登録販売者試験は主婦が独学で合格できる?勉強方法やおすすめテキストを紹介
「登録販売者って主婦でも独学で合格できるの?」
と疑問をお持ちの方もいるでしょう。
登録販売者は一般用医薬品の大半を販売できるため、ドラッグストアや薬局をはじめ、様々な職場で需要の高い資格です。
全国どこでも求人があり、高時給のアルバイトも多いため、主婦の方にはおすすめの資格と言えます。
今回は、登録販売者試験に独学で挑戦される主婦の方に向けて、勉強方法やおすすめのテキストなどを紹介します。
これを読めば、主婦の方でも登録販売者に独学で合格することが可能になるでしょう。
登録販売者の独学についてざっくり説明すると
- 合格率は40%前後の比較的易しい試験
- 暗記と問題演習を重視するべき
- 独学が不安な場合は通信講座を使うのがおすすめ
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登録販売者試験の概要
登録販売者の業務は、一般用医薬品全体の約9割を占める第二類・第三類医薬品の販売です。
試験に受験資格はありません。学歴や年齢をはじめ、実務経験も不問です。
登録販売者は国家資格ではなく、公的資格に当たります。
薬剤師がいなくてもほとんどの一般用医薬品を販売できるので、ドラッグストアや薬局などで重宝されている資格です。
バイトが高時給であることや全国どこでも働けることから、主婦に人気があります。
主婦が登録販売者の資格を取得するメリット
登録販売者は主婦の方におすすめしたい資格です。
主婦でも就職しやすく、働きやすい
登録販売者は、バイトであっても短時間で比較的高い給料を得られるため、主婦向きの求人が多いと言えます。
登録販売者は、薬剤師よりも人件費が安いため、様々な職場で需要のある職業です。
資格を取得することで、一般のスタッフよりも高い時給が得られるだけでなく、資格手当も支給されます。
また、主な勤務先である全国のドラッグストアやコンビニは長時間営業のところが多いため、いつでもどこでも働ける職業です。
さらに登録販売者を取得することで医薬品や健康に関する知識を得られるため、お客さんの健康だけでなく、自分や周りの人の健康にも貢献することができます。
専業主婦から正社員になれる
正規の登録販売者になれば、一人で店頭に立って医薬品の販売業務が行えるため、様々な職場で即戦力として活躍できます。
そのため、専業主婦でも資格を取得すれば正社員になることも可能です。
資格があれば店舗管理者にもなれるため、キャリアアップにも繋がる資格と言えます。
受験料と試験日程
登録販売者試験は、各都道府県でそれぞれ実施されます。そのため受験料は都道府県によって異なりますが、12,500円〜18,000円程度が相場です。
試験は8月〜12月の間に全国で実施されます。試験日は受験する都道府県によるため、詳細は各ホームページにて確認してください。
試験は都道府県ごとに年1回の実施ですが、都道府県をまたいで複数回受験することは可能です。
登録販売者試験の出題範囲
登録販売者試験では5項目が出題されます。出題内容および問題数、試験時間は以下の通りです。
出題内容 | 問題数 | 試験時間 |
---|---|---|
第1章 医薬品に共通する特性と基本的な知識 | 20問 | 40分 |
第2章 人体の働きと医薬品 | 20問 | 40分 |
第3章 主な医薬品とその作用 | 40問 | 80分 |
第4章 薬事関係法規・制度 | 20問 | 40分 |
第5章 医薬品の適正使用・安全対策 | 20問 | 40分 |
試験は午前と午後に分けて実施され、それぞれ60問を2時間で解答します。
第3章の「主な医薬品とその作用」は問題数・試験時間ともに他の2倍で、登録販売者試験で1番の難所です。
登録販売者試験の出題形式
登録販売者試験はマークシート方式で実施されます。3択〜5択の中から正解の選ぶという形式です。
記述式や論述式の問題は出題されませんが、ある程度の解答スピードは必要になります。
240分間で120問を解かないといけないので、単純計算で1問2分以内で処理しなければなりません。
マークミスなどにも注意する必要があるため、演習と通してマークシートに慣れておくことが重要です。
登録販売者試験の合格ライン
登録販売者試験は、全体の7割以上の正答率で合格となります。つまり120問中84問以上に正解すれば合格です。
ただし各項目ではボーダーラインの設定があるため注意しましょう。
具体的には、5項目それぞれで35〜40%以上の正答率がなければ不合格です。
ボーダーラインの設定は各都道府県によって異なります。合格基準の公表は試験後に行われるため、事前に内容を知ることはできません。
登録販売者試験の難易度はどれくらい?
