税理士の副業は可能?在宅副業のやり方や副業を始める際の注意点を紹介!

更新日時 2019/12/11

現在は副業解禁が政策的にも、経団連などの団体から推奨されるようになってきました。これは一般の会社員の場合についてです。

では、自由業であり税理士法等の規制がある税理士はどうなのでしょうか?

基本的には「できる」という結論になります。ただし、使用者である税理士によって雇用されている「所属税理士」の方は要注意です。

また、税理士資格を持たない税理士法人の従業員については、一般企業と同様の制約を受ける程度ですので、副業が就業規則によって認められていれば、在宅での税務業務以外の副業も可能となります。

是非この記事を一読して、ご自身の収入をワンランクアップさせましょう。

税理士の副業についてざっくり説明すると

  • 開業税理士は副業を始めることはかなり自由である
  • 税理士として雇われている「所属税理士」は要注意!
  • 補助者として勤めているだけの人は副業がしやすい
  • 税理士資格がないとできない副業もある

税理士の副業ってアリ?

副業についての疑問

最近、安倍政権などの政策により「副業解禁」という世間的な流れができています。

そもそも税理士にとって副業とはどのようになっているのでしょうか?

そもそも税理士の「本業」は2つ

税理士の本業は税理士法2条を要約すると、次のようになっています。

  1. 税務代理
  2. 税務書類の作成
  3. 税務相談

上記の3つは税理士の独占業務となっており、資格を持たない人は無報酬であってもすることができず、罰則も用意されています。

また、もう一つの本業は「上記3つの付随業務」として、経営者に対する節税施策やコストカット戦略の立案を行うなどのコンサル業務もあります。

このうち、前者の3つに関してはリモートでの作業が可能であるため、最近ではリモートワークやクラウドワークスからの請負により、在宅での副業の形で行う税理士が増えています

税理士の「副業」ってなんだ?

これは一般企業の例ですが、厚生労働省が作成した「モデル就業規則」というものがあります。

第14章 副業・兼業 (副業・兼業)

第68条  労働者は、勤務時間外において、他の会社等の業務に従事することができる。

2 労働者は、前項の業務に従事するにあたっては、事前に、会社に所定の届出を行うものとする。

3 第1項の業務に従事することにより、次の各号のいずれかに該当する場合には 、会社は、これを禁止又は制限することができる。

① 労務提供上の支障がある場合

② 企業秘密が漏洩する場合

③ 会社の名誉や信用を損なう行為や、信頼関係を破壊する行為がある場合

④ 競業により、企業の利益を害する場合 モデル就業規則

この他に、「守秘義務」「忠実義務」などが税理士には税理士法により課せられています。

上記のことから就業規則などのルールを守り、会社との合意ができれば副業はしても構わないというものです。

副業するために必要なこと

副業をするために必要なのは、「会社として副業を認めていること」「副業をするだけの時間的余裕があること」「副業するだけの知識や人脈があること」の3点です。

特に冒頭で紹介したような税務事務を代行する場合には、税法の改正などがあるたびに知識をアップデートしていく必要があります。

また、副業で収入を多くできたとしても、そのお金を使う「時間」がなければ、働きすぎになったり、家族で旅行などをすることもできません。

幸せの三大要素は「人」「お金」「時間」といわれています。

これらがバランスをとっていないと、「お金がないから遊べない」「お金を稼ぐためだけに人生の大切な時間を使っている」という、不幸な結末になるので注意しましょう。

所属税理士は副業をする際に注意が必要!

副業の注意喚起

所属税理士とは、税理士又は税理士法人の補助者として従事する税理士のことを指します。

細かな注意事項は、所属税理士制度に関するQ&Aとして、日本税理士会業務対策部がまとめています。

簡単に箇条書にすると以下の様な制約が規定されています。

  • 所属税理士が副業として税理士業務を行う場合には、その都度その使用者である税理士又は税理士法人から書面による承諾を得る必要があります

  • 所属税理士は上記の承諾を得た場合には、自信が所属税理士である旨などを記載した書面に、上記の承諾を受けたことを証する書面の写しを添付し、それを依頼者に対して交付、説明する義務があります。

その他、一般の会社員などと違った制約を受けることは知っておくべきでしょう

税理士の副業の種類と収入

副業で得るお金

上記では税理士事務所等や税理士法人で働く所属税理士について注意喚起をしましたが、開業税理士ならどうなのでしょうか?

