弁護士会に登録しない人がいる?合格後の資格取得の条件・流れまで解説!

更新日時 2020/03/23

難しい司法試験に合格しても、弁護士登録をして弁護士にならない人がいます。不思議ですよね。

実は、なりたくてもなれない事情がある場合が存在するのをご存知でしょうか。

この記事では、「司法試験に合格したのに弁護士になれない」という問題点と未登録を解決する方法を解説していきます。

弁護士登録の問題についてざっくり説明すると

  • 弁護士会に登録しない人が増えている
  • 弁護士会に登録するには多額の費用がかかる
  • 弁護士登録にはたくさんの問題がある

弁護士登録をしない人が増えている?

クエスチョンマーク 司法試験に合格したら、すぐに弁護士になれると思っていませんか? 実は、そうではありません。

弁護士として働くには、日本各地に存在する弁護士会や日弁連に入会して登録をしなければならないのです。

ところが、入会するために必要な入会金や会費が高く、弁護士登録できない人が増えているのです。

では、司法試験に合格しただけの人にはどんなメリットがあるのか、また、登録するならいつまでにしないといけないのかを説明していきます。

有資格者は弁護士ではない?

司法試験に合格しただけでは、弁護士とは呼べず、弁護士として働くことはできません。

弁護士法に、弁護士と司法試験に合格しただけの人(弁護士の資格がある人)は違う旨が、明確に書かれているのです。

つまり、いくら司法試験に合格したとしても、弁護士として登録しなければ、法律上、弁護士として活動できないのです。

もし、弁護士登録をせずに弁護士業をすると、弁護士法違反となります。

ただし、弁護士としての活動はできませんが、弁護士の有資格者として弁護士業務以外にはその知識を発揮することはできます。

履歴書には登録していなくても書けるのか

そうすると、弁護士として登録できないのであれば、司法試験に合格しても意味がないのでは、と感じてしまいます。

しかし、「司法試験の合格」という事実は、就職や転職で大きな武器となるのです。

例えば、履歴書に「司法試験 合格」と書けば、法務関係の仕事では大きなアピールとなることな間違いありません

弁護士ではなくても、弁護士になるだけの高い専門知識を身に着けた法律の専門家です。

コンプライアンスが重要になってきた昨今では、弁護士ではなくても、司法試験に合格した事実は大きな戦力として期待されます。

就職や転職をする場合は、司法試験に合格したことはしっかりと書くようにしましょう。就職や転職を有利にできるだけでなく、条件面でも高くなる要素になるかもしれません。

登録の有効期限はあるのか

弁護士になるためには登録が必要です。

しかし、司法試験に合格してからいついつまでに登録が必要といった、有効期限はないので安心してください。

所定の手続きを済ませれば、いつでも好きな時に弁護士の登録ができます。

その際には、必要書類がたくさんあります。

登録に必要な必要書類に関しては、下記で詳しく説明しています。弁護士会に登録する際は、漏れがないようにしっかりと確認するようにしましょう。

なお、合格証明書も必要な場合には申請することができます。

ただし、以下の人は弁護士登録ができないので、注意してください。

  • 禁固刑以上の刑に処せられた人
  • 弾劾裁判所の罷免の裁判を受けた人
  • 懲戒処分によって、弁護士や弁理士、税理士、公認会計士、公務員の職を失ったものが、処分を受けて3年が経過していない人
  • 成年被後見人または、被保佐人
  • 破産者であって復権を得ていない人

弁護士登録できない人が増えている背景

お金を追いかけている男性 1999年より始まる司法制度改革後の弁護士増加に伴って、司法試験の合格したものの、登録できない人がたくさん存在するようになりました。 その原因は大きく2つ考えられるので、説明していきます。

