多忙な社会人には通信講座もおすすめ

危険物取扱者乙4の概要

まずは危険物取扱者の基本情報をお伝えします。

危険物取扱者とは

危険物取扱者は、消防法で定められた危険物の取り扱い及びその立ち合いに必要な国家資格です。

危険物とは特に火災の危険が高い物質のことで、それらの一定数量以上貯蔵する、もしくは取り扱う施設は、必ず危険物取扱者を置かなければいけません。

危険物取扱者には、甲種・乙種・丙種の3種類があり、それぞれでは取り扱える危険物の種類が異なります。

甲種危険物取扱者は全ての危険物を取り扱えるため、受験資格を含めて取得のハードルが高い資格です。また一番人気があるのは乙種4類で、比較的取得しやすい割に有用のため、コスパの良い資格と言えます。

危険物保安監督者になるチャンスができる

甲種・乙種危険物取扱者は、危険物の保安監督の業務に従事することが可能です。甲種は全類の危険物、乙種は指定の類の危険物に関する保安監督者になれます。

危険物保安監督者とは、特定の製造所等で危険物の保安の監督を行う者のことです。製造所等の所有者によって選任・解任され、市町村長へ届出も出されます。

製造所・屋外タンク貯蔵所・給油取扱所・移送取扱所では、危険物保安監督者の選任が必要です。

危険物保安監督者は、甲種・乙種危険物取扱者資格の所有者のうち、実務経験を6ヶ月以上積んだ者から選ばれます。丙種危険物取扱者に関しては、実務経験の有無に関わらず、危険物保安監督者になる資格はありません。

定期的な講習受講と更新が必要な資格

危険物の取り扱いに従事する危険物取扱者は、定期的に各都道府県で保安講習を受けなければなりません。

危険物取り扱い作業に関する知識・技能をアップデートする必要があるからです。危険物取扱者の資格自体が失効することはありませんが、講習を受講して更新を行わなければ、消防法令上は不備な免状と見なされます

保安講習の受講期限は、免状の交付日もしくは講習を受けた日以後最初の4月1日から3年以内です。

また10年に1回、写真の書換えを行う必要もあります。

危険物取扱者乙4の難易度はどれくらい?

危険物取扱者乙4の難易度表

ここからは危険物取扱者乙4の難易度について、甲種・丙種との違いを踏まえて解説します。

危険物取扱者乙4の難易度は高くない

危険物取扱者乙4は、初学者でも十分合格が可能な試験です。

乙4は毎年30万人程度が受験する人気資格のため、他の危険物取扱者試験よりも教材が充実しています。そのため、独学でも合格しやすい試験です。

また乙4資格は実施回数が多いので、一度失敗してもすぐに再挑戦することができます。例えば東京の中央試験センターでは、ほぼ毎週試験が実施されているため、受験のチャンスはかなり多いです。

さらに乙4は石油類など身近な危険物を扱うため、試験勉強がしやすいというメリットもあります。

ただし、乙4は会社や学校などで強制的に受験させられている者も多いため、合格率自体は他の乙種試験よりも低い水準です。

甲種・乙種・丙種の違い

甲種・乙種・丙種それぞれの特徴や受験資格を確認しましょう。

甲種・乙種・丙種のそれぞれの特徴

甲種・乙種・丙種では、それぞれ取り扱える危険物の種類などが違います。詳細は以下の通りです。

種類 特徴
甲種 全種類の危険物が取扱が可能・甲種防火管理者・防災管理者の取得が可能
乙種 第1類~第6類に分類
丙種 乙4の特定の危険物のみ取扱可能・無資格者が取り扱う時の立ち合い業務ができない

甲種・乙種危険物取扱者は、無資格者の危険物取り扱いに立ち会うことが認められています。セルフ式ガソリンスタンドの営業には、甲種もしくは乙4の有資格者の立ち合いが必要です。

乙種全類の資格を取得すれば、取り扱える危険物の種類に関しては甲種同等になりますが、防火管理者・防災管理者の資格を得ることができません。

甲種・乙種・丙種の受験資格の違い

甲種・乙種・丙種の受験資格はそれぞれ以下の通りです。

種類 受験資格
甲種 ○大学等において化学に関する学科等を修めて卒業した ○大学等において化学に関する授業科目を15単位以上修得した ○乙種危険物取扱者免状を有する者の一部 ○修士・博士の学位を有する のいずれかに該当すること
乙種 誰でも受験可能
丙種 誰でも受験可能

