登録販売者って独学可能?勉強時間の目安や勉強法・試験のコツを解説
ドラッグストアで働く際、必ず必要になるのが登録販売者資格です。登録販売者試験は通信講座(オンライン講座)等で試験対策ができますが、受験資格がないため、独学での取得も可能です。
通信教育等を活用せず独学で勉強する場合、ただ問題集を解くだけでなく、登録販売者試験の情報も自分で収集する必要があります。
そこで、独学で登録販売者試験に挑戦する際、必要なコツや知識をまとめました。試験に挑戦する時の参考にして下さい。
登録販売者試験の独学についてざっくり説明すると
- 登録販売者試験は受験資格が無いため独学でも挑戦可能
- 独学を成功させるにはテキスト選びと勉強スケジュールが重要
- 都道府県によって難易度が違うため、対策方法もその点を考慮する
- 過去問をどれだけ解けたかが合否を決める
登録販売者は独学可能なの?
まず、登録販売者試験が独学で受験・合格できるかについて解説していきます。試験形式や合格ラインについても触れていきますので、しっかり覚えておきましょう。
登録販売者の独学は可能
登録販売者試験は、受験資格が存在しません。受験の制限が一切無いため、誰でも受験できます。 独学での挑戦も十分可能です。
試験の難易度ですが、士業の国家試験程難しい訳ではありません。しっかり勉強していれば合格できるレベルです。毎年行われる試験では、独学で試験に挑む方も一定数います。
とはいえ、独学で受験するのが不安、という方もいます。そのため、通信講座の中には登録販売者試験を取り扱っている所もあるのです。独学での勉強が不安なら、通信講座等を活用した方がいいでしょう。
登録販売者の試験形式と合格ライン
登録販売者試験は、 5つの分野から120題問題が出題され、その 7割を取ると合格となります。試験問題を解く時間はそれぞれの分野ごとに制限時間があり、注意が必要です。 分野と出題数は以下の通りです。
分野 | 出題数 | 試験時間 |
---|---|---|
主な医薬品とその作用 | 40問 | 80分 |
人体の働きと医薬品 | 20問 | 40分 |
薬事関係法規・制度 | 20問 | 40分 |
医薬品に共通する特性と基本的な知識 | 20問 | 40分 |
医薬品の適性使用・安全対策 | 20問 | 40分 |
この中から7割取ればいい、と考えると、苦手な問題を切り捨てて勉強しようとする方もいるでしょう。しかし、登録販売者試験は、7割の合格に加え、1分野あたり最低3.5~4割の正解していないと、不合格になってしまうのです。
生物に興味がある方や、学生時代に生物学の勉強をしていた方は、取り掛かりやすい内容が多いです。そうでない場合、まずは基本知識を頭に入れる所から始めることになりますから、勉強時間の確保や計画が重要になります。
勉強時間は400時間
登録販売者試験に必要な勉強時間は、 一般的に400時間前後です。しかし、先程も触れたとおり、人によっては取り掛かりやすさに違いがあります。勉強時間は個人によって違うと考えておきましょう。
人によっては90時間程度で合格できる人もいますが、この時間は合格基準をギリギリ満たせるかどうか、位の危険な時間です。勉強時間は400時間以上を確保して計画しましょう。
目安としては、1日3時間、休日は4~5時間取るとしたら、400時間分を確保するには 3カ月以上の期間が必要になります。
勉強時間の確保がなぜ必要か
生活環境によっては、この時間を確保するのが難しい場合もあるでしょう。しかし、登録販売者試験は内容や問題の暗記が主体となる試験です。 毎日30分でもいいので、試験対策の時間を確保することが大切です。
また、後述しますが、登録販売者試験の合否はどれだけ過去問を解いたかで決まります。確実に合格したいなら、毎日勉強時間を確保する努力が必要です。
確保できる勉強時間が目安よりも少なめなら、勉強する期間を長めに取る等の工夫を行って下さい。
登録販売者を独学で受けるメリット・デメリット
登録販売者試験は勉強時間の確保が必要なため、人によっては通信教育等を活用した方が勉強しやすい場合もあります。では、独学で試験に挑戦する場合、どんなメリットとデメリットがあるのでしょうか。
登録販売者試験を独学で受けるメリット
