危険物取扱者の免状の注意点は?試験合格後の更新手順や乙4資格の事情まで解説!

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「危険物取扱者の免状って更新が必要?」

「危険物取扱者の免状がない!どうすればいい?」

そんな疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか?

危険物取扱者の免状は、10年以内に写真の書き換えを行わなくてはなりません。また、紛失・汚損・破損した場合は再交付が可能です。

この記事では、そんな危険物取扱者の免状に関する疑問を解消すべく、申請先や申請方法、必要書類についてまとめています。

試験合格後の手順や人気の乙4資格について知りたい人も必見です!

危険物取扱者の免状についてざっくり説明すると

  • 10年以内に写真の書き換えが必要
  • 紛失・汚損・破損した場合は再交付できる
  • 試験に合格後は免状の交付を行う
  • 乙4資格を取得するとガソリン、灯油、軽油が取り扱える

危険物取扱者免状に関する手続き

ブラックボード? 危険物取扱者の免状に関わる手続きには、どのようなものがあり、どこに申請するのかについて解説します。

また、手数料や支払方法についても確認していきましょう。

免状に関する手続き一覧

危険物取扱者の免状に関する手続きと申請先、手数料は以下の通りです。

項目 申請先 申請先が東京都の場合 手数料
新規免状の交付 受験した道府県の消防試験研究センター支部 中央試験センター 2,900円
写真の書換え 居住地 、勤務地又は免状の交付を受けた道府県の支部 中央試験センターもしくは専用封筒で東京都内の消防署 1,600円
本籍等の書換え 居住地 、勤務地又は免状の交付を受けた道府県の支部 中央試験センターもしくは専用封筒で東京都内の消防署 700円
再交付 免状を交付又は書換えた道府県の当センター支部 中央試験センターもしくは専用封筒で東京都内の消防署 1,900円

免状に関する手続きは、一般財団法人消防試験研究センターの支部または中央センターで行います。東京都の場合、新規免状以外の申請は専用封筒を用いることで都内の消防署でもできます。免状手数料は、非課税です。

参照:一般財団法人消防試験研究センター「申請手続き一覧」

複数の手続きを行う同時に場合の手数料

複数の手続きを同時に行う場合の手数料は、以下の通りです。

手続き 手数料
複数の種類の新規免状の交付 2,900円 × 種類数
新規免状+本籍等の書換え 2,900円
写真書換え+本籍等の書換え 1,600円
再交付+本籍等の書換え 1,900円

本籍等の書き換えと免状の手続きは、別々に行うより同時に行った方が手数料が安くなります。現住所が変わった場合や同じ都道府県内での本籍の変更は、更新不要です。

都道府県別の支払い方法

東京都は中央センターなどに、その他の道府県は各消防試験研究センター支部に申請を行います。支払方法は申請先によって異なります。どこが、どんな支払方法を取っているのかまとめました。

申請先 支払方法
東京都 専用の納付書を使って東京都指定金融機関等で支払い、申込時に領収証書の原本を申請書に添付します。中央センター窓口で現金納付することも可能です。
大阪府 専用の納付書を使って指定金融機関等かコンビニエンスストアで支払い、申込時に大阪府手数料納付済証(大阪府行政事務申請手続用)の原本又はコンビニエンスストアのレジで発行された大阪府手数料納付済証(大阪府行政事務申請手続き用)の原本を申請書の裏面の下部に添付します。
広島県 専用の納付書を使って広島県指定金融機関等で支払い、申込時に払込証明書の原本を申請書の裏面の下部に添付します。
上記以外の道府県 申請先道府県の収入証紙(福岡県は領収証紙)を購入し、申込時に申請書裏面の下部に添付します。

東京都・大阪府・広島県の支払いで使用する専用の納付書は、各地域の消防署などで配布されています。また多くの道府県で使用する収入証紙は、国が発行する収入印紙とは別物です。間違えないよう注意しましょう。