乙種の中での違い

乙種危険物取扱者における、それぞれの類が取り扱える危険物の詳細は以下の通りです。

区分 取扱い可能な危険物
第1類 酸化性個体 塩素酸塩類・過塩素酸塩類・無機過酸化物
第2類 可燃性固体 硫化りん・赤りん・硫黄
第3類 自然発火性・禁水性物質第四類 カリウム・ナトリウム・アルキルアルミニウム
第4類 可燃性液体 ガソリン・アルコール類・灯油
第5類 自己反応性物質 有機過酸化物・硝酸エステル類・ニトロ化合物
第6類 酸化性液体 過塩素酸・過酸化水素・硝酸

危険物取扱者試験全体のうち、乙種の受験者は8割以上にのぼります。またそのほとんどが乙4の受験者です。

履歴書への具体的な記載の仕方

危険物取扱者がいなければ業務が行えないという現場も多いため、資格を保有していれば就職や転職を有利に進められます。

特に甲種・乙4資格は扱える危険物の種類が多いので、あらゆる職場で有用です。ただし丙種は危険物保安監督者になれないため、就職・転職への効果は限定的と言えるでしょう。

履歴書に資格を記載する際は正式名称を用いるのが基本です。危険物取扱者資格は以下のように記載しましょう。

種類 履歴書への記載方法
甲種 甲種危険物取扱者免状 取得
乙種 乙種第2類危険物取扱者免状 取得
丙種 丙種危険物取扱者免状 取得

甲種危険物取扱者は全ての危険物を扱えるため、甲種を含む複数の危険物取扱者資格を持っている場合は、甲種のみを記載すれば十分です。

一方で甲種以外の複数を保有しているなら、全ての危険物取扱者資格を書くようにしましょう。ただし、乙4と丙種は取り扱える危険物が重複するため、丙種に関しては記載しなくても構いません。

数字でみる危険物取扱者乙4試験

ここからは乙4資格について、合格率や勉強時間などのデータをもとに解説します。

危険物取扱者乙4の合格率は35~45%

危険物取扱者乙4の合格率は、例年35〜45%程度です。きちんと対策を行えば十分合格が可能な水準と言えるでしょう。

近年における危険物取扱者乙4の合格率一覧

以下は、2019年度における乙4試験の合格率のデータです。

受験者数 合格者数 合格率
2019年12月 15,187名 5,803名 38.2%
2019年11月 43,801名 15,289名 34.9%
2019年10月 18,313名 7,135名 39.0%
2019年9月 11,472名 5,075名 44.2%
2019年8月 6,358名 2,559名 40.2%

乙4の合格率は他の乙種より低い

近年の乙4資格の合格率は40%を切っており、これは甲種と変わらない水準です。他の乙種と比べると低い合格率になります。

ちなみに乙4以外の乙種の合格率は60%以上です。これにはいくつかの理由があります。

乙4資格は人気のため、乙4から受験するケースが多いです。乙種に一つでも合格すれば、他の類では科目免除が受けられるため、合格の確率が上がります。よって乙4以外の合格率が高くなっているのです。

また乙4の受験者数の中には、会社や学校から受験を義務付けられたモチベーションの低い者も一定数存在します。これは乙4資格の合格率を押し下げる要因の一つです。

さらに中高年の受験者が働きながら受験するケースが多いため、受験者のレベルがそれほど高くないということも言えるでしょう。

合格に必要な勉強時間は50時間程度

乙4試験に合格するには、50時間程度の勉強が必要と言われています。つまり、1日2時間勉強するとして1ヶ月程度かかるという計算です。

ただし、物理や化学の知識がある場合は、もう少し短い期間で合格できる可能性もあるでしょう。その場合は、他の2科目を重点的に対策するべきです。

危険物取扱者試験は科目ごとの合格基準が設けられているため、苦手科目を作ることができません。そのため、全ての科目を満遍なく対策しなければならず、ある程度の勉強時間が必要です。

