弁理士の収入は高い?平均年収や一般企業転職の求人事情・将来性まで実態調査!

更新日時 2020/04/21

「弁理士の年収は700万円から800万円と聞いたけれど、難易度が高い資格なのにそんなに安いの?」

そんな疑問を抱く人は少なくないでしょう。

そこで弁理士の実際の年収について詳しく解説します。あわせて一般企業転職の求人事情や将来性など、弁理士のさまざまな実態についてご紹介します。

読み終わったころには弁理士の実態について正しい情報を知り、弁理士は魅力に溢れた資格だと感じるでしょう。

弁理士についてざっくり説明すると

  • 弁理士は弁理士の平均年収よりも高い年収を目指せる
  • 弁理士は働き方によって収入が異なる
  • 弁理士は将来性がある資格

弁理士の平均年収は700~800万円?

まるまったお札

弁理士は知名度の高い士業であり、難易度の高い国家資格として知られています。

実用新案権や特許権、意匠権、商標権など、さまざまな知的財産にかかわるスペシャリストであり、クライアントから頼られる存在です。

弁理士は知的財産にかかわる資格としては最高峰ともいわれており、大変重要な役割を果たすといえるでしょう。

そんな大変重要な役割を担う弁理士ですが、弁理士の平均年収は700万円から800万円といわれています。

日本の給与所得者の半分以上の年収は200万円から500万円であり、平均年収は441万円です。

そのため弁理士の年収は高い水準であるといえるでしょう。

とはいえ難易度の高い資格なので、想定していたよりも低く感じてしまう人も少なくないことが現実です。

弁理士の勤務先による平均年収

弁理士の平均年収は700万円から800万円といわれています。ただし弁理士は、勤務先によって年収に大きな差が生じるといわれています。弁理士の勤務先別の平均年収は下記の通りです。

勤務先 平均年収
中堅以上の特許事務所 700万円~1,000万円
個人特許事務所 400万円~700万円
事業会社 500万円~1,000万円

こちらが弁理士の勤務先別の平均年収です。弁理士は勤務先によって平均年収に大きな差がみられることがわかるでしょう。

なお中堅以上の特許事務所は従業員数が10名以上の事務所、個人特許事務所は従業員数が10名以下の事務所としています。

年収と年齢の関係は?

弁理士は年齢や経験、スキルによって年収に大きな差が生じます。

年齢によって差が生じる勤務先は事業会社です。事業会社では年齢によって給料が高くなるでしょう。また昇進して役職がついた場合、給料が大幅に増加します。

しかし特許事務所については年齢によって給料があがるとはいえません。注意しましょう。

ただし特許事務所では経験がある人は優遇されるようです。そのため経験でアピールしたい人には特許事務所がおすすめでしょう。

なお語学力や営業力など、さまざまなスキルも年収に加味されます。

そもそも弁理士の仕事内容は?

実用新案権や特許権、意匠権、商標権など、さまざまな知的財産の出願を代理することが弁理士のメインの仕事です。

それから知的財産にかかわる相談に応じることも大切な業務であるといえるでしょう。

また知的財産を侵害されたときの訴訟に補佐役として参加することもあります。

他の士業との収入比較

弁理士の平均年収をほかの士業の平均年収と比べた場合、弁理士の平均年収は高い水準を誇るといえます。難易度の高い資格なので年収が高い傾向にあるといえるでしょう。

平均年収の比較は下記の表を参考にしてください。

士業 平均年収
弁理士 700万円~800万円
行政書士 600万円
弁護士 1,000万円
社労士 670万円

勤務型の弁理士の年収が700万円

弁理士の平均年収は700万円から800万円といわれていますが、調査の対象は特許事務所で給料をもらっている弁理士に限ります。

そのため独立している弁理士の年収や一般企業に勤務する弁理士の年収は、調査対象に含まれていません。また女性はパートとして特許事務所で働くことが多いですが、パートの場合も平均年収に加味されています。

したがって弁理士の平均年収としてしられる700万円から800万円という数値は、パートを含む特許事務所で給料を貰う弁理士の数値であることに注意が必要です。

弁理士の収入に男女の差はある?