参照:一般財団法人消防試験研究センター「写真の書き換え」

試験に合格したら新規免状の交付を申請する

PCを操作する人 危険物取扱者は、試験に合格後免状を取得して初めて、危険物の取り扱いを行えます

新規免状の交付に必要なもの

新規免状の申請は、受験した都道府県の消防試験センター支部に行います。東京都の場合は、中央試験センターです。

郵送での交付に必要なものは、以下の通りです。

  • 免状交付申請書及び試験結果通知書
  • あれば、既に交付を受けている危険物取扱者免状
  • 返信用封筒

免状交付申請書及び試験結果通知書は、切り離さずそのまま送付しましょう。免状の写真は受験票に添付したものが使われるため不要ですが、試験から6ヵ月以上経過している場合は新しい写真が必要です。

返信用封筒は切手を貼る

返信用封筒は、長さ14cm~23.5cm、幅9cm~12cmの定型封筒と定められています。引き受けと配達の記録が残る簡易書留郵便で返送されてきます。郵便料金である404円分の切手を貼って入れましょう。

封筒の表には自分の住所、氏名、郵便番号を、裏の下部には受験番号を記載します。

危険物取扱者免状の更新

ノートとペン 危険物取扱者の免状は、10年毎に写真の更新が必要です。また本籍地や氏名が変わった場合も変更しましょう。

写真の書換えとは

危険物取扱者の免状の写真は、10年以内に撮影されたものである必要があります。10年以上経過したら、消防法において不十分な免状になってしまうため、必ず更新しましょう。

写真の書き換え期限は免状に記載されています。

写真の書換えに必要なもの

写真の書き換えに必要なものは、以下の通りです。

  • 危険物取扱者免状書換・再交付申請書
  • 申請6ヵ月以内に撮影した写真1枚
  • 交付を受けている危険物取扱者の免状
  • 郵送で申請する場合のみ、返信用封筒

「危険物取扱者免状書換・再交付申請書」は、消防試験研究センターの公式ホームページよりダウンロード可能です。記入例も同様にダウンロードできるため、見ながら書いていくとよいでしょう。

写真のサイズは、縦 4.5cm×横 3.5cmです。裏面に撮影年月日と氏名、年齢を記入します。郵送で申請する場合は、写真が折れないよう注意しましょう。

郵送の場合は返信用封筒も同封します。長さ14cm~23.5cm、幅9cm~12cmの定型封筒を用意し、簡易書留料金404円分の切手を貼ります。

本籍等の書換えとは

危険物取扱者の免状には、氏名、本籍、生年月日が記載されています。これらに変更があった場合は、 本籍等の書換え申請を行わなくてはなりません。

ただし、免状に載る本籍地は都道府県名までなので、新しい本籍地が以前と同じ都道府県内の場合は、 本籍等の更新は必要ありません

本籍などの書換えに必要な書類

本籍等の書換え申請に必要な書類は、以下の通りです。

  • 危険物取扱者免状 書換・再交付申請書
  • 所持している危険物取扱者免状
  • 書き換える内容を証明する書類
  • 郵送で申請する場合のみ、返信用封筒

書き換える内容を証明する書類には、戸籍抄本や住民票などの公的機関が発行した書類が当てはまります。

郵送で申請する場合は、404円分の切手を貼り、裏面に郵便番号、住所、氏名を記載した定型封筒を同封します。

危険物取扱者免状の再交付

グッド

「免状を紛失してしまった」、「割れて困っている」という人もいるでしょう。そのような場合は、危険物取扱者の免状の再交付を利用しましょう。

免状の再交付に期限はあるの?