試験の合格基準は各科目で60%以上

危険物取扱者試験の合格基準が、全ての科目で60%以上を取ることです。合格者の定員はないため、この基準を突破すれば確実に合格できます。

ちなみに乙4試験は、「法令」15問・「物理化学」10問・「危険物の性質並びに火災予防及び消火の方法」10問という出題構成です。よって、「法令」9問以上・「物理化学」6問以上・「危険物の性質並びに火災予防及び消火の方法」6問以上の全てを満たすことで合格となります。

危険物取扱者試験は問題が少なく、1問あたりのウェイトが大きい試験です。ケアレスミスには十分注意しましょう。

危険物取扱者乙4の受験がおすすめである理由

危険物取扱者乙4の取得は、以下のような理由でおすすめできます。

他の類の受験で科目免除される

乙4に合格すれば、他の乙種を受験する際には免除制度を利用できます。具体的には「法令」及び「物理化学」が免除となるため、「危険物の性質並びに火災予防及び消火の方法」だけの受験です。

危険物取扱者試験は複数の類を同時受験できる場合もあります。複数受験を希望する場合は、地元の消防試験センター支部に事前確認を行いましょう。

乙4資格取得後に他の乙種試験に挑戦する場合は、次の組み合わせて受験するのがおすすめです。

  • どちらも酸化性で、固体で品目がやや多い1類と、液体で品目が少ない6類

  • 可燃性固体で品目がやや少ない2類と、自己反応性物質で品目が多い5類

  • 自然発火性と禁水性の2つの性質が入り品目も多い3類。

乙4資格は様々な職種で利用可能

乙4資格を取得すれば、様々な職場で活用することが可能です。最もメジャーな職場としては、ガソリンスタンドが挙げられます。

軽油や重油、灯油などを扱うガソリンスタンドは、乙4取得者の主な活躍の場と言うことができ、引火性液体である石油を貯蔵・管理する石油会社でも、乙4資格が重宝されます。

また、乙4資格があれば、危険物全体の約8割を扱えるため、乙4は他にも多くの現場で有用な資格です。日本の代表的な産業の一つを担う化学メーカーでも活躍することもできるでしょう。

さらに、タンクローリーの運転手になれば大半の危険物を運搬できるため、大きな戦力になることができます。

乙4資格は仕事で有利になる

乙4の有資格者は、無資格者の危険物取り扱いに立ち会うことができるため、重要なポジションを任されることが多いです。そのため乙4を取得すれば、昇格・昇給につながることもあるでしょう。

