簿記とはどんな資格?難易度や勉強時間、合格率、勉強法をまとめて解説!
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簿記
公認会計士たぬ吉
「簿記って聞いたことはあるけど実際どんな資格なの?」「難易度や目安の勉強時間が知りたい!」
簿記の資格に興味があるけれどどんな資格なのかよくわからない、そんな人はいらっしゃいませんか?
簿記は毎年数十万人が受験する非常に人気のある資格です。就職や転職にも生きる極めて汎用性の高い資格です。
しかし、簿記の資格は種類も豊富で試験の難易度も様々。どれを受ければいいのか判断に困ってしまいます。
そこで、この記事では簿記資格の難易度や合格点について紹介します。
読み終えるころには簿記資格についてはバッチリです!
簿記についてざっくり説明すると
- 最大手の資格は日商簿記で、1級から3級まである。
- 合格率は3級で40%、1級では10%くらい。
- 日商簿記は全商簿記や全経簿記よりも難易度が高い。
- 簿記1級は弁理士試験の受験資格にもなる。
簿記資格の種類と概要
そもそも簿記とは、会社が行う経済活動を一定のルールについて帳簿に記録したり、この帳簿に基づいて報告書をまとめて利害関係者に報告する、という一連の手続きのことです。
もう少しざっくり説明すると、簿記とは会社の経営状況・財政状況を明らかにするためのルール・手続きのことを指します。
簿記の資格には日本商工会議所が実施している日商簿記、全国経理教育協会が実施する全経簿記、全国商業高等学校協会が実施する全商簿記の3種類があります。
一般に簿記と言う際にはこのうちの日商簿記のことを指します。
日商簿記には1級から3級まで3種類あります。ここでは日商簿記に注目して、3級から1級までそれぞれの特徴や検定試験の難易度、合格ラインなどを確認していきます。
簿記3級の難易度と合格率をチェック
まずは日商簿記の中で一番難易度が低い3級の難易度や合格率についてチェックしてみましょう。
簿記3級とは
簿記3級は正式には日商簿記3級と呼びます。簿記3級は「ビジネスパーソンが身に付けておくべき経理に関しての必須の基本知識」を身に付けていることを証明するための資格とされています。ビジネスマンの一般教養の一つと言えますね。
簿記3級は日本商工会議所が主催しています。試験は毎年2月、6月、11月の3回実施されます。1年間で延べ23万人が受験するたいへん人気のある資格です。試験は100点満点で行われ、合格点は70点です。
簿記3級の合格率は40%
簿記3級の合格率はおおよそ40%ほどです。直近10回の試験結果を以下に示しましたが、最低合格率は27.1%、最高合格率は67.2%です。
また、受験者数と実受験者数との違いから試験に申し込んだけれど受験しない人も相当数いることがわかります。おおよそ4人に1人は試験を受けないようです。
簿記3級の勉強時間は150~200時間
簿記3級の合格には150~200時間の勉強が必要と言われています。毎日2時間勉強すれば3か月くらいで間に合う計算ですね。
大学で経営や会計を学んだ人や商業高校出身者などの場合、2週間程度の勉強時間で合格できてしまうこともあります。しかし、初学者が独学で対策する場合には試験の1~2か月前から勉強を始めるのが無難です。
簿記3級では勘定科目や仕分けのルールをしっかり理解することが大切です。基本的な問題であれば見た瞬間に手が動くレベルになるまで時間をかけて問題を解きましょう。問題演習さえ繰り返せばだれでも合格できます。
簿記3級は簡単か?
