行政書士の将来性の実情は?AI時代の行政書士の需要を徹底考察!

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行政書士

宮城彩奈

「行政書士って将来性のある仕事なの?」

「行政書士は仕事がないなんて話も聞いたけど、本当に需要のある資格なのかな・・・」

このような疑問や不安をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

特に近年ではAI(人工知能)の発達により様々な仕事が奪われていくといった旨の記事やニュースも目立つので、あらゆる職業で将来性に対する不安は高まっています。

そこでここでは行政書士の将来性の実態について、行政書士を取り巻く現状やAIの発達なども考慮しつつ考察していきます!

行政書士の将来性についてざっくり説明すると

  • 行政書士の将来性は不安視されているが、実態は騒がれているほど深刻ではない
  • AIなどの技術は行政書士の仕事を奪う一方で、新たなビジネスチャンスを生んでいる
  • 平均寿命が伸び続けている現代において、独立開業できる行政書士は魅力的な資格である

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行政書士の仕事の将来性

仕事中の女性

行政書士の未来は明るい?

一昔前までは、士業といえば安泰というイメージがありました。

弁護士や司法書士などが代表例で、近年だと宅建士も士業の仲間入りをしました。

しかし、今は残念ながら「行政書士である」ということだけで評価されるという時代ではありません。

行政書士の仕事は事務的な書類作成や手続きが中心となっているため、機械による代替がされやすいのも事実です。

一方で、行政書士は役所に対して行うあらゆる手続きの専門家であり、そのような手続きでは、人間による相談業務や細かいアドバイスが必要となります。

つまり、事務的な作業そのものは機械に代替される可能性がありますが、行政書士が存在する意義・役割は消えることはなく、今後も需要は保たれ続けるでしょう。

行政書士の業務範囲は常に拡大している

法律というものは、新しく作られたり、また改訂がされたりと常に状況が変化します。

そして、行政書士の仕事は新しい法律が生み出されたり、新技術に対応した法改正が行われるにしたがって増え続けていくという特徴があります。

近年だと例えばマイナンバー制度や、ドローンなどの新技術に対応した法改正が行われました。

こうした新しい法律の施行により、行政書士の業務範囲が広がっています。

このような時代の変化から、先見性を持ちトレンドに注意を払っている行政書士が、今後は新しい顧客などを獲得しビジネスチャンスを広げていくことになります。

最新の情報を積極的に取り組んでいくことで、機械化の波にのまれる事なく常に必要とされ続ける行政書士になることができるでしょう

行政書士の将来性に与えるAIの影響

AIは、膨大な数のデータ処理や計算などの簡単な仕事が得意分野です。

行政書士の仕事だと、残念ながら単純な書類作成についてはAIに取って代わられる可能性は高いと言えます

実際、AIによる影響で20年後には現在の行政書士の仕事は90%ほど代替される可能性があると示唆した研究もあります。

一方で上述のように行政書士の仕事範囲は日々広がっており、こうした新興の仕事はAIに変わられることは考えにくいです。

さらに言えば、行政書士会全体でもこうした機械化やAIによる影響に負けないように日々努力や工夫を重ねているので、ただ仕事が消えていくのを待つばかりという状況では全くないのです。

AI時代の生き残り方をAIに相談してみた

行政書士の仕事はAIに奪われてしまうのか、その答えをAIであるChat GPTに聞いてみました。(以下下線部がAIによる回答)

行政書士の将来性は、AIとの協働が鍵となります。AI技術が書類作成や情報収集を効率化し、行政書士は専門的なアドバイスや対応に集中できます。しかし、AIが単純業務を代替することで、求人数に影響が出る可能性があります。

行政書士は、AIと協力し、対人スキルや法律知識の深化を図ることで価値を高めます。また、AIを活用したサービス提供や顧客対応が、業界の競争力を維持する要素となります。AI時代でも、高度な専門知識と人間性が求められる行政書士が重要な役割を担うでしょう。