職場での信頼度・評価も上がるため、一石二鳥の選択と言えます。

特にガソリンスタンドでは、正社員・アルバイトを問わず、採用される確率が高くなるでしょう。それはタンクローリーの運転手に関しても同様です。

タンクローリーの運転手は、トラックの運転手よりはるかに高収入のため、お金を稼ぎたいという方にはおすすめできます。

危険物取扱者乙4試験の概要

危険物取扱者試験は、各都道府県によって実施されます。中でも乙4資格は、年間20万人以上が受験する人気資格です。

危険物取扱者乙4の試験問題

危険物取扱者乙4の試験内容は以下の通りです。

内容 問題数
①危険物に関する法令 15問
②基礎的な物理学及び基礎的な化学 10問
③危険物の性質並びに火災予防及び消火の方法 10問

試験は5肢択一のマークシート方式で実施されます。乙種試験に一つでも合格すれば、他の類の受験では①②が免除となり、受験するのは③のみです。

まずは物理と化学から

乙4の勉強はまず「基礎的な物理学及び基礎的な化学」から始めると良いでしょう。中学や高校の理科で習ったことを覚えていれば、試験勉強が捗ります。

また普段の生活に関係する知識も試験で役に立つため、物理・化学と馴染みが薄い文系の受験者でも合格は可能です。

テキストの読み込みや問題演習を通じて、新しい知識や勘違いしていた内容を確認しましょう。

特に「燃焼と消火に関する基礎知識」に関する問題が多数出題されるので、この項目は重点的に対策すべきです。

危険物の性質を暗記する

危険物の種別ごとの性質や状態、特徴、代表的な品名などは、重点的に暗記すべきです。

乙4試験では他の種別の危険物に関する問題が必ず出題されるため、それらにも気を配っておきましょう。語呂合わせを考えて覚えるのがおすすめです。

また乙試験では計算を伴う指定数量の問題がよく出題されるため、問題演習を通してよく練習しておきましょう。

法令は最後に勉強する

「危険物に関する法令」は独立的な科目と言えます。他の2つに関しては相互に連関しているため、一方の知識を活かして他方の問題を解くことも可能です。

しかし法令に関してはそれができないので、個別に対策を行う必要があります。状況ごとの決まりなどを含めてきちんと暗記しましょう。

法令は他の科目よりも出題数が多いため、頻出問題を中心に効率よく記憶することを心がけるべきです。

オリジナルートを作成する

各科目の間違えやすい箇所や重要だと思う部分をまとめて、自分だけのオリジナルノートを作ると良いでしょう。

自分の苦手分野を反映させれば、試験直前の復習に有用です。

また暗記項目に関しては、暗記カードを作るのも良いでしょう。暗記カードならスキマ時間を用いた勉強が可能になります。移動中や昼休みなども勉強時間にできるため、多忙な社会人におすすめです。

過去問を繰り返し解く

危険物取扱者試験では、パターン化された過去問の類似問題が出題されることも珍しくありません。そのため、試験対策には過去問演習を取り入れるようにしましょう。

危険物取扱者試験の過去問は、一般社団法人・消防試験研究センターの公式サイトから入手可能です。

また過去問演習を十分に行った後は、乙4模擬問題が出題される無料アプリを利用するのも良いでしょう。

試験日の流れと解答のコツ

試験当日は試験開始の30分前頃から会場入りが可能です。開始の15分前までには試験会場に入るようにしましょう。

教室と座席は受験番号で指定されているため、受験票に記載された番号から自分の席を探してください。

危険物取扱者試験は、比較的時間に余裕のある試験です。そのため、時間配分などに気を配り過ぎる必要はありません。

落ち着いて解ける問題から解き始めましょう。分からない問題は飛ばして、最後に時間をかけて解答すべきです。

各科目60%以上の正答率があれば良いので、平均的な難易度以下の問題を正解できれば十分合格できます。無理して満点を狙う必要はありません。

試験はマークシート方式なので、マークミスがないかをよく確認するようにしましょう。

独学におすすめのテキスト・参考書は?

危険物取扱者試験に独学で挑むという人も一定数います。こうした場合、テキストや参考書を中心に勉強することになるので、よいテキストを選ぶことは非常に重要です。

乙4に独学で挑む場合、特におすすめなのが「試験にココが出る!乙種第4類危険物取扱者 教科書+実践問題 第2版」です。この本には基礎知識をインプットするのに非常に役に立つテキストと試験本場に近い形の問題がどちらも収録されているので、一冊で試験対策を完結させたいという人には非常に有用といえるでしょう

(全文PDF・Webアプリ付)試験にココが出る! 乙種第4類危険物取扱者 教科書+実践問題 第2版
1760円
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忙しい社会人には通信講座がおすすめ

普段は仕事で忙しく、なかなか勉強時間が確保できないという方には通信講座も利用して試験対策をすることが非常におすすめといえます。

通信講座では丁寧に解説講義が行われ、効率的な学習スケジュールも設計された状態で勉強ができるため、テキストを読み込むだけになりがちな独学よりもコスパのよい試験対策が可能になります。

ユーキャンの危険物取扱者試験対策講座は乙4試験対策用に設計されており、わかりやすいテキストの他、解説講義と予想模擬試験もついているという充実の内容なので特におすすめの講座です。

危険物取扱者乙4についてまとめ

危険物取扱者乙4についてまとめ

  • 比較的取得しやすくコスパの良い試験
  • 過去問は公式サイトから入手可能
  • 各科目60%以上の正答率で合格

危険物取扱者乙4について解説しました。

危険物取扱者乙4は危険物の大半を扱うことができ、危険物保安監督者にもなれるので、あらゆる現場で重宝されます。

合格率は35〜45%と比較的取得しやすく、取得のメリットを考えるとコスパの良い資格と言えるでしょう。ただし、油断は禁物なので、しっかりと試験対策をして試験に挑みましょう。

多忙な社会人の方には、通信講座を利用して効率的に学ぶことがおすすめです

また、乙4は独学でも合格可能な試験です。過去問は消防試験研究センターの公式サイトから入手できるので、積極的に活用しましょう。