合格までの長い道のり

弁護士になるための道のりは長く、またかなりの費用がかかるのが1つ目の問題です。

例えば、司法試験に合格するためには、法科大学院を修了するか、予備試験に合格する必要があります。

多くの人は法科大学院を修了しますが、ここですでに多額の費用と時間がかかってしまうのです。

司法試験は超難関の試験です。そのため、アルバイトなど働くこともほとんどせずに、試験のために時間を費やす人がたくさんいます。

人によっては、借金をして法科大学院を修了する場合すらあるのです。

また、仮に司法試験に合格したとしても、そこから司法修習生として一定期間の実習が行われます。

この間にもお金がかかるので、いざ弁護士登録をしようとした時に貯蓄が底をついているという人が多いのです。

このため、弁護士会の入会金が払えないために、弁護士に登録しようにも登録ができないのです。

他の資格と比べてお金と時間が圧倒的にかかってしまうため、今の弁護士には大きな壁が存在するといえるでしょう。思っているよりも弁護士になる条件は高いのです。

登録費用の重い負担

弁護士になった後の費用が高いことが2つ目の問題です。

「合格までの長い道のり」で説明した通り、登録するためには、多額の費用がかかります。

例えば、東京で弁護士として働くためには、以下の費用がかかるのです。

  • 東京弁護士会への入会金 3万円
  • 日弁連への入会金 3万円
  • 登録免許税 6万円
  • 弁護士会と日弁連への会費合計 23,200円

つまり、手元に15万円弱すでにないと、登録できないのです。

また、登録年数に応じて、費用はドンドン上がっていく仕組みです。そのため、お金がない状態では、なかなか登録に踏み切りにくいといえるでしょう。

ちなみに、地方に行くと弁護士が少ないので、1人当たりの会費が大きい傾向にあります。そのため、地方で働こうとしている弁護士は、さらにハードルが高まるのです。

このような弁護士のための費用は多額になるので、なかなか登録ができないのです。

弁護士未登録を解決するためには

みんなで手を合わせている 弁護士会に登録しない有資格者が増加している問題を解決するための意見が、下記の通りいくつもあります。

  • 弁護士会への会費等の負担を軽くする
  • 弁護士会の登録を任意加入制度にしてしまう
  • 司法試験の合格者を少し減らす

それぞれの意見にはメリットとデメリットがあります。

例えば、弁護士会の会費を減らすというものは、弁護士会への入会のハードルは下がります。

すなわち、弁護士登録が容易になり、弁護士として働きやすくなるのです。

しかし、法科大学院を修了までに借金をする人も多く、そういった人にとってはそれほど有効とはいえません。結局何も変わっていないともいえるでしょう。

弁護士会への登録を任意にするというものもあります。 任意加入制度を取り入れれば、法律で定められている登録をしなくても、すぐに弁護士の免許が得られるメリットがあります。これはアメリカの制度に近い形です。

しかし、弁護士業は法科大学院を修了しただけでは、実際に業務をこなすことはできません。

そのため、弁護士会は司法試験を合格したばかりの人を、ボランティア的な形で一人前に育てるような機能があるのです。

もし、弁護士会への加入任意制度を取り入れてしまうと、十分に活躍できない弁護士が増えてしまうリスクがあるのです。つまり、社会的な混乱を招いてしまうリスクが生じてしまいます。

司法試験の合格者を減らせば、有資格者が就職先で溢れにくくなります。 すると、登録後の収入が確保できるので、弁護士会への会費を払いやすくなります。

2019年は司法試験に1502人が合格しました。2006年の新司法試験導入後、合格者は2000人を超えていたのと比べると、減ってきています。

しかし、すべての人を就職させるのは、1000人程度が限界といわれています。つまり、容易に減らすこともできず、司法制度改革の考え直しも迫られるのです。

これらのことから、今なお弁護士未登録の問題に有効な解決策はなく、大きいものとなっています。

弁護士登録の条件

ハートのロープ 弁護士になるためには、ここまで説明してきた通り、弁護士会と日弁連への登録が必要です。そこで、ここでは弁護士登録の条件、手続きの方法について説明しいていきます。

書類の準備

弁護士登録には以下の書類が必要です。

  • 入会申込書
  • 弁護士名簿登録請求書
  • 誓約書
  • 履歴書
  • 質問事項書
  • 連絡先回答書
  • 弁護士記章仕様希望届
  • 個人情報の第三者提供に関する同意書
  • 身分証明書発行申込書
  • 戸籍氏名に外字を使用している場合の氏名表記について
  • 職務上の氏名の届出書・使用許可申請書
  • 弁護士となる資格を証明する書面
  • 戸籍抄本、戸籍謄本、戸籍記載事項証明書
  • 身分証明書
  • 後見登記ファイルに登記されていない証明書
  • 振り込み明細コピー

これらの書類の提出は、郵送か窓口に持参する方法で行います。

面接

書類を提出したら、あとは弁護士になるのを待つだけ、ではありません。 各弁護士会と日弁連による面接を受ける必要があります。

書類の提出だけでもさまざまなものが求められますが、弁護士業は重要かつ高度な職務であるため、面接の通過も必要となる場合があるのです。

必要書類の提出を終えれば、安心してしまうかもしれませんが、弁護士の免許のためには面接がある場合があることを忘れないでください。

それを終えれば、弁護士の資格が与えられます。

弁護士登録についてのまとめ

弁護士登録についてのまとめ

  • 弁護士登録をしない人が増えている
  • 弁護士会に登録しないと弁護士として働けない
  • 弁護士会への登録には膨大な費用がかかる
  • 弁護士未登録の問題を解決するためにさまざまな意見がある

司法制度改革が行われた後、司法試験に合格する人が増えた一方、弁護士会に登録しない人が増えています

その理由としていわれているのが、法科大学院を修了までに膨大な費用がかかるため、弁護士会への入会金を出せないのです。

さらに、弁護士会への登録をした後も、高い会費がかかってくるので、登録ができないのです。

弁護士会へ登録をしないと、弁護士として働けないので、大きな問題となっています。

弁護士未登録の問題を解決するためにさまざまな意見が出ていますが、今なお解決されずに残っています

ただし、お金の問題などは、認識していればある程度は準備ができます。 弁護士登録のために、少しでも対策を取るようにしましょう。