登録販売者は、他の国家資格や公的資格と比べても、難易度の低い資格です。
例としては日商簿記3級と同程度の難易度になります。
合格率15%の国家資格である宅建士などと比較すると、簡単な部類に入ると言えるでしょう。
ちなみに宅建士の試験にも受験資格はありません。
登録販売者試験の合格率の推移
登録販売者試験の合格率は、年度によって若干の違いはあるものの、概ね40%前後で推移しています。
合格率を見ると難易度の低い資格と言えるでしょう。そのため、主婦や薬学の初心者であっても独学で合格が可能です。
また、都道府県によって合格率に差があることが登録販売者試験の特徴になります。
北海道・東北エリアは例年55%程度の高い合格率を誇りますが、都道府県によってはかなり低いところもあるようです。
例えば平成30年度の試験において、福井県の合格率は19.5%という低い数字を記録しています。
登録販売者試験の合格に必要な勉強時間
登録販売者の合格には、400時間程度の勉強が必要と言われています。これは1日3時間勉強したら、3ヶ月程度かかる計算です。
仕事や家事などの合間に勉強する場合は、毎日3時間は難しいかもしれません。
その場合は平日の勉強時間を減らし、休日に多く勉強すると良いでしょう。
試験日から逆算して学習計画を立てる際は、少し余裕のある勉強時間の設定にしておくことをおすすめします。
登録販売者の勉強時間については以下の記事も参考にしてください。
登録販売者試験に独学合格は可能なのか
登録販売者は、国家資格や公的資格の中では難易度が低い部類のため、独学で合格することは可能です。
独学の場合は、後述する正しい勉強法を実践することが重要になります。
登録販売者試験では、計算問題や思考力を試す問題は出題されません。
そのため試験勉強は暗記が中心となります。テキストの読み込みや問題演習を通して知識を記憶していくだけなので、独学がしやすい内容です。
登録販売者の独学合格については下記の記事をご覧下さい。
登録販売者試験の勉強法の基本
勉強を始める際は、まずテキストを一読して試験内容の全体像を掴みましょう。
主婦や薬学初心者は、以下で紹介する勉強のポイントを押さえて学習を進めてください。
また子供の昼寝中や電車・バスの中など、スキマ時間を上手に活用することも重要です。
テキストは1冊に絞る
独学で勉強する際、使用するテキストは一冊で十分です。
登録販売者試験の教材はどれも似たような内容なので、複数購入した場合どうしても使わないテキストが出てきてしまいます。
使わなければ無駄な出費になってしまうので、自分が好む一冊を選びましょう。
テキスト選びに迷ったら、問題集付きのものがおすすめです。
独学する人におすすめのテキスト
独学する人におすすめのテキストは、カラー印刷で初心者にも理解できるようにわかりやすく書かれた薄めの参考書でしょう。
文字ばっかりの分厚い参考書やテキストは、一見知識がたくさんつきそうですが、独学のモチベーションを削いでしまい長続きしません。
独学の参考書選びに関しては、以下の記事も参考にしてみてください。
「医薬品」の分野を重点的に勉強する
登録販売者試験に合格するには、総出題数の7割以上の正答率が必要条件です。
そのため、まずはそこを目標に勉強しましょう。
特に出題数の多い「主な医薬品とその作用」を押さえることが肝心です。よってこの項目に関する問題演習を徹底的に行いましょう。
第3章は出題範囲が広くやや難しいため、勉強を始める際は第2章から取り掛かるのがおすすめです。
暗記が重要
登録販売者の勉強は、暗記が中心となります。
暗記する上でのポイント
登録販売者試験では知識量が得点能力に直結します。そのため、暗記に特化した勉強をすることがおすすめです。
暗記の具体的な方法ですが、テキストを何度も読み込むことが一番効果的だと言えます。
テキストの文章をノートに写しながら読むのは非効率なので、何度も繰り返し読むことに集中しましょう。
内容を理解しながら読み続けるうちに、徐々に知識が定着していきます。
成分名の暗記方法
暗記項目には、覚えにくいカタカナの長い成分名も多く登場します。
ドラッグストアで身近な医薬品の成分表示を見るなどして、実生活と関連づけて覚えるようにすると印象に残りやすいのでおすすめです。
暗記は場所を選ばず出来るので、スキマ時間を積極的に利用しましょう。
どうしても覚えられないものに関しては、単語帳を活用するのもおすすめです。成分名と効果を対応させて覚えます。
問題演習が勉強の中心
試験内容のインプット作業がある程度済んだら、問題演習に進みましょう。
