危険物取扱者試験の合格率は?甲種・乙4・丙種の特徴や合格方法まで解説!

更新日時 2020/06/04

「危険物取扱者試験に合格したら、どんなことができるようになるの?」

「勉強したいと思ってるけど、難しいのかな?」

このように危険物取扱者試験に興味はあるものの、内容や難易度が分からなくて困っている方は多いと思います。

危険物取扱者試験には甲種・乙種・丙種があり、さらに乙種には第1類~第6類があります。

この記事では甲種・乙種・丙種はなにが違うのかやどんな危険物が取扱えるのかなどについて、難易度を交えながら分かりやすく解説していきます。

人気のある乙4は特に詳しく解説するほか、試験対策のコツもお伝えするので、ぜひ参考にしてくださいね。

危険物取扱者試験の合格率についてざっくり説明すると

  • 危険物取扱者試験全体の合格率は45%程度
  • 合格率は受験する試験により異なり、甲種と乙4の合格率は全体より低い
  • 合格者の定員はなく、全科目で60%以上得点すれば全員合格できる

危険物取扱者試験の合格率・難易度

グラフを指さす女性

冒頭でも触れましたが、危険物取扱者試験の合格率は受験する試験によって異なります。

危険物取扱者試験の合格率はどれくらい?

下の表は2019年度の危険物取扱者試験の合格率です。

区分 申請者数 受験者数 合格者数 合格率
甲種 22,765名 19,540名 7,721名 39.5%
乙種第1類 11,912名 11,465名 7,786名 67.9%
乙種第2類 11,504名 11,114名 7,618名 68.5%
乙種第3類 13,084名 12,535名 8,545名 68.2%
乙種第4類 248,667名 221,867名 85,669名 38.6%
乙種第5類 13,375名 12,862名 8,836名 68.7%
乙種第6類 13,005名 12,573名 8,421名 67.0%
乙種計 311,547名 282,416名 126,875名 44.9%
丙種 29,074名 27,523名 13,879名 50.4%
合計 363,386名 329,479名 148,475名 45.1名

甲種・乙種・丙種のすべての試験を合わせた合格率は45.1%ですが、受ける試験によって差があるのが分かります。

合格率は年によって多少の差がありますが、例年37~45%程度で推移していて、過去5年間の平均の合格率は41.5% です。

危険物取扱者試験の難易度はどれくらい?

上述の通り、危険物取扱者試験の難易度は受ける試験によって異なります。ここからは甲種・乙種・丙種の難易度を見てみましょう。

それぞれどのくらいの勉強時間が必要になるのでしょうか?

甲種危険物取扱者試験の場合

ここ3年ほどの合格率は30%代後半と高めになっていますが、2016年度までは32~33%程度で推移していました。

2015年度から2019年度までの過去5年間の合格率の平均は約36.5% です。

甲種は危険物取扱者試験の中で最も難しい試験であり、受験資格も必要で要求される知識のレベルも高いです。

試験科目として物理学・化学が出題される点も、難易度を高める要因になっていると考えられます。

また、合格率だけを見ると例年乙4(乙種第4類)と同じくらいですが、難易度は乙4よりもやや高いです。

乙種危険物取扱者試験の場合

上の表で見た通り、乙種には第1類~第6類まであり、合格率も試験によって異なりますが、ここでは乙種のすべての合格率の平均で説明します。

乙種の合格率もここ数年は40~45%と高くなっていますが、例年36~45%程度で推移しています。

ただ、よく見ると受験者の多い乙4が、合格率を下げていることが分かります。

乙4については後で詳しく解説しますが、乙4を除いた試験の合格率は約66~70%と高いです。

科目の免除が受けられない場合は、すべての科目で60%以上の得点をしないと合格できないため、苦手な分野があると合格するのが難しくなります。

丙種危険物取扱者試験の場合

丙種は例年50%程度で推移していて、ここ5年間の合格率の平均も約50% です。

五肢択一式の甲種と乙種に比べて、丙種は四肢択一式で選択肢がひとつ減るため、解答しやすくなっています。

試験科目も物理や化学が含まれないため、難易度は下がります。

危険物取扱者試験合格までの勉強時間

甲種・乙種・丙種の試験に合格するために必要となる勉強時間の目安は以下の表の通りです。

しかしこの時間はあくまで目安です。物理学や化学の知識がある人ならもっと短くなることも考えられますし、逆に苦手な人はさらに勉強時間がかかってしまうこともあります。

自分の知識レベルに合わせて余裕を持って勉強時間を確保しましょう。

区分 勉強時間
甲種 120時間程度(1日2時間の勉強で2ヶ月程度)
乙種 50時間程度(1日1時間の勉強で2ヶ月程度)
丙種 10時間程度(1日1時間の勉強で2週間程度)