開業税理士についての副業の制限をする規定は、一般的な「守秘義務」や「忠実義務」などを除けば自由に副業ができるように規定されています

それでは税理士の副業について検討してみましょう!

おすすめの副業①在宅税務処理

在宅の税務処理は、税理士法の規定により税理士しか行うことができません。

これを逆に考えると、税理士である以上「独占業務」として認められているわけですから、競合が少なく、単価も良い仕事が多いです。

その方法は、インターネットでクラウドワークスに登録するか、長いこと税理士法人に勤めてそこから仕事をテレワークなどの形で請け負う2つのやり方です。

その収入も高めで、給与計算で単価5,000円から15,000円、申告業務のサポートで5,000円前後、記帳代行は時給1,000円から2,000円が相場です。

副業としては十分納得できる収入になるのでぜひ挑戦してみてください。

おすすめの副業②アフィリエイト

初期投資や時間的な制約が少なくてもできる副業の代表例として、ブログなどのメディアを活用するという方法があります

例えば自身の個人ブログであれ、事務所のブログであれ、アフィリエイト広告を載せることにより、アクセスを集めて広告に載っている商品が受注されればお金が稼げるという仕組みです。

しかし、簡単そうに紹介しましたが、実際にアフィリエイトで月に10万円以上稼ぐ場合には、多くのアクセスを集めるために試行錯誤し、トライ&エラーを繰り返すことになるでしょう。

そのためブログがGoogle検索で上位に表示されるようなSEO対策や、場合によっては簡単なレベルのプログラミングの知識が要求されます。

おすすめの副業③予備校講師

副業の中でも一押しなのがご自身の税理士試験合格経験を生かして予備校で講師をすることです。

自身が通ってきた道でり、ノウハウ自体はすでに身についているので、生徒に対して分かりやすく教えられるメリットがります。

資格予備校は、平日の夜間や週末などに講義時間を設定していることが多いので、本業と両立しやすいです。

また、特殊な知識を売る商売であるため比較的時給も良く、開業したてで収入が安定するまでの手段としてもおすすめです。

そして注目すべきは、一部の科目合格者だけでも税理士受験指導を任せてもらえる予備校もあるということです。

そのため、事務所勤務の一部科目合格者の方でも、事務所の同意を得ること等の条件を満たせば講師としてデビューすることができます

YouTubeなどのメディア露出も

最近はYouTubeなどの動画配信を通じて広告による収入を副業とする方も多くなってきました

具体的には、どこかの会議室を借りたセミナーを行う代わりに、YouTubeで税金の専門知識を広めるというものです。

ただし、YouTubeは競合するライバルが多いため、生半可な努力ではメディアで活躍することはできません。

ある程度本業に余裕が出てきてからでないと難しいといえます。

実務経験の浅さが動画の質にも影響してくるために、ある程度の経験やノウハウを身につけていた方が説得力が増します。

またテレビやYouTubeではなくても、本を書いた入り講演会をするという方法もありますが、これも関係者との強力なコネクションが必要です。

副業のメリットとデメリットは?