知識が習得できたらテキストを眺めたり、ノートに内容をまとめるよりも、問題演習を繰り返す方が得点アップに効果的です。
問題を解くことで、覚えた知識を試験で使う練習が出来るため、合格に必要な知識が定着していきます。
主婦や薬学初心者の場合は、テキストに付属している問題から始めるのも良いでしょう。
試験本番では時間制限もあるため、スピード感を意識して問題演習に臨むことも重要です。
間違えた箇所は必ず復習する
間違えた問題や不安な箇所は、問題集の解説をよく読み込むようにしましょう。
またテキストの該当箇所で復習することも大切です。
復習の後は再び間違えた部分を解き直してみましょう。繰り返し解くことで知識が定着しやすくなります。
間違えた問題など試験勉強におけるつまづきは、その場で解消することが重要です。
つまづきを放っておくと知識の習得が不完全なまま本番を迎えることになるので、思わぬところで失敗してしまう危険性があります。
疑問点の解消は即座に行うようにしましょう。
過去問をしっかりやる
試験直前期には、問題集よりも過去問演習の方がおすすめです。
少なくとも1ヶ月前からは過去問演習に切り替えるようにしましょう。
また試験勉強の初期に一度過去問を解くことも有効です。自らの現在地が把握できるため、目標を定めやすくなります。
過去問は各都道府県のホームページで閲覧することができます。
自分が受験する都道府県の過去問を最低3年分は解きましょう。出題傾向や頻出範囲を把握できるため、繰り返し解くことも効果的です。
また、他の都道府県の過去問にも挑戦し、演習量をこなしましょう。
テキストの対応箇所を読みながら過去問を解くこともおすすめです。この方法を繰り返せば、知識が定着しやすくなります。
ネット上の解説サイトを利用してもよい
YouTube上には登録販売者試験の解説動画が存在します。例えば「登録販売者Portal」というチャンネルなどです。
また、過去問の解説や試験の頻出単語を紹介するサイトのあります。
重要な医薬品の理解には、「医薬品 登録販売者DX」がおすすめです。
医薬品の種類や効果、出題されやすいポイントなどを学ぶことができます。
通信講座を利用してもよい
独学での勉強が不安な方や忙しくて勉強する時間が少ないという方には、通信講座を利用するという選択肢もあります。
通信講座ではカリキュラムや教材が準備されているため、自分で学習計画を立てたり、テキスト選びに苦労する必要はありません。
また、質問や相談ができるサービスもあるため疑問点の解消も可能です。
受講料の相場は3〜4万円程度になります。
効率的に合格を目指すなら通信講座がおすすめ
通信講座のメリットとして「短期間で効率的な対策ができる」という点が挙げられます。
登録販売者の通信講座の中でも人気No.1のユーキャン登録販売者講座では、わかりやすいテキストを使って出題ポイントに合わせた対策をしたり、添削を通して「間違えやすいところ」に合わせた効率的な対策をすることができます。
忙しい主婦の方や働きながら登録販売者の資格取得を目指す方には、おすすめの講座ですので、ぜひこの機会にチェックしてみてください。
登録販売者になるには
登録販売者になるには試験に合格後、各都道府県で登録を行う必要があります。
登録販売者の実務経験
登録販売者試験に受験資格はありませんが、正規の登録販売者として店頭に立つには実務経験が必要です。
具体的には直近5年間で2年以上の実務経験があれば、正規の登録販売者として認められます。
ちなみに実務経験としてカウントされるのは、月に80時間以上働いた場合だけです。
この実務経験の条件は、全ての登録販売者に共通して適応されます。
これから登録販売者となるには
実務経験なしで登録販売者の試験を受ける場合は、合格後に2年間の研修が必要です。
具体的には、薬剤師や正規の登録販売者が管理・指導する職場で、研修中の登録販売者として働くことになります。
2年間こうした勤務を行えば、正規の登録販売者になることが可能です。
また、試験前にある程度実務経験がある場合は、合格後の実務経験と合算して2年間になった時点で、正規の登録販売者となります。
すでに実務経験の条件を満たしている場合は、試験の合格すれば一人で店頭に立つことが可能です。
登録販売者は更新制
上記の実務経験の条件は、正規の登録販売者にも適用されます。
つまり直近5年間で2年以上という実務経験をクリアし続けなければ、正規の登録販売者としての資格は更新されないということです。
そのため登録販売者として仕事を続けるには、長期のブランクは許されません。
