行政書士試験に受かる気がしない原因とは?不合格の要因から受かる勉強法まで解説
「行政書士試験に受かる気がしない…」
「行政書士試験の勉強を続けるのがきつい」
このような悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
行政書士試験は難関資格として知られており、長期間にわたって勉強を続ける必要があります。
勉強をしている中で「きつい」と感じることもあるため、試験に合格するにはモチベーションを保つことが重要です。
こちらの記事では、行政書士試験に受かる気がしない理由や、合格するための勉強法について解説します。
行政書士試験の勉強法で悩んでいる方に役立つ内容となっているので、ぜひ最後までご覧ください。
行政書士試験に受かる気がしない理由についてまとめると
- 合格に必要な勉強量と勉強時間が膨大で、挫折しやすい
- 合格率が低い試験なので、モチベーションを失いがち
- 法律の勉強をしたことが無い人にとって、理解するのが大変
- 択一式だけでなく、記述問題もあるため対策が大変
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行政書士に受かる気がしない理由
行政書士の勉強をしている中で「行政書士に受かる気がしない」「理解が進まずにきつい」と感じることは少なくありません。
確かに、行政書士試験は難関なので、簡単に合格できないのは事実です。
まずは、行政書士の勉強を進める中で自信を失ってしまう理由を解説していきます。
合格に必要な勉強量・時間が膨大
一般的に、行政書士試験に合格するために必要な勉強時間は500〜800時間程度と言われています。
生活スタイルによって勉強期間は異なりますが、忙しい社会人や主婦の方などは1年近い勉強が必要となるケースもあります。
場合によっては、隙間時間を活用して勉強しなければならないため、自由時間が大きく減少してしまうこともあるでしょう。
行政書士試験は、試験範囲が非常に広いうえに、単純に暗記するだけでは合格できない試験です。
もし一度試験に落ちてしまうと、合格するまでに2〜3年かかることもザラにあります。
合格率が低い
行政書士試験の2012年〜2022年における平均合格率は11%となっています。
年度 | 合格率 |
---|---|
2012年度 | 9.2% |
2013年度 | 10.1% |
2014年度 | 8.3% |
2015年度 | 13.1% |
2016年度 | 10.0% |
2017年度 | 15.7% |
2018年度 | 12.7% |
2019年度 | 11.5% |
2020年度 | 10.7% |
2021年度 | 11.2% |
2022年度 | 12.1% |
上記のように、11%前後で安定していることがわかります。
年度によっては合格率が一桁台となっているため、やはり行政書士試験の難易度は高く「受かる気がしない」と感じてしまうのも仕方ありません。
行政書士試験は「約10人に1人しか合格できない」というレベル感をしっかりと押さえておきましょう。
専門用語の理解が大変
行政書士の勉強では、法律に関連した専門用語が多く出てきます。
法律の勉強をしたことがない人にとっては、まず用語の理解から始める必要があるため非常に手間です。
専門用語を理解できなければ、問題文も理解できないため、初心者の人は法律用語の理解を優先する必要があります。
なかなかテキストの内容を理解できず、問題演習でも不正解が続くと「行政書士に受かる気がしない」と感じるのも無理はありません。
試験勉強中にわからない法律用語が出てきても、放置しないことが大切です。
何回も不合格になる人も一定数存在
2012年〜2022年の行政書士試験の平均合格率は11%となっており、数値上は「落ちて当たり前」の試験です。
実際に、何回も不合格になってしまう人も一定数存在するため、何度も挑戦する中で「このまま受けていても大丈夫だろうか」とネガティブになってしまうこともあります。
合格者の多くは2〜3回目の受験で合格しているため、一度不合格になってもあきらめる必要はありません。
不合格になったとしても、モチベーションを高く保つことが重要と言えるでしょう。
一般知識に足きりがある
行政書士試験は、大きく分けて「法令等科目」「一般知識科目」となっており、それぞれ足きりが設けられています。
特に、対策が難しい一般知識科目において、足きり基準に苦しむ受験生が多いです。
一般知識等科目は56点満点で、24点未満の場合は足きりで不合格が確定してしまいます。
14問中6問正解しないと不合格が確定するため、苦手だからといって一般知識を放置することはできません。
一般知識科目は試験範囲が広く出題される問題の予測が難しいため、過去問などで多くの問題を解くことが大切です。
記述問題の対策が必要
行政書士試験では、問いに対して自分の言葉で記述する「記述式問題」が出題されます。
択一式だけでなく記述問題の対策も必要であるため、「解ける気がしない」と自信を失ってしまう受験生は多いです。
しかし、記述問題の配点は高いため、合否を左右する要因となる可能性がある重要問題です。
記述問題は、自分の持っている知識をわかりやすく記述する必要があるため、柔軟性や応用力が求められます。
苦手意識がある場合は何度も演習をこなして、論点を外さないことと、誤字脱字に注意して回答することを意識しましょう。
独学は正直きついので注意
行政書士試験は独学でも合格を目指せますが、独学だと挫折しやすいです。
初心者が独学で学習を進めることが困難な理由として、
- わからない箇所が出てきたときに質問できない
- 疑問が放置されてモチベーションがなくなる
- 同じミスを繰り返してモチベーションがなくなる
- 学習費用をかけていないため、あきらめやすい
などが挙げられます。
行政書士試験に独学で合格するには、ある程度の法律知識を有していること、自己管理能力が高いことが求められます。
もし学習に不安を感じる場合は、無理に独学で進めるのは危険です。
独学ではじめてスタートで挫けると余計に受かる気がしなくなってくるので、可能であれば予備校や通信講座の利用をおすすめします。
参考書が自分に合わないケースが多い
独学用の行政書士対策の参考書は多く売られていますが、参考書が自分に合わないと内容が頭に入りません。
何度読んでも理解できないと、「合格できる気がしない」と感じてしまうのは仕方のないことです。
参考書を選ぶ際には、自分の学力に合った教材を選ぶことと、勉強しやすいと感じたものを使うことが大切です。
「市販の参考書は大差ない」と考えるのではなく、しっかりと自分に合ったものを選ぶことが大切です。
行政書士に受かるために実践すべき勉強法とは?
