登録販売者の従事登録の診断書はどこで手に入れる?申請の流れを解説
「登録販売者の従事登録診断書はどのように入手すればいいの?」
「登録販売者試験に合格したらその後どのような手続きが必要なの?」
このような疑問をお持ちの方、いらっしゃいませんか?
登録販売者として仕事を行っていくためには、試験合格後に登録を受けなければなりません。
また、登録するにあたっても様々な規定があり、諸条件をクリアしなければなりません。
こちらの記事では、登録販売者試験合格後の手続きの流れや必要書類の一つである従事登録診断書の入手方法などについて解説します!
登録販売者試験合格後の手続きについてざっくり説明すると
- 登録販売者になるためには2年以上の実務経験が必要となる
- 販売従事登録にあたっては必要書類があるため、予め準備できるものはしておくと良い
- 販売従事登録証が届いたら、あとは勤務先にお任せ
- 医師の診断者は入手に時間がかかる
登録販売者の販売従事登録とは
登録販売者は、試験に合格した後に就職先が決まったら、就職先のある都道府県にて販売従事登録する必要があります。
販売従事登録しなければならない理由は、法律で「過去5年間のうち実務経験が通算して2年以上」ない場合は、単独で売り場に立てず、経験者の下で従事する必要があると定められているためです。
つまり、登録販売者試験に合格しても、実務経験が2年以上ない場合は登録販売者を名乗ることができないのです。
実務経験が2年に満たない人の場合は登録販売者ではなく「登録販売者研修中」の身分であり、この場合は薬剤師または登録販売者の管理および指導の下で医薬品の販売に従事しなければ登録販売者になることはできません。
また、過去に実務経験が2年以上ある人や働き始めて実務経験が2年に達した場合は実務(業務)従事証明書を申請でき、晴れて登録販売者となることができます。
なお、実務経験として認められるものは以下の通りです。
- 一般従事者として、薬剤師・登録販売者の管理下で医薬品販売の実務に従事した
- 登録販売者として、薬剤師・登録販売者の管理下で医薬品販売の業務に従事した
- 登録販売者として、店舗管理者または区域管理者の医薬品販売の業務に従事した
販売従事登録の手順
まず、登録販売者試験に合格したら、就職する店舗が存在する都道府県で販売従事登録を行う必要があります。
この販売従事登録は就職する場合に必要なのであり、特に資格を活用して働かない場合はこの手続きをしなくても問題ありません。
なお、販売従事登録の申請書類の提出方法は、郵送や持ち込みなど都道府県によって異なるため、各都道府県のホームページで確認するようにしてください。
具体的な手順としては、以下の流れの通りです。
-
合格後に合格通知が届く
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申請に必要な書類揃えて都道府県に申請する
-
販売従事登録証が届く
-
それを持って保健所に販売従事登録をする
-
勤務
なお、保健所への申請は就職先が一括で行ってくれる場合が多いです。
そのため、登録証が届いたら大切に保管しておき、会社から提出を求められたらすぐに出せるようにしておきましょう。
販売従事登録に必要なもの
必要な書類は全部で6点あります。
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都道府県ごとの販売従事登録申請書
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登録販売者試験の合格通知書
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戸籍謄本・戸籍抄本又は戸籍記載事項証明書
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医師による診断書
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使用関係証明書
-
登録手数料であること
それぞれ入手方法がありますが、次の章で詳しく解説していきます。
販売従事登録をしたら
都道府県に対して販売従事登録をした後は、販売従事登録証は数日〜1週間程度で届きます。
販売従事登録証が届いた後の保健所への登録業務は、多くの場合就職先の会社で行ってくれるため、登録証が家に届いた段階で従事者のやるべきことはほとんど終了です。
もし登録証を紛失してしまった場合は再発行手続きが必要となるため、無くさないように大切に保管しましょう。
一度従事登録をすれば全国どこでも医薬品販売に従事することができるため、全国で登録販売者試験に合格した実績を生かすことができます。
また、本籍地都道府県名・氏名(苗字など)・生年月日に誤りがあったり変更が生じた場合は、変更申請が必要となります。
これら以外にも、定期的かつ継続的に登録販売者としての資質向上を目的として、年に1回都道府県にて実施される外部研修を受けなければなりません。
この研修では、厚生労働省が示している「外部研修に関するガイドライン」に則り、「医薬品に共通する特性と基本的な知識」「人体の働きと医薬品」「主な一般用医薬品とその作用」「薬事に関する法規と制度」などを学びます。
従事登録に必要な診断書はどう入手する?
こちらのトピックでは、販売従事登録に必要な書類の入手法について解説していきます。
診断書のもらいかた
前述した6つの必要書類の中で、入手に一番手間がかかるのが医師による診断書です。
合格通知書に診断書が同封されているため、そのフォーマットに合わせて内科などのかかりつけのお医者さんに記載してもらう必要があります。
なお、診断書のフォーマットはインターネット上でダウンロードすることもできるため、書類が届く前に準備することも可能です。
なお、診察してもらい証明をもらうためには3,000~5,000円ほどかかってしまうことが多いです。
医者による証明なので、コストがかかってしまう点には注意しましょう。
診断書はなんのために必要?