5年間の間に24ヶ月以上は、月に80時間以上勤務しなけらばならないということです。
登録販売者の2020年問題
直近5年間で2年以上という実務経験のルールができたのは、2015年の薬事法改正時です。
それ以前は受験資格である実務経験1年間さえ満たせば、その後の実務経験の有無は問われませんでした。
一方で、法改正によってできた実務経験の条件は全ての登録販売者が対象です。
しかし、2014年までの資格取得者にいきなりこのルールを適用すると登録販売者の数が大きく減ってしまうため、2020年3月までの猶予措置が設けられました。
つまり2021年以降では、2014年以前に資格を取得した正規の登録販売者が実務経験の条件を満たさないために、正規ではなくなってしまうケースがあります。
登録販売者と薬剤師の違い
登録販売者は第二類医薬品と第三類医薬品しか扱えませんが、薬剤師は第一類医薬品も販売することができます。
第一類医薬品は副作用のリスクが高いため、薬学の専門家である薬剤師しか扱えません。有名な第一類医薬品としては「ロキソニン」や「ガスター」などが挙げられます。
また薬剤師は、販売業務に加えて調剤業務を行うことも可能です。
薬剤師になるには大学の薬学部で6年間勉強する必要があるため、登録販売者よりも取得が難しい資格になります。
登録販売者の方が重宝されるケース
薬剤師の方が登録販売者よりも業務の幅が広いため、一見すると薬剤師の方が重宝されるように思われます。
しかし、登録販売者だけでも十分たくさんの医薬品を販売できるため、職場によっては登録販売者の方が需要が高い場合もあるようです。
特にドラッグストアやコンビニなどでは、人件費の安い登録販売者の方が重宝される傾向にあります。
登録販売者と薬剤師の違いについては下記の記事をチェックしてください。
登録販売者の平均年収
登録販売者の平均年収は310万円前後と言われています。この数字は一般的に見て、あまり高い水準ではありません。
ちなみに薬剤師の平均年収は540万円前後、日本人の平均年収は441万円です。
職場によっては資格手当が支給されるため、実際には上記の額より少し上積みがあります。
登録販売者でも独立開業が可能
登録販売者の資格を取得すれば、店舗管理者として自らの店舗を開業することも可能です。
また薬剤師を雇用すれば、調剤薬局とすることができます。その場合は調剤室のある店舗を作り、保険薬局指定を受けることなどが必要です。
一般的な登録販売者の平均年収は決して高いとは言えませんが、独立開業することによって高収入が狙えます。
登録販売者の年収については、以下の記事をご覧ください。
登録販売者と医療・調剤薬局事務の違い
医療事務や調剤薬局事務も主婦に人気のある職業です。
医療事務との違い
医療事務には国家資格は存在しないため、特別な資格がなくでも働くことが可能です。
資格が必須でなく未経験でも働けることが、登録販売者と異なります。
ただし、義務ではありませんが、医療事務技能審査試験などの民間資格で必要な知識を身に付けてから勤務するのが一般的です。
また、医療事務は勤務先も登録販売者と異なります。医療事務は病院などの医療施設が主な勤務先です。
医療事務はそこで受付業務やレセプト業務などを行います。勤務先によっては医師や看護師の補助に入ることもあるようです。
調剤薬局事務
調剤薬局事務も登録販売者と同様、調剤薬局で勤務する職業です。
ただし、こちらも医療事務と同じく特別な資格は必要ありません。調剤薬局事務の求人は比較的少ないため、民間資格を取った方が採用されるには有利です。
調剤薬局事務の仕事は、こちらも受付業務やレセプト業務が中心になります。
また薬剤師の指導に従って、簡単な調剤業務の手伝いをすることもあるようです。
調剤薬局で一般用医薬品の販売業務の実務経験を積んでから、登録販売者試験を受けるのも良いでしょう。
登録販売者の独学についてまとめ
登録販売者の独学まとめ
- 難易度は比較的易しいため独学でも合格が可能
- 勉強法の中心は暗記と問題演習
- 通信講座なら主婦の方でも安心して勉強できる
今回は登録販売者に独学で挑戦される主婦の方に向けて、様々なことを解説しました。
登録販売者は、国家資格や公的資格の中では比較的難易度の低い試験です。そのため、主婦の方でも独学で十分合格できます。
独学の際は暗記と問題演習を中心に対策を行いましょう。特に出題数の多い第3章を重点的に対策するべきです。
また独学が不安な場合は、通信講座を利用するのも良いでしょう。適切なカリキュラムや教材が用意されているため、安心して勉強できます。