インターネット上のブログやSNSなどでは「簿記3級の試験は簡単」と書かれていることがよくあります。実際、簿記試験を主催している日本商工会議所のサイトでも簿記3級を入門資格と位置付けています。
簿記会計に関する資格のなかでも、中小企業診断士や税理士と比べても簿記3級は合格率は高く、簡単と思われがちです。そのため、「簿記3級なら取れるだろう」というイメージがすっかり定着してしまっています。
しかし、簿記3級の合格率は40%くらいです。税理士などと比べれば確かに高いのですが、それでも受験した人の半数は落ちています。
上位の試験よりは簡単ですが、十分な対策が必要なのは間違いありません。受験する際には慢心することなく試験に臨みましょう。
簿記3級の難易度の詳細は以下の記事を詳しくチェックしてください。
簿記2級の難易度と合格率をチェック
次は簿記2級について紹介します。簿記2級は簿記試験の中でも中間レベルの試験です。難易度や合格率を確認しましょう。
簿記2級とは
簿記2級は正確には日商簿記2級のことを指します。3級と同じく日本商工会議所が開催しており、毎年3回実施されます。一年間でのべ14万人が受験する人気資格です。試験は100点満点で、合格点が70点であることも3級と同じです。
簿記2級では3級よりも求められるレベルが大きく上がります。主催者によると簿記2級のレベルは以下のように示されています。
高度な商業簿記・工業簿記(原価計算を含む)を修得し、財務諸表の数字から経営内容を把握できるなど、企業活動や会計実務を踏まえ適切な処理や分析を行うために求められるレベル
単に基本知識として位置付けられていた3級よりもかなり内容の水準が高くなっていることが分かります。
簿記2級の合格率は約20%
簿記2級の合格率はおおよそ20%くらいです。ただし合格率は安定しておらず、試験によって大きく変動します。
以下の表に直近10回の合格率をまとめました。この表を見てみると、最低合格率が8.6%、最高合格率30.6%です。2人に1人合格するような易しい試験もあれば、7人に1人しか合格しないこともあるのです。
このように合格率が変動してしまうのも簿記2級の特徴です。平均すると合格率は約20%程度となります。やはり3級よりは難易度が高く、落ちてしまう可能性も高くなります。気を引き締めて受験しましょう。
また、3級の試験と同じように申し込んだものの受験しない人が多いのも特徴です。申し込んだけれど受験しない人は1万人から2万人程度です。割合で言えば申込者の20%ほどにも達します。
簿記2級の勉強時間は350~500時間
簿記2級の合格には初学者でおおよそ350~500時間の勉強が必要と言われています。3級合格程度の基礎知識が身についている場合、250~350時間くらいです。3級と比べると2倍以上の勉強が必要です。
勉強時間が増える大きな理由は試験範囲が広がることです。3級では出題されていなかった工業簿記が新たに出題されるため、勉強時間が増えてしまいます。もちろん、3級で出題の中心だった商業簿記も引き続き出題されます。
このように、2級は3級よりも試験範囲が広くなり、難易度も上がります。独学での合格が難しくなるので、通信講座などを利用して対策する人が多数派です。
工業簿記の対策が不可欠
2級からは工業簿記が試験範囲に入ってきます。工業簿記は商業簿記と異なり、製造業に携わっている人にしか理解できないような単語も多く、非常に難解です。
工業簿記は内容のイメージがつかみにくいため、2級の難易度が高いと感じる人が多いです。2級攻略に関しては工業簿記の対策が不可欠と言えるでしょう。
簿記2級の難易度の詳細は以下の記事を詳しくチェックしてください。
簿記1級の難易度と合格率をチェック
最後は簿記1級です。3つの試験の中で最も難しい簿記1級の難易度や合格率がどれくらいなのか見てみましょう。
簿記1級とは
簿記1級と呼ばれる日商簿記1級は最も難易度の高い簿記の資格です。試験の形式や合格点などは2級や3級と同じです。主催は日本商工会議所で、毎年2回試験が行われます。1年間に述べ1.5万人が受験しています。
検定試験の合格点は変わらず70点ですが具体的に配点は公表されておらず、実際は上位10%ほどが合格する相対評価の試験だと言われています。