この医師による診断書は、精神障害・麻薬・あへん・覚せい剤の中毒者で無いことを証明するために用いられます。
自分で書ける内容であることに間違いは無いのですが、医師による署名押印が必要なので、面倒であっても内科の先生などに見てもらいましょう。
なお、証明は直近3ヶ月以内のものである必要があります。
他の書類の揃えかた
他の書類の準備方法は以下の通りです。
- 合格通知書
郵送で合格発表後の約1週間後に自宅に郵送され、基本的に原本には何も手を加えずそのまま提出すればOKです。
ただし、原本は提出後に返却されないため、必要があれば事前にコピーなどしておくと安心です。
- 使用関係証明書
会社側で記入してもらう書類なので、会社に証明して欲しい旨を伝えればOKです。
総務や人事の人が証明してくれるので、完成を待ちましょう。
- 戸籍謄本・戸籍抄本又は戸籍記載事項証明書
市役所などで申請すれば入手できます。
- 都道府県ごとの販売従事登録申請書
都道府県や保健所のホームページからダウンロードできます。
過去に違反歴などがなければ判子を押して署名するだけの簡単な書類です。
登録手数料は10,000円前後
登録手数料は都道府県によって手数料は異なりますが、1万円前後となっています。
支払方法に関しては、収入証紙で納入の県が多いですが一部では現金払いのところもあるため、事前に問い合わせやホームページなどで確認しておくと良いでしょう。
登録販売者の就職先
それでは、登録販売者として勤める場合はどのような場所があるでしょうか?
ドラッグストア・薬局
ドラッグストアや薬局は、最も身近な医薬品を提供している店舗なので、登録販売者の花形の勤務先となります。
自分自身が病気になった時も、まずはドラッグストアや薬局で薬を調達する人が多いではないでしょうか?
多くの人が来店して自分の症状にあった医薬品を探すため、適宜話を聞いて最適なアドバイスなどをしなければなりません。
多くの医薬品を扱うため、覚えておくべき知識や薬の名称なども膨大ですが、大きなやりがいを感じられるでしょう。
また、ドラッグストアでは医薬品以外にも日用品を取り扱っている店舗もあるため、レジ内から在庫の管理や商品の陳列や整理など、登録販売者と関係ない業務も担う可能性があります。
特に規模が大きいドラッグストアでは、このような雑用も商品を販売する上で欠かせない業務となります。
店舗によっては化粧品なども売っているため、コスメなどに興味がある方にはおすすめの勤務先です。
コンビニ
最近ではコンビニでも医薬品の販売ができるようになったため、コンビニの登録販売者の求人が激増しています。
一般的にコンビニは業務が忙しいため、時給はドラッグストアなどよりも高い場合が多いです。
コンビニでの医薬品販売が認められた背景として「医療費負担の増加」があるため、これから高齢者向けの医薬品の販売拠点としてどんどん需要が拡大していくと考えられています。
「病院やドラッグストアが近所にないけどコンビニで薬が買える」ことで生活が助かる人は多いため、コンビニにおける登録販売者の求人は今後注目です。
スーパー
あまり多くはありませんが、スーパーで薬を売っている場合もあります。
スーパーで医薬品を取り扱う場合はフロアで区切られているところも多いので、レジ打ちや在庫管理などの雑用業務はドラッグストアより少ない傾向にあります。
時給はドラッグストアとコンビニの中間くらいですが、コンビニと同じように今後の医薬品の供給の場として注目されているため、待遇は良くなっていくと考えられています。
地方ではスーパーの役割りを果たしている大規模なドラッグストアもあるため、このような店舗においては高い需要があるでしょう。
登録販売者の就職先については下記の記事をご覧ください。
今後ますます活躍の場は広がる
薬事法が改正されたことに伴って、薬局以外でもコンビニやスーパーマーケットなど様々な場所で医薬品の販売が認められるようになりました。
これにより、登録販売者の活躍できる場が非常に広がったのです。
先程紹介した場所以外にも、ホームセンターや家電量販店でも医薬品を扱う店舗が増えつつあることからも、登録販売者の需要の高まりが分かるでしょう。
また、近年新たに創設されたセルフメディケーションも、登録販売者の価値を高める上で注目されています。
セルフメディケーションとは、自分自身で自分の健康状態を把握して、必要に応じて適切な医薬品を使用しながら健康の維持を図る考え方を指します。
このセルフメディケーションが導入された背景として、社会保障費の増大があります。
つまり、医療費の上昇に伴って国の社会保障費の負担も深刻な状況になってしまい「このままだと国の財政が悪くなる一方なので、できるだけ医療機関を利用せずに市販薬で体調を調えてくださいね」という国からのメッセージでもあるのです。
また、多くの人が医療機関ではなく市販薬で済ませることにより、医療機関の混雑緩和や医療従事者の負担の軽減につながるなど、社会的にも様々なメリットがあるのです。
このような考え方が登場したこともあり、以前では医薬品を取り扱うことができなかった店舗において医薬品を販売する環境が整っています。
医薬品を扱う店舗が増えれば登録販売者の需要も増していくため、今後ますます登録販売者の活躍の場は広がっていくでしょう。
登録販売者試験合格後の手続きまとめ
登録販売者試験合格後の手続きまとめ
- 登録販売者を名乗れるようになるには実務経験が必須なので、気を付けよう
- 試験に合格したら安心して気を緩めがちだが、手続きを忘れないようにしよう
- 医師の診断者は時間がかかるため、早めに準備しておくと良い
- 晴れて登録販売者になることができれば、活躍できるフィールドは広い
登録販売者は、今後ますます価値が高まっていくと考えられており、注目は高まっていくでしょう。
試験に合格しても、しっかりと手続きをして登録販売者を名乗れるようになれなければ意味はありません。
取得メリットを享受するためにも、ホームページなどで確認してしっかりと手続きをするようにしましょう。
活躍できるフィールドが広くいくらでもつぶしが利く非常に魅力的な資格なので、登録販売者を名乗れるように頑張りましょう!