甲種・乙種・丙種の違い

扉の前に立つ電球

危険物取扱者試験は甲種・乙種・丙種によって合格率や難易度が異なることをお伝えしましたが、資格によって取扱いできる危険物が違ったり、受験資格が必要だったりという違いもあります。

それぞれについてどのような違いがあるのか、具体的に見ていきましょう。

取扱いできる危険物

それぞれの資格で取扱える危険物は、以下の表の通りです。

甲種はすべての危険物を取扱うことが可能で、丙種は乙4の中の指定された危険物のみ取扱うことができます。

区分 取扱いのできる危険物
甲種 全種類の危険物
乙種第1類 酸化性固体(塩素酸塩類、過塩素酸塩素類、無機過酸化物など)
乙種第2類 可燃性固体(硫化りん、赤りん、硫黄など)
乙種第3類 自然発火性物質及び禁水性物質(カリウム、ナトリウム、アルキルアルミニウムなど)
乙種第4類 引火性液体(ガソリン、アルコール類、灯油など)
乙種第5類 自己反応性物質(有機過酸化物、硝酸エステル類、ニトロ化合物など)
乙種第6類 酸化性液体(過塩素酸、過酸化水素、硝酸など)
丙種 ガソリン、灯油、軽油、重油など

無資格者の立ち会い

甲種・乙種の資格を持っていれば、立ち会うことで無資格者にも危険物を取扱わせることができます。

ただし、丙種だけは立ち合いの権限が与えられていないため、立ち会っていても無資格者に危険物を取扱わせることはできません。

資格取得後に気づいたとしても、また別の資格を取り直すのは手間ですよね。こう言った点も資格取得前に比較しておくようにしましょう。

受験資格

危険物取扱者試験は甲種のみ受験資格が必要で、証明書類を用意しなければいけません。

受験資格の対象者と必要な証明書類は以下の表を参考にしてください。

甲種の場合

対象者 証明書類
大学等において化学に関する学科等を修めて卒業した者 卒業証明書または卒業証書
大学等において化学に関する授業科目を15単位以上修得した者 単位修得証明書または成績証明書
乙種危険物取扱者免状が交付された後、危険物取扱いの実務経験が2年以上ある者 乙種危険物取扱者免状及び乙種危険物取扱実務経験証明書
次の4種類以上の乙種危険物取扱者の免状を有する者(第1類または第6類、第2類または第4類、第3類、第6類) 乙種危険物取扱者免状
修士、博士の学位を有し、科学に関する事項を専攻したもの 学位記など

乙種・丙種の場合

乙種と甲種には受験資格がないため、年齢・学歴・職歴などに関わらず、誰でも受験できます。

そのため、他の資格と比較してみても受験のハードルは低いと言えるでしょう。甲種を受ける前に、乙種・丙種の資格を取得しておくと、スムーズに移行できます。

危険物取扱者乙4の特徴

親指と吹き出し

乙4は乙種第4類のことで、危険物取扱者試験の中でも特に受験者数が多いです。

ここでは乙4の難易度について説明します。

乙4は危険物取扱者資格の中で最も人気

2019年度の危険物取扱者試験の合計受験者数は329,479名でした。その内、乙4の受験者は221,867名です。毎年全体の70%近い受験者が乙4を受験しています。

乙4の人気の理由として、まずは取扱うことができる危険物が他の乙種よりも多いことが挙げられます。

乙4を取得すれば全体の80%ほどの危険物を取扱えるようになります。

さらに乙4で取扱うことができる危険物は、ガソリンや軽油、アルコール類などの引火性液体であるため、必要とされる職場が多いです。

乙4の資格は、ガソリンスタンドや化学メーカー、タンクローリーの運転手など、幅広い職種で必要とされます。

乙4の合格率の推移

2019年8月から12月までの5回分の乙4試験の合格率を以下の表にまとめました。

受験者数 合格者数 合格率
2019年8月 6,358名 2,559名 40.2%
2019年9月 11,472名 5,075名 44.2%
2019年10月 18,313名 7,135名 39.0%
2019年11月 43,801名 15,289名 34.9%
2019年12月 15,187名 5,803名 38.2%