簿記1級で求められるレベルは次のように公表されています。
極めて高度な商業簿記・会計学・工業簿記・原価計算を修得し、会計基準や会社法、財務諸表等規則などの企業会計に関する法規を踏まえて、経営管理や経営分析を行うために求められるレベル
簿記1級は経営会計のプロであることを証明できる資格だと言えるでしょう。
簿記1級の合格率は約9%
簿記1級の合格率は9%くらいです。直近10回の簿記1級の試験結果を以下に記載しています。見てわかるように最低合格率は7.9%、最高合格率12.5%です。
2級や3級に比べて合格率は大きく落ち込んでいます。数字の上では10人に1人しか合格できない狭き門です。この倍率は行政書士試験とほぼ同じです。2級とは比べ物にならない難しさと思ってよいでしょう。
また、簿記1級の試験は毎年2回しか実施されません。2級や3級よりも回数が少ないので注意しましょう。受験しようと思っている試験日に1級が開催されているのか確認が必要です。以下の表では1級が実施された試験のみをまとめています。
簿記1級の勉強時間は500~1000時間
簿記1級の合格に必要な勉強量は全くの初心者で800~2000時間です。簿記2級を取得している人でも500~1000時間は必要だと言われています。簿記2級と比較しても2倍以上の勉強が求められると言えます。
試験範囲が広くなったため、勉強時間もより長くなってしまうのです。2級では商業簿記と工業簿記が試験の中心でした。しかし、1級では会計学や原価計算の2科目も出題されます。
また、出題される内容も高度になります。2級以下でも出題されていた商業簿記や工業簿記も広く深く問われます。正確に理解するためにはかなりの勉強が必要というわけです。
簿記1級の試験は基本的に独学で対策する人は多くありません。独学での対策が本当に難しくなるので、多くの人は通信講座や予備校を利用しています。
正確な回答が不可欠
簿記1級に合格するには正確な解答が必要不可欠です。この点では2級や3級よりもはるかに厳しいと言えるでしょう。
たとえば1級の工業簿記・原価計算では最初の問題で出した答えを利用して次の問題を解答していく形式になります。そのため、1問目を間違えてしまうとそのまま連鎖的に間違えてしまうのです。その結果、全問不正解となってしまいます。
これを防ぐためにもしっかりと第1問を正確に計算することが大切です。部分点がもらえないことを念頭に置いてミスや漏れのない解答を心がけましょう。
簿記1級の難易度の詳細は以下の記事を詳しくチェックしてください。
合格率は下降する?これからの簿記試験
ここまで簿記試験の難易度や合格率について級ごとに紹介してきました。ところが、これから先は過去の合格率や問題が参考にならないかもしれません。
大幅な改訂が行われたので、今までとは傾向が変わってくるかもしれないのです。詳しく調べてみましょう。
出題範囲の大改訂
2016年から2018年までの3年間に段階的に簿記試験の出題区分を変更していくという決定が2015年に決まりました。
それまでは2級の範囲だった内容が3級に降りてきたり、新しい内容が追加されたりといった変化が起きたのです。
合格率を予想して受験するのは辞めよう
これまでに実施された試験を見てみると、どの級でも合格率が高い回と合格率が低い回が交互に来ており、ジグザグに推移していました。これに目をつけて合格率の高い回に受験しようとする人たちがこれまでは後を絶たなかったのです。
ところが、試験範囲の改訂以降は問題の傾向も変わってしまい、この傾向も当たるとは言えなくなりました。今後受験する際には合格率の予想が当てにならないので、狙って受験するのは控えましょう。
残り期間を考えて着実な準備を
簿記試験は年に3回、4か月間隔で実施されます。そのため、いつでもチャレンジできる、不合格でも次の試験がすぐに受けられるというメリットがあります。しかし、ここに多くの人が陥りがちな落とし穴があります。
「4か月もあるなら自分の実力も伸びるだろう」「勉強が間に合わなさそうだから次回にするか」といった判断をしてしまいがちです。このような形で試験を先延ばしにしたり、あるいはズルズルと何回も受験するようではいつまでたっても合格できません。