メリットとしては、 費用が一番安く済む点と、 自分のペースで勉強ができる点があります。独学ならテキストと問題集を購入するだけでできるので、費用が掛かりません。また、自分の生活に合わせて勉強時間等の調節が可能です。
資格試験にあまりお金をかけられない方や、仕事等と両立しながら資格試験に挑戦する方には嬉しいメリットとなります。
登録販売者試験を独学で受ける際のデメリット
デメリットは、教材選びの手間とつまずいた時に勉強のペースが落ちてしまう点があります。登録販売者試験のテキストや問題集は色々な出版社が販売しているので、どれを買ったらいいか分からなくなる方がいるのです。
これはどの資格試験でもそうですが、独学だと分からない点を聞く相手がいません。分からない所でつまずいてしまうと、そこを理解するのに時間がかかり、勉強ペースが遅れてしまう可能性があります。
結果的に、一度の試験で合格するのが難しくなり、何度も試験に挑戦しなくてはならなくなる場合もあるのです。テキスト選びや勉強が苦手な方の場合、独学で挑戦するよりも通信講座を利用した方が良い場合もあります。
登録販売者の独学勉強法・スケジュール
では、独学のデメリットを最小限に抑えるにはどうしたらいいのでしょうか。
独学のデメリットを抑えるには、勉強方法のポイントとスケジュール管理が重要になります。登録販売者試験の勉強方法と、スケジュール管理の仕方を覚えましょう。
登録販売者を独学する際のポイント
独学で登録販売者試験に挑戦する場合、市販のテキストや問題集を活用します。この時、テキストや問題集は最新の試験範囲に対応した最新版を購入しましょう。
登録販売者試験は、 4月1日に試験範囲が発表されます。試験範囲がテキストに反映される時間を考えると、 購入時期は5月以降がおすすめです。
多くのテキストにはどの年度の最新版なのかが記載されていますので、必ず確認しましょう。
登録販売者試験は、テキストや問題の内容を暗記して挑む資格試験です。テキストは一つに絞り、その内容を少しでも多く覚えていく方が効率よく勉強できます。購入するテキストは一つにしましょう。
どんなに効率的に勉強が出来ても、勉強時間が足りなければ合格は難しいです。テキスト選びだけでなく、勉強時間の計画も忘れないようにして下さい。
オススメ参考書はこれだ
登録販売者の勉強をする上でおすすめの参考書として、「ユーキャンの登録販売者 速習テキスト&重要過去問題集」があります。
このテキストはフルカラー印刷されており、各ページには図やキャラクターがふんだんに使用されているため、勉強が苦手な方でも取り組みやすい内容になっています。
また、受験生からよくある質問などもピックアップしてくれているため、薬に関する知識が全くない初学者の方でも取り組みやすい構成となっています。
登録販売者の参考書について知りたい方は、以下の記事をご覧になってください。
登録販売者の勉強スケジュール
勉強スケジュールの立て方ですが、登録販売者試験対策は、勉強する内容の順序が重要です。具体的には、ボリュームの多い分野から取り組んでいきます。 分野ごとの順番をまとめると、以下の様になります。
- 主な医薬品とその作用
- 人体の働きと医薬品
- 薬事法関連法規・制度
- 医薬品に共通する特性と基本的な知識
- 医薬品の適性使用・安全対策
この順番で勉強スケジュールを組み立て、それに沿って勉強していきます。これだけでは具体的なイメージがわかないので、勉強する分野とその方法、勉強時間の目安を以下の表にまとめました。
分野 | 勉強方法 | 勉強時間 |
---|---|---|
主な医薬品とその作用、人体の働きと医薬品、薬事法関連法規・制度 | テキストや参考書の内容読み込み、重要部分のマーキング、暗記 | 勉強開始から1か月間 |
医薬品に共通する特性と基本的な知識、医薬品の適性使用・安全対策 | テキストや参考書の内容読み込み、重要部分のマーキング、暗記 | 次の1か月間 |
過去問5年分を1~2周 | 実際の試験時間に合わせて問題を解き、分からない所をあぶりだす、分からない部分のテキスト確認 | 最後の1か月間 |
このスケジュールは一般的な勉強期間である3か月で作成しています。生物や薬学の知識が無い、苦手という方は、もう少し長い期間を取ってもいいでしょう。