以上がChat GPTの回答でした。やはり単純な書類作成だけではなく、対人スキルを活かしたアドバイス業務などに力を入れることで、行政書士としての市場価値を高めていくことが求められそうですね。

IT化をビジネスチャンスに変える

行政書士の最大の強みは業務範囲の幅広さです。

AIの普及の中でもこの業務範囲の広さが生き残りの鍵になります。

前述したドローンのように、新しい技術の発展に伴い法律も整備されていきます。

そのときに、新しい法律に則ったコンサルティング業務、関連する周辺業務にも積極的に目を向けることで、新しいビジネスチャンスを次々と生み出すことができます。

それだけでなく、新しい技術は行政書士の業務効率化にも役立ちます。

AIに簡単な仕事を任せ、自分は営業活動や、対人業務に専念することでより顧客視点に立ったサービスが提供できるようになるでしょう。

そうした最新技術を常にチェックし、積極的に取り入れることで他の行政書士との差別化を図ることにもつながります。

行政書士の仕事にはどんなものがあるのか

サラリーマンの写真

行政書士は「街の法律家」とも呼ばれ、広く認知されている国家資格です。

行政書士の主な仕事は官公庁に提出する書類の作成や、それに伴う手続き業務です。これらの仕事を通じて、行政書士は私たちの日頃の生活にも密着したあらゆる手続きを助けてくれます

仕事内容は一見すると地味なので「誰にでもできる仕事」と言われることもありますが、官公庁向けの書類を素人が作るのは極めて困難です

役所に提出する書類は様式などが厳格に定められており、記載漏れ等あれば再提出を求められるので、とても煩雑で面倒な作業なのです。

行政書士に依頼する方はこうした手続きの大変さをよく理解しているので、企業の社長や個人の相談相手からは「先生」と呼ばれ頼らることでしょう

このように、行政書士は人々の役に立てるやりがいのある仕事だと言えるのです。

行政書士の独占業務で出来ること

行政書士は「代書屋」と呼ばれるだけあり、主に官公庁に対しての書類の提出・作成代行が業務となります。

行政書士は1万種類以上の書類を扱いますが、「官公庁に提出する書類」「権利義務に関する書類」の作成は行政書士の独占業務になります。

前述した通り、作成できる書類の種類は新たに法律が制定・改訂されれば増えます。

新しい法律にすぐに対応できる個人や法人は多くなく、そこでも行政書士は頼られることになります。

独占業務の中でも、他の行政書士よりも幅広い分野を扱ったり、専門的な分野に特化したりすることで、差別化を図りながら活動している行政書士も少なくありません。

行政書士の独占業務については下記の記事も是非ご覧ください。

相談業務は特に将来性が高い

AIによる代替可能性が低い業務の代表例としてコンサルタント業務があります。

AIの得意分野はデータの集積と分析であり、コンサルタント業務のような人の要望を細かく聞きながら臨機応変にアドバイスを提供していく業務は得意としていません。

一方で、行政書士がコンサルタント業務で食っていくことは簡単ではないことも一つの側面として存在します。

行政書士は許認可申請の専門家であり、コンサルタント関連の業界には行政書士よりもレベルが高いコンサルタントの専門家がいるからです。

ただし、だからと言って完全にコンサルタントとしての道を捨てるのはもったいないです。

自身の専門とする分野で十分な実務経験を積み、顧客の課題を分析する力を身につけることができれば、その分野でのコンサルティングも視野に入れることが出来るようになるはずです。

そうすることで、更に将来性の高い行政書士へと近づくことが出来るでしょう。

企業勤務と独立はどっちが将来性が高い?