弁理士の収入に男女の差はありません。

平成25年の弁理士白書では弁理士数の男女比率は男性が86パーセント、女性が14パーセントと述べています。とはいえ女性の比率は低いものの、女性は稼げないということではないので注意しましょう。

女性の平均年収はやや低い傾向にありますが、パートで勤務する女性が多いので低い傾向にあります。

開業した弁理士は高収入を得られている?

綺麗に並べたお金

独立開業した弁理士の年収は1,000万円以上といわれています。しかし独立開業した弁理士が必ずしも高収入を得ているとは限りません

独立開業した弁理士の年収の差は、非常に大きいことが現状です。年収が300万円を下回る弁理士もいれば億単位の弁理士もいます

億単位稼ぐ弁理士による平均年収の引き上げの結果、1,000万円以上という高い数値がでていることに注意しましょう。億単位稼いでいる弁理士を除いた場合、平均年収は大きく下がるといわれています。

もし年収をあげたいと考えるのであれば、まずは弁理士としての経験を積みましょう。なお今後は国際出願の需要が高まるといわれているので、海外進出に向けて外国語のスキルを磨くこともおすすめです。

特許事務所勤務以外の弁理士の収入は?

空にうかぶはてなマーク

弁理士の勤務先は特許事務所に限りません。弁理士には一般企業で働く道もあります。

そこで特許事務所以外にはどんな就職先があるのかを解説します。あわせて年収についてもご紹介します。

一般企業で働くと?

弁理士の働き方は独立開業や特許事務所での勤務だけではありません。一般企業でも弁理士の資格を活かして働けます。

企業内弁理士として一般企業で転職している弁理士も多いでしょう。また一般企業の中でも大手の企業や上場企業に転職する弁理士も多いといわれています。

一般企業の場合、独立開業した弁理士ほど高年収は目指せません。しかし安定した年収を確保できるでしょう。

一般企業の求人や収入において有資格者は有利?

弁理士の資格を持っている場合、一般企業に転職するうえで有利に働く可能性があるといわれています。

弁理士の資格を持っている知的財産担当者は、10パーセント以下です。また弁理士の資格を持っている人材は、大手企業に多いといわれています。そのため中小企業の求人に応募するときには特に役に立つといえるでしょう。

それから弁理士の資格を持っている場合、収入面でもメリットがあるといわれています。待遇に大きな変化があるわけではありませんが、5万円から10万円ほどの資格手当が加算される企業が少なくありません。

また昇進するうえでも弁理士の資格が役に立つケースがあります。

国際化と弁理士の仕事への影響は?

地球儀の前で握手する手元の様子

弁理士として働く場合、国際出願の需要が高まっているため英語の能力が求められることが増えるといわれています。

国際化が進むなか、弁理士の仕事にはどのような影響がでるのかを解説します。

英語は外国への出願・外国企業から日本への出願に必要

英語のスキルは外国への出願、それから外国企業から日本への出願に欠かせません。

外国への出願は内外業務といわれています。内外業務では英語で書かれた明細書の作成や出願書類の準備、拒絶理由通知に対するコメント作成、現地の代理人への手紙作成など、さまざまな手続きをおこなうでしょう。

また外内業務と呼ばれる外国企業から日本への出願では、英語で書かれた明細書の翻訳文の作成、オフィスアクションに対するコメントや応答案の作成など、多様な手続きが必要になります。

内外業務や外内業務では英語のスキルが必須です。需要が高まっている業務なので、英語を話せると業務の幅が大きく広がるでしょう。

国内の特許業務でも英語力は重要!

国内の特許業務においても英語力は重要です。弁理士の業務の中でも最も難易度が高いともいわれる明細書作成業務では英語のスキルが特に重要だといわれています。

国内の特許業務においては明細書作成が軽い業務に思われがちです。しかし明細書作成からつながる新しい仕事の経済的価値は非常に大きいものになります。そのため明細書作成の業務は手を抜くことが許されません。

近年では明細書を作成するときに、外国出願を踏まえて英語に変換しやすいような文章で書くことが求められるようになっています。つまり英語のスキルを習得していれば役立てるといえるでしょう。

外国中間のOAができるとより高収入に?

