登録販売者と薬剤師の違いは?資格ごと試験日や薬局での販売範囲の差まで徹底解説!

更新日時 2020/05/11

「登録販売者と薬剤師ってどこが違うの?」

「登録販売者ってどんな資格?」

そんな疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか。

登録販売者と薬剤師は、行える業務が異なります。 資格の取得や検討前に、具体的に何ができて、何ができないのか把握しておくことは大切です。

この記事では薬剤師と登録販売者の違いについて解説していきます。

登録販売者の取得メリットや就職先、合格率についても調査しているので、基本情報を知りたい人にもおすすめです。

登録販売者と薬剤師の違いをざっくり説明すると

  • 登録販売者は第二類医薬品と第三類医薬品の販売ができる
  • 薬剤師は調剤と、第一類、第二類、第三類医薬品の販売ができる
  • 登録販売者試験は誰でも受験できるが、薬剤師は6年大学で学ばなくては受験できない

登録販売者と薬剤師って何が違うの?

黒板に?

登録販売者と薬剤師はどこが違うのでしょうか。 扱える業務や仕事内容、取得試験について比較しました。

主な違いは業務範囲の広さ

登録販売者と薬剤師の一番の違いは、業務範囲であるといえるでしょう。 登録販売者が行えるのは「一般用医薬品の販売」です。

また一般用医薬品の中でも、第2類と第3類のみ取り扱えます

ここでいう一般用医薬品とは、ドラッグストアなどで販売されている、処方箋なしで購入できる薬のことです。

一般用医薬品は、薬事法により副作用などのリスクに応じて分類されています。一般用医薬品の約9割が第2類と第3類です。

薬剤師は、登録販売者が行える業務に加えて、医療用医薬品の調剤および一般用医薬品の第一類の販売も行えます

実際の仕事内容の違い

ドラッグストアなどで一般医薬品を販売する場合、仕事内容に大きな差はありません。

薬剤師は資格取得が難しいため人材確保が難しく、人件費も高くなるため、多くのドラッグストアでは登録販売者の求人を出しています

調剤薬局の場合、調剤の仕事ができるのは薬剤師のみのため、役割が分担されます。

薬剤師が調剤と第一類一般医薬品の販売をし、登録販売者は第2類、第3類の一般医薬品の販売や窓口業務、事務などを行います。

ドラッグストアと調剤薬局が一緒に入っている店舗で、第一類医薬品のコーナーだけ閉められているのを見たことがある人も多いでしょう。

これは、唯一販売が可能な薬剤師が不在のためです。

試験の違いについて

薬剤師と登録販売者の受験資格は以下の通りです。

  • 薬剤師は大学の薬学部にて薬剤師養成課程を6年間修了する
  • 登録販売者は、だれでも受験できる

登録販売者を受けるのに、学歴や実務経験は不要です。独学や通信講座、通学講座で学べます。チャレンジしやすい資格と言えるでしょう。

対する薬剤師は、国家資格であり、大学で学科を修了することなどで受験資格を得られます。

国公立大学で350万円、私立大学なら1000万円以上の費用がかかることもあります。年数もかかるため、難易度の高い資格と言えるでしょう。

試験日の季節も異なる

薬剤師試験、登録販売者試験ともに年1回の開催です。薬剤師試験は例年2月後半に2日かけて実施されます。国家試験なので、受験日は全国どこでも同じです。

対する登録販売者試験は、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号)第36条の8第1項に基づき、各都道府県で実施されます。

そのため都道府県によって、実施日や時間が異なります。

例年8月後半から12月に行われることが多いです。また申し込みは試験日のおおよそ2ヵ月前に締め切られる自治体が多いため、注意が必要です。

参照:厚生労働省「薬剤師国家試験」

過去問はどちらも入手可能

薬剤師試験、登録販売者試験ともに過去問が公開されています。 薬剤師試験は厚生労働省のホームページ、登録販売者は各都道府県のホームページを確認するとよいでしょう。

登録販売者試験は、日程だけでなく試験問題も実施自治体によって異なります

登録販売者を受けるなら雰囲気を知るためにも、自分の受験する都道府県の過去問に挑戦しておくとよいでしょう。

登録販売者と比較すると薬剤師の試験のほうが、科目数が多く難易度も高くなっています。

参照:厚生労働省「薬剤師国家試験のページ 過去の試験問題及び解答」

収入は薬剤師の方が高め

薬剤師と登録販売者の年収を比較すると、薬剤師のほうが年収が高い場合が多いです。 具体的な、平均年収は以下の通りです。

  • 薬剤師 男性およそ575万円 女性およそ526万円
  • 登録販売者 年収330~350万円

登録販売者は店長、店舗管理者クラスまで昇給すると400~500万円程度と言われています。

あくまで平均であり、年収は年齢や役職、職場で大きく異なりますが、薬剤師は多くの人が持っているであろうイメージ通り全体的に年収が高いです。

登録販売者の資格を取得するメリットは?

いろいろな表情 登録販売者資格にはどのような利点があるのか調査しました。

取得しやすくたくさんのメリットがある

登録販売者は未経験でも挑戦しやすい資格です。 就職や転職で有利になったり、給与が上がったりするメリットがあります。 順に、見ていきましょう。

未経験でも取得しやすい資格

登録販売者は、受験資格がなく誰でも挑戦できる資格です。 マークシート方式で、多くの人が苦手な記述問題がないのもポイントでしょう。

また、登録販売者試験は複数の都道府県で受験可能です。

「住んでいる、もしくは働いている自治体で受けなくてはならない」などの規定がありません。 もし落ちても、別の都道府県で再チャレンジできます。

合格基準の詳細は各都道府県ごとに異なりますが、全体の7割かつ各項目の基準点以上正答すれば合格です。

あらかじめ基準が決まっている絶対評価方式なので、対策が立てやすいのも取得しやすい資格だといえる理由の一つでしょう。

就職・転職でも生きる資格

登録販売者の求人が一番多いのは、ドラッグストアでしょう。

ドラッグストアは全国各地で増えており、成長産業の一つです。 登録販売者は取得した都道府県以外の土地でも有効なため、持っておくと便利な資格といえるでしょう。

また、ドラッグストアだけでなく調剤薬局やコンビニエンスストア、スーパーやホームセンターなどでも、登録販売者取得者は求められています。

これは2009年に改正薬事法が施行されたことにより第2種、第3種医薬品を扱える店が増えたためです。

セルフメディケーション税制も始まり、推進されているため今後も登録販売者の活躍の場は増えていくと予想されます

給料アップのチャンスも

登録販売者資格を取得することで、資格手当が支給される企業も多くあります。

企業や役職、雇用形態によって異なりますが、月5000円~15,000円程度に設定している企業が多く見受けられました。

また正社員や契約社員だけでなく、時給制のアルバイトやパートという雇用形態においても、資格手当を支給されたり、最初から高めの時給が設定されていることが多いです。

登録販売者の主な就職先

握手 登録販売者資格が生かせる就職先には、どのようなものがあるか調査しました。

ドラッグストアでの求人は特に多い

登録販売者の就職先といえば、ドラッグストアを思い浮かべる人も多いでしょう。 実際ドラッグストアから、多くの求人が出ています

正社員だけでなく、パートやアルバイトの求人もあるため、自分の生活スタイルに合った雇用形態を選べるのが魅力でしょう。

「時短勤務に変更したい」など、生活環境の変化に合わせて職場を探しやすいのもポイントです。

ドラッグストアでは資格を生かして医薬品を販売したり、お客様の相談に乗るだけでなく、品出しやレジ、発注、シフト作成などを行うこともあります。

扱う商品の幅が広いため、医薬品以外の商品知識も必要となるのが特徴です。

調剤薬局での仕事もできる

登録販売者としての調剤薬局での求人もあります。 薬剤師と異なり、登録販売者資格では調剤や第一類医薬品の販売ができません。

そのため、第二類・第三類医薬品の販売や受付業務、レジ、レセプトの入力などを任されることが多いです。

事務作業をパソコンで行っている店舗が多いため、基本的なパソコンの能力があるとよりよいでしょう。

調剤薬局は平日のみの開店や閉店時間の早い店舗が多いです。そのため「子供がいるから土日や祝日は休みたい」という人にもおすすめでしょう。

コンビニエンスストアでの業務もある

コンビニエンスストアでの求人もでています。コンビニエンスストアで医薬品を扱うための条件の一つとして登録販売者がいる必要があるため、資格を持った人材が求められています。

ただし、登録販売者をおいているのはすべてのコンビニエンスストアではなく、一部店舗に限られます。

登録販売者としての役割だけでなく、通常のコンビニエンスストア店員の業務も並行して行うのが特徴です。

その他の職場でも活躍できる

そのほか、スーパーマーケット、ホームセンター、ディスカウントショップ、家電量販店、接骨院などの求人も見受けられました。

規制緩和から多角的に商品を置く業界も増えており、医薬品の販売はドラッグストアだけに限られなくなってきています。

「資格取得者でないと出来ない業務がある」というのは、強みと言えるでしょう。

就職・転職先の探し方

登録販売者の求人は比較的たくさん出されています。

地域にもよりますが、一般的な求人サイトで登録販売者に絞って検索すると、多くの求人がでてくることも多いです。

また登録販売者や医療関係などを専門にしている求人サイトもあります。 もちろんハローワークで募集されている場合もあります。いずれもパソコンから調べられるので検索してみるのがよいでしょう。

また、中には店頭にチラシを貼って募集していることもあります。気になる店舗があれば実際に足を運んでみるのもおすすめです。

登録販売者の試験について

電卓とノート 登録販売者の試験について、受験資格や試験科目、合格率を調査しました。

受験資格はなく誰でも受験できる

登録販売者試験に受験資格はありません。 学歴などに関係なく誰でも受験できます。

実務経験は必要?

受験の条件としては、実務経験は不要です。 平成26年以前は試験を受けるために実務経験が1年以上必要でしたが、廃止されました。

ただ、一人で売り場に立つためには、実務経験が必要となります。 具体的には、「直近5年間で2年間以上(月80時間以上)の実務経験があること」が条件です。

また医薬品を販売する店舗には「店舗管理者」の設置が必要です。 直近5年間で2年間以上(月80時間以上)の実務経験がある登録販売者であれば、この店舗管理者を務めることができます。

出題範囲は5科目から

登録販売者試験では、医薬品に対する総合的な知識を問われます。 厚生労働省が「試験問題の作成に関する手引き」を作成しており、それを基にして各都道府県が試験問題を作成しています。

出題範囲は以下の5科目です。

  • 医薬品に共通する特性と基本的な知識
  • 人体の働きと医薬品
  • 薬事に関する法規と制度
  • 主な医薬品とその作用
  • 医薬品の適正使用と安全対策

試験問題の作成に関する手引きは随時改訂が行われていますが、毎年改定があるわけではありません。内容は厚生労働省のホームページなどで確認できます。

平均合格率は約40%という難易度

登録販売者の合格率は、全国平均で約43.4%です。 しっかり勉強すれば、合格できる試験と言えるでしょう。 ただ実施する自治体によって試験問題や合格ラインが異なるという要素もあり、合格率も自治体によって差があります

また受験人数やその年の正答率に関係なく、合格する条件はあらかじめ決まっています。具体的には以下の通りです。

  • 総出題数に対する正答率が7割以上であること
  • 各試験項目ごとの出題数に対する正答率が決められた割合以上であること

自治体によって「各試験項目ごとの出題数に対する必要な正答率」が3.5割以上なのか4割以上なのか、異なります。

都道府県別の合格率

都道府県別の合格率は毎年厚生労働省より公表されています。 平成30年度の各都道府県別の合格率は、以下の通りです。

都道府県 受験者数(人) 合格者数(人) 合格率(%)
北海道 1,937人 1,136人 58.6%
青森県 655人 326人 49.8%
岩手県 589人 298人 50.6%
宮城県 1,106人 626人 56.6%
秋田県 439人 215人 49.0%
山形県 502人 265人 52.8%
福島県 1,826人 867人 47.5%
茨城県 1,813人 676人 37.3%
栃木県 1,213人 432人 35.6%
群馬県 1,354人 487人 36.0%
埼玉県 3,222人 1,035人 32.1%
千葉県 2,622人 945人 36.0%
東京都 5,001人 1,769人 35.4%
神奈川県 3,442人 1,357人 39.4%
新潟県 989人 413人 41.8%
山梨県 382人 142人 37.2%
長野県 925人 347人 37.5%
富山県 806人 286人 35.5%
石川県 838人 290人 34.6%
福井県 915人 178人 19.5%
岐阜県 1,280人 476人 37.2%
静岡県 2,240人 1,061人 47.4%
愛知県 2,789人 1,170人 42.0%
三重県 930人 411人 44.2%
滋賀県 1,000人 293人 29.3%
京都府 1,992人 768人 38.6%
大阪府 5,012人 2,425人 48.4%
兵庫県 3,504人 1,268人 36.2%
奈良県 1,121人 466人 41.6%
和歌山県 645人 199人 30.9%
鳥取県 249人 71人 28.5%
島根県 265人 81人 30.6%
岡山県 1,204人 342人 28.4%
広島県 899人 309人 34.4%
山口県 834人 255人 30.6%
徳島県 354人 115人 32.5%
香川県 483人 187人 38.7%
愛媛県 517人 186人 36.0%
高知県 320人 111人 34.7%
福岡県 4,425人 2,330人 52.7%
佐賀県 775人 378人 48.8%
長崎県 524人 291人 55.5%
熊本県 791人 451人 57.0%
大分県 609人 311人 51.1%
宮崎県 471人 217人 46.1%
鹿児島県 915人 402人 43.9%
沖縄県 776人 358人 46.1%
全国 65,500人 27,022人 41.3%

参照:厚生労働省「平成30年度登録販売者試験実施状況」

2019年~2013年の全国平均合格率

2019年~2013年の全国平均合格率は以下の通りです。 毎年合格率が40%台であることが分かります。

実施年 受験者数(人) 合格者数(人) 合格率(%)
2019年 65,288人 28,328人 43.4%
2018年 65,436人 26,996人 41.3%
2017年 61,126人 26,606人 43.5%
2016年 53,346人 23,321人 43.7%
2015年 49,864人 22,901人 45.9%
2014年 31,362人 13,627人 43.5%
2013年 28,527人 13,381人 46.9%

平均合格率は約40%という難易度

2019年の全国平均の合格率は約43.9%でした。 毎年全国平均は40%台であり、大きな変動はありません

2013年と2019年の受験人数には倍以上差があり、年々受験者が増えている人気の資格であることが伺えます。

また平成30年度の登録販売者試験で、最も合格率が高かったのは北海道の58.6%、最も低かったのは福井県の19.5%です。

平成30年度は北海道、東北、九州、沖縄の合格率が高い傾向にあります。

都道府県によって合格率が大きく異なる要因としては、試験問題、合格基準、受験者数、受験時期などが都道府県によって異なることが考えられます。

登録販売者を受験する流れ

スマホを見ている 取得までの流れをイメージしやすいよう、まとめました。 都道府県により詳細が異なる場合もあるため、実際申し込む際は公式ページを確認してください。

受験までの流れ

受験当日までには、

  1. 願書の入手
  2. 受験料の支払いまたは収入印紙の購入
  3. 願書の提出
  4. 受験票の受け取り

を行います。

願書の配布は試験日のおよそ4ヵ月前から行われる自治体が多いです。窓口での受け取りや郵送、公式ページの印刷で入手します。

願書を提出する際、受験料の支払領収書または受験料分の収入印紙が必要となります。提出期限や提出方法は各自治体によって異なります。

細かく指定している自治体もあるため、間違いのないようしっかり確認しましょう。

合格発表はいつ行われる?

合格発表も都道府県によって詳細は異なりますが、試験日のおよそ1ヵ月後に行っている自治体が多いです。

合格者の受験番号が、公式ホームページ上に公開されます。

また、合格者には後日合格通知書が送られます。不合格の場合は連絡ありません。

得点が知りたい場合は、自己採点するか直接窓口に行って問い合わせます。 後日試験問題と解答は公式ページ上で公開されます。

窓口での問い合わせの詳細は、可能かも含め自治体によって異なりますので、確認後行いましょう。

登録販売者と薬剤師の違いまとめ

登録販売者と薬剤師の違いまとめ

  • 登録販売者は第二類医薬品と第三類医薬品の販売ができる
  • 薬剤師は加えて、調剤や第一類医薬品の販売もできる
  • 登録販売者試験には受験条件がなく、だれでも挑戦できる資格
  • 登録販売者試験の合格率の全国平均は近年40%台

登録販売者と薬剤師の違いについて様々な側面から解説してきました。

薬剤師は受験条件が厳しく難易度が高いですが、登録販売者なら未経験者でもチャレンジできます。

ドラッグストアをはじめとして登録販売者が活躍できる場は増えてきており、取っておいて損はないといえるでしょう。

是非一度取得を検討してみてはいかがでしょうか。