免状の再交付には特に期限が設けられていません。いつでも申請が可能です。これまでに免状を作るか書換えを行った、道府県の消防試験研究センター支部に申請します。東京都の場合は都内の消防署か中央センターに行います。

また、もし再交付後に紛失していた免状が見つかった場合は、古い免状を10日以内に再交付を受けた都道府県知事に提出する必要があります。

再交付に必要なもの

再交付には、以下のものが必要です。

  • 危険物取扱者免状 書換・再交付申請書
  • 破損・汚損した免状
  • 写真1枚
  • 場合により、本人確認書類のコピー
  • 郵送の場合は返信用封筒

免状を紛失した場合は、免状の提出は不要です。再交付を行う場合は申請をする窓口に問い合わせを行いましょう。場合によっては、本人確認書類のコピーが必要となります。また写真の用意も忘れずに行いましょう。

郵送で申請する場合は、返信用封筒が必要です。郵送代404円分の切手を貼り、裏面に郵便番号、住所、氏名を記載します。

危険物取扱者免状を取得するには

たくさんの? 危険物取扱者になるための方法や、資格の基本情報を調査しました。

危険物取扱者とは

危険物取扱者は消防法に定められている国家資格です。消防法では国民を守るため、火災の危険が高いものや火災が起きた時に消火が難しいものを危険物に指定しており、その危険物を取り扱うのに必要なのがこの「危険物取扱者」資格です。

指定数量以上の危険物を貯蔵したり、取り扱う施設は、危険物取扱者を置くことが義務付けられています。また運搬に関しても同様に危険物取扱者を置く義務があります。

試験は一般財団法人消防試験研究センターが運営しています。各都道府県に支部などがあり、都道府県ごとに行われるため、都道府県によって試験日や開催日数が異なります。

甲種・乙種・丙種

危険物取扱者は、甲種・乙種・丙種の3つに分けられており、種別によって扱える危険物や扱える範囲が異なります

種別 扱える危険物 扱える範囲
甲種 すべての危険物 取扱・定期点検・保安監督
乙種 取得した分類の危険物 取扱・定期点検・保安監督
丙種 ガソリン、灯油、軽油など一部の指定された危険物 取扱・定期点検

乙種はさらに危険物の性質ごとに第1類~第6類に分けられており、取得した分類の危険物のみ扱えます。甲種または扱う危険物に合致する乙種を持っている人が立ち会えば、無資格者であっても取扱や定期点検が可能です。

区分別の取扱いできる危険物

区分別の取扱いできる危険物の具体例は、以下の通りです。

区分 危険物の性質 扱える危険物の具体例
甲種 すべての危険物 すべての危険物
乙種第1類 酸化性固体 塩素酸塩類、過塩素酸塩類、無機過酸化物など
乙種第2類 可燃性固体 鉄粉、金属粉、マグネシウムなど
乙種第3類 自然発火性物質及び禁水性物質 カリウム、ナトリウム、アルキルアルミニウムなど
乙種第4類 引火性液体 ガソリン、アルコール類、灯油など
乙種第5類 自己反応性物質 有機過酸化物、硝酸エステル類、ニトロ化合物など
乙種第6類 酸化性液体 過塩素酸、過酸化水素、硝酸など
丙種 引火性液体 ガソリン、灯油、軽油、重油など

丙種で扱えるようになるのは、引火性液体の中でも一部で、乙種第4類と比較しても範囲が限られます。

乙4資格は特に人気

乙種第4類は「乙4」とも呼ばれ、危険物取扱者の中で最も人気の高い資格です。ガソリンや灯油が扱えるようになるため、ガソリンスタンドなどで重宝されます。

最近では客が自分で給油するセルフ式のガソリンスタンドが増えていますが、実はモニターなどで危険物取扱者資格の甲種または乙4を持っている人が監督しています。丙種と異なり乙4であれば、無資格者の立ち合いが可能です。

試験では、「危険物に関する法令」「基礎的な物理学及び基礎的な化学」「危険物の性質並びにその火災及び消火の方法」の3つの科目から出題されます。

危険物取扱者試験の受験資格

乙種・丙種には受験資格がありません。国籍、学歴、実務経験など問わず、誰でも受験できます。

甲種には受験資格が定められています

  • 大学等において化学に関する学科等を修了し卒業した
  • 大学等において化学に関する授業科目を15単位以上取得した
  • 乙種危険物取扱者の免状を、第1類又は第6類・第2類又は第4類・第3類・第5類の4種類以上持っている
  • 乙種危険物取扱者免状を取得後、危険物製造所などで危険物取扱いの実務経験を2年以上積んでいる
  • 化学に関する学科または課程を専攻して、修士・博士の学位を取得している