試験を受ける際にはしっかり期間を決めて、着実に勉強を進めていきましょう。自分の実力を過信したり、先延ばししたりしないように気を付けてください。
短期間での合格なら通信講座がおすすめ
簿記試験の短期間での合格を目指す場合は、通信講座を利用するのが一般的となっています。
予備校と違って時間的制約もないので隙間時間を有効活用して勉強できる上に、受講費用もかなり安く抑えられます。
通信講座の中でも特に人気なのがスタディングの簿記講座で、簿記3級なら3,480円、簿記2級なら15,980円からと業界最安の費用で受講することができます。
また、スマホを使っていつでもどこでも勉強することができるので仕事で忙しい会社員の方や家事や育児で忙しい主婦の方にもぴったりの通信講座です。この機会にぜひチェックしてみてください。
日商簿記と他の簿記資格のレベルを比較
この記事で取り上げた簿記の資格は日商簿記という資格です。簿記の資格としては国内最大手の資格ですが、他にも簿記資格はいくつかあります。有名なところでは全商簿記や全経簿記などです。
以下ではそれぞれの簿記の種類ごとに難易度やレベルにどのような違いがあるのかについて見ていきましょう。
簿記資格の種類はたくさん
簿記系の資格で最大手は日商簿記です。日本商工会議所が主催している資格です。この記事でも紹介してきましたね。
冒頭でも述べたとおり、日商簿記に次いで有名な簿記資格が2つあります。全国商業高等学校協会が主催している全商簿記と全国経理教育協会が主催している全経簿記です。
3つの資格は対象としている受験者層が違います。日商簿記は社会人層・ビジネスマンを対象とした試験です。それに対して、全商簿記は商業高校の生徒、全経簿記は専門学校の生徒を対象にしています。
対象として想定している受験者層が異なるため、一括りに簿記資格と言っても難易度に違いがあります。ここではそれぞれの資格ごとに難易度の比較をしていきます。
日商2級=全商1級
商業高校出身の方ですと、在学中に資格を取得する人も少なくないでしょう。全商簿記を持っていると、「全商簿記資格は持っているんだけど、これって日商簿記ではどれくらいなんだろう」と疑問を抱くこともあるでしょう。
全商簿記は全国商業高等学校協会が主催している資格の一つです。高校で使用している教科書に基づいて出題されます。基礎・基本を重視した試験です。
全商簿記は1級(会計、原価計算)、2級、3級に分かれています。会計と原価計算の両方に合格して初めて1級合格となります。級ごとの出題科目や70点という合格点など、日商簿記と似たところが多い試験です。
目安としてよく言われるのは、全国商業簿記1級は日商簿記2級と同じくらいの難易度であり、全商簿記2級は日商簿記3級と同じくらいの難易度であるということです。
同じ級であれば日商簿記の方が難しいということですね。対象となる層が商業高校生とビジネスマンという違いがあるので、納得のいく設定です。
日商1級>全経上級
次に日商簿記と全経簿記を比べてみましょう。全経簿記もまた全商簿記と同じく学生を対象とした試験です。
全経簿記はあまりなじみのない方も多いかもしれません。難しい方から順に、上級、1級、2級、3級、基礎の5段階に分かれています。
試験範囲は日商簿記とやや似たものがあり、たとえば全経簿記1級では商業簿記、工業簿記、原価計算、会計学などが出題されます。
日商簿記と全経簿記では合格点も同じなのですが、難易度には差があります。合格率で比較すると、日商簿記の方がシビアです。
日商簿記で最も難しい1級の合格率は10%程度です。一方、全経簿記で最高峰とされている全経簿記上級の合格率は20%です。ここから、日商簿記の方が全経簿記よりの難しいという関係が一応成立します。そのため、一般には日商簿記の方が上とみなされています。
また、全経簿記よりも日商簿記の方が知名度が高く、ネームバリューがあるためハイレベルな人が受験することが多いです。一流大学卒業者や公認会計士なども受験することがあります。
こうしたことから日商簿記の方が難易度が高いと判断して問題ないでしょう。
迷ったら日商を選べ
ここまで簿記の種類を3つ紹介してきました。それぞれに特徴があるのでどの試験を受験するか迷う方も多いでしょう。