外国に特許を出願する場合、特許審査官によって特許を与えられないことが決定すると拒絶理由通知書が届きます。拒絶理由通知書はオフィスアクション(office action)と呼ばれており、OAと略すことが一般的です。

OAが届いた場合、対応コメントや応答案を英語で作成しなければなりません。対応コメントや応答案の作成には高い英語のスキルや英語での営業力が求められるでしょう。

高い英語のスキルや英語での営業力があり外国中間のOAができると判断された場合、より高収入を得られるケースがあります。高収入を目指すのであれば、英語のスキルは重要でしょう。

年収を高くするための働き方は?

お金の前で握手する手元

年収の高い弁理士になるためには、どのような働き方をすればいいのか気になる方も少なくないでしょう。そこで年収が高い弁理士の働き方についてご紹介します。

年収が高い勤務先は?

大手の特許事務所や大手の一般企業に勤務した場合、勤務でも1,000万円以上の高収入が狙えるといわれています。

先ほどご紹介した勤務弁理士の平均年収を踏まえると、従業員数が10名以下の個人特許事務所では平均年収が400万円から700万円です。一般的に知られている弁理士の平均年収よりも低い水準であることが読み取れるでしょう。

年収が高い勤務先に務めたいのであれば、大手の特許事務所や大手の一般企業に就職や転職をすることもひとつの方法です。

小規模事務所でも年収が低いとは限らない

小規模事務所が必ずしも低い年収とは限りません。小規模事務所でも高い年収が狙えます

小規模事務所では幹部クラスを目指すことも夢ではないでしょう。幹部クラスになることで年収1,000万円以上稼ぐ弁理士も多いといわれています。

小規模事務所で高収入を目指したい場合、幹部クラスを目標にしてください。

事務所の後継者になることも

小規模事務所で高収入を得ている弁理士のなかには、事務所の後継者になっている弁理士が珍しくありません。

弁理士業界では高齢化が進んでいます。高齢化にともなって後継者が不足していることが現状です。

そのため勤務している事務所の所長が高齢の弁理士の場合、離職のときに後継者としての道が開けることもあるでしょう。

高所得には開業が早い

弁理士として高所得を得たい場合、開業することが1番の近道でしょう。

独立開業することで年収1,000万以上稼ぐことも夢ではありません。また自分の事務所を大規模に成長させていくことで年収2,000万円以上も狙えるでしょう。

いち早く高所得を得たいときには独立開業をおすすめします。

事務所の大規模化はリスクにつながる

事務所を大規模にすることで高所得に期待できますが、事務所を大きくすることで重要な案件が増えていくことに注意が必要です。

重要な案件が増えることで抱えるリスクは重くなるといわれています。

そのため売り上げを上げやすくするために安易に事務所を大規模にせずに慎重に決断しましょう。

クライアント獲得の施策はじっくり練る

クライアントを獲得することは簡単なことではありません。そのため計画を立てずに独立開業した場合、苦しい思いをしてしまうでしょう。

独立開業する前には必ず実務経験を積んでしっかりと準備をしてからおこなうことがおすすめです。また開業直後の低所得に備えて十分な貯金も必須でしょう。

とはいえ弁理士は弁理士だからこそできる業務があるので顧問契約は結びやすいといわれています。

事業に失敗しても転職先はある?

独立開業したものの事業に失敗してしまうことも考えられます。しかし独立開業した経験は無駄にはなりません。独立開業した経験を生かして特許事務所や一般企業に転職できるでしょう。

弁理士の資格があることで、さまざまな道が開けます。

弁理士の年収の将来性

未来に向けてジャンプする二人

IT化が進むことで弁理士の将来性に影響はあるのか気になる方は少なくないでしょう。

そこで弁理士の年収の将来性について解説します。

弁理士は過去のほうが価値があった?

弁理士は過去に年収1,000万円を簡単に目指せる資格としてしられていました。しかし弁理士は2000年以降急増しており、相当な人数の弁理士が供給されていることが現実です。そのため弁理士界の競争は激しくなっています。

ただし外国特許事務や国際特許の出願業務にかかわる仕事は増加傾向にあります。また現代の技術にみあった仕事ができる弁理士は必要とされているでしょう。

そのため弁理士は過去の資格ではなく、現在もニーズの高い資格といえます。現在の状況やテクノロジーを踏まえて仕事のできる弁理士が必要とされているでしょう。

AIによって仕事が奪われることはある?