上記のいずれかに該当しなければ、受験できません。

甲種の受験資格に当てはまらない場合は、乙種または丙種を取得するのがよいでしょう。

参照:一般財団法人消防試験研究センター「受験案内」

危険物取扱者試験の形式

危険物取扱者の試験は、どの種別もマークシート方式で行われます。出題形式と試験時間は以下の通りです。

免状の種別 出題形式 試験時間
甲種 5肢択一 2時間30分
乙種 5肢択一 2時間
丙種 4肢択一 1時間15分

危険物取扱者には一部免除制度があり、乙種試験においては「乙種危険物取扱者免状」もしくは「火薬類免状」の所持者が対象です。一部の科目を受けなくて済み、試験時間も短縮されます。

すべての科目において60%以上得点すると合格できます。

危険物取扱者試験の実施回数と試験会場

危険物取扱者試験の実施回数は、都道府県によって異なります。受験者の多い乙4は、実施回数も多く設けられている傾向にあります。試験日は運営している一般財団法人消防試験研究センターのホームページで確認できます。

居住地や勤務地に関わらずどの都道府県でも受験でき、合格後は受験した都道府県で免状の交付を行います。窓口が近ければ利便性が高いですが、郵送での手続きも可能です。資格の効力は都道府県をまたいでも変わりありません。

試験会場に行く際は、公共交通機関を使うのがよいでしょう。会場は学校や公共施設が多く、上履きが必要な場合もあります。

一般財団法人消防試験研究センター

危険物取扱者試験の勉強方法

危険物取扱者試験対策のテキスト・問題集は豊富です。ただ、公式から出ているテキストや問題集、過去問題集はありません。テキストや問題集を活用して合格を目指す場合はまず、メインにどの教材を据えるか決めましょう

そして網羅するのではなく、ポイントを絞って学習すると短期間での合格が目指せます。また語彙をただ覚えるのではなく、内容を理解すると記憶に残りやすいです。

問題集を繰り返し解くのも、効果的でしょう。苦手が明らかになり、どこを重点的に学べばいいかが把握できます。計算問題の単位間違えや、問題文をすべて読まなかったことによる誤答は勿体ないため、普段から意識しておくとよいでしょう。

通信講座などもあり、自分に合った勉強方法で挑める資格です。

危険物取扱者試験の難易度

複数の手 危険物取扱者試験の令和1年における合格率は以下の通りです。

種別 合格率
甲種 39.5%
乙種第1類 66.9%
乙種第2類 68.3%
乙種第3類 67.7%
乙種第4類 39.0%
乙種第5類 66.1%
乙種第6類 64.4%
丙種 50.4%

甲種は受験資格が厳しく、取得後取り扱えるようになる範囲も広い、1番高度な試験といえるでしょう。合格率はおよそ40%です。

乙種第4類は受験者数が多く、合格率が低いのは学校でまとめて受験する人や初めて危険物取扱者試験に挑む人が多いという理由もあるでしょう。

国家試験の中では、比較的合格が期待できる試験だと言えます。

危険物取扱者の免状まとめ

危険物取扱者の免状まとめ

  • 試験に合格したら免状の交付申請をする
  • 免状の手続きには手数料が必要
  • 手数料の支払い方法は都道府県によって異なる
  • 甲種・乙種・丙種があり、扱える範囲や扱える危険物が異なる

危険物取扱者として働くためには、免状が必要です。紛失したら再交付もできます。10年以内に写真の更新をすることも知っておきましょう。

危険物取扱者しかできない仕事があるため、メリットの多い資格です。受験を迷っている人はぜひ、取得を検討してみてください。

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