難関な行政書士試験に受かるためには、効率よく知識を吸収する必要があります。
効率的な勉強を実践できるか否かが、合否を分けると言っても過言ではありません。
以下で、行政書士に受かるために実践すべき勉強法を解説します。
学習計画をしっかりと立てよう
一般的に、行政書士試験対策は長期に渡るため、学習計画をしっかり立てることが大切です。
行政書士試験に合格する目的を持つことで、勉強のモチベーションを高めることができます。
勉強を進める過程では、得意分野と弱点を把握し、バランスよく勉強することを意識しましょう。
また、行政書士試験には行政法と民法の出題が多いという特徴があります。
出題が多い重要科目に勉強時間を割いて、得点源にできれば自然と得点力が伸びるようになります。
通信講座を利用しよう
行政書士試験は、独学でも合格できますが、合格する可能性を高めたいなら通信講座を利用しましょう。
特に、法律の勉強初心者の人は基礎的な用語から理解する必要があります。
予備校を利用しないと、基礎的な部分が理解できず学習効率が大きく落ちてしまうことも考えられます。
法律の根本を理解し、網羅的に勉強するためには通信講座を利用するのがおすすめです。
通信講座は独学よりも学習コストがかかりますが、安い費用で高いレベルの講義を受けられる通信講座も存在します。
コストパフォーマンスに優れた講座を受ければ、学習コストを抑えつつ合格という結果を手に入れることができるでしょう。
なお、もちろん予備校に通学するという選択肢もありますが、この場合は通信講座の数倍の出費を覚悟しなければならないので、コスパ重視であれば通信講座一択でしょう。
過去問を徹底的に復習
行政書士試験対策を進める上で、過去問対策は必須です。
行政書士試験では、過去問の焼き直しや類似問題が出ることが多いため、過去問徹底的に復習することは効果的です。
過去問題集を何周も繰り返すと、問題慣れして様々なアプローチの問題にも対処できるようになるでしょう。
また、使うテキストは1つに限定しましょう。
どのテキストでも載っている内容に大差はないため、複数用意するメリットはほとんどありません。
通信講座を受講する場合は、講座で使うテキストや問題集だけに絞り、市販の教材を買う必要はありません。
模擬試験を受けよう
本試験が近づいてくると、多くの予備校では模擬試験を開催しています。
模擬試験は、現在の自分のレベルを測る絶好の機会なので、模擬試験を受けることは有意義です。
模擬試験を受け、本番の雰囲気をイメージすることで、本番でも慌てずに済む経験を得られるでしょう。
模擬試験で合格点を取れれば本番に向けて自信を得られ、逆に思うように得点できなかったら課題を分析できるメリットがあります。
模擬試験の結果には、受験者全体の平均点や自分の苦手分野など、客観的なデータが掲載されています。
結果を基に自分の弱点を分析することで、本試験までに自分のやるべきことを把握できるでしょう。
演習は本番のつもりで、本番は演習のつもりで
普段の勉強で行う演習は、本番のつもりでこなしましょう。
長期間にわたって勉強していると、マンネリ化してしまい「演習のための演習」になってしまうことが少なくありません。
また、分からない問題があると、深く考えずに回答を見てしまうこともあるでしょう。
当然ですが、本試験では教材の持ち込みが禁止されているため、すべての問題をノーヒントで回答する必要があります。
「演習のための演習」をしていると知識が正確にインプットできず、得点も伸びないでしょう。
そのため、普段の問題演習では「本番ではどうするか」という点を意識しながら、本気で向き合ってみてください。
一方で、試験本番では演習のつもりで問題に向き合うことをおすすめします。
「本番」という意識が強すぎると、緊張からせっかく勉強したをアウトプットできない恐れがあります。
過度に緊張せず、本来の力を出せるようにすることも意識すると良いでしょう。
行政書士が人気の理由
行政書士は、難易度が高く合格までの道のりが非常に長い特徴があります。
合格するまでに多くの苦労が伴い、対策に神経を使う資格ですが、毎年多くの受験者がいます。
行政書士試験の受験者数が多く、人気がある理由について見ていきましょう。
受験資格がない
行政書士試験には受験資格が設けられておらず、誰でも受験できます。
年齢や過去の学歴、職歴に関係なく受験できるため、勉強を始める心理的なハードルが低い特徴があります。
社会保険労務士や弁護士などの試験には受験資格があるため、事前に受験するための条件をクリアしなければなりません。
行政書士は、思い立った日からすぐに勉強を開始できることから、毎年多くの受験者がいるのです。
年収アップにつながる
行政書士は難関資格で、保有していると評価されやすいです。