こちらのスケジュールはあくまで目安ですから、自分のペースに合わせて調節してみて下さい。
次に、分野ごとの勉強法を解説していきます。
主な医薬品とその作用
出題数が120問中40問と、問題の3分の1を占める重要な分野です。=医薬品に含まれる成分をひたすら暗記していくため、かなり時間がかかる分野でもあります。
片仮名と漢字が混じった内容をきっちり覚えるには、時間をかけて勉強するしかありません。
ノートにまとめて覚える、というよりは、 テキストを読み込んで内容を覚える形で勉強します。当然時間がかかりますから、勉強のメインメニューとして毎日勉強時間を確保してやる必要があります。
日常を利用した勉強方法
ただ勉強するだけでなく、ドラッグストア等で実際に商品を手に取り、有効成分を確認して覚えるのも有効な勉強方法です。
問題の中には漢方薬に関する問題も含まれていますが、こちらはそのまま覚えるのではなく、キーワードを絞り込んで効率的な勉強を心がけましょう。
人体の働きと医薬品
勉強内容自体は、高校で習う生物やその基礎と変わりません。
しかし、かなり細かい内容が出題されるので、テキストにある内容を隅々まで覚えることが合格のカギとなります。 覚えにくいので、テキスト等にある臓器の図を見ながら内容を確認しましょう。
覚え方ですが、主な医薬品とその作用と同じ様に丸暗記しようとすると、かえって効率が悪いです。過去問等を難問か解いていると、出題傾向が自然と分かるようになります。出題傾向に合わせて、内容を覚えるようにしましょう。
薬事関係法規・制度
昔は出題傾向がある程度決まっていましたが、最近は人体の働きと医薬品同様、細かい部分を問うような問題が増えています。=勉強をしっかりしておかないと、足切りの点数に引っかかってしまう可能性が高くなります。
この分野では ひっかけ問題も多く出題されます。テキストの内容を正確に覚えるのはもちろん、過去問を解き、ひっかけ問題や細かい部分を問う問題にも強くなっておくことが大切です。
医薬品に共通する特性と基本的な知識
副作用やセルフメディケーション等、常識的に考えれば答えられる問題が多いです。他の問題に比べて解きやすい傾向にある分野でもあります。そのため、勉強時間はこれまでの分野よりも少なめでも問題ありません。
ただ、出題範囲の後半にある 「薬害の歴史」は注意が必要です。似たような内容が複数出て来るので、混同して覚えてしまうと足切りの点数に引っかかる可能性が高くなります。テキストの内容を正確に覚えるようにして下さい。
医薬品の適性使用・安全対策
他の分野と関わる点が多く、比較的簡単な分野です。そのため、勉強する時期は後の方がやりやすくなります。出題される項目は以下の3つになります。
- 医薬品の添付文書の読み方
- 副作用情報
- 医薬品副作用被害救済制度
他の分野に比べ簡単ではありますが、別の分野が関わるため、勉強時間や内容が足りていないと足をすくわれる分野でもあります。 しっかり勉強しておきましょう。
最後は過去問を5年分解く
一通りテキストを勉強したら、過去問題を解きます。この時、 最低でも5年分の過去問を解くようにしましょう。
登録販売者試験の問題は、過去問を通して覚えていくのが一番効率よく勉強できます。過去問の間違えた部分は、正確に覚えられていない部分です。
過去問の解説やテキストの該当する箇所を確認し、内容の抜けを埋めていきましょう。
過去問を通して自分の苦手分野を知る
過去問を複数解いていると、必ず不正解が多い分野や問題が出てきます。そこが自分の苦手分野です。 過去問を複数回解くのは、この苦手分野をあぶりだす目的もあります。
苦手分野が分かったら、その分野を重点的に勉強しましょう。 苦手分野の内容や問題をノートにまとめておき、テキストとは別に見直しする習慣を身に付けるのも、おすすめの勉強法です。
過去問題について
後述しますが、登録販売者試験の問題は、実施される都道府県によって問題が違います。合格率には足切りがありますが、この足切りの合格率が都道府県によって違うのは、問題の違いも関係しているのです。
そのため、過去問も5年間分集めるとかなりの量になります。自分の住んでいる所の問題だけでなく、他の地域の問題にも挑戦してみましょう。 幅広く、多くの問題を解くことが合格への第一歩となります。
問題を解く制限時間について