迷う場合には日商簿記試験が無難です。ネームバリューがあり、つぶしが効くのでどのような局面でも活躍します。就職・転職でも最も役立ちます。
日商簿記以外の資格は知名度でやや劣るため、正確に実力が測定されない可能性があります。日商簿記しか知らない面接官に当たった場合、日商より下という印象だけで過小評価される恐れがあるのです。
もし経済的・時間的な余裕があるのなら日商簿記を取得しておくことを勧めます。全商簿記や全経簿記を持っている人も日商簿記で同じレベルを受験してみると良いでしょう。
全商・全経は過去問対策に使える
全商簿記・全経簿記・日商簿記の各試験は出題内容や出題範囲が似通っています。ある程度互換性があるので、互いの試験対策にも役立てられます。
もし日商簿記を受験する際に「もう過去問なんて解き終えちゃったよ」という場合には全経簿記試験の問題や全商簿記試験の問題を活用してもよいでしょう。過去問そのものは容易に入手できます。
税理士試験受験者は全経か
3種類ある簿記資格のうち、一番お勧めなのは日商簿記です。ほとんどの人は日商簿記を取っておけばよいでしょう。ただし、例外として税理士志望の人だけは全商簿記1級もお勧めです。
税理士試験には受験資格の制限があります。学歴や職歴、資格のうちのいずれかの条件を満たしていなければ受験することができません。そして、受験資格の中には日商簿記試験1級保持者や全経簿記資格1級保持者というものもあります。
そのため、単に税理士試験の受験資格を得るという目的で簿記資格を取得するケースも少なくないのです。この場合、日商簿記1級よりも全経簿記1級の方が合格しやすいので、税理士志望者には全経簿記1級がお勧めなのです。
簿記はあくまで経理事務の基礎
簿記検定では3級だろうと1級だろうと、「会計処理の理論や仕訳の仕方を学ぶだけ」です。検定を否定するつもりは全くありません。会計処理の仕方を会得しているという証明にはなります。
一方で経理の仕事を志す方は、経理の実務では簿記検定で学んだ理論や会計処理の方法だけでなく「勇気」も重要な能力になるということは知っておくと良いでしょう。
具体的には、得意先と打ち合わせをした際の飲食費は「会議費」などの科目で処理することが多いでしょう。
しかし、その領収書が通常の飲食店ではなくクラブであったり、参加人数が数名であるにもかかわらず領収書の金額が5万円だったりすると、これは「交際費」になります。
交際費は税法上の経費(損金といいます)とする場合に制限があります。また、不適切な接待であれば会社の経費で落とすこと自体がルール違反となります。
そのような場合に、営業部社員や上司に「これは経費で落とすことはできません」と領収書をつき返す「勇気」も経理担当者には必要なのです。
簿記資格についてまとめ
簿記資格についてまとめ
- 迷ったら日商簿記を選ぶ
- 2級以上は合格率は低めなので、残り時間を考えて準備する
- 2級以上を目指す場合は通信講座や予備校を利用するのがおすすめ
この記事では日商簿記試験を中心に、簿記試験について紹介してきました。
簿記はビジネスマンの一般教養の一つとも言われており、社会人なら最低限知っておくべき知識です。学生であっても、社会人であっても受験する意味は十分にあるでしょう。
一般には簿記試験は難易度が低いと言われがちですが、実際の合格率はシビアです。一番簡単な3級であっても受験者の半数以上が不合格になってしまいます。
1級や2級は合格率も低く、高度な内容が出題されるので独学での対策は難しいでしょう。確実に合格点を取得したいなら通信講座や予備校の利用が無難です。
簿記試験には日商簿記以外にも全商簿記や全経簿記という資格もあります。ネームバリューでは日商簿記がトップですので、迷ったら日商簿記を受験すると良いでしょう。
ただし、税理士志望の人だけは全商簿記もお勧めです。日商簿記1級だけでなく、全商簿記1級でも税理士の受験資格が得られます。全商簿記の方が難易度が低く、合格しやすいのです。
初めて簿記を学ぶ人は3級からチャレンジしてみてはどうでしょうか。問題演習さえ繰り返せば、誰にでも合格できるでしょう。あせらずコツコツ頑張ってみましょう。