上記5回の試験の平均合格率は39.3%です。ここ5年間の合格率は毎年30~40%程度で推移しています。

乙4の合格率が低い理由

先述の通り、乙4以外の乙種試験の合格率は60%程度なので、乙4の合格率が飛び抜けて低いことが分かります。

なぜ乙4の合格率がそんなに低いかというと、実は受験者数が多いことが関係します。

もちろん需要がある資格だから人気ということもあるのですが、中には会社や工業系の学校から受験を課せられて仕方なく受験をしている人もいるのです。

モチベーションが低い人や、勉強時間の確保が十分にできない人が少なからずいるため、合格率が下がってしまうのです。

また、乙4以外の乙種は、乙4を取得している人が受験する場合、免除になる科目があるため、合格率が高くなるということも考えられます。

乙4試験の合格は難しい?

「結局乙4は難しいのか」というと、決してそんなことはありません。

なぜなら危険物取扱者試験はすべての科目で60%以上得点すれば全員合格できる試験だからです。

「上位〇%の人だけ合格」のような足切りや定員がないため、しっかり得点できれば合格できます。

合格率だけを見ると難易度が高く感じてしまいますが、しっかり勉強すれば十分に合格を目指せる試験です。

合格率の低さに惑わされることなく、冷静に挑戦しましょう。

危険物取扱者試験の科目

積み重なった本

危険物取扱者試験は科目や試験時間などが、甲種・乙種・丙種によって異なります。

それぞれの違いを確認しておきましょう。

試験科目は甲種・乙種・丙種ともに3科目で、すべての科目で60%以上得点すると合格できます。

甲種危険物取扱者の試験科目

甲種危険物取扱者の試験では、計45問が出題されます。分野ごとの出題数は以下の通りです。

科目 問題数
危険物に関する法令(法令) 15問
物理学及び化学(物化) 10問
危険物の性質並びにその火災予防及び消化の方法(性消) 20問

乙種危険物取扱者の試験科目

乙種危険物取扱者の試験では計35問が出題されます。分野ごとの出題数は以下の通りです。

科目 問題数
危険物に関する法令(法令) 15問
基礎的な物理学及び基礎的な化学(物化) 10問
危険物の性質並びにその火災予防及び消化の方法(性消) 10問

丙種危険物取扱者の試験科目

丙種危険物取扱者の試験では計25問が出題されます。分野ごとの出題数は以下の通りです。

科目 問題数
危険物に関する法令(法令) 10問
燃焼及び消化に関する基礎知識(燃焼) 5問
危険物の性質並びにその火災予防及び消化の方法(性消) 10問

試験形式

試験は甲種・乙種・丙種ともにマークシート方式で実施されます。試験時間が異なるので、気を付けてください。

丙種だけ四肢択一式で、解答の選択肢がひとつ少ない分、解答しやすくなっています。

区分 試験形式 試験時間
甲種 五肢択一式 2時間30分
乙種 五肢択一式 2時間
丙種 四肢択一式 1時間15分

一部試験科目の免除が可能

乙種と丙種は対象者であれば、試験の科目免除を受けられます。

申請時に必要書類を願書に添付しなければ科目免除にはならないので、忘れないように気を付けてください。

乙種危険物取扱者試験

乙種危険物取扱者試験で科目免除になる対象者と必要な免状、免除となる科目を以下の表にまとめました。

ちなみに「火薬類免状」とは「甲種、乙種及び丙種の火薬類製造保安責任者免状」または「甲種及び乙種の火薬類取扱保安責任者免状」のことを意味します。

対象者 免状種類 科目と問題数 試験時間
乙種危険物取扱者免状がある方 全類 性消(10問) 35分
火薬類免状がある方 1類・5類 法令(15問)、物化(4問)、性消(5問) 1時間30分
乙種危険物取扱者免状があり、さらに火薬類免状がある方 1類・5類 性消(5問) 35分