独立した男性

そもそも行政書士は社労士のように一般企業に勤める「勤務社労士」のような形はありません。

つまり、「勤務行政書士」という形態は取れないため、行政書士としての業務を行うならば独立か行政書士事務所などの事務所に勤める必要があります

一方で行政書士資格を取得しても行政書士にはならず、資格を活かして一般企業の就職や転職を有利に進めることも出来ます。

法人では個人よりも許認可申請を多く扱う機会があるため、総務などの部門で活躍できるでしょう。

士業事務所および一般企業での勤務は、もちろん安定という面では継続的な収入が見込まれるため独立よりも優れているといえます。

しかし独立すると、定年という概念が無くなります。

何歳になっても自分の力だけで稼ぐことが出来るので、人生百年時代と言われる現代では非常に魅力的だと言えるでしょう。

一般企業に勤めた場合でも、いずれ行政書士として独立が出来るよう準備を進めておくのをおすすめします。

最新の法改正情報はもちろん、営業のノウハウや市場環境について勉強を継続しておくと独立した直後でもスムーズに業務に入れるでしょう。

結局行政書士を目指すのはおすすめできる?

疑問の女性

インターネット上では「食えない」資格だと言われることもある行政書士ですが、当然ながら行政書士資格を取得するメリットは非常に大きいです

行政書士の資格は持っているだけで社会的な評価が上がる知名度の高い資格であり、安定した需要とAIに負けない将来性を持つ魅力的な資格だと言えるでしょう

このように魅力の多い行政書士ですが、一方で取得までには1年ほどの学習期間が必要な難関資格でもあります。

合格率も10%前後と高くなく、目指す際はしっかりと覚悟を持って勉強に取り組む必要があるということを忘れてはいけません。

ただし、難関とはいえ会計士や弁護士などのような超難関資格と比べれば比較的取得はしやすい上に、一度試験に合格すればその資格は生涯有効な一生ものの資格なので、努力して目指す価値は十分あると言えるでしょう。

他の資格との組み合わせの相性も良い

行政書士はダブルライセンスの相性が良い資格が多いことも魅力の一つです。

資格取得を通じて様々な可能性が広がるので、行政書士はキャリアアップを目指す上での第一歩として最適な資格だと言えるでしょう

行政書士から社労士にステップアップ

社会保険労務士は、社会保険関係のプロフェッショナルです。

行政書士と社労士は専門分野が異なりますが、様々な手続き関係で相互補完できる関係性になっています

行政書士が社労士資格を持つことで、会社の設立などの手続きからその後の労働者の雇用保険などに関する手続きまでをサポートできるようになるなど、主に対法人の営業の面で力を発揮できます

社労士の仕事内容については以下の記事をご覧ください。

行政書士から司法書士にステップアップ

司法書士は行政書士と業務範囲が近い上に、試験範囲の大部分が被っているのでステップアップとしては最適な資格です

司法書士は極めて難易度が高い資格ですが、その分活躍の場は広く、より専門性の高い法律家として人々の役に立てるようになります。

他の行政書士と比較しても大きな差別化を図れるでしょう。

司法書士の仕事内容については以下の記事をご覧ください。

行政書士とFPも相性が良い

FPは、身の回りのお金に関するプロフェッショナルです。

行政書士とFPとダブルライセンスにより、主に相続などの面で活躍が見込まれます。

遺言書の作成や、遺産分割の協議書の作成も行政書士の業務範囲となるため、今後高齢化が進む日本において将来性が豊かな組み合わせと言えるでしょう。

FPはマネーコンサルティングの専門家となので、行政書士の資格と絡めたコンサルティング業務で他の行政書士との差別化も見込まれます。

FPは比較的取得も容易なため、自信の将来性を広げる意味でも、取得はオススメです。

行政書士の将来性まとめ

行政書士の将来性まとめ

  • 行政書士の仕事の一部はAIなどの機械に代替されてしまう
  • 行政書士の業務範囲は拡大し続けており、仕事がない状況に陥るのは考えにくい
  • 資格取得の難易度は高いが目指す価値は十分ある
  • ダブルライセンスの組み合わせも豊富であり、「次に繋がる」優秀な資格である

行政書士は巷で騒がれているように需要の無い資格では全くありません。

むしろ今後も「街の法律家」として様々な分野での活躍が期待される、将来性のある資格なのです。

取得までの道のりは決して甘くはありませんが、その分リターンも大きい一生ものの資格です。

皆さんも行政書士資格の取得に向けて一歩を踏み出してみませんか。

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