実際に、行政書士の平均年収は600万円前後となっており、行政書士の平均年収は日本の平均年収より高いです。(日本人の平均年収は450万円程度)
なお、行政書士は「便利屋」として活躍することが多く、案件の報酬単価が安い傾向にあります。
行政書士の仕事は景気変動の影響を受けやすいため、ダブルライセンスやコンサルティング業務など、他の行政書士との差別化を図ることが稼ぐ上で重要です。
行政書士は、工夫と努力次第で「自由度が高く、稼げる」魅力がある点も、人気がある理由と言えるでしょう。
就活や転職の際に有利に
行政書士は難関資格として知られているため、合格できれば就活や転職の際に有利になります。
価値の高い資格を有していれば自身の市場価値も高まりますから、高い評価を得やすくなるでしょう。
行政書士試験の合格者を年代別に分けると、20~40代の世代が全体の4分の3を占めています。
特に、学生で行政書士試験に合格している人は非常に少ないと考えられるため、就活前に取得できれば他の学生と差別化できるでしょう。
難関試験に合格した実績があれば、自頭の良さや努力家であることが評価され、選考で有利になるでしょう。
行政書士と他の士業の難易度を比較
行政書士は難関資格ですが、他の資格と比較すると、どのようなレベル感なのか気になる方も多いでしょう。
以下で、行政書士と他の士業の難易度を比較していきます。
行政書士と他資格のダブルライセンスを狙っている方などは、参考にしてみてください。
税理士
税理士試験には受験資格が設けられているうえに、試験の難易度も高いです。
そのため、受験資格の観点からも試験問題の観点からも、行政書士は税理士より簡単と言われています。
税理士試験に合格するためには、3000時間以上の勉強が必要と言われているため、長期的な学習計画を立てる必要があります。
なお、税理士試験は「科目選択制」である点が特徴です。
簿記論と財務諸表論の2科目は必修ですが、税法に属する科目は選択制となっています。
科目ごとに合格率のデータが出ていますが、実際の出題内容の難易度とは一致しないため、科目に関係なくしっかりと勉強する必要があります。
税理士の難易度について詳しくは以下のページをご確認ください。
司法書士
司法書士は行政書士の上位資格のような立ち位置で、行政書士よりも司法書士の方が難易度が高いです。
受験資格はありませんが、国家資格の中でもトップクラスに難易度が高く、合格率は3〜4%の難関試験です。
司法書士試験の合格に必要な勉強間は3000時間以上と言われているため、長期的な学習計画を立てる必要があります。
司法書士の難易度の詳細は、以下ページで紹介しています。
宅建士
宅建士は、国家資格のなかでは比較的簡単な資格で、行政書士よりも宅建士の方が難易度は低いです。
宅建士試験の合格率は15%程度で推移しており、合格に必要な勉強時間は400時間程度と言われています。
過去問対策をしっかりと行い、民法の問題に慣れることが合格のコツです。
行政書士試験に合格できる方であれば、宅建士試験も十分に合格を狙えるでしょう。
宅建試験の難易度について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
社会保険労務士
社会保険労務士は、学歴などの受験資格が設けられており、試験問題の難易度も高いです。
行政書士よりも社会保険労務士の方が難易度が高く、合格に必要な勉強時間は800~1000時間程度と言われています。
社会保険労務士試験の合格率は例年6~7%程度と、行政書士よりも低いです。
なお、行政書士と社会保険労務士は親和性が高いため、ダブルライセンスを狙うメリットは大きいです。
社労士試験の難易度は以下ページで詳しく解説しています。
行政書士試験に受かる気がしない理由まとめ
行政書士試験に受かる気がしない理由まとめ
- 難易度が高い試験なので、計画を立ててモチベーションを保つ意識が重要
- 学習計画をしっかりと立てることが大切
- 過去問を徹底的に復習し、何度も繰り返すことが効果的
- 演習は本番のつもりで、本番は演習のつもりで行うのがおすすめ
行政書士試験は難易度が高いため、働いている方であれば1年以上の勉強を続けるケースも多いでしょう。
長期的な勉強を行いつつ、スムーズに理解できない単元にぶつかると「行政書士試験に受かる気がしない」と感じてしまうのも無理はありません。
しかし、平均して11%程度の合格率で安定していることから、しっかりと勉強すれば誰でも合格できる可能性があります。
学習計画をしっかりと立て、過去問を徹底的に復習など効率的な勉強を行えば、合格に近づくことができるでしょう。
行政書士の勉強はきついと感じることも多いですが、ぜひこちらの記事を参考にしながら合格を目指してみてください。