丙種危険物取扱者試験

丙種危険物取扱者試験で科目免除の対象になるのは、以下の通りです。

まずは5年以上消防団員として勤務していること。

さらに消防学校の教育訓練のうち基礎教育か、専科教育の警防科を修了していることです。

上記2点に当てはまる方は、申請時に以下の2点の書類を願書に添付します。

  1. 5年以上消防隊員として勤務したことを証明する書類

  2. 消防学校での申請教育または専科教育の警防科を終了したころを証明する書類

免除の対象となる内容は以下の表の通りです。

科目と問題数 試験時間
法令(10問)、性消(10問) 1時間

危険物取扱者試験対策をする際に注意すべき点

勉強する子ども

危険物取扱者試験は決して難関試験なわけではありませんが、ポイントを抑えて効率よく勉強をしないと、合格まで遠回りをしてしまう可能性もあります。

先に勉強のコツを抑えておきましょう。

質の良いテキストを選ぶ

危険物取扱者試験のテキストはたくさん市販されいて、インターネットや書店で購入できます。

特に乙4は受験者数が多いため、テキストも豊富です。効率よく学習できるテキストを選びましょう。

テキストは分かりやすさはもちろんですが、最新の試験の傾向を反映していることも確認しましょう。

危険物取扱者試験対策におすすめのテキスト

文系の方は物理・化学に要注意

先述の試験科目の箇所で触れましたが、甲種と乙種の危険取扱者の試験内容には物理と化学が含まれます。

理系の方は学生時代に学んだ知識を生かせるでしょう。しかし文系の方は物理や科学の基礎が身についていないため、苦戦する可能性があります。

試験勉強を始める際は、余裕を持って勉強時間を確保することをおすすめします。

また危険物取扱者のテキストの中で分からないことがあったら、物理や化学の参考書も活用して、しっかりと理解を深めつつ進めていきましょう。

苦手科目を作らない

危険物取扱者試験は合格者の人数や割合が決まっていないため、条件を満たせば全員合格できます。

しかし合格するためには、全ての科目がそれぞれ60%以上正解しなければいけません。

例えば問題数が20問なら12問以上の正解、15問なら9問以上正解する必要があります。

もしも3科目中の2科目が満点だったとしても、1科目が60%以上正解できなければ不合格となります。

危険物取扱者試験は科目によって問題数に大きな差がありません。

苦手科目を作らずに、バランスよく勉強を進めることが重要になります。

過去問演習を重点的に行う

危険物取扱者試験の過去問題集は市販されていませんが、消防試験研究センターのホームページで、過去問の一部が公表されています。

危険物取扱者の試験問題はひねった問題や奇問が少なく、ある程度パターン化された問題が出題されることが少なくありません。過去問を把握しておけば、出題の傾向が掴みやすくなります。

過去問が解けないままだと、試験でも正解できないでしょう。もし過去問の内容が理解できなかったら、参考書に戻って基礎力の向上に努めましょう。

過去問が不正解だった場合も、そのままにしないで参考書で復習し、知識の定着を目指すことが大切です。

公表されている過去問は全て正解できるようになるまで、何度も挑戦しましょう。

通信講座での対策もおすすめ

危険物取扱者試験の対策は、通信講座で行うと独学よりも効率的に学習できます。

通信講座では重要なポイントから解説されているので、テストに関する事前知識がない人でも、テストでの得点に直結する勉強をすることが可能です。

イチオシはユーキャンの危険物取扱者講座

危険部取扱者対策用の通信講座は各社から提供されていますが、多くの人におすすめできるのが、ユーキャンの危険物取扱者講座です

ユーキャンの通信講座の知名度は抜群ですが、とりわけ危険物取扱者講座は長年ユーキャンが自信を持って提供してきた実績のある講座です。

ユーキャンの危険物取扱者講座は、初学者でもわかりやすいテキストの他にも、暗記用手帳や本番さながらの予想模擬問題集もついているという充実の内容です。

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危険物取扱者試験の合格率についてまとめ

危険物取扱者試験の合格率についてまとめ

  • 苦手科目を作らず、しっかり勉強すれば合格は難しくない
  • 乙4の合格率は高くないが、惑わされすぎずに挑戦しよう
  • 過去問は全問正解できるようになるまで、徹底的に繰り返し解く

危険物取扱者試験は決して簡単な試験ではありませんが、十分に合格を目指せる試験です。

テキストや過去問を活用して、全科目60%以上正解できるようになるまでしっかり勉強しましょう。

危険物取扱者はとても需要のある資格です。スキルアップのためにぜひ取得を検討してみてくださいね。

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