AIによって弁理士の仕事を奪われるということは、大袈裟な噂だといえるでしょう。近年ではテクノロジーの進歩によってAIに任せられる業務が増えていることは事実です。そのため弁理士の仕事が減るとの噂があるのでしょう。

確かに簡易的な計算業務や書類の作成業務はAIに任せることになる可能性があります。しかし弁理士は知的財産の知識に基づいたうえでコミュニケーションをとる力、それから重大な判断をくだす力を活かした業務をしなければなりません。

また特許を取得するうえでの相談対応力や考えをくみ取る力を活かした業務も欠かせません。弁理士ならではの力を活かした業務は、AIにはまだ難しいことが現実です。そのためAIによってすべての仕事が奪われることはないといえます。

IT化をビジネスチャンスに転換する!

IT化をビジネスチャンスとして生かせれば、競争が高くなりつつある弁理士業界でも十分に活躍できるでしょう。

新しい技術は業務を効率化するために役立つといえます。弁理士の業務を効率化するためのシステムは続々と登場しているでしょう。

IT化にともない必要とされる人材は新しい技術にも柔軟に対応できる人です。そのため最新技術を常にキャッチし、ほかの弁理士との差別化につなげましょう。

またコミュニケーションが求められる業務は減らないので、対話能力や対人スキルも差別化のポイントになるといえます。

弁理士試験の難易度

勉強を進める手元

弁理士になるためには弁理士試験に合格する方法が一般的です。

弁理士試験は国家資格のなかでも非常に難易度が高いといわれています。弁理士試験に合格する人は7パーセント程度といわれており、非常に狭き門だといえるでしょう。合格するまでには2年間から3年間かかる人も多いことが現状です。

それから弁理士試験に合格しただけで弁理士になれるわけではなく、経済産業大臣から指定された場所で実務研修を受ける必要もあります。その後、弁理士として登録することで弁理士を名乗れるようになるでしょう。

ただし弁理士は難易度が高い資格であるものの、弁理士の資格を持つことで高収入を目指せることは間違いありません。そのため弁理士の資格は目指す価値があるといえるでしょう。

弁理士とあわせてとりたいおすすめの資格

力を合わせる様子

弁理士とあわせてとりたいおすすめの資格をご紹介します。

転職に役立つ資格仕事を獲得するために必要な能力を試す資格など、2つの資格を解説します。

知的財産管理技能士

知的財産管理技能士とは企業のなかでの知的財産の管理や活用を適切におこなうスペシャリストです。国家資格のひとつであり、弁理士とあわせてとる人が多い資格でしょう。

試験は1級から3級までにわかれています。試験内容は学科試験と実施試験であり、3級であれば合格率が80パーセント以上とのことです。

2級以上の知的財産管理技能士を取得していなければ、採用してもらえない特許事務所が増えています。そのため弁理士とあわせて取得することがおすすめです。

知的財産翻訳検定

知的財産翻訳検定とは、知的財産の手続きにまつわる翻訳能力を試す検定です。外国特許事務や国際特許の出願業務にかかわる仕事は増えているので翻訳する力は大いに役に立つといえるでしょう。

試験は記述式、または選択式で、難易度が高いことで知られています。

1級は知的財産分野における専門職業翻訳者として推薦できるレベル、2級は特許明細書翻訳の基本を理解し実務に堪える力があると認められるレベル、3級は入門者・初心者レベルとのことです。

弁理士についてまとめ

弁理士についてまとめ

  • 弁理士の年収は700万円から800万円よりも高い
  • 弁理士は独立開業しなくても高収入がのぞめる資格
  • 現代の技術に対応できる力や英語力があれば差別化していける

弁理士の平均年収や一般企業転職の求人事情、将来性など、弁理士の実態をさまざまな観点からご紹介しました。

弁理士の平均年収は700万円から800万円よりも高いといわれています。また働き方によっても弁理士の年収は大きく変わり、独立開業しなくても高収入を目指せる資格といえるでしょう。

将来性も十分にある魅力に溢れた弁理士、ぜひ取得しましょう。