天秤でメリットなどを比較

税理士の副業のメリット

「時間」と「場所」の自由

副業はいつ仕事をしなければいけないという決まりはありません。

もちろん納期などがある場合もありますが、クラウドワークスなどであれば場所や時間を選ばずに業務を遂行することができます。

そのため、本業の税理士業の繁忙期には副業の量を減らしたり、比較的時間のあるときには副業の量を増やすなど、自由に仕事量を決めることができます。

「お金」の自由

税理士業は国家資格の中でも社会的に信頼されるステータスをもっていますが、あくまで自営業です。

そのため仕事が入ってこなければ従業員の給与など費用だけが発生し、自分の生活費が残らないという心配もあります。

税理士業にもう一つ副業を加えることで、収入が増える安心感や金銭的な余裕が生まれるというものです。

本業との相乗効果

副業をしていると、良い仕事ができたときに副業で出合った方から顧問契約の依頼があったり、新しい仕事の案件を紹介されることがあります。

例えばコンサル業務に力を入れている税理士や、相続税の申告を中心にしている税理士が相乗効果を発揮します。

「知り合いが困っているから助けてくれませんか」と言われれば、大チャンスです。副業をきっかけに本業を大きくすることもできるのです

税理士の副業のデメリット

本業との折り合い

副業が忙しすぎると、副業によって本業に割く時間や、考えるべきことを考える余裕が奪われ、本業に支障が出かねません。

副業によって本業が妨げられたり、本業以上に稼いでしまった場合には副業の制限や処分の対象となることがあります。

平日稼働が難しい

本業として税理士を行っている関係で、平日の日中の稼働が難しいことが挙げられます。

土日祝日は税務署は休みですし、クライアントの多くが希望する仕事の時間帯は平日の日中です。

クライアントとのアポイントメントや会合の日程調整がしにくいことは否めません。

「副業」でなめられる

クライアントとしては、副業で税理士をしている方に仕事をお願いするのは、心理的に抵抗があることは否めません。

税理士側が本気でも、クライアントが「私が依頼した仕事は、本業のクライアントに劣る優先度なのかな」などという気持ちになる可能性があります。

そのため、同じ業務を頼むのなら本業で税理士業務のみだけをしている税理士の方を選んでしまうという、クライアントの心情も考慮しなければなりません。

副業をする際の注意点

副業の風景

税理士が副業をするにはどのようなことに気をつけなければならないでしょうか。以下に注意点を3つ挙げてみました。

注意深く読んでいただき、万一でも規則に触れないように注意しましょう。

会社の就業規則をご一読

いくら社会の流れが「副業解禁」となっていても、ご自身が勤められている会社が副業を認めていなければ、副業はするべきではありません。

たとえ隠れてやっても、税金の申告はしなければいけませんので、市民税の特別徴収(会社が給与を払う際に市民税を徴収する制度です)で、会社には副業している所得がばれてしまいます。

そうすると、会社から何らかの懲戒処分を受ける可能性が高いのです。

副業は基本的に「会社に届け出」してからでないとできない会社が多いです。特に税理士法人などでは就業規則に「副業禁止」規定が盛り込まれていることが多く、一般の職員なら法人からの懲戒処分があります。

また、所属税理士が税理士法施行規則に定める所属税理士の義務を守らずに副業として税理士業務をしてしまうと、税理士会からの懲戒もあり、業務禁止などの処分がされることもあり仕事ができなくなってしまいます

過労には気をつけて

基本的に副業を行う場合は、休日や平日の夜中になってしまうことが多いです。若い人なら徹夜でもできるものの、年齢を重ねるにつれ、在宅で仕事をするのは辛いものです。

副業といっても、クライアントからすればプロに頼んだ大切な仕事ですから、年齢や疲労などは言っておられず、年配の方でも徹夜で副業をする方も少なからずいらっしゃいます。

頑張りすぎて体調を崩してしまって、入院などになってしまっては元も子もありません。

また、重度の病気や障害状態になってしまうと、法令上「心身の故障」として、税理士業務ができなくなる可能性もあります。

しっかりと健康に気をつけながら無理せず頑張ることが必要です

まわりとのバランスも

副業を始める際に最も大切なことは、まわりの理解を得ることです。

職場の上司、同僚、そして家族とよく相談してから始める必要があります。仕事場で疲れすぎているように見えたときには、上司からブレーキをかけてもらうなど、自分では気付かない異常にも備えるべきです。

特に家族とはよく話し合うべきです。休日や平日夜の一家団欒の時間を仕事に使うことになります。

これに納得しておいてもらわないと、家族の健康の話、旅行の話、子供の成績の話などをおろそかにしてしまい、後々家族と大きな軋轢を生んでしまう可能性があります。

税理士の副業まとめ

税理士の副業のまとめ

  • たとえ在宅ワークであっても、税務業務は税理士しかできない
  • 就業規則以外に、関連する法令も調べておく必要がある
  • 所属税理士なのか、一般の補助者なのかで規制に違いがある
  • 健康と家族を大切に

所属税理士の場合の規制が面倒なのですが、法令をきちんと守れば所属税理士も自分の名前で税務業務を受任することができます。

それ以外は一般の会社員と変わらない規制が採られていますので就業規則を一度チェックしてみるといいでしょう。

また、繰り返しになりますが税務業務は「税理士資格者(登録者)」しか自分の名前ですることができませんので、自分の可能性を広げたいという方は税理士試験に挑戦してみるといいでしょう。