先程も触れましたが、登録販売者試験は各分野の問題で 制限時間が決められており、この時間内に各分野の問題を回答しなくてはなりません。
資格試験によっては、難しい問題を飛ばして簡単な問題や得意な問題から回答していく方法が取れますが、登録販売者試験の場合、分野ごとに試験時間が区切られているので、難しいです。
登録販売者試験に合格するには、ただ内容を覚え、問題を解くだけでは不十分です。時間内に全ての問題が解けるよう、実際に時間を区切って過去問に挑戦することも必要になります。
登録販売者試験の合格率と日程
最後に、登録販売者試験の合格率と日程について解説します。申し込み方法についても触れていきますので、試験準備にお役立て下さい。
合格率は40%前後
登録販売者試験の合格率は、 全体で40%前後となっています。登録販売者試験は都道府県ごとに実施される試験です。そのため、日程や会場、試験内容や合格率にバラつきがあります。
とある県では合格率が60%もあるのに対し、別の県では20%台と、 実施する都道府県によって、難易度にかなりの差があるのです。
全国的な平均合格率としては43.9%程度ですが、ブレが大きいことを考えると、アテにしない方がいいでしょう。
開催時期と会場について
登録販売者試験の開催時期と会場ですが、これも実施する都道府県によって違います。 試験日は 8月~12月の間に開催される傾向にあります。
資格試験の場合、年2回行われるものもありますが、登録販売者試験は 年1回のみとなっている自治体が多いです。
試験の申し込みは 試験日の約3か月前から始まりますが、 申し込み可能期間は2週間前後ととても短いです。受験申請書類の取り寄せにも期限があるので、その点にも注意して下さい。
受験申請願書の取り寄せ方法
受験するための申し込み書類は、2つの方法で取得できます。
- 各都道府県が定めている配布場所に行き、受け取る
- 郵送による取り寄せ
願書を取りに行く場合、 市町村の保健所で受け取れます。直接願書を受け取りに行く場合は、願書を取り扱っている保健所とその受付時間を確認しておきましょう。
近くに保健所が無い場合は、郵送による取り寄せとなります。郵送代や切手代を負担すれば、郵便で願書を用意できます。
どちらの場合でも、願書の受け取り期間が決まっています。期間内に受け取るようにしましょう。特に郵送の場合、送られてくるまでに時間がかかります。
受け取る期間が申込期間ギリギリだと、申込みが間に合わない可能性も出てきます。それぞれの期間に注意しましょう。
願書と提出書類について
登録販売者試験の申し込みは、以下の書類を都道府県が指定している場所に郵送して行います。 必要書類は以下の書類です。
- 受験申込書(願書)
- 写真
- 受験手数料(都道府県の収入印紙、金額は都道府県によって違う)
- 返信用封筒の切手代、62円
願書の提出は提出日や必要書類、金額が都道府県によって違います。 注意しましょう。受験票は郵送で受け取るのですが、そのための返信用切手が必要になります。こちらも忘れずに準備して下さい。
一発合格を目指すなら通信講座
この記事を通してお伝えしたように、独学には「お金がかからない」「自分のペースで勉強できる」というメリットがあります。
しかしながら、「教材選びに手間がかかる」「一発合格できない」というでデメリットがあるのも事実です。そのため、もし登録販売者試験の一発合格を目指すなら通信講座を受講してしまうのがおすすめです。
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登録販売者の独学まとめ
登録販売者試験の独学まとめ
- 登録販売者試験は受験資格が無いため独学で受験が可能
- 独学で合格するにはテキスト選びと勉強スケジュールが重要
- 暗記が主になるので毎日勉強する時間を作る
- 過去問を出来るだけ多く解くことが合格への近道
登録販売者試験は、勉強スケジュールをしっかり立てれば独学での合格も難しくはありません。しかし、テキスト選びや計画的な勉強が難しい場合は、独学で頑張るよりも通信講座を利用した方が良い場合もあります。
これまでの内容を見て、独学が難しいと感じた方、確実に一発合格したいと思った方は、登録販売者試験の通信